蕨 博雅さん 蕨 博雅さん

会計士の専門性を「軸」として、
経営全体を動かす力へ。
CFOとしての視座を高めた、
グロービスでの学び。

  • 上場化粧品・サプリメントメーカー
  • 取締役CFO

蕨 博雅さんHiromasa Warabi

PROFILE

慶應義塾大学卒業後、公認会計士として大手監査法人へ。8年間、監査業務に従事。その後、コンサルティング会社でのM&A業務、証券会社でのIPO業務を経て、2018年に自社ブランドの化粧品やサプリメントを開発・販売する企業へ参画。取締役CFOとして上場準備を牽引し、2021年6月に同社を上場へと導く。グロービス経営大学院で得た実践値を武器に、企業価値のさらなる向上に挑んでいる。


※記事の内容はインタビュー当時のものです

経営のリアルに直面して気付いた。会計の専門性だけでは導けない組織の未来。

MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?

上場準備の責任者として経営会議に出席する中で、会計や財務の知識だけでは乗り越えられない壁に直面しました。組織の針路を示す立場でありながら、戦略やマーケティング、人事に関する知見が足りず、自身の力不足を痛感する日々でした。

多くの会計士がそうであるように、若くして経営者と対話の機会を多く得た私は、どこかで「経営を理解している」と思い込んでいたのかもしれません。しかし、自分の発言がそのまま意思決定につながる現場では、浅い理解や偏った視点は許されません。「このままでは危うい」と、強い危機感を抱きました。

自分の専門性を土台にしつつも、経営全体を俯瞰して捉え、確かな言葉で方向性を示せる存在になりたい。その思いが、私をMBAという新たな学びへと駆り立てたのです。

仕事との両立を前提とした制度設計。だからこそ、多忙な中でも挑戦することができた。

なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?

私にとって、仕事と学びの両立は絶対に譲れない条件でした。そのため、フルタイムの国内外MBAは最初から選択肢に入れていません。さまざまなビジネススクールを比較検討した結果、最終的にグロービスを選んだのには、いくつかの決め手があります。

1つ目は、日本最大のMBAであるグロービスだからこそ出会える、多様なバックグラウンドを持つ仲間たちの存在です。業種も年齢も価値観も異なるクラスメートと切磋琢磨する環境は、自分ひとりでは決して得られない学びをもたらしてくれます。

2つ目は、単科生制度です。1科目(3ヶ月)から無理なく学び始められる仕組みがあったことで、「本当に仕事と勉強を両立できるのか」という不安も解消され、仕事を続けながらでも学びを続けるイメージを具体的に描けました。こうした制度や環境が整っていたからこそ、私は多忙な日々の中でも、一歩踏み出し、学び続けるイメージを具体的に描くことができました。

蕨 博雅さん

いつも想像を超える気付きがある。対話から生まれる“実践知”が最大の魅力。

グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?

最大の魅力は、学びの「深さ」と「多様性」が交差する学びの場にあります。特に印象的だったのは、どれだけ丁寧に予習しても、ひとりではたどり着けないような気付きに、授業での議論を通じて出会えることでした。業界や職種、経験年数も異なる仲間との対話の中で、自分の前提や常識が揺さぶられ、新たな視野が自然と広がっていきました。

また、あらゆる学びの土台となる科目「クリティカル・シンキング」や、生成AIをはじめとする技術革新の波を捉える「テクノベート」系の科目群など、現代のビジネス環境をリアルに反映したグロービス独自の科目は、知識の習得にとどまらず、実際の仕事に活かせる“実践知”を磨くことに直結しています。

グロービスの授業は、単なる知識のインプットの場ではなく、仲間との対話を通じて、現場で使える思考力や判断力が研ぎ澄まされていく。それが、私がグロービスで学ぶ中で最も価値を感じたことです。

どんな状況でも最適な一手を導くことができる。“思考の軸”が、意思決定の質とスピードを変えた。

卒業後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?

最も大きな変化は、「あれだけ学んだから大丈夫」という確かな自信が生まれたことです。この自信は、単なる精神論ではありません。ケースメソッドの授業で何度も取り組んだ「状況を整理し、選択肢を洗い出し、それぞれの打ち手の効果やリスクを評価する」という思考プロセスが、自然と身についたからこそのものです。

この思考の型があれば、たとえ前例のない複雑な課題に直面しても、動じることなく、冷静に最適な一手を導き出せるようになります。加えて、その冷静なアプローチはチームにも波及し、議論の質が高まり、意思決定のスピードも上がるという好循環が生まれました。

結果として、私自身の仕事の質が上がっただけでなく、組織全体の意思決定がよりスムーズかつ的確になったと実感しています。MBAで培った“思考の軸”は、日々のビジネスの中で何度も価値を発揮しています。

異なる価値観を持つ仲間との対話が、自己変容のきっかけに。

グロービスのMBAで得たものを一言で表現すると何になりますか?

