単科生制度の概要

単科生対象科目

カリキュラムの特徴

「ヒト・モノ・カネ」という既存のMBA領域に「思考」「テクノべ―ト(テクノロジー×イノベーション)」「創造」「変革」領域と意思決定の場面で判断のよりどころとなる「志」を醸成する独自領域を加えたものが、「グロービスのMBA」です。ビジネス環境が変われば、求められる能力も変わります。私たちは、既存の枠にとらわれず常に次代を見据え、カリキュラムを進化させ続けます。

カリキュラムの設計思想を説明する概念図

単科生対象科目(2024年度)

単科⽣制度を利⽤して受講できる科目は15科目。本科⽣と同じ授業を受講できます。単科⽣として学び始める⽅の多くが、「クリティカル・シンキング」もしくは「マーケティング・経営戦略基礎」から学び始めています。各科目の詳細は以下のプルダウンから選択してご確認ください。

ビジネスを実践していく上での基礎体力を養う

社会人に必要不可欠な論理思考力(ロジカルシンキング)を鍛える科目です。ロジカルシンキングのスキルは、考え方を理解することは難しくないのですが、それらを実務で使えるレベルで身に付けるには数々のハードルが存在します。この科目では、数多くの演習とディスカッションを通じてアウトプットを繰り返し、こうしたハードルを乗り越えます。

2024年4月期からクリティカル・シンキングのクラスは年代別に分かれます(東京校・オンライン校のみ)。背景やクラス選択の方法などの詳細はこちらのページをご確認ください。

学びのテーマ

論理的に考えるとは / 論理を構築するためのポイント / 主張を考える・根拠を考える / 問題解決の基礎技術 / 問題解決の進める際の考え方 / 相手に納得してもらう伝え方 / コミュニケーションをする際に活用するツール

理論を実務で使えるレベルで身につける

この科目は、ビジネススクールで扱う「経営戦略」「マーケティング」領域の全体像を理解することを第一の目的としています。これらの領域の代表的なフレームワークやそれらをビジネスで使う際の留意点を実際の国内外の企業ケースの分析とディスカッションを通じて学び、フレームワークを実務で活かせるレベルで身につけることを目指します。

学びのテーマ

事業戦略における環境分析 / 事業戦略における競争優位性の構築 / 全社戦略(資源配分、事業拡大と多角化、経営資源の補完、シナジー) / 全社戦略(ドメイン、資源配分、事業拡大と多角化、経営資源の補完) / マーケティングプロセスの全体像、分析と立案のプロセス / マーケティング戦略における施策立案(マーケティング・ミックス<4P>)

ディスカッションを通じマーケティングの「思考の型」を身体に染み込ませる

この科目は、「基本的なマーケティング力の体得」を狙いとしています。市場環境、競合状況、産業や顧客タイプなどのバラエティに富んだケース(企業事例)を題材に取りながら、マーケティング戦略立案の基本プロセスを体感します。ビジネスが「顧客」の存在によって成り立つものである以上、あらゆるビジネスパーソンが身につけておかなければならないスキルの1つです。

学びのテーマ

マーケティングの全体像、新市場参入におけるマーケティングの役割 / 競争環境と市場調査から導くマーケティングプラン / マーケティング・ミックス構築の意思決定 / 法人顧客の特性を踏まえたマーケティング戦略 / 価格戦略 / マーケティング戦略立案と実行 / 新時代のメディア活用とブランド戦略 / デジタル化時代に対応するマーケティング戦略

企業活動の成績を示す財務諸表から企業の現状や戦略を読み解く力をつける

この科目では、ビジネスリーダーにとって最低限必要とされる財務会計・管理会計の基礎知識と、それらを用いた意思決定能力を身につけます。特に企業経営における会計の役割、基本的な概念や分析手法を理解したうえで、戦略や事業の現状、特徴がどのように財務データに反映されているのか、財務データから経営上の問題をどう発見し、意思決定を行えばよいのかについて考えていきます。

