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スマートグリッドSmart Grid
スマートグリッドとは、デジタル技術を活用して電力の需要と供給の自動制御を実現し、電力供給最適化を実現する次世代電力送電網、ならびにそのシステムをいう。
発祥の地である米国では、頻発する大規模停電への対応からスマートグリッドの概念が提唱され、特にオバマ政権発足直後の2009年に発表された景気刺激策の中で、同システムの普及が強く後押しされた。
また、近年では、風力や太陽光などの再生可能エネルギー普及促進の観点から、天候による出力変動の制御が難しい同エネルギーの発電事業者間で電力の相互融通が可能な点に注目が集まっている。加えて、温暖化ガス排出抑制に向けた電気自動車の普及など、将来的な電力需要は一層高まることが予想され、現在の中央集権型の送配電網の無駄を見直し、電力需要の日中格差などを利用した蓄電によって、エネルギーを効率的に運用する「ピークシフト」にも効果が高いとされている。
これらの実現には、一般家庭や事業者に設置された「スマートメーター」を通して、需要の把握と予測による発電量の調整や電力量の遠隔操作を行うことに加え、一般家庭への「HEMS(Home Energy Management System)」や蓄電池の更なる普及によって、地域全体でクリーンエネルギーの地産地消に取組むことも欠かせず、ある程度の導入コストが生じることも普及の妨げとなっている。
国内におけるスマートグリッドの大規模開発事例としては、大阪府茨木市の東芝工場跡地約19haを中心としたエリアで開発が進む「茨木市スマートコミュニティ計画」がある。コジェネレーションシステムや太陽光発電などの多様なエネルギーを最適化する循環社会型都市として2021年の竣工を目指している。また、再生可能エネルギーを主体に地域で閉じた独自の小型電力システム(=マイクログリッド)を構築する事例としては、福島県葛尾村と福島発電が共同出資して、メガソーラーと蓄電池を新設し、大手電力会社の送電線を介さない独自供給網を構築するスマートシティ事業が進行中である。
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