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投稿日:2022年03月16日 更新日:2024年09月18日
投稿日:2022年03月16日
更新日:2024年09月18日
【超図解】クリティカル・シンキングとは?身につける方法を解説
- 岩越 祥晃
- グロービス経営大学院教員/グロービス・マネジメント・スクール教員
VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った、昨今の環境変化の予測が困難になっている状態を示す造語。
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経験や直感だけに頼らず「客観的な視点で」考えるためのスキル
クリティカル・シンキングとは「経験や直感だけに頼らず、客観的な視点で分析し、問題を解決する力。客観的な視点で考えた内容を周囲の人に納得感のあるかたちで伝える力」と、グロービス経営大学院では定義しています。
このコラムではまず「クリティカル・シンキング(批判的思考)とは何か?」「ロジカル・シンキング(論理的思考)との違いは何か?」を押さえます。その上で、不確実性や複雑性が増しつづける今の時代に、「クリティカル・シンキングが、なぜ今求められるのか?」「どうすればクリティカル・シンキングのスキルを身につけ、仕事に活かすことができるのか?」について触れたいと思います。
「クリティカル・シンキング」と「ロジカル・シンキング」の違いとは?
「クリティカル・シンキング(批判的思考)」と「ロジカル・シンキング(論理的思考)」は、それぞれがカバーしている領域が異なります。
具体的に見ていきましょう。まず「ロジカル・シンキング(論理的思考)」は、論理的に物事を考えるためのスキル全般を含んでいます。
例えば、「MECEに分解しながら、ロジックツリーを作る」「ピラミッド・ストラクチャーをつかって、自分の考えを構造化する」「演繹法・帰納法をつかって論理展開を考える」など。これらは「ロジカル・シンキング(論理的思考)」の一部のスキルですが、書店に並んでいる「ロジカル・シンキング」もしくは「論理的思考」という名の付いた書籍には、必ず出てきます。皆さんもどこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。
ちなみに、グロービス経営大学院のカリキュラムマップの中で「クリティカル・シンキング」は、思考系と呼ばれる科目群に含まれており、科目紹介ページの冒頭には、「あらゆるビジネスパーソンに必須の論理思考力を身に付ける」と書かれています。つまり、「クリティカル・シンキング」と「ロジカル・シンキング」は、ほぼイコールに近い内容であることが分かります。しかし、グロービス経営大学院ではあえて、「ロジカル・シンキング」という科目名称を用いていません。その理由は、論理的に考えるための手法を知り、その内容を理解するだけでは、仕事で活かすことが難しいと考えているからです。
「クリティカル・シンキング」とは「ものごとを批判的に考え、判断する」ことです。論理的に考えるための手法以外にも、「批判的精神(クリティカル・マインド)」が含まれているのです。「自分の考えを常に疑う姿勢」と言ってもよいかもしれません。
例えば、「自分に都合のよいロジックを組んでいないか?」「自分の考えを誰かに伝えた際、相手の反論をあらかじめ考えているか?」「その情報は本当に正しいのか?」「事実と意見、目的と手段などをわけて考えているか?」といった問いを自らに投げかけ、常に自分の考えに対して懐疑的であるというマインドも「クリティカル・シンキング」には含まれます。
「論理的思考スキルだけではなく、こうした健全な批判的精神(クリティカル・マインド)も同時に身に付けるためにはどうすればよいのか?」については、後ほど詳しく触れたいと思います。
ここでは、「論理的に考えるとはどういうことなのか?」について、具体例をあげながらもう少し考えたいと思います。
「問いと答え(=主張と根拠のセット)」を考える
「論理的に考えるとは?」という質問に、あえて一言で答えるなら、「問いと答え(=主張と根拠のセット)を考えること」になるでしょう。
まず、「答えを出すべき問い」を設定し、その「問い」に対する「答え」を考える。その「答え」は自分の言いたいこと、つまり主張だけではなく、なぜそう考えたのかという根拠もセットで考える必要があります。
言われてみれば当たり前のことで、小学生の国語で習うレベルの話なのですが、実は多くのビジネスパーソンがこうしたことに意識が向いていません。私は10年以上、グロービス経営大学院で「クリティカル・シンキング」を教えていますが、このことを毎回の授業で痛感しています。
先ほど触れたことを踏まえると、論理的に考えた内容を誰かに説明する場合は、以下のような流れになるでしょう。
<問い>「今回、私の意見を述べたいテーマは、●●●●です※」
<答え①:主張>「このテーマについての私の考えは、■■■■です」
<答え②:根拠>「なぜなら、○○○○と△△△△と□□□□だからです。それぞれ、詳細を説明します…」
※誰かに説明する前に、自分の頭の中で考えを整理する際は、例えば「なぜ●●●●というトラブルが発生したのか?」といったように「問い」のかたちで考えます。