学びのテーマ

財務数値によるビジネスの活動の測定 / ビジネスの活動と3つの財務諸表とのつながり / 指標分析 / 事業構造の把握 / 財務予測 / コントロールシステムの設計と運用

財務諸表から経営課題を読み取る力を鍛え、確度の高い意思決定力を得る

この科目では、マネジメントの立場で、企業の経営状態を表現する「ビジネスの共通言語」である会計を修得し、財務情報を活用した問題発見能力・意思決定能力を高めることを目的としています。企業の戦略が財務諸表にどう表れているかを理解し、財務情報を元に経営上の問題がどこにあるのか、どう対処すべきか、あるいはどう変えたらよいのかを考えることで、財務情報を経営判断に活かせるようになることを目標としています。

学びのテーマ

財務指標と事業構造(事業特性と財務指標分析) / 事業構造の理解と財務予測による戦略の定量化を通じて、意思決定プロセスの全体像を捉える / 財務指標と事業構造 / 事業予測 / コンプライアンス及びガバナンス(不正会計) / コンプライアンス及びガバナンス(会計処理方針と財務諸表)

組織を動かすリーダーのあり方を学び、目標達成に導く能力と志を磨く

この科目では、戦略に沿った目標の達成に向けて、メンバーを導くリーダーとしてどんな行動を取るべきなのかを議論します。同時に、自分の行動を振り返り、学んだことを「机上の空論」に終わらせず、ビジネスの現場で実践し、成果につなげていくことを目的とします。授業では、さまざまな困難に直面するリーダー(経営者やマネジャー)が登場するケースを用います。過酷な状況の中、事業環境や事業特性など経営戦略の分析を踏まえた上で、リーダーが組織を導くための解決策を検討していきます。

学びのテーマ

変革におけるミドルリーダーの葛藤と成長 / 企業経営とリーダーシップ / エンパワーメントを活用した組織運営 / グループ・マネジメントと組織活性化 / 組織変革のマネジメント / イノベーションを導くリーダーシップと組織 / 起業家精神のマネジメント

戦略とそれを実行するヒトや組織のつながりを考える

この科目では、戦略の実行を効果的に行うために、組織目標へ向け組織構成員を効果的に動かす「仕組み」(人材マネジメント)を活用することを目指す、全てのリーダーを対象としています。経営において人材マネジメントが果たす役割について理解し、戦略実行ツールとして人的資源をどのように活用していったらよいのかについて考える力を磨くことを狙いとしています。

学びのテーマ

企業におけるモチベーションマネジメントのありかたとは(評価・報酬制度) / 企業におけるリソースマネジメントのありかたとは(採用・配置) / なぜ人材マネジメントが必要なのか / どのように人材マネジメント上の意思決定を行うか / 多様な人材を活用するには / マネジャーの立場でのHRMの活用

企業が将来生み出す価値を見極めるための分析手法と考え方を学ぶ

この科目では、ファイナンスの基本的な考え方を学習します。特に「企業価値を最大化するとは何か」「事業投資の意思決定に最低限必要なスキル・視点・留意点とは何か」を中心に学びます。
特に、ファイナンスの全体像とエッセンスの理解、企業経営においてファイナンスが果たす役割を説明できるようになること、ビジネスの現場で実際に基本的分析ができるようになること、にフォーカスしています。

学びのテーマ

ファイナンスの目的と全体像 / キャッシュフローと金銭の時間的価値 / 事業の価値をはかる / 事業投資の意思決定 / リスクとは何か / 企業価値を高めるために / 企業価値評価の諸論点

テクノベート時代のビジネス・リテラシーを身に付ける

この科目では、モノ・カネ領域として、テクノベートがビジネスにもたらす可能性の理解、思考領域として、AIの理解と時代に合わせた問題解決アプローチ、ヒト領域として、テクノベート時代に求められるリーダーシップやキャリアについて学びます。デジタル時代に求められる基礎となるビジネス・リテラシーを身に付けることを目的とします。

