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エッジコンピューティングEdge computing
エッジコンピューティングとは、「エッジ」と呼ばれる利用者に近いエリアにおいて、データ処理を行う分散型のコンピューティングモデルのことである。データの処理には、エッジにあるネットワーク・サーバやデータの生成元となるデバイス本体が用いられる。対照となる概念はクラウドコンピューティングである。こちらはインターネット上のサーバを集約してデータ処理を行う集中型のコンピューティングモデルとなる。
エッジコンピューティングが注目される背景には、デジタル社会の浸透と5G通信の商用サービス開始に伴うデータ量の爆発的な増大が挙げられる。
近年、アマゾンのAWSやグーグル・クラウドなど、IT大手が提供するクラウドコンピューティングサービスが安価に利用できる環境が整ってきた。しかしながら、これまで以上に、多くのデバイスがネットワーク接続され、大量のデータが収集・集積されるようになるIoT社会を担う上で、クラウドコンピューティングにはいくつか課題がある。それは、ネットワークの集中によるクラウドへの伝送速度の遅延や、何らかの障害発生によってデータアクセスが阻害されることである。
わかりやすい事例としては、自動運転技術が挙げられる。自動運転車両の安全な走行には、時々刻々と変化する走行環境を車体に備え付けられた無数のセンサーで捉え、リアルタイムに情報処理することが欠かせない。万が一、クラウド側との通信障害が発生したり、遅延が起こったりすれば、重大な事故につながりかねない。そのため、自動車本体やローカルエリア内に置かれたサーバなどでデータ処理を行って瞬時に返すエッジコンピューティングが不可欠とされている。
今後は、自動運転以外にも、日本が官民挙げて推進する未来社会のコンセプト「ソサエティー5.0(Society5.0)」で注目される、スマートシティやスマート工場などが実用段階に入ってくる。このため、企業はデータ活用社会の到来に向けて、エッジコンピューティングとクラウドコンピューティング、それぞれのメリット/デメリットをよく理解した上で、用途に応じて使い分けと、データセキュリティの対策を講じることが求められる。
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