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ES(従業員満足度) Employee Satisfaction
ESとはEmployee Satisfactionの略称で、従業員満足を意味する。業務内容、給与や福利厚生などの処遇、職場環境、人間関係など、職務とそれを取り巻く環境全般に対する従業員の満足感を指す。一般にESと言う際には、従業員満足の程度を示す「従業員満足度」を指すことが多い。また、従業員満足を指標化し把握するための調査をES調査と言う。ESと類似した用語に職務満足(job satisfaction)があるが、これは学術研究でよく用いられる呼称で、両者に明確な違いはない。
ES(従業員満足)の研究の歴史は長く、1930年代より米国を中心に多くの研究がある。理論的基礎の1つとしてよく挙げられるものに、満足度を高める要因と不満につながる要因を分けて考えたハーズバーグの動機付け-衛生理論がある。この理論では、仕事そのものの内容、昇進など周囲からの承認、与えられる責任、個人の成長などが満足度を高める要因(動機付け要因)になる一方で、職場環境や労働条件、給与などの待遇、人間関係など、仕事に付随する周辺の要素は不満を招く要因(衛生要因)になるとされる。
ハーズバーグの理論によると、高い従業員満足を得るためには、動機づけ要因、衛生要因の両面からのアプローチが求められる。快適なオフィスや仕事を進めるための各種のツールを用意し、給与や福利厚生といった待遇を整備すると、衛生要因が満たされ不満の原因は取り除くことができる。しかし、これだけでは満足度は向上しない。満足度の向上には、会社のビジョンや業務の目的を共有して仕事に意義を持たせる、能力開発の機会を用意するなど、動機づけ要因に働きかける対策が必要となる。ES向上を図る際には、自社の課題がどこにあるのかを把握した上で、実施しようとしている施策が、動機づけ要因・衛生要因のどちらを満たすことを目的としているのかを見極めることが重要である。
ES(従業員満足)は、長きにわたって注目されてきた重要な概念の1つであるが、日本においては、少子高齢化に伴う労働力人口の減少が加速し労働力の確保がますます課題となっていることを背景に、近年再び注目が集まっている。労働力の確保に向け、長時間労働の解消や正規・非正規雇用間の格差の是正などにより働き方の多様化を図る「働き方改革関連法」が2019年より順次施行されているほか、調査会社による企業の従業員満足度ランキングが公表されるなど、従業員を取り巻く環境の改善を求める動きが高まっている。こうした流れに対応すべく、自社のESに関する課題を把握し改善に役立てるためのツールとしてES調査を取り入れる企業が増加している。
■ES向上による企業のメリット
高いES(従業員満足)は、企業価値や業績の向上をもたらすほか、人材の確保や定着にもつながると言われている。ESと企業の業績の関係については、1994年にハーバード大学教授のヘスケットらが提唱した「サービス・プロフィット・チェーン」という考え方がよく知られている。サービス・プロフィット・チェーンでは、従業員の満足が、企業の収益性をもたらすプロセスを次のように示している。
まず、企業が従業員を大事にすることで従業員の満足度が高まる。満足度の高い従業員は、組織へのロイヤリティが高くなり、顧客によりよいサービスを提供しようと努める。提供サービスの質が向上すると、顧客満足(Customer Satisfaction, CS)が上がり、ロイヤリティの高い顧客が増加する。これが売上の増加と利益の確保をもたらす。こうして得られたリソースを活用して企業はさらに従業員満足の向上を図り、これがさらなる業績向上につながるという好循環が生まれる。このサービス・プロフィット・チェーンの考え方は、サービス業を中心に広まり、米国を中心に多くの企業に取り入れられている。
このほかにも、ES(従業員満足)とCS(顧客満足)、および企業の業績との関係についての調査や研究は数多くある。ESが業績の向上をもたらす直接の要因と言えるのかという点については研究者の間で未だ議論の分かれるところではあるが、高いESが高いCSをもたらすという点では概ね見解の一致が得られている。
厚生労働省が実施した調査(平成28年「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業報告書」)からは、CS(顧客満足)だけでなくES(従業員満足)も重視する企業は、CS(顧客満足)のみを重視する企業に比べ、生産性や業績の向上で成果を挙げている傾向があるという結果が得られている。この結果をもとに、厚生労働省では「魅力ある職場づくり」を掲げ、企業に対し雇用環境の整備を推奨している。
また、ES(従業員満足)の高さは、離職率の低さとも関連があることが知られている。上述の厚生労働省の調査では、従業員満足を重視した取り組みを行っている企業は人材確保に成功している傾向が高いという結果が得られている。この傾向は、5~10年以上の長期間にわたってこうした取り組みを行っている企業ほど強いことがわかっており、ES向上の取り組みを企業の成果につなげるには、中長期的に取り組んでいく必要があることが示唆されている。
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