一言で表現するなら「多様な視点と、対話による自己変容のきっかけ」です。

私は会計士としてキャリアを歩んできたこともあり、物事をどうしても「数字」や「合理性」といった枠組みで捉えがちでした。しかし、グロービスの授業には、マーケティングや研究開発、営業など、まったく異なる専門性や価値観を持った仲間たちが集まっています。彼ら彼女らは、「顧客の感情」や「技術の可能性」など、私にはなかった切り口で問題を捉えており、最初は正直戸惑いました。「なぜ自分のロジックが伝わらないのか」と苛立ちを感じることもありました。しかし、何度も対話を重ねるうちに、それぞれの意見の背景には異なる「正義」や経験に裏打ちされた価値観があるのだと気付きました。それは私にとって大きな発見でした。

このプロセスを通じて、自分の思考の偏りを客観視する力が養われ、以前よりも柔軟に、そして深く物事を捉える姿勢が身に付いたと実感しています。

蕨 博雅さん

肩書きを超えた信頼関係が、一生の財産になる。

グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?

グロービスで得た人的ネットワークは、私にとって何よりの財産であり、確かな心の支えです。CFOという立場上、日々直面する事業や人材に関する課題について、本音で意見を交わせる仲間がいることは、非常に心強いです。

グロービスは「実務直結の学び」を重視しているため、授業でのディスカッションや勉強会、懇親会の中で互いの経験や知見を共有する機会が多く、自然と実務に根差した信頼関係が築かれていきます。その結果、卒業後も実務に即したテーマで率直に議論し合える関係が続いており、まさにグロービスならではの特徴だと感じています。

また、業界や職種が異なる仲間が、それぞれの現場で挑戦を続け、成果を出している姿に、いつも刺激を受けています。互いの肩書きを外し、率直な対話を重ねる中で築かれた信頼関係は、生涯にわたって成長を支え合えるかけがえのないつながりです。こうした仲間と出会えたことに、心から感謝しています。

蕨 博雅さん

知っているはずの世界が、違って見えた。数字の先にある、組織を読み解く力。

受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?

すべての科目に学びがありましたが、最も印象に残っているのは、最初に受講した「クリティカル・シンキング」です。

書籍で仮説思考やロジカルシンキングに触れていた私は、ある程度理解しているつもりでした。ところが授業では、ケース(企業事例)を題材に、自分の思考の癖や抜け漏れ、曖昧な論理を浮き彫りにされます。「構造化するとはどういうことか」「どこまで深く考えるべきか」を体感しながら、私の“考える力”の土台が一から鍛え直されました。この経験が、その後すべての科目における学びの質を高める礎となりました。

もう一つ、強く印象に残っているのが「アカウンティングII(管理会計)」です。私は会計士としての専門性があるため、「この分野は熟知しているだろう」と正直なところ油断していました。しかし、そこで問われたのは、単なる数字の分析ではなく、「数字の背後にある現場のリアル」でした。たとえば、予算管理を通じた従業員とのコミュニケーション、数字が組織文化に与える影響、自分の言動が周囲にどんなメッセージとして伝わるのか。こうした“生きた経営”の視点が突きつけられたのです。

このとき感じたのは、「数字を理解すること」と「経営を理解すること」は別物だということ。実務経験があったからこそ、教員から授業で投げかけられた問いが、自分の中に深く刺さりました。これまで意識してこなかった視点を突きつけられたのです。相手の視点に立って考えることの重要性に気づかされたこの経験は、非常に「味わい深い」学びとなりました。

一歩踏み出せば、想像以上の学びと生涯の仲間との出会いが待っている。

グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。

私がグロービスで学び始めたのは、コロナ禍で生まれた時間を「何か新しい挑戦に使いたい」という素朴な想いからでした。最初から明確な目的やキャリアビジョンがあったわけではありません。ただ、「今こそ動き出すタイミングかもしれない」という気持ちに素直に従い、一歩を踏み出したのです。

もちろん、仕事との両立は簡単ではありませんし、入学には覚悟も必要です。でも振り返れば、そこで得た学びや出会いは、その努力をはるかに上回るものでした。授業のたびに知的好奇心が刺激され、自分の視野が広がっていくのを実感することができました。そして何より、同じように挑戦を選んだ仲間たちとの出会いが、大きな財産になりました。立場や業界を超えて、真剣に議論し合える関係は、まさにかけがえのないものです。

迷っているなら、まず一歩を踏み出してみてください。その先には、きっとあなたにしか得られない「学びの旅」が待っているはずです。

体験クラス&説明会日程

受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。

また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。

10/4(土)14:00~16:00

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催)
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

10/23(木)19:30~21:30

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催)
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

11/1(土)10:00~12:15

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催) ※卒業生スピーチあり
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

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