PROFILE
海外で幼少期を過ごし、多様な価値観に触れて育つ。福岡県田川郡香春町というローカルで家業を受け継ぎ、3人の子どもを育てながら地域の未来と企業の命を“繋ぐ”覚悟で挑戦を続けている。祖父の教えと現場で培った経験を軸に、事業承継者としての責任を果たしながら、福岡から日本、そして世界へ志を繋ぐため、グロービス経営大学院に入学。
※記事の内容はインタビュー当時のものです
事業承継者として、経営判断に確かな軸を持ちたかった。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
専務取締役として実務や経営判断を担う立場になった今、自分の判断にきちんとした“軸”を持ちたいという想いが強くなりました。そのためには、ビジネスを体系的に学ぶ必要があると感じたのがきっかけです。
事業承継が目前に迫るにつれて、「このままの感覚で経営を続けていいのだろうか」という迷いが次第に大きくなりました。どの順番で何を決断し、つまずいたときに誰に相談し、どうやって先代から受け継いだ会社を守っていくべきなのか。自分の経験と感覚だけで経営判断をして、後悔しない選択ができるのか、と不安に感じていました。
そんな中、創業者である祖父から「ビジネススクールに行ってこい。真剣に学ぶ中で得られる仲間は、将来の財産になる」と背中を押されました。これまでのネットワークは地域や業界に偏りがちだったこともあり、「もっと多様な視点を持つ人たちと交わりたい」という気持ちもありました。同じ目的を持ち、一定期間学びをともにすることで、表面的な付き合いではなく、志を共有できる仲間が得られると思い、グロービスの門を叩きました。
母であり、経営者でもある私が、「挑戦できる」と思えた場所。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
地元・福岡では九州大学や事業構想大学院なども候補に挙がりましたが、3人の子どもを育てながら建設業と運送業を経営する今の自分には、通学中心のスタイルは現実的ではありませんでした。
そんな中で出会ったのがグロービスです。オンライン・通学・英語MBAといった柔軟な学び方ができる点は、海外で育ち、多忙な日々を送る私にとって大きな魅力でした。加えて、ほかのクラスに振替ができる授業振替制度など、時間と場所に縛られない受講スタイルがあるからこそ、「母であり経営者である今の自分でも挑戦できる」と思えたのです。
さらに、グロービスの魅力は学びのスタイルだけではありません。実践性の高い学びを通じて、今まさに抱えている経営課題を深掘りし、同じように高い志を持つ仲間と議論を重ねられる点にも強く惹かれました。知識をただ得るのではなく、それをすぐに現場で活かせることが、他校との違いでした。
また、東京や大阪、名古屋など全国にキャンパスがあり、地域を超えたネットワークが築けるのも大きな魅力のひとつです。私は九州の地方都市で経営していますが、将来的には東京や他地域、さらには海外展開も視野に入れています。地域にとらわれず、多様な価値観とつながれるこの環境こそ、自分の可能性を広げてくれると感じました。
“自分ごと”として学び、すぐに実践に活かせる。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
最大の魅力は、「実践に直結する学び」と「刺激的な仲間の存在」です。経営者として日々リアルな課題に向き合い、意思決定を迫られる中で、単なる理論の習得ではなく、「この課題をどう乗り越えるのか?」という問いに正面から向き合える場があることは、私にとって大きな価値でした。
授業では、ケース(企業事例)をもとに「自分ならどう考えるか」「どう行動するか」を問われます。その問いが非常にリアルで、自分が当事者となって考えることで、学びが深まるのを実感しました。座学というより、現場にそのまま持ち帰れる“経営のシミュレーション”をしているような感覚です。
さらに、業界も立場も異なる多様なバックグラウンドを持つ人たちと議論を交わす中で、自分にはなかった視点に何度もハッとさせられました。目標や悩みを共有できる仲間がいることは、精神的な支えにもなっています。私は大学に進学せず、学びの場からしばらく離れていたこともあり、当初は不安もありました。でもグロービスには、同じように挑戦する仲間がいて、多様な価値観が交差するからこそ、知識以上のものが得られます。
「できるかどうか」ではなく、「やると決めたからやる」。
出願するにあたっての懸念点はどのようなものでしたか?
