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資産負債アプローチAssets and liabilities approach
資産負債アプローチとは、資産と負債を中心的な基本概念として位置づけ、両者の差額として導き出される純資産額の期中変化分が利益であると考えるアプローチ方法である。
資産負債アプローチに対立する概念として、収益費用アプローチがある。収益費用アプローチとは、収益と費用を会計の中心概念として理解し、両者の差額をもって利益を測定するアプローチ方法である。この場合、貸借対照表は収入・支出のうち、収益・費用とならなかった部分を収容する集計表として位置づけられる。
国際財務報告基準(以下、IFRS)は「財務報告に関する概念フレームワーク」で財務諸表の構成要素を定義している。その定義によると、収益から費用を控除して算定される利益は資産・負債の会計期間中の変動ととらえられる。こうしたことからIFRSは負債資産アプローチを採用しているものと思われる。
従来、日本の「企業会計原則」は損益計算書原則を先に配置し、損益法等式での利益測定のみを規定いる点で、収益費用アプローチを重視してきたといえる。しかし、近年ではIFRSとのコンバージェンスが進む中、退職給付金会計・減損会計等、資産負債アプローチに沿った会計基準も適用され始めている。
なお、資産負債アプローチがより注目されている背景・理由として、現在の株主だけではなく将来株主になる可能性のある投資家に対しても、投資意思決定に有用な情報を提供することが求められているといった点が挙げられる。この目的を達成する為に、収益費用アプローチによる過去の利益情報だけでなく、将来の企業成果を予測し、現在の企業価値を測定する為の情報として資産や負債の認識および測定が重視されている。
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