PROFILE
京都大学大学院農学研究科を修了後、サントリー株式会社に入社。健康食品の研究開発部門に従事し、「ロコモア」などの新商品開発や品質保証業務、輸出申請業務等を担当。現在は同部門にて健康食品・化粧品の商品開発を統括している。
※記事の内容はインタビュー当時のものです
管理職になった時に、技術の専門性だけでは乗り越えられないと感じた。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
私は理系大学院を卒業後、R&D(研究開発)部門で一貫して技術職としてキャリアを積んできました。専門領域に没頭し、研究開発の最前線で成果を上げることに注力してきましたが、管理職に昇進したことをきっかけに、大きな課題に直面しました。管理職の立場になると、他部署との連携や意見の調整、合意形成の機会が増え、より広い視野で組織全体を見渡すことが求められるようになりました。しかし、技術職としての経験だけでは限界があり、財務やマーケティングといった事業に関する知識が不足していることを痛感しました。そのため、事業部門のメンバーと対等に議論することができず、組織を横断する意思決定に十分に関与できていないと感じるようになりました。また、経営陣のメッセージを部署のメンバーに伝える際も、その背景や意図を十分に理解しきれず、適切に伝達できていないことが続き、問題意識を持つようになりました。「このままでは、自身の職務を十分に果たすことができない」と自分の視野の狭さに危機感を抱き、経営に関する体系的な知識を集中的に学ぶ必要があると強く感じたのがきっかっけでした。
単科生制度を活用し、学ぶ環境と内容に納得して入学を決めることができた。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
私が重要視したのは、学ぶ時間と学び方のフレキシビリティでした。当時、子どもが年中生と小学校1年生と小さく、育児と仕事を両立しながら学ぶには、効率的に時間を使う必要がありました。オンラインでの学びも考えたのですが、私の性格上、子どものいる家から離れたほうがしっかり学びに集中できると考えていたので、絶対に通学で受講したいと思っていました。ただし、時間には限りがあり、移動時間を最小限に抑えたいという思いもあったので、駅から近く、アクセスの良いグロービスは、限られた時間を有効に使う上で最適な環境でした。また、学び方については、入学前に単科生制度で受講を開始できることが安心材料になりました。子どもとの生活や忙しい仕事とのバランスを見ながら、無理なく学び続けられるかを確認できましたし、カリキュラムの内容やクラスの進め方が自分に合った学び方かどうかも、実際に受講しながら判断することができました。単科生制度があったことで、納得感を持って本科生への一歩を踏み出せたと思います。
主体的な学びを後押してくれる仕組みがあるから、高い目標も超えられた。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
グロービスで学ぶ魅力を挙げると、一番は、多様なバックグラウンドを持つ仲間たちとともに、同じ目標に向かって切磋琢磨できる環境です。さまざまな年齢、業界や職種のメンバーと意見を交わし、それぞれの視点を学ぶことで、自分ひとりでは得られなかった新たな知見や気付きを得ることができました。また、単なる知識の習得にとどまらず、仲間たちと互いの成長を実感しながら学び合うことで、学ぶこと自体がより刺激的で楽しいものになりました。他にも、経営の基本的な知識を学ぶだけではなく、世の中の変化を見据えた先進的なカリキュラムが用意されていることも大きな魅力でした。授業では、最新のビジネストレンドやテクノロジー、変化する市場環境を踏まえた実践的な内容が取り入れられており、今後必要とされるスキルや知識をいち早くインプットすることができました。新しいだけではなく、実際のビジネスシーンに即した内容を学べるので、学んだことをすぐに仕事で使え、日々自分の学びの成果を感じていました。さらに、学びのモチベーションを高める仕組みが整っていることもグロービスだからこその魅力だと思います。明確な基準での成績評価が行われるため、自分の成長を客観的に把握することができ、学びへの意欲が自然と高まりました。また、成績優秀修了者※への表彰制度も設けられていることも私にとって大きなポイントとなり、努力が形として評価されることが励みになりました。こうした仕組みのおかげで、単なる受動的な学びではなく、より高い目標を持って主体的に取り組む姿勢を身に付けることができたと感じています。※成績優秀修了者…卒業時の成績評価(GPA)上位5%の学生を指す。
事業の知識に対するコンプレックスを克服。主体的に発言するようになった。
卒業後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
私にとって最も大きな変化は、経営者の視点を理解することで、自分が担当する部門の役割や課題を、会社全体の視点から俯瞰して考えられるようになったことでした。以前は、自部門の利益や目標だけに目が向きがちでしたが、グロービスでの学びを通じて、企業がどのように価値を創造し、社会に貢献し続けているのかという視座を持てるようになりました。
また、グロービス入学前の私は、事業に関する知識の不足に対してコンプレックスが強く、会議の場でも積極的に発言できず、意見を表明することにためらいを感じることも少なくありませんでした。しかし、グロービスで多様な業界やバックグラウンドを持つ仲間たちと真剣な議論を重ねる中で、自らの意見を構築し、それを堂々と伝えるための自信を徐々に養っていくことができました。
卒業後は、経営に関する議論にも積極的に参加するようになり、経営陣や他部門の責任者とも対等に意見を交わせるようになりました。単なる知識の習得にとどまらず、グロービスでの学びは私自身の思考や行動様式そのものを深く変え、仕事への取り組み方にも大きな成長をもたらしたと強く感じています。
MBAの学びをやり遂げた自信が、次の挑戦の支えになっている。
グロービスのMBAで得たものを一言で表現すると何になりますか?