実際にこのような言葉づかいで説明するかは別ですが、少なくともこのような流れを意識して、事前に自分の考えを整理しておく必要があります。
具体例をあげて、考えてみましょう。チームリーダーであるあなたは、後輩のAさんにプロジェクトリーダーを任せたいと思っていますが、判断を迷っています。この場合、考えるべきことは以下のような内容になるでしょう。
<問い>「Aさんにプロジェクトリーダーを任せるべきか?」
<答え①:主張>「任せるべき」
<答え②:根拠>「実務経験の観点では…。保有能力の観点では…。成長意欲の観点では…」
ここで考えていただきたいのは、先ほど触れたように「問い」と「答え(主張と根拠)」を並べれば、「論理的かつ客観的な視点で考えられたと言えるのか?」です。これらを並べるだけなら、誰にでもすぐにできてしまいます。この場面で重要なことは、自分が考えた内容を懐疑的にチェックすることです。
あらゆる視点から自分の考えをチェックする
論理的に考える手法に沿って考えたとしても、客観性が担保できているわけではないのです。自分の考えを周囲に伝えた上で、理解してもらい、あなたが望んでいる行動を実際にとってもらうことまで考える必要があるのです。
聞き手のことを考慮せずに、先ほどの流れに沿って説明したとしましょう。
「私はAさんにプロジェクトリーダーを任せたいと考えています。理由は3つあります。実務経験の観点では…です。保有能力の観点では…です。成長意欲の観点では…です。それぞれの詳細を説明させていただくと…」
Aさんのことをよく知っていて、Aさんのことをほかの誰よりも高く評価している直属の上長である部長Xさんは、この説明で納得してくれるかもしれません。しかし、所属部門の担当役員であるYさんや営業現場のZさんも納得させることができるでしょうか。また、Aさんと同じチームのメンバーや今後、協業するプロジェクトメンバーの納得感がなければ、プロジェクトリーダーを任せた後のAさんやAさんを取り巻くメンバーのパフォーマンスにも影響を与えるでしょう。つまり、あなたにとって都合のよい(主観的な)内容で説明しても、周囲の納得感を得られない可能性があるのです。
では、YさんやZさんの立場を踏まえると、例えば、どんなことを考慮しておく必要があるでしょうか。
まずYさんは、Aさんだけに関心があるわけではない点を考慮する必要があります。担当役員であるZさんはあなたのチームだけでなく、担当部門内の全社員の人事について日頃から思考を巡らせているでしょうし、公平性の観点から、Aさん以外のプロジェクトリーダー候補者と比較してどうなのか、という観点も重視するでしょう。また、中長期的な全社戦略や事業戦略、人材育成戦略に沿っているのか、なども考慮しながら部門全体の業績への影響を考え、判断するでしょう。
また、Aさんと営業現場のZさんであれば、「Aさんがプロジェクトリーダーになってしまったら、営業の現場は回るのだろうか?」という観点を気にするかもしれません。
このように、自分の考えを客観的にチェックするためには、「さまざまな立場から自分の考えについて疑ってみる」ことが重要なのです。
今後、重要になるのは、「ユーザー起点で考えるデザイン思考や、自分の内面から湧き上がる想いを重視するアート思考なのでは?」、もしくは「テクノロジーの進化に適応するためのプログラミングスキルなのでは?」と考えている人や、「論理的思考はもう古い。環境変化の激しい今の時代には通用しないのでは?」と思っている人がいるのではないでしょうか。こうした「クリティカル・シンキングのオワコン説」は、本当なのでしょうか。
結論からお伝えすると、「クリティカル・シンキング」のスキルは今後、より必要性が増すと言えます。言い方を変えると「クリティカル・シンキング」を身に付けていない人は、ビジネスパーソンとしてのバリューが落ち続け、環境変化の激しいこれからの時代を生き抜くのは相当厳しくなるでしょう。
理由は極めてシンプルです。今後は間違いなく、「やったことがある(経験)」「知っている(知識)」の価値が暴落するからです。
体験談やさまざまな情報に容易にアクセスすることが難しかったこれまでの時代は、経験豊富でさまざまな知識を持っている人が重宝されていました。市場環境や競争環境の変化が緩やかだったので、蓄積してきた経験や知識を活かすことで、日々直面する問題を容易に解決することができたからです。
しかし、私たちは今、環境変化の予測が難しい「VUCA時代」を生きています。これまで直面したことがない「未知の問題」が増えると同時に、経験と知識さえあれば解決できたはずの「既知の問題」の割合が急激に減少しています。「未知の問題」に対処するには、経験や知識に頼らず、ゼロベースかつ客観的な視点を意識しながら、論理的に自分の頭で考え抜く力=クリティカル・シンキングが必要なのです。
一方で、冒頭で触れたデザイン思考やアート思考が必要ないと言っているわけではありません。これらの思考スキルと論理的思考スキルに優劣があるわけではないからです。これらのスキルを「対立(VS)」するものと捉えるのではなく、「共存(WITH)」させ、巧みにつかい分けられる人が、最も環境変化に適応できるビジネスパーソンになれるのです。なぜならそれぞれの思考スキルには、役割があるからなのです。簡単に役割を見ていきたいと思います。
「論理的思考」「デザイン思考」「アート思考」の違いとは?