正直なところ、大学に通った経験がない私にとって、「本当に出願していいのか」「合格できるのか」「レポートなんてどう書けばいいのか」という不安はありました。
さらに、仕事と子育てを両立しながら2年間の学びをやり遂げられるのかという現実的な不安もありました。当時、一番下の子どもはまだ2歳。保育園に通い始めたばかりで、手がかかる時期でもありました。しかしグロービスには、オンラインクラスや授業振替制度といった柔軟な制度が整っていて、「どうしても難しいときはそれらを使えばいい」と思えたことで、心のハードルが一気に下がりました。
とはいえ、一番の決め手は「やりたい」「挑戦したい」という気持ちの強さです。自分で決めたことだからこそ、迷っている時間がもったいないと感じました。もちろん不安がゼロだったわけではありません。でもそれ以上に、“ワクワク”と“やり遂げる覚悟”があったんです。「できるかどうか」ではなく、「やると決めたからやる」。その覚悟を持って、思い切って一歩を踏み出しました。
ビジネスも人生も、自分の意思でデザインできるようになった。
入学後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
入学前の私は、経営判断をする際に「こうしたいからやってみよう」という直感に頼ることが多く、新しい事業もアイデアベースで考えるスタイルでした。しかし、グロービスでの学びを通じて、その姿勢に大きな変化がありました。
例えば、「アカウンティング基礎」の授業では、財務の見方を基礎から学ぶことで、経営判断に数字という客観的な根拠を持たせられるようになりました。さらに、「経営戦略」や「組織行動とリーダーシップ」などの科目では、社内の意見や現場の声をどのように取り入れ、トップダウンとボトムアップのバランスをどう取るべきかといった“組織の動かし方”をロジカルに捉える力が身につきました。以前は「なんとなく」で捉えていた組織マネジメントも、「なぜそうすべきか」を説明できるレベルで整理され、判断の軸が明確になったと感じています。
また、入学してからは、仕事に対してもプライベートに対しても、自分の決断に迷いがなくなりました。以前は「これで合っているのか」と立ち止まって悩むことが多かったのですが、今では「自分で考えて、自分で決めたことなら、まずはやってみよう」と、迷わず一歩を踏み出せるようになりました。
もちろん、全てが順調に進むわけではありません。ときには遠回りをしたり、上手くいかない選択をしてしまったりすることもあります。しかし、そうした経験すら“意味のある学び”として捉えられるようになったのは、グロービスでの学びの成果です。「考える力」と「決める力」が鍛えられたことで、ビジネスも人生も、自分の意思でデザインできるようになりました。
人生を本気で生きる「同志」たちとの出会い。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
グロービスで出会った仲間たちは、ただの“学生仲間”ではなく、人生を本気で生きている“同志”のような存在です。業界も年齢も立場もさまざまなのに、不思議とすぐに打ち解けて、深い話ができる。そんな関係性を築けるのは、全員が「何かを変えたい」「もっと社会や会社をよくしたい」と、真剣に向き合っているからだと思います。
とくに印象に残っているのが、「あとつぎ会議」です。福岡校の仲間たちと一緒に参加したのですが、あれだけ多くの事業承継者が一堂に集まる機会はほかにありません。業種も規模も違えど、共通する悩みや葛藤を分かち合うことで、「自分だけじゃなかったんだ」と心が軽くなりました。普段は話しづらい同業の話題も、ここでは自然と共有できる。これは、グロービスだからこそ実現できる特別な空間だと感じています。
今では、グロービスで出会った仲間とのつながりが、仕事でのコラボレーションにつながることもありますが、それ以上に、人生の節目や挑戦の場面でそっと背中を押してくれる“心の支え”のような存在になっています。この人的ネットワークは、単なる知識や情報の共有を超えた、私にとっての「未来の資産」だと実感しています。
自社のモノづくりを根本から見直す視点を得た。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「デザイン思考と体験価値」です。この科目を通じて、「よい製品」とは単に“使える”だけではなく、“心を動かす”存在であるべきだと気付かされました。
それまで「デザイン=見た目の美しさ」という漠然としたイメージを持っていましたが、受講してその奥深さに驚かされました。「誰の、どんな課題を、どんな価値で解決するのか」を徹底的に考えるプロセスは、自社のモノづくりの在り方を見つめ直すきっかけになりました。
製造業を営む私たちの仕事は、長年「お客様の要望を形にする」ことを繰り返してきました。そこに疑問を持たず、今あるものを当たり前のように作り続けていたのです。しかし、この科目では「その製品は本当に人の心を動かしているのか」「そもそも誰のためにどんな価値を提供しているのか」といった根本的な問いに直面しました。
「日本人だからこそできるものづくりとは?」「自社だから提供できる価値とは?」そんな視点から思考を深めた経験は、まさに視座を変えるような感覚でした。
一歩を踏み出した先に、“想像以上の景色”が待っている。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
「挑戦しようかな」と思ったその瞬間が、もうすでに一歩目だと私は思っています。少しでも「やってみたい」という気持ちがあるなら、その想いを信じてみてください。やってみてから考えたっていい。やると決めた先には、同じように仕事や家庭と向き合いながらも、真剣に学び合う仲間が必ずいます。
業界も立場も年齢もさまざま。それでも、ここに集まっているのは、みんなが「何かを変えたい」と本気で向き合っている人たちばかりです。私自身、事業承継という孤独になりがちな立場にいましたが、グロービスで「ひとりじゃない」と思える仲間に出会うことができました。
悩みや葛藤を心の底から分かち合える場所があるというのは、本当に大きな支えになります。知識だけではなく、人生の視野そのものが広がる。ここには、想像していた以上の“景色”が広がっています。
ここでの出会いや経験は、単なる「学び」にとどまりません。自分の価値観や決断力を深め、人生そのものを豊かにしてくれる時間になるはずです。「今この瞬間」を大切に、ぜひ一歩を踏み出してみてください。あなたにしか見えない、かけがえのない景色が、きっと待っています。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。