グロービスのMBAを通じて得たものは、経営知識やともに学んだ仲間とのつながりなど、数えきれないほどあります。その中でも、一番は、「やり遂げた」という実感から生まれた自信です。管理職としての責任を果たしながら、二児の母として家庭を支え、MBAの学びに挑戦する日々は、決して楽ではありませんでした。
仕事の繁忙期には課題提出の時間を捻出するのに苦労し、家庭とのバランスに悩むこともありました。さらに、一時的に学びを中断せざるを得ない時期もあり、単科生時代を含めると修了までに4年かかりました。それでも、入学当初から掲げていた「成績優秀修了」という目標を目指し、家族や友人に支えられながら学び続けました。
「やると決めたら最後までやり遂げる」。その思いを胸に、試行錯誤を繰り返しながら進んだ4年間でした。決して順調な道のりではありませんでしたが、困難を乗り越えた経験が、今の自分を支えてくれています。振り返ると、大変なことも多かったですが、それ以上に得るものがありました。この経験と自信は、これから新たなチャレンジが巡ってきても、それを乗り越えるための大きな糧になると感じています。
公私を問わず支え合う仲間とのつながりは、一生続くと感じています。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
公私を問わず何でも相談できる仲間です。在学中に築いた関係は今も変わらず続いており、仕事やプライベートで困ったときには気軽に相談し合い、互いに励まし合える存在になっています。製薬会社、教育関連、ベンチャー企業、公務員など、それぞれ異なる業界で活躍する方々なので、異なるバックグラウンドを持つ彼らとの交流を通じて、普段の仕事では得られない視点に触れることができ、今でも新たな刺激を受け続けています。
日々の業務や会社で関わる人達は、同じ価値観を持つ人が多く、それが安心感につながる一方で、視野を広げる機会は限られがちです。私は、グロービスに通うことで、全く異なる価値観や経験を持つ人たちと出会うことができました。また、学びをともにすると、率直に意見を交わし、多様な考えに自分の意見をぶつけ合うので、強い信頼関係が芽生え、関係性が強固になります。
社会人になると、仕事以外でこうした仲間と出会い、深い関係を築く機会は限られますが、グロービスでは、単なる学びの場にとどまらず、今後のキャリアや人生においても大きな価値のあるネットワークを築くことができました。
組織の慣性を理解し、変革の本質を学ぶ機会になった。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「イノベーションによる事業構造変革」です。この科目では、イノベーションを通じて事業構造(ポートフォリオ)を変革する際の課題や、その乗り越え方について学びました。多くの企業でイノベーションがうまく進まない要因は、組織の慣性にあることを知り、それを踏まえると、イノベーションを推進するためには組織の対応が最優先であることが理解できました。
私が所属するR&D部門では、常にイノベーティブな新しい価値の創出が求められています。しかし、実際には思うように進められないことが多く、それが長年の悩みでもありました。この科目での学びを通じて、まずは自部署の慣性がどのように生じているのか、そしてその根本的な要因を把握することが重要だと気付きました。現在は、それを踏まえて具体的な対策を講じることで、少しずつではありますが、成果を生み出せるようになってきたと実感しています。
学びのチャンスは今。挑戦するタイミングを逃さず未来を変えてほしい。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
私は、子育てが落ち着いたらMBAにチャレンジしようと考えていました。しかし、社会人として「落ち着く時期」は決して訪れないこと、そして年を重ねるほど新しい挑戦のハードルが高くなることに気付き、キャリアの中で最も多忙な時期にグロービスへの入学を決めました。
確かに、仕事や家庭と両立しながら学ぶことは簡単ではありませんでしたが、その時期だからこそ得られた学びや経験が数多くあり、当時の決断は正しかったと実感しています。グロービスでの学びを考えている皆さんも、「いつか」ではなく、「今こそが最大のチャンス」と捉えてほしいと思います。
学びたいと思ったその気持ちを大切にし、タイミングを逃さずに行動することで、より充実した学生生活を送りながら、大きな成長を実感できるはずです。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。