「論理的思考」は、顕在化している問題の特定と解決を主な目的としています。これらの目的を達成するために、前述の通り、「問いと考え(=主張と根拠のセット)」を組み立てるアプローチを取ります。客観性に重きを置いているため、常に「第三者の立場にいる人なら、どんなツッコミを入れてくるだろうか?」といった3人称的視点で、自らの思考を批判的、懐疑的にチェックすることが求められます。
一方で、「デザイン思考」は、潜在的な問題の発見と解決を主な目的とした考え方です。目に見えない問題をあぶり出すためにユーザーを徹底的に観察し、ユーザーと対話し、プロトタイプを作り、それらを実際にユーザーにつかってもらいながら検証するというサイクルを繰り返します。根幹にあるのは、ユーザーへの共感なので、デザイン思考は常に、「あなた」を主語にして考える、2人称的なアプローチを取ります。
「アート思考」は、心から解決したいと思える問題を発見することを主な目的としています。内面から自然と湧き上がってくる衝動を起点に、「わたし」を主語にした1人称的なアプローチを取り、「自分と他者の感じ方の違いは何か?」を追求する点が、ほかの思考と異なるポイントになります。
それぞれの思考を概観すると、それぞれの思考の目的はもちろん、用いる視点もアプローチも異なることが分かります。これらの思考技術は対立するものではないのです。
ここで、皆さんにお伝えしておきたいことは、ビジネスの現場で最も求められることが多いのは論理的思考だということです。なぜなら、顕在化している問題は、解決の緊急度や重要度が高い傾向にあるからです。とくに若手ビジネスパーソンは取り組む問題の大半が顕在化した問題(例えば、売上や利益の低下、コストの上昇、リーダーシップが発揮できない、後輩の育成がうまくいかない、など)でしょう。顕在化している問題は取り組む頻度が極めて高いため、効率的に対処できるスキルを磨いておくことで、上長や取引先をはじめ周囲の信頼を得られる可能性が高まります。
また、論理的思考を身に付けることは問題解決力を高めるだけでなく、周囲の人に理解、納得してもらいあなたが望む行動をとってもらうためのコミュニケーション力も同時に鍛えられます。故に論理的思考をまず身に付け、その上でほかの思考技術を習得することで、ビジネスパーソンとしてのバリューを効率的に上げることができるのです。
「論理的思考」を身に付けるメリットとは?