学びのテーマ

ビジネス環境の変化(VUCA) / 3つの問題解決手法(クリティカル・シンキング、テクノベート・シンキング、デザイン・シンキング) / AIの思考の特徴(強み、弱み) / 人の思考の特徴(強み、弱み) / DX推進のための課題 / ビジネス課題をテクノロジーで解決する / 社会的課題をテクノロジーで解決する / ビジネス課題、社会的課題を解決する可能性のあるテクノロジーについて考える / 時代に求められるアプローチ / 求められるリーダーシップ / テクノベート時代のキャリア

企業価値を定量的に評価し、経営者や投資家の視点でビジネスを見る目を養う

この科目では、ケースを通じた疑似体験を重ねることでファイナンス理論の修得を目指します。「ファイナンス基礎」クラスで学んだ知識・視点をベースに、企業価値向上に資する事業投資をどのように見極め、そして実施すべきか、さらに、負債と株主資本をどのように組み合わせるのが企業にとって最適なのか、を中心に学びます。

学びのテーマ

ファイナンスにおける基礎的概念の確認 / キャッシュフローの増分分析と事業採算性の検証 / 企業価値評価(バリュエーション)の基本と資金調達 / バリュエーションと投資判断 / 資本コストと資金調達政策 / 総合的な事業投資判断 / 「所有」から「利用」へ:サブスクリプションモデルの特徴

現状を分析する力を身につけるとともに、戦略の方向性やアクションプランを決める力を習得する

この科目では、企業の置かれている状況を理解し、どうすれば成功できるのか、どうすれば持続的な競争優位性を築くことができるのかを経営者の視点で考え、意思決定のシミュレーションを行います。その結果として、戦略策定に必要な思考プロセスを身につけることを狙いとしています。

学びのテーマ

経営戦略の基本 / 事業特性把握 / 成長戦略の立案 / 持続的成長 / デジタル化戦略 / 競争優位の確立 / 新規事業の戦略 / 事業開発 / デジタル経済下のビジネスモデル

参加者・関係者との「協働」により新たな方法や枠組みを生み出す力を養う

この科目では、合意形成のために、 ファシリテーター、ネゴシエーターとして、何をすればよいのか。人々を巻き込んで行くために必要なこと、交渉において価値を創造するために必要なことを意識しながら、基本的な役割、準備、現場で意識すべきことなど再現性のある実践的なファシリテーター、ネゴシエーターの考え方やスキルを学んでいきます。

学びのテーマ

ファシリテーションの全体像 / 「仕込み」の詳細 / 「さばき」の方向性 / 「仕込み」と「さばき」の総合実践及び留意点 / ファシリテーション総合演習・対立のマネジメント / 交渉の全体像・基本概念 (二者間・単一争点交渉) / 交渉における価値の創造・交渉のスタイル / 交渉における障害とその克服

聴き手に理解・納得・共感してもらい、自分が望む行動をとってもらうための能力を磨く

この科目では、授業で数多くの演習に取り組み、資料の作成や実演を行うことで、プレゼンターとしてのトレーニングをくり返すとともに、聴き手がさまざまなプレゼンテーションをどのように受け取るかを体感しながら、伝わり、動かすプレゼンテーションを追求していきます。「クリティカル・シンキング」で学んだ内容をベースに論理的なプレゼンテーションを構築・実施していく方法を学んでいきます。

学びのテーマ

プレゼンテーションの全体像 / メッセージを作成する、メッセージを支えるロジック構築、プレゼンテーション実施のポイント / 聴き手の理解・ストーリーラインの構築 / プレゼンテーション全体の構造を作る「ピザハット株式会社」 / プレゼンテーション資料の作成 / 総合演習「ナガホリデンキ」

勘と経験に頼るのではなく数値的根拠に基づいて判断する力を鍛える

この科目では、仮説を立て、定量的な分析によって検証し、結果を説明するという一連の流れと手法を学びます。専門的な定量分析テクニックではなく、多くのビジネスパーソンに必要な分析の基礎を身に付ける内容です。

学びのテーマ

定量分析の意義、定量分析の全体像 / データ収集 / 定量分析のプロセスと分析の視点 / アウトプットを分析する視点と分析アプローチ / アウトプット-インプット間のメカニズムを帰納的に分析する / 不確実性下での意思決定 / 複雑なメカニズムを分析する

