河野 祐一さん 河野 祐一さん

学ぶことで
リーダーシップを
根本から見つめ直す
経験を得ている。

  • 丸紅株式会社
  • 法務部・部長代理

河野 祐一さんYuichi Kono

PROFILE

大学卒業後、総合商社へ新卒で入社。法務部門にて、多様な産業・国・ビジネスモデルの法務、コンプライアンス、ガバナンス業務を経験。米国投資先に出向し、PMI・リストラクチャリングに従事。法務部門内にリーガルオペレーションズ組織を立上げ、全社戦略の実行に資するグローバルな法務組織の機能発揮・変革に取り組む。ニューヨーク州弁護士。


※記事の内容はインタビュー当時のものです

経験だけでは通用しない。管理職としての限界に直面した。

MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?

新卒で入社して以来23年間、法務業務に携わり、着実に成果を上げてきたと思っています。マネージャーになってからも、上司から教わったやり方や自分なりに培った経験をもとに、チームビルディングや業務管理、メンバーの育成に取り組み、一定の手ごたえを感じていました。

しかし、部門全体を率いる立場となって4年ほどが経った頃、担当領域の拡大に伴い、2つのチームを兼務することになったとき、大きな壁に直面しました。目の前の業務をこなすだけで精一杯となり、とくに若手メンバーの育成にまで手が回らなくなってしまったのです。その結果、誰にとっても居心地のよい組織をつくることができませんでした。

 後から振り返ってみると、それまでの私がうまく組織を動かせていたのは、顔なじみのメンバーとの少人数のチームであったからであり、環境に恵まれていただけだったのだと気付きました。この経験から、同じ失敗を繰り返さないためにも、マネジメントを体系的に学び直したいという思いが強まりました。組織や人員の規模が大きくなっても、多様なメンバーとしっかり向き合えるリーダーシップとマネジメント力を備えたい、それが、MBA取得を志した大きな原動力です。

河野 祐一さん

リーダーとして活躍する卒業生たちの姿が決め手になった。

なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?

私の周囲には、社内外を問わずグロービスの卒業生が多くいます。彼らが組織の中で成果を上げ、リーダーとして活躍している姿を間近で見てきました。話を聞く中で、グロービスでの学びが非常に実践的であり、現場での業務にすぐに活かされていることを実感しました。加えて、私自身も過去にグロービスの英語MBAプログラムの体験クラス&説明会に参加した経験や、「グロービス学び放題」を利用していたこともあり、グロービスを身近に感じていたことが決め手のひとつとなりました。

学び始めるにあたっては、多忙な業務や家庭との両立に不安もありましたが、まずは単科生として1科目から受講できる制度が大きな支えになりました。単科生として、2科目を同時に受講した際も、無理なく両立できたことで、「この学び方なら続けられる」という実感を持つことができ、大学院(本科)への進学を決めました。

実務で試し、授業で磨く。だから学びが、自分のものになる。

グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?

魅力は3つあります。1つ目は、実務家の教員から、科学的かつ実践的な学びが得られる点です。授業では、理論を体系的に学ぶだけでなく、それらがビジネスの現場でどのように活かされているのか、どこに限界があるのか、など実例を交えて学ぶことができます。

私は、自己流から脱却し、より良いリーダーシップやマネジメントを身に付けたいと考えていたため、「組織行動とリーダーシップ」や「人材マネジメント」などの科目で得た知見を、すぐに業務で実践していました。次の授業までに、うまくいったこと、いかなかったことを振り返り、結果を授業内で共有することで、教員の方からタイムリーなフィードバックを得ることができるのです。学んだことをすぐに試し、実務家教員の視点を通じて再整理できる環境は非常に貴重です。仕事以外の場で学ぶからこそ自分のマネジメントスタイルを実践しながら見直し、着実にブラッシュアップできていると感じています。

2つ目は、幅広い領域を学べる点です。自身の仕事である総合商社に関連の深い戦略系や財務、グローバル関連の科目はもちろん、「面白そう」「学んでみたい」という純粋な関心を軸に、現在の業務とは少し距離のある分野の科目にも積極的に受講するようにしています。例えば、マーケティングを基礎から体系的に学んだり、製造業のケース(企業事例)を通じてオペレーションの現場感覚を掴んだり、大企業のイノベーションや構造改革の難しさや現実を感じたりと、通常の業務では得られない知見に触れることができました。
また、「創造」と「変革」の領域に含まれるスタートアップ企業のマネジメントや資金調達の手法、企業の再生戦略など、普段接点の少ない分野も非常に刺激的で、視野が一気に広がりました。ほかにも、テクノベートや「スポーツ・マネジメント」といった新領域の学びも含めて、どの科目も得るものが多く、結果的に実務への示唆や新たな発想につながっていると実感しています。

