女性にとってのMBA

どこまで自分をさらけ出す?
SNSのお悩みを“4つの窓”で解消

vol.1どこまで自分をさらけ出す?
SNSのお悩みを"4つの窓"で解消

私たちの日々の情報収集に欠かせないSNS。いまや国内ネットユーザーの約7割(※)の人が利用しているというレポートも。友だちに誘われてなんとなくはじめた人もいれば、「いろいろな人と交流して人脈を広げたい!」、「信頼できる情報源にしたい!」などなど、しっかり目的意識を持って始める人も増えています。 マナミもそんな意気込みでFacebookを始めた一人。彼女もまた、情報収集や新たな人脈を期待してはじめてみたようですが、なにやら上手くいってないようです。いちばんの悩みは「何を書いていいのかわからない......」ことだそう。SNSを上手に活用するヒントを探りに、チエ先生に相談です。悩みの「投稿」にこそ、情報収集や人脈開拓の糸口がありました。
※株式会社ICT総研調べ(http://www.ictr.co.jp/report/20160816.html

どこまで自分をさらけ出す?SNSのお悩みを

チエ先生、私半年ほど前からFacebookはじめたんですけど、なんだか最初に思っていたのと違うんですよね。

最初に思っていたのと違うって、どういうこと?

Facebookの良いところって、付き合いの深さに関係なく面白い、ステキな人だなって思った人たちとつながることができるし、その人たちの投稿は、普段自分のアンテナに引っかからないような情報や考え方だったりして、視野が広げられるところにあると思ったんです。

きっかけとして正しいと思うわ。社会人になると、よほどの行動力を発揮しないと、新たな人間関係を構築するのが難しいのも事実。その点、SNSなら気軽に多くの人と"つながる"ことができるから、新たな視点を得たいと思う人にはうってつけなのよね。

そうなんですけど......。ただフォローしてるだけだと、意外と広がらないんですよ。情報は流れてくるんですけど、それだけというか。やっぱりコメントしたり、コメントしてもらえるような投稿しないとダメだなって、自分からも積極的に発信しようと決意したんです。でも最近、何を書いたらいいのかわからなくなっちゃって、今、迷走中......。

書きたいことが見つからない?

いろいろと浮かんでは来るんです。でも、「これを書いたら読んだ人はどう思うだろう?」、「イタイ人と思われたらいやだな......」とか、受け止められ方が気になってしまって。それもあって、今は「ランチにこんなのを食べました」とか、当たり障りのないことに終始しちゃってます。

周りの目が気になるか......公開範囲はどのあたりまでにしているの?

プライベートの友人にとどめてるんですけど、仕事の同僚もいれば、学生時代の友人もいます。それぞれ関係性が違うので、ある人が見たらわたしに対するイメージが変わってしまうんじゃないかという心配もあって、どうしても当たり障りない投稿になっちゃうんですよね。

なんとなくわかってきたわ。あなたにとって、理想はどんな風にFacebookを活用していきたいの?

Facebookのタイムラインを見ていると、他人の目を気にすることなく、自分の関心事について積極的に発信して、情報交換もして、そこで得たものを実生活に役立てて......という人がいます。仕事に役立つニュースはもちろん、意外性のあるプライベートの趣味だったり。そういう投稿にまた、つながってる人たちがコメントで参加して盛り上がって。自分もそうありたいなと、心の中では思ってます。

自分でも気づいているように「他人の目が気になる」ということが、マナミさんのFacebook活用がうまくいかない課題のようね。意識を変える時の基本的なアプローチとして、まずは自分の状態ををよく知る必要があるわ。Facebook活用におけるマナミさんが今どんな状態にあるのか、「ジョハリの窓」を使って確かめてみましょう。

「ジョハリの窓」? その窓、どこにあるんですか?

「ジョハリの窓」は、一人ひとりの心のなかにある窓。マナミさんが考えるFacebookの理想的な活用ができている状態を「ジョハリの窓」に当てはめてみたら、何か違いが見えてこない?

ジョハリの窓

「ジョハリの窓」とは、"開放の窓""秘密の窓""盲点の窓""未知の窓"からなる、自己を俯瞰するためのフレームワーク。それぞれの窓に見え方の異なる自分の姿が当てはまります。

"開放の窓"......自他ともに認知している自分
"秘密の窓"......自分だけが認知している自分
"盲点の窓"......他者だけが認知している自分
"未知の窓"......自分も他者も認知していない自分

日々の暮らしでたとえるなら、"開放の窓"は会社で日頃から明るく振る舞っているあなた。"秘密の窓"は一人になると、人知れず落ち込んでいるあなた。"盲点の窓"は仲のいい友だちに見抜かれている、自分が気付いていないあなた。そして"未知の窓"は以上のどれにも当てはまらないあなた......ということになります。