オペレーション・マネジメントおよびサプライチェーン・マネジメントの考え方を理解し、経営上の意思決定に活かす

この科目では、経営戦略を実行するためのビジネスシステム(開発、生産、流通、販売など)の設計・マネジメントに関する諸理論やフレームワークを理解します。また、ビジネス・オペレーションを経営理念・経営戦略との相互関係の視点から理解し、優位性を築くためのマネジメントのあり方について分析し、戦略立案を行います。

学びのテーマ

業務プロセス・キャパシティ・コスト分析 / ボトルネック分析と ビジネス・プロセス・コントロール / 自動車の生産におけるオペレーション / トヨタ生産方式の仕組みと思想 / 生産、マーケティング、物流 / サプライチェーン・マネジメント / サプライチェーンマネジメントによる競争力の強化

単科⽣対象科⽬⼀覧

限られた授業時間の中で学習効果を最大化するため、科目によっては一定レベルの知識や実務経験を備えていることを前提に設計されています。そのため、以下のような順序で学びを進められることを推奨しております。

まず、学び始めの段階では、あらゆる科目の土台となる問題解決力/コミュニケーション力や、ヒト・モノ・カネ・テクノベートに関する基礎知識・スキルを身に付けます。その後の科目では、身に付けた知識・スキルを活かして複雑なケース(企業事例)に取り組むことで、実践力を強化します。そして、基本科目の集大成となる科目を受講することで、ヒト・モノ・カネを網羅した意思決定力を強化します。

応募方法・審査内容

初めて単科生としての受講を希望する方は、最初に単科受講審査に合格する必要があります。応募フォームから「職務経験」と「志望動機」(それぞれ400文字程度)の提出をお願いしています。お申込方法は、合格した方から順にご案内します。お申込の期限は、各クラス開講日の2週間前までです。

人生を変える経験が、
ここに。
グロービスMBAでの2年間

グロービス経営大学院での学生生活についてご紹介します。
先行受講期間(単科生)の入学前から、入学後本科生としての学生生活や卒業後も続くグロービスの仲間とのつながりなどご確認いただけます。

よくあるご質問FAQ

  • 受講前に、どのような授業が行われるのか体験できる機会はありますか?

    各キャンパス(東京・大阪・名古屋・福岡・オンライン)、特設キャンパス(仙台、横浜、茨城水戸)にて「体験クラス&説明会」を随時開催しておりますので、ぜひご参加ください。参加費は無料です。開催日程はこちらのページからご確認いただけます。

  • カリキュラムの特徴は何ですか?

    グロービス経営大学院は「創造と変革の志士」を世に送りだすことをミッションとしています。したがって、経営能力の体系的な修得のみならず、「創造と変革」を担うリーダーにふさわしい「志」や「人間力」を育むカリキュラムをご用意しています。カリキュラムの特徴はこちらのページをご覧ください。

  • グロービスではどのような教員が登壇しているのですか?

    グロービス経営大学院に登壇する教員は、経営に関する体系的な知識はもちろん、経営者やコンサルタントなどの実務経験、専門分野での知見を持ち合わせるプロフェッショナルです。加えて、授業の中で議論をコントロールし、学生の「考える力」を鍛えていくための「高いファシリテーション能力」を有しています。個々の教員の紹介についてはこちらのページからご覧いただけます。

  • 初めて受講するのですが、どの科目から受講すればよいですか?

    論理思考力を鍛える「クリティカル・シンキング」からの受講をおすすめしています。初受講の方の約7割がこの科目から受講をスタートされています。また、約2割が経営の基礎的な知識を実践レベルまで身につける「マーケティング・経営戦略基礎」を選ばれています。どのような業界職種の方でも必要となる力を鍛えるこれらの科目は、初めて受講される方におすすめです。

  • 科目の選択や受講の計画について相談できますか?

    はい。各キャンパスにて個別相談を行っていますので、お気軽にご連絡ください。個別相談は予約制となっています。詳しくはこちらをご覧ください。