PROFILE
大学では開発経済学を専攻。卒業後、千代田化工建設に新卒で入社、コーポレート系業務(人事、主計、財務)を担当後、エネルギー開発プロジェクトのビジネスマネジャーとしてロシアに駐在。帰国後、企画系業務やM&Aを担当。2015年から5年弱、米国子会社(ヒューストン)に駐在、コーポレート全般を統括。同時期にシリコンバレーで新技術(デジタル)の探索。帰国後はデジタル・AIを活用した新事業開発や社内デジタル変革のリードを担当、2023年4月より現職。
※こちらの記事は、在学時のインタビューとなります
これまでの経験に頼った意思決定に、危機感を抱いた。
学び始めようと考えたきっかけや動機は何でしょうか?
経営への興味は新卒入社の頃からありました。当時の会社は業績が芳しくなく、リストラも行われる中で、「経営をこうすればよくなるのでは」と考えるようになったのです。そこから、経営に関する本を読んだり、先輩や同僚と話したりして学びを深めていきました。その過程でグロービス経営大学院の「クリティカル・シンキング」も単科生として受講しましたが、当時は大学院(本科)進学には至りませんでした。
その後のキャリアでは、人事、アカウンティング、海外プロジェクト、経営企画など、さまざまな部署を経験。とくにアメリカ駐在中は、自分のやり方が正しいのか疑問に感じることが多くありました。帰国後は新規事業開発の部門に移り、マネジャーとして一から新しい事業を作り上げる役割を任されることに。組織のオペレーションだけでなく、マーケティング戦略の策定やセールスなど、幅広い業務に携わる機会を得ました。
しかし仕事を進める中で、「このやり方って本当に正しいのだろうか」という疑問が常に頭をよぎっていました。同時に、「もっと網羅的な知識や多くの引き出しがあれば、よりよい意思決定ができるのではないか」と感じることも多くありました。このような経験が積み重なり、体系立てて学び直す必要性を強く実感し、学ぶことを決意しました。
最新のトレンドや知見が反映された学びが得られる。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
学び始めようと考えたとき、キャリアを中断したくないというのが大前提にありました。そのため、海外留学や平日フルタイムのプログラムではなく、仕事と両立できるパートタイムのプログラムを探しました。その中でグロービスを選んだのは、2つの理由があります。
1つ目は、スケジュールをフレキシブルに組める点です。仕事で急に予定が変わっても、別のクラスに振り替えられる制度があります。働きながら学ぶ身としては、これはすごく助かるなと感じました。
2つ目は、プログラムの内容が充実している点です。とくに印象的だったのは、経営戦略やファイナンスといった基本的なことはもちろん、テクノベートやベンチャー系の科目など、今のビジネス環境に必要な要素を貪欲に取り入れているところです。新しいトレンドや最新の知見がどんどんカリキュラムに反映されているのが感じられて、これは今の仕事にもすぐに役立ちそうだなと思いました。
授業の翌日から使える実践的な学び。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
授業で得た学びをすぐに仕事で活用できることです。
入学した当初、私は新規事業開発の部署にいました。その中で、グロービスで学んだ経営戦略やマーケティングの知識が、まさに翌日から役立ちました。例えば、事業戦略を考えるときに、授業で扱ったケース(企業事例)を思い出し、「こんなふうにアプローチすればいいんだ」と気付きました。また、今まで勘や経験を頼りに進めてきたことに対して、しっかりとした裏付けができたのです。
2年目を迎える頃、私は秘書室長になりました。この仕事は非常に多岐にわたる業務を含んでおり、経営陣のサポートをするために幅広い知識が必要です。知識の引き出しが多いと、より深く、より広くサポートできると実感しました。グロービスで学んだフレームワークや着眼点を応用することで、社内の情報を整理したり、何が足りていて何が不足しているのかを把握したりできるようになりました。情報の整理の仕方ひとつとっても、「こんな見方があるのか」と新しい発見の連続でした。
さらに、経営の第一線で活躍する教員の方から直接学べる点も、グロービスの大きな魅力のひとつです。実際のビジネス現場での経験を交えて授業をしてくれるので、机上の理論ではないリアルな学びが得られます。
仕事をしながら学び続けるアメリカの同僚に、刺激を受けた。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
MBA取得を考え始めたきっかけは、2020年までの約5年間のアメリカ滞在経験にあります。現地で働く中で、アメリカ人の同僚や部下たちが、仕事をしながらパートタイムでMBAやほかの修士号を取得する姿に触発されました。
アメリカでは、働きながら学び、スキルアップすることが非常に一般的でした。リスキリングという言葉も聞かれ始めていた時期で、継続的な学びの重要性を強く感じました。同僚たちが仕事後や週末に学校に通い、単位を取得する姿を見て、「自分も学ばなければ」と思ったことも後押しになりました。
実は、グロービスに通い始めてから気付いたのですが、海外駐在中にオンラインで受講している方が多くいらっしゃいました。とくに単身赴任の方は駐在先での生活に比較的時間の余裕があるので、その時間を学びに活用できるのは、キャリアを築く上でとてもよいことだと思います。
自分なりのルーティンを作り、勉強時間を捻出した。
出願するにあたっての懸念点はどのようなものでしたか?
