活躍する卒業生・在校生

卒業生のキャリアケース:NPO

卒業生のキャリアケース:NPO

稲垣 亮太さん

仕事とNPOの両立で実現する社会貢献

株式会社セールスフォース・ドットコムNPO法人GRA所属

稲垣 亮太さんRyota Inagaki

※年齢・肩書きはインタビュー当時のもの

今までのキャリアについて

~ベンチャー企業のインターンシップで得た営業の魅力~

 大学時代、ベンチャー企業で広告営業のインターンシップを経験しました。まだ新しかったネット広告をお客様にご提案し、実際に集客や売上を伸ばすお手伝いをする。この経験を通じ、営業という仕事の奥の深さや面白さに目覚めました。インターン終了後は、そのままその会社に就職するお話も頂きましたが、新卒入社というチャンスは一度しかないため、より社会的インパクトや裁量の大きさ、働いている人達の人間的魅力があるところを探した結果、前職のIT企業にご縁があり、入社しました。
入社後は、金融機関のお客様を担当する営業チームに所属。金融機関と言っても多種多様な業態のお客様がいらっしゃって、商品・サービスも様々なものを扱う機会がありました。目の前の仕事に一生懸命取り組みながら、あっという間に過ぎた8年間でした。
その後、大学院で経営を学んでいくうちに、より経営に関わっていくような仕事や、社会を変える可能性があるような仕事に取り組みたいと考えるようになり、知人からの紹介というきっかけもあり、現在の会社に転職しました。

キャリア選択のベースとなる価値観について

~大学院で出会った仲間と共に立ち上げたNPOで学んだこと~

 価値観において大きな影響を受けた出来事に、大学時代の2つの原体験があります。1つ目は、ベンチャー企業でインターンとして学んだ営業の仕事について。2つ目は、ソーシャルビジネスについてです。大学時代にETIC.という社会起業家育成支援を行うNPOや、かものはしプロジェクトという児童買春問題に取り組む事業型NGOに関わりました。それがきっかけで、いつか社会問題をビジネスの力で解決するような仕事に携わりたいと思うようになり、社会人になってからも友人の起業の手伝い等を続けていました。
現在、大学院に、平日夜と週末の週2回ペースで通学し、経営を学んでいるのですが、仕事上、多くの経営者やマネジメントの方々とお会いし、会社や事業のあるべき姿や、業績目標をいかに達成させるかについて話をする機会が大変多いです。全てのクラスでの学びを総動員しながら仕事に取り組んでいることを実感しており、大学院で学んでいなければ、まず、今の仕事には取り組む事はできなかったと思います。
 社外で副業で取り組んでいるNPO法人GRAの活動についても全く同様です。掲げるビジョン・ミッション・長期的目標に向けて、マーケティング・財務・組織構造といった切り口で日々考え、実行しています。全員が本業を別に持つプロボノの組織ではありますが、事業をゼロから作り育てていくプロセスは、学んだ事を活かす絶好の場になっています。
GRAは、「10年100社10,000人」ビジョンを掲げ、宮城県亘理郡山元町を起点とした先端農業・中学生向けキャリア教育・交流をするNPO法人です。元々は震災直後、大学院の同級生である岩佐氏の呼びかけが発端で始まったプロジェクト。彼の故郷の宮城県亘理郡山元町で、定期的に、農地の瓦礫撤去や側溝の泥かき等のボランティアを行う中で、そこで出会ったいちご農家が復活できずにいる状況を目の当たりにし、自分達自身がいちご農園を始めたら良い刺激になるのでは、と考えたのです。そして、2012年7月頃、自らがいちご農園の経営をスタートさせました。
また、同時期に、町長・役場関係者・地元企業経営者・住民の人々との復興プランの議論を重ねて生まれた、中学生向けのキャリア教育授業にも携わっています。これは、山元町の将来を担う若い世代からビジネス・政治・研究等の分野でリーダーを輩出する事を目指しています。
私自身は、NPO法人の立ち上げ時から岩佐氏・溝井氏と共に共同創業者として関わってきましたが、現在は事務局のメンバーとして、支援者・寄付者・関連団体の方々との関係構築やファンドレイジングに注力しています。
本業の仕事、大学院の勉強と並行し、NPOの活動に携わることは、体力的には結構大変です。これまでのように、週末、テレビを見てぼーっと過ごす時間は全く無くなりました。それは、自分が本当にやりたい事に専念できているということだと思います。精神的には非常に充実した日々を送っています。
この活動を通じ、事業をゼロから作り育てていくプロセス、内的報酬のみで動く組織のマネジメント等を学ぶことができました。これまで出会う事のなかった様々な価値観を持った人とも出会う事ができ、視野を広げられたと感じます。また同時に、本業だけでは得られないものを確実に得たと認識していますし、ここでの経験は、本業の仕事にも活かすことができていると思います。
これからも、大学院で学んだ事を最大限に活かしながら、本業と副業それぞれに全力で取り組み、将来的に、これらの2つに相乗効果が生まれればと考えています。

必要なスキルと能力開発について

~未来へと繋げるための前向きなチャレンジ~

 より社会的価値が大きく、より自己成長に繋がるものに挑戦したいと常々考えています。そのための能力開発をするために大学院に通っています。また同時にそのためには、自戒を込めていますが、まずは目の前にある仕事と真摯に向き合って、きっちりと成果を出す事が一番重要だと考えます。それに加え、同じ志を持つ仲間との対話を通じ、刺激し合える環境に身を置く事、そして、常に自分の心に素直であるべきだと考えます。
キャリアについては、後で振り返ると結果的にできている道のようなものではないでしょうか。これまで、自分が歩んできた道を振り返った際、あの時苦しかったことはとても重要な意味があったのではないかと後々感じた事がありました。今も日々悪戦苦闘していますが、きっとそれだけ未来で重要な意味を持つ時期なのだと考え、自分の心に素直に、やりたい事に挑戦し続けていきたいと思います。
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NPO事例 GRA 稲垣氏 のページ。実践的なMBA(経営学修士)のグロービス経営大学院。リーダー育成のビジネススクールとして、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・横浜・水戸・オンラインでMBAプログラムを提供しています。