「論理的思考」が身に付くと、こなせる仕事の量が増えると同時に、質も上がり周囲の評価を得られるという大きなメリットを得ることができます。
ここではコミュニケーションについて、具体的な事例を通じて見ていきましょう。例えば、上長に新商品の企画案のプレゼン資料の作成を依頼されたときのことを想像してみてください。多くのビジネスパーソンは、資料構成や各ページのイメージが固まりきらないままプレゼンテーションソフトを立ち上げて、いきなり作業をスタートします。
論理的思考が身に付いていない人は、「誰に」「何を」「どのような順番」で伝えるのが適切なのか、思いつきや直感だけに頼ってしまい、明確な意図のないまま資料作成をスタートしてしまうのです。 その結果、「ほかにどのようなページが必要なのだろう?」「このメッセージに説得力はあるのだろうか?」「これらの根拠で十分なのだろうか?」などと、悩み続けてしまい時間切れとなってしまったり、何とか資料を作り上げたものの、上司や取引先の理解、納得を得ることができなかったりと、成果を得ることができません。
論理的思考が身に付いている人は、すぐにプレゼンテーションソフトを立ち上げるようなことはしません。まず、プレゼンの聞き手が関心を持つであろう論点(答えるべき「問い」)を洗いだし、次にそれらの「問い」の「答え(主張と根拠)」を言語化し、最後にそれらをどのような順番で並べるのか、相手の関心の高さに応じて並び替えるという一連の作業を先に行います。その結果、手戻りが最少化され、短時間で質の高い資料を完成させることができるのです。
ほかの事例でも考えてみましょう。あなたは、「わが社は、動画コンテンツの配信を始めるべきか?」をテーマにした会議をファシリテーションしていたとします。次のような発言をする人がいたとき、あなたはどう思うでしょうか。
「スマホからの動画視聴が伸びてきているので、私たちも動画提供を始めるべきかもしれませんね。他社もまだ動画には手を出していないみたいですし。あと、わが社には動画にできそうなコンテンツもいっぱいありますしね。でも、社内だけでは動画を作るリソースの確保ができないかもしれないですね…」
「何を言いたいのか、よくわからない…」
このような感想を抱いた人が多いのではないでしょうか。論理的思考が身に付いていない人は、頭の中が整理されないまま話してしまうことが多く、周囲の人たちに多くの負荷をかけてしまっているのです。
一方で、論理的思考を身に付けている人は、どのように話すのでしょうか。例えば、
「結論から言うと、私たちも動画を始めるべきです。理由は3つあります。第一に、スマホからの動画視聴者は5年間で約4倍に増えているからです。第二に、競合はまだ動画コンテンツを打ちだしていないからです。第三に、社内には動画化できるコンテンツが多く存在するからです。ただし、懸念事項として”動画制作のリソースを継続的に確保できるか”があげられます。この点を今週末までに検討し、ご報告します」
といったように、今回の会議のテーマである「自社は動画コンテンツの配信を始めるべきか?(問い)」に対して、クリアに「答え(主張と根拠)」を述べるでしょう。
加えて、皆さんに認識していただきたいのは、論理的思考を身に付けると、ほかのスキルをビジネスに活かせる可能性が飛躍的に高まるということです。世の中に存在するほとんどのスキルは、論理的思考のスキルを有していることを前提としているからです。 言い方を変えれば、論理的思考力がないまま、さまざまなスキルを身に付けても宝の持ち腐れになる可能性が高いのです。
例えば、マーケティングリサーチの手法や、クリエイティブ制作の考え方など、マーケティングの基礎スキルを学んだとします。 しかし、マーケティング戦略を立案し、実行するには「仮説を立てて、検証する」という論理的思考のスキルが必要になります。また、斬新な発想のクリエイティブを作成しても、ビジネスの現場では「なぜそのクリエイティブが有効なのか?」を必ず周囲の人に理解、納得してもらうことが必要であり、論理的な考え方に基づいたコミュニケーション力が求められます。つまり、マーケティングの知識をいくらインプットしても、論理的思考力がなければ、ビジネスに活かすことが難しいのです。
皆さんが日々、書籍や動画から得ている知識をビジネスに活かすには、「論理的思考」を身に付けておくことが必要なのです。
クリティカル・シンキングは、どうすれば身に付くのか?