グロービスへの出願を考えた際、最大の懸念は時間の確保でした。1科目につき予習・復習に10時間ほどかかると聞いていたので、本当にその時間が捻出できるのか不安でした。当時は新規事業の立ち上げに携わっており、出張も多かったので、限られた時間をどう有効活用するかが課題だったのです。加えて、仕事の調整や周囲の理解も必要でした。とくに、プライベートの時間の大半を学習に充てることになるため、家族の理解が不可欠でした。
時間の確保については、自分なりの工夫をしました。平日は朝に必ず勉強時間を設け、通学時間も活用するようにしました。具体的には、毎朝仕事の2時間前に出社し、最初の1時間を予習や復習に充て、残りの時間で仕事の準備をするというルーティンを作りました。この時間は勉強をすると決め、絶対に仕事をしないよう心掛けました。もちろん、出張や飲み会で予定通りにいかないこともありましたが、このルーティンをベースとして回していくことで、なんとか時間の確保ができました。
「人生を通じて何を成し遂げたいのか」が明確になった。
入学後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
グロービスで得たものは仕事のスキルだけではありません。自分のキャリアについて深く考えるきっかけをもらいました。とくに印象に残っているのは「企業家リーダーシップ」の授業です。そこで自分の「志」を考える課題がありました。これまでは「会社の中でどうキャリアを歩んでいくか」くらいしか考えていませんでしたが、この課題を通じて「人生を通じて何を成し遂げたいのか」という大きな視点で考えるようになりました。
グロービスでの2年間は、日々の仕事のやり方を変えるだけでなく、自分の人生の方向性を見つめ直す大切な時間になりました。今では、日々の仕事にも、より明確な目的意識を持って取り組めています。正直、入学前には予想もしていなかった変化でした。
会社の尺度ではなく、社会の尺度で自身の実力を評価できる。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
周りの皆さんが常に前向きで、スキルアップや自己成長を目指している姿勢に刺激を受けました。MBAを取得しようとするだけあって、どの学生も新しい挑戦に対して非常に積極的でした。また、業種や年齢を問わず、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちと交流できる場はとても貴重です。仕事の利害関係を超えて、本当に純粋な学びと成長のために切磋琢磨できる環境はなかなかないと思います。
例えば、企業再生を学ぶ「ストラテジック・リオーガニゼーション」の授業では、実在する企業の再生事例を題材に、グループで再生戦略を立て、プレゼンテーションを行いました。私のグループには、財務分析に強い銀行員の方や、論理的に物事を考えるのが得意な医師の方、資料作成に長けているBtoC企業の方など、異なる業界のメンバーがそれぞれの強みを活かして取り組むことで、短期間で素晴らしい案が生まれました。
同じ会社で働いていると、自身の実力を客観的に評価する機会は少ないと思います。会社での業績評価や能力評価は、あくまで会社内の尺度での評価に過ぎません。しかし、グループワークでの学びを通じて、自分を客観的に見つめ直し、「こんなところで自分のスキルが活かせるんだ」「この部分は意外に弱いんだ」という気付きを得ることができたのも、大きな収穫です。
社会的価値をどう提供するか、深く考える機会を得た。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「企業の理念と社会的価値」という科目です。この科目では、さまざまな会社の企業理念をケースとして学び、その企業の理念と戦略がどのように結びついており、どのように社会的価値を生みだしているかを考えます。
私は入社してから20年以上経っていますが、自社の理念をこのような視点で分析する機会はこれまであまりなかったです。企業理念やパーパスの重要性はもちろん理解していましたが、それがどのような社会的価値を生んできたのかを深く考えることはありませんでした。
秘書室長の重要な仕事のひとつが、経営者のサポートです。トップからステークホルダー(取引先やお客様、関係省庁、社員など)へのメッセージを発信するにあたり、事前にどんな情報を集めておくべきか。そして会社の理念をもとにして、どのような社会的価値をステークホルダーに提供し、ともに生みだしていくべきかを考えることができました。この科目は、自社をより深く理解し、ステークホルダーとの関係を見直すよい機会になりました。
どのようなキャリアを築き、どのような人生を送りたいかを考える場所。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
グロービスで経営学を学ぶことはもちろん重要ですが、それだけではありません。私も入学前にはまったく予想していませんでしたが、実際に通ってみて感じたのは、グロービスは自分の「志」を見つけ、それをどう実現していくかを考える機会を与えてくれる場所だということです。
授業を通じて、自分の今後の生き方を深く考えるようになりました。そして、その過程で多くの仲間と意見を交わし、視野を広げ、自分の考えを固めることができました。グロービスは、そのためのヒントや機会を豊富に提供してくれる場所です。例えば、さまざまな分野で活躍している人々との出会いや、新しい挑戦の機会などが多くあります。これがグロービスの大きな魅力であり付加価値だと思います。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。