各フレームの大きさは自分の心がけ次第で大きくすることも小さくすることもできます。もし"開放の窓"を大きくしたいのであれば、職場の人に素の自分を見せたり、親しい友だちに自分の性格についてたずねたりして"秘密の窓"や"盲点の窓"を狭める工夫をすればいいのです。"開放の窓"が広がると、「ありのままの自分」でいられる時間が増える分、ストレスを溜め込みにくくなり、「自分らしく」生きるということにつながります。自己分析にも自分磨きにも使えるフレームワークなのです。

私の場合、"開放の窓"の開き具合が全然違うと思います。私の"開放の窓"はほとんど閉まっている状態です。逆に私がうらやましいと感じている人たちの投稿は、その人の内面が垣間見える内容が多いので、投稿のたびに"開放の窓"が広がっているような気がします。

そう。"開放の窓"が開かれていくと、その人への理解者が増えます。すると、その人にとって役立つ情報や、同じ考えを持った人たちがおのずと集まってくる。ランチに食べたものの報告だけでは、読んだ人がマナミさんという人間を理解できるわけないし、「いいね!」で応えるくらいしかないでしょう。

でもどうやって"開放の窓"を広げたらいいのかな? いきなり自分をさらけ出せと言われても......。

一気に"全開"にしなくたっていいのよ。はじめに「ここまで開放しよう」と自分なりのガイドラインを決めておいて、少しずつそこに近付けていく。近付けて、もう少し広げられそうだと思ったらまた少し開く、というスタンスでいいの。たとえば今度ランチの投稿をするんだったら、「おいしかった」だけじゃなくて、どういう風においしかったか詳しく説明してみるとか。まずは自分の率直な意見を加えたりすることでも十分じゃないかしら。

少しずつでいいならできそうな気がします。 SNSを通じて"盲点の窓"や"未知の窓"に隠されている自分を知ることもできるのでしょうか?

ええ、もちろん。"盲点の窓"は、寄せられたコメントも参考にしながら、自分の投稿を客観的に振り返る中で見えてくるわね。何気なく書いているつもりでも、一連の投稿に何らかの傾向が現れているはずよ。"未知の窓"は、たとえば、ある人の投稿を見て瞬間的に感動を覚えたとします。するとそこで「自分はこんなことに心を動かされる人間だったんだ」という気づきが生まれる。自分の心の動きに着目すると、案外簡単に見えてくるものなの。

私、Facebookでは情報収集や人脈づくりばかり考えちゃって、頭でっかちになってたのかも。人と人のつながりなんだから、もらうばかりじゃダメですよね。それに自分自身を見つめ直すためにも活用することができるなんて、考えてもみなかった。実生活の自分も「ジョハリの窓」に当てはめてみて、人との関わり方を見直してみようかな。

ぜひぜひ! 仕事関係の人と二人きりになって間が持たないとき、自分の"開放の窓"を開いて話しかけてみれば会話がうまく運ぶこともあるわ。

なるほど、日常のなかでも「ジョハリの窓」が活かせそう! でも、まずはFacebookの問題をなんとかしなきゃ......。投稿したくてうずうずしてきたので、今からゴハンを食べに行ってきます! チエ先生、ありがとうございました!

えっ、ちょっとマナミさん! 彼女の"盲点の窓"はせっかちなことね。

「開放の窓」を広げることで、新しい自分に出会える

マナミのように、「他人の目が気になってSNSで発信することにためらいを感じている人」は、自分の投稿を「ジョハリの窓」に当てはめてみましょう。"開放の窓"が狭いとわかったら、情報開示のガイドラインを決めて、少しずつ広げていくことをおすすめします。

"開放の窓"を広げることはすなわち、あなたという人間をさらけ出すことです。最初は勇気がいるかもしれませんが、少しずつさらけ出すことによって、思わぬフィードバックが返ってくるかもしれません。何らかのヒントが得られたり、同じ価値観を持った人に出会い、交流を深めることができたりと、世界が広がっていくはずです。 また、交流が盛んになれば、自分が気付いていなかった"盲点の窓"や"未知の窓"が開く手がかりが増え、自分自身に対する理解がさらに深まるでしょう。自分を知っていれば、良いところを伸ばしたり、反対に、良くないところを改善していけるようにと、意識的に取り組むことができますよね。

「ジョハリの窓」は、ビジネスの現場で活躍するリーダーをめざす人たちの教育の場でも活用されている、"自己認知"の代表的な手法です。チエ先生が示したように、実生活にも多いに活かしてくださいね。

監修者:村尾佳子

※グロービス経営大学院では、「自分はどう生きたいのか」、「自分らしさとは何か」といったことについても向き合うことを重要視しています。(新しい自分を理解する「自己認知」の関連科目について

  • LINEで送る

どこまで自分をさらけ出す?SNSのお悩みを“4つの窓”で解消のページ。実践的なMBA(経営学修士)のグロービス経営大学院。リーダー育成のビジネススクールとして、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・横浜・水戸・オンラインでMBAプログラムを提供しています。