「クリティカル・シンキング」を身に付ける方法
では、最後に「クリティカル・シンキングを身に付けるためにはどうすればよいのか?」について考えたいと思います。ポイントは、以下の4つです。この4つのプロセスを回し続けない限り、仕事で活かせるレベルで「クリティカル・シンキング」が身に付くことは絶対にありません。
①知識をインプットする
②知識をつかいアウトプットする
③アウトプットに対し他者からフィードバックを受ける
④フィードバックを踏まえて、自分の思考を改善する
知識のインプットだけでは、「クリティカル・シンキング」は身に付かない
まず、「クリティカル・シンキング」が身に付いている状態について、考えてみましょう。
「クリティカル・シンキング」が身に付いている状態とは、
・論理的思考に必要な知識を「知っている」
・それらの知識を日々の「仕事でつかえている」
という2つを満たしている状態です。「知っている」だけで、「仕事でつかえる」ようになっていなければ、「身に付いている」とは言えないのです。では、「仕事でつかえる」ようになるためには、どうすればよいのでしょうか。
「インプットした知識をつかって自分で考えアウトプットし、フィードバックを受け、考え方を改善する」という営みを繰り返すことです。
よくある学びの手段として「動画視聴」「読書」「他者とディスカッション」などがあげられますが、それぞれの学び方の特徴を確認しておきましょう。日々忙しく過ごす皆さんにとって、時間はとても貴重だと思いますので、それぞれの学び方のメリットとデメリットを認識しておくことはとても重要です。
まず「動画視聴」について考えてみましょう。最近は完成度が高く、安価で分かりやすいものが数多く提供されています。動画で学ぶメリットは、読書に比べると時間あたりの情報量が多く、短時間で大量の知識をインプットできるので、「勉強したぞ!」という満足感を得られます。一方で、落とし穴もあります。それは動画を視聴するだけでは、「自分の頭で考える(思考力を鍛える)」という営みがほとんど生じないという点です。
「読書」は、動画に比べて時間あたりの情報量が少なくなってしまいますが、筆者の思考を追体験しつつ、行間を自分なりの解釈で埋めることが必要なので、「自分の頭で考える」という時間は動画と比べて多いと言えるでしょう。本を読む際はおそらく皆さんも、「筆者がここで伝えたいことは何だろう?」「この書籍の最大のポイントはどこだろう?」などと、自分に「問い」を投げかけながら読んでいる人が多いのではないでしょうか。とはいえ、読書も動画と同様に「作者→読者」の一方通行であり、受動的に学んでいることに変わりはありません。
「ディスカッション」についても考えてみましょう。誰かと意見交換するためには、学んできた知識を用いて、自分の考えをまとめて言語化し、他者に伝える内容を事前に考える必要があります。また、ディスカッションを通じて、自分の考えにフィードバックを得ることができ、そのフィードバックに対してまた自分の意見を考え伝える営みが繰り返されます。つまり、客観的な視点を意識しながら、何度も繰り返し“考えるトレーニング”ができるのです。また、この営みを通じて、自分の思考の癖にも気付くことができ、徐々に思いつきや直感、経験だけに頼った思考スタイルから抜け出せるようになります。
皆さんに認識していただきたいことは、論理的思考に関する知識を「知っている」レベルから、「仕事でつかえる」レベルに引き上げるには、多様なバックグラウンドを有する人たちとのディスカッションが必要だということです。
知識をいくらインプットしても、それらの知識をつかってアウトプットのトレーニングを繰り返し、そのアウトプットに対して自分とは異なるフィールドにいる人たちからのフィードバックを得ない限り、知識を仕事に活かせるレベルに到達させることは難しいのです。
知識がなければ、それらを活かすことはできませんから、動画視聴や読書など知識をインプットすることは必要です。ただ、仕事で成果を出すことを常に求められるビジネスパーソンは、知識を得ることにとどまり、学んだつもりで終わってしまうという「独学の罠」の存在を知っておいてもらいたいと思います。
「知っている」と「仕事で使える」の間にある壁を突破する。
「クリティカル・シンキング」を身に付けたいと考えている方に、改めてお伝えしておきたいのは、以下のプロセスを繰り返さない限り、論理的思考力は絶対に身に付かないということです。
①知識をインプットする
②知識をつかいアウトプットする
③アウトプットに対し他者からフィードバックを受ける。
④フィードバックを踏まえて、自分の思考を改善する
このサイクルを繰り返し回すことが、「クリティカル・シンキング」を「仕事でつかえる」レベルに引き上げるための最短ルートなのです。
グロービス経営大学院の「クリティカル・シンキング」では、「知っている」に留まらず「仕事でつかえる」レベルに引き上げるために、これら4つのステップを踏む場を提供しています。そして、業界や職種、役職や年齢が異なるさまざまなビジネスパーソンとのディスカッションは、皆さんがこれまで経験したことのない数多くの気付きを与えてくれるでしょう。
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担当科目は「クリティカル・シンキング」「ビジネス・プレゼンテーション」「ファシリテーション&ネゴシエーション」。同志社大学法学部政治学科卒業、関西学院大学大学院経営戦略研究科修了(MBA)。エンタテインメント関連企業を経て、グロービスに入社。現在は、グロービス経営大学院及びグロービス・マネジメント・スクールの教員及び教材の開発を担当するとともに、株式会社グロービスにてマーケティング業務のマネジャーも務めている。