3つ目の魅力は、コミュニティです。グロービスでは、業界・職種・年代・経験の異なる多様な社会人学生とともに学ぶことができます。授業では、ひとつのテーマに対してさまざまな視点や価値観が交わり、一人では決してたどり着けなかったような発想や気付きが得られます。そうした知的な刺激に加え、前向きに学びに向き合う仲間たちの姿勢から日々よい影響を受けています。

予定変更にも対応できる柔軟な制度が、学びを支えてくれる。

出願するにあたっての懸念点はどのようなものでしたか?

前述のとおり、「業務や家庭と両立しながら、しっかりと学べるか」という点に不安がありました。とくに現在の私は、スケジュールが読みにくい仕事だったり、立場についていることもあり、本当に学び続けられるのかという懸念を抱いていました。 しかし、グロービスには忙しい社会人が学び続けられるためにさまざまな仕組みが整っています。

例えば、通学とオンラインのどちらでも受講できるので、例えば、通常は通学で受け、海外出張が続く時期は、オンラインで受講しています。また、急な仕事で所属しているクラスの授業に出席できない場合も、「授業振替制度」を使って、ほかの曜日や時間帯の授業にスムーズに変更できるので、自分のペースでやりくりしながら、無理なく学びを継続することができています。

河野 祐一さん

もし自分が経営者だったら。そう考える習慣が、仕事の質を変えた。

入学後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?

仕事を進める上で、経営者や株主の視点を持ち、会社の戦略とのアラインメント(整合性・方向性の一致)を意識する機会が格段に増えました。例えば、会社の中長期戦略を、グロービスでの学びを踏まえて改めて読み解いてみたところ、「ああ、社長はこういうことを伝えたかったのか」と気付ける瞬間があり、視座が変わったと感じています。

また、チームメンバーに業務をアサインする際も、「この業務が全社戦略の中でどんな意義があるか」を伝えるようになりました。結果として、仕事に対する意味づけが明確になり、メンバーのモチベーション向上にもつながっている実感があります。

さらに、法務という職種ならではの意識変化もありました。これまでは法的リスクや制度の枠組みから「No」を提示するスタンスになりがちでしたが、今は「経営判断としてどうあるべきか」「どうすればYesと言えるか」という視点にシフトしています。法務という機能が、単なる契約・規制対応を超えて、いかに戦略と結びつき、経営に資するかを強く意識するようになりました。

こうした変化は、グロービスの授業で常に問われる 「自分が経営者だったらどうするか?」「この局面でどのように意思決定すべきか?」という視点を持ち、多様なケース(企業事例)に繰り返し取り組んだことで身に付きました。経営陣とのミーティングでも確信をもって提言できるようになったと感じています。

河野 祐一さん

肩書きも立場も関係ない。本音で語り合える生涯の仲間ができた。

グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?

大学院(本科)に進学すると、20名ほどの仲間で構成される「セクション活動」※というグループ活動がありますが、私はそのセクションの仲間にとても恵まれていると感じています。セクションのみんなで決めた「心と心で寄り添おう、プラスもマイナスも語り合おう、ご機嫌にいこう」という行動指針を大切にし、仕事や家庭がある中でも、みんなで学び合い、日々を支え合っています。集まって話すことで刺激を受けることも多く、勉強会ではお互いの業界の成功のカギ(KSF)について真剣に考えたり、異なる業界の仕事の内容を学び合って理解を深めたり、人生や仕事への志を語り合ったりしています。

普段の仕事上の付き合いだけではなかなか出会えない仲間と率直に語り合えるからこそ、深い信頼関係が生まれ、お互いの成長を支え合うかけがえのない存在になっています。利害関係のない、将来にわたって付き合える友人たちとのつながりを、これからも大切にしていきたいと心から思っています。

※セクション活動…入学後、約40名の同期コミュニティ(セクション)に所属。自主的に勉強会、懇親会などを開催し活動をともにします。

自分の考え方と伝え方が、ここまで変わるとは思っていなかった。

受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?

