PROFILE
慶應義塾大学を卒業後、富士フイルム株式会社に入社。国内写真関連事業、海外メディカル関連事業に従事。2008年に家業の自動車販売会社(神奈川ダイハツ販売株式会社)に入社、同社の関連会社との合併を経て、2021年に代表取締役社長に就任。
※記事の内容はインタビュー当時のものです
成果につながる再現性の高いスキルを身に付けたかった。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
社内でポジションが上がるにつれて、「活発性や社交性、コミュニケーション力といったソフトスキル(個人の特性に関連するスキル)しか持たない自分が、ビジネスパーソンとしてこの先も通用するのか」という不安を感じていました。成果につながる再現性の高いハードスキル(特定の専門知識や経験を通じて得られるスキル)を身に付けて、目の前の仕事と向き合わなければならないと思ったことが、グロービスで学び始めたきっかけです。
当初は大学院(本科)への進学は視野に入れておらず、単科生として数科目だけ受講しようと思っていました。しかし学び始めてすぐに、副次的な効果に気付きました。それは、グロービスでの学びは、さまざまな視点が増え、思い込みやノイズを消し去り、思考を圧倒的にポジティブにしてくれるという点です。こうした効果を受けて、本科で学ぶことを迷わず決意しました。
オンラインの利便性や、教員の巧みなファシリテーションに惹かれた。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
オンライン授業の利便性や内容に、強く惹かれました。当初は最寄りの横浜キャンパスで学びを開始し、通学の授業を体験しました。臨場感あふれる通学の授業に魅力を感じつつも、視覚や聴覚に限定されているオンラインのほうが集中しやすく、自分に合っていると感じました。時間効率の観点でも、オンラインは移動が不要でとても便利です。さらに距離の制約も受けません。リアルでは会えない場所に住むクラスメートと一緒に学んだり、普段の生活圏内では出会えないような仲間と知り合えたりすることも大きな魅力です。
また、グロービスの教員の皆さんは、ファシリテーション力に優れています。授業の内容そのものだけでなく、オンラインにおける巧みな授業展開を目の当たりにしながら学べることも非常に有意義だと思います。社内でオンラインの積極的な活用に舵を切ることができたのも、グロービスのオンライン授業のおかげです。
言語化を繰り返すことで、アウトプットの質が格段に上がった。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
福沢諭吉は、著書『学問のすゝめ』で実学の重要性について語っています。実学とは「社会を発展させ、進化させることに直接寄与する科学的な学問である」と定義されていました。知識や理論を覚えるといった「学問のための学問」ではなく、自分が携わっている仕事に役立てる形で学べ、と書いてあるのです。実践性を重視するグロービスの学びは、まさに実学だと思います。
また、グロービスの教員は、“教授”や“先生”というよりも、専門分野におけるスキルや知識を実務で活用している“プロのビジネスパーソン”です。クラスメートを含めて、プロのビジネスパーソン同士でディスカッションに熱中できる授業スタイルは、自分にとても合っていました。議論に参加するためには、思考を深め言葉の解像度を高めることが必要です。こうした営みの繰り返しが、アウトプットの質の向上や成果につながっていると感じています。
心と時間の余白を作ることで、安心して自分のペースで学べる。
出願するにあたっての懸念点はどのようなものでしたか?
今までは仕事と家族、2つを主軸にスケジュールを考えていればよかったのですが、これに学びが加わると考えるべきことの複雑性が増します。しかし、学び続けていると慣れてくるもので、半年ほど経つと「平日午前に1時間、平日午後に1時間、土日に3時間」と自分専用の時間割のようなものができてくるのです。さらに、思考の精度が上がる時間帯も次第に分かるようになり、自分のコンディションを踏まえてスケジュールを組めるようになります。ちなみに、私が学びに集中するために心掛けているのは、睡眠時間の確保です。フィジカルやメンタルを回復させるために、睡眠は必須です。1日7~8時間しっかり休息すると、心にも余裕が生まれると思います。
私はストイックなタイプではないため、「期限が迫っているので、精神力で頑張る」よりも「学びを楽しむことで、無意識のうちに頑張れている」というやり方が向いています。自分専用の時間割を組んで心と時間の余白を作ることができれば、皆さんもきっと安心して自分のペースで学べるようになると思います。
多角的な観点を持って、思考を深める癖が付いた。
入学後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
数多くのケース(企業事例)に基づき議論しているうちに、「定量と定性」「具体と抽象」「事実と解釈」といった観点をもとに、思考を深める癖が付いてきました。すると、仕事の中でも「この観点で考えると情報が不足しているのではないか?」「不足している情報をどのように収集するか?」「自分が置いた前提に合理性はあるか?」など、客観性を担保するために自然と自問自答するようになりました。
また、授業で積極的に議論に参加することもコミュニケーション力を上げるよいトレーニングになっています。自分の考えをほかの人に分かりやすく簡潔に説明するスキルや、ビジネスのプロフェッショナルである教員やクラスメートの前で物怖じせずに発言するメンタルなどが身に付きました。
ファミリービジネスに携わる人にとって、大きな支えを得られる。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
3日間の集中講義形式で学ぶ「ファミリービジネス・マネジメント」です。授業初回に、教員の方から「会社法を知らないで経営に携わることは、無免許で車を運転していることと同じ」と言われ、反省するところからスタートしました。
相続や法人個人の一体性(※)、事業承継など、ファミリービジネスならではの重要なキーワードの理解を深めつつ、学生各々の個別具体的な事情を絡めたディスカッションを重ねられることが、この科目の特徴です。怒涛の3日間だったので、受講し終わった当時は、本当に学びが定着しているのか不安を感じていました。しかし、しばらくして3日間を振り返ってみると、ともに働く社員への感謝やファミリーへの愛情が、しっかりと自身の中に醸成されていました。ファミリービジネスに携わる人にとって、これからの支えになるとても有意義な科目だと思います。
※法人個人の一体性…中小企業においては、業務、経理、資産所有などに関する企業と経営者などとの関係が明確に区分・分離されておらず、実質的に一体となっていること。
単科生制度を活用したスモールスタートで、不安を解消する。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
個人差はありますが、生活スタイルの変化によってストレスを感じる方も多いのではないでしょうか。私もそのひとりです。本科に入学していきなりハードな生活スタイルに変更することは、負荷が大き過ぎると考え、まずは“予防接種”として単科生制度を活用してみるのはいかがでしょうか。
単科生として学び始めることで、自分にとって無理のないスケジューリングや、難易度を考慮した受講科目の組み合わせを把握でき、心と勉強時間のキャパシティーを徐々に上げていくことができると思います。また、ともに学ぶ仲間ができれば、自分にはない視点から新しい気付きをもらうことで、加速度的に勉強効率が上がります。加えて、グロービスでの学びが自分に合っているかを確認することができ、安心して本科に臨むことができると思います。もし出願に不安を感じているのであれば、単科生制度を活用したスモールスタートがおすすめです。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。