印象に残っているのは、「組織行動とリーダーシップ」です。受講を通じて、「これは科学的に体系化された、意義ある理論なんだ」と実感しました。例えば、7Sといったフレームワークは、これまでも書籍などで知識としては知っており、仕事でも何となく使ってはいましたが、「実際にどのように組織を動かすか」や「どの順番で考えるべきか」までは意識できていませんでした。学んだことをチームの共通言語として取り入れることで、組織として成果を出すための道筋が見えるようになり、多くの人の知恵が積み重なった知見には再現性があることを実感しました。同時に、自分がいかに属人的なやり方に頼っていたのかにも気付かされ、大きな学びとなりました。

もうひとつ印象に残っているのが、「クリティカル・シンキング」です。この科目では、「理解すること」と「実際に使いこなすこと」の間にある大きなギャップを実感しました。仕事の中で「自分の言っていることがうまく伝わらない」と感じる場面は以前からあったのですが、その理由がはっきり見えてきたのです。「自分が言いたいことをただ伝えるだけなら誰でもできる。けれど、ビジネスの現場には考え方や立場の異なる人がたくさんいる。そうした中で、本当に伝えたいことを伝えきるには、相手に合わせた伝え方や構造を意識する必要がある」ことを学びました。こうした気付きは、グロービスで多様なバックグラウンドを持つ仲間たちとディスカッションを重ねる中で得られたものです。これまでの職場では、自分とある程度文脈を共有できる「通じる人たち」とのやり取りに限られていたことに気付き、自分の視野や伝え方の幅が、いかに限定されていたかを痛感しました。だからこそ今では、自分の考え方や伝え方に工夫の余地を持てるようになり、コミュニケーションの質そのものが変わったと感じています。

最後に、特別科目で印象に残っているのは「CEIBS Visit Program」です。グロービスが提携する中国・上海のChina Europe International Business School(CEIBS)を訪問する3日間のプログラムで、現地の教授陣から米中技術摩擦や中国の消費動向、デジタルマーケティング、イノベーションなどについての講義を受けました。また、自動車部品(B2B・外資系)、IT(B2B/B2C・中国系)、食品(D2C・外資系)といった異なる業界・資本・ビジネスモデルの企業3社を訪問し、現地のオフィスや工場にも触れることができました。実務ではなかなか得られない、中国という巨大市場をアカデミックかつ実践的に捉える視点を得られたのは非常に有意義でした。さらに、グロービスの英語MBAプログラムの学生たちと時間をともにすることで、国籍や言語を越えた新しい友人もでき、今でも連絡を取り合う関係が続いています。視野の広がりと刺激に満ちた、貴重な経験となりました。

迷っている時間が、もったいない。試してみて初めて見える景色がある。

グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。

出願を迷っていらっしゃるのであれば、「とりあえずやってみる」という選択肢もありだと思います。
グロービスには単科生制度があるので、まずは一部の科目を受講してみることができます。実際に授業を体験してみることで、「自分に合っているかどうか」「不安に感じていた点はどうか」が、具体的に見えてくるはずです。

やってみないと分からないことって、意外とたくさんあります。そして、やってみたからこそ得られる出会いや気付きもきっとあるはず。自分を大きく成長させるチャンスを逃すのは、むしろもったいないと思います。もし「やっぱり違ったな」「今は難しいかも」と感じたら、その時点でやめればよいのであって、経験したことは絶対無駄にはなりません。
私は法務の仕事をしていますが、同じように専門職で働く方にもぜひおすすめしたいです。外の視点に触れることで、今までとは違った考え方や判断軸が見えてくると思います。ルールを守るだけでなく、「どうすれば前に進めるか」を考える力が求められる時代だからこそ、学ぶことの意味がより大きくなっていると感じます。

始める前は少し大きな決断に思えるかもしれませんが、実はノーリスクで一歩踏み出せる環境が整っています。「ちょっとやってみようかな」くらいの気持ちで、まずは踏み出してみてはいかがでしょうか。

体験クラス&説明会日程

受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。

また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。

10/23(木)19:30~21:30

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催)
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

11/1(土)10:00~12:15

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催) ※卒業生スピーチあり
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

11/5(水)19:30~21:30

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催)
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

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