PROFILE
2006年に星薬科大学大学院修士課程修了後、Meiji Seika Pharma(旧 明治製菓)に入社。感染症を中心とする新薬の研究に従事。手掛けた開発候補品の製造プロセス開発、当局申請資料作成などを経験。その間、労働組合本部副委員長を非専従の立場で3年経験。2021年にAGCに転職し、現在はAGCライフサイエンスカンパニーで、CDMO及び自社合成医薬品の品質保証業務に従事している。
※記事の内容はインタビュー当時のものです
変化が大きい製薬業界で、ビジネスの全体像を理解できていないことに気付いた。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
私がMBA取得を考え始めた当時、製薬業界は大きな転換点を迎えている状況でした。新薬研究開発のターゲット疾患が長期投与を見込める生活習慣病治療領域からより難易度の高いがん治療領域へ変化し、企業は新薬開発投資額の急増に対応するために資源効率化や合併を進めていました。このような外部環境の変化の中で、部門の中核を担う立場となった私は、ビジネスや技術の変化をどう捉え、どのように戦略を立案すべきか悩んでいました。
ちょうどその頃、会社の研修で「クリティカル・シンキング」を学ぶ機会があり、授業が進むにつれて自分がビジネス全体の構造を十分に理解していないことに気付かされました。さらに、教員の熱量とレベルの高い授業に探求心が刺激され、この“熱い授業”をもっと体験したいと考えて、MBAの取得を決意しました。
自分自身を大きく成長させるのは、MOTよりもMBAだと思った。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
研究員であれば、MOT(技術経営)を選択するのでは、と考える方も多いかもしれません。実際、私自身もMOTを検討しました。その上でグロービスのMBAを選択した理由は、主に3つあります。
1つ目は、多様な職種の方が受講していたことです。体験クラスに参加した際、異業種の方々と議論する機会が多く、視野を広げられると感じました。
2つ目は、柔軟な受講スタイルです。同じ科目でも複数の日程が用意されており、自分のスケジュールに合わせて受講できる点や、オンラインを活用できる点が魅力でした。これにより、仕事と学びを両立しやすくなりました。
最後に、グロービスが「志」を重視していることにも強い共感を持ちました。これは、私自身が組合活動の経験を持ち、人と向き合うことの大切さを実感していたことも影響していると思います。
これらのことから、自分自身を大きく成長させるのはMOTではなくグロービスのMBAだと考え、進む道を決めました。
仲間と一緒に納得がいくまで議論し、学びを深められる。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
魅力は数多くありますが、とくに3つをご紹介します。
1つ目は、必修科目を自分のレベルに合わせて受講できる点です。グロービスでは、研究畑だった私のようにアカウンティングやファイナンスの基礎知識がない人でも、安心して学ぶことができます。
2つ目は、応用・展開科目の充実度です。どの科目も魅力的で、全て受講したくなるほど多彩な内容が揃っています。とくに、私はヒト系(人事組織)やテクノロジー系の知識を強化したいと考えていましたが、それらのニーズを十分に満たしてくれました。
最後に、「探究」の姿勢をすべての授業や勉強会で実践できることです。グロービスには、教員やクラスメートと納得いくまで議論できる環境があります。また、自主勉強会では、専門知識を持つクラスメートが教員役となり、自身のビジネスや所属する業界の特性を解説することもありました。こうした機会のすべてが学びにつながる点が、大きな魅力だと感じています。
相手の視点を意識し、研究の専門性をわかりやすく伝えられるように。
卒業後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
研究員としての専門性は大きな強みですが、時には細部にこだわって視野が狭くなってしまうこともあります。グロービスの学びをきっかけに、フレームワークを活用したり、時間軸や相手の理解度を意識して説明や資料を作成したりするなど、相手の立場を意識した伝え方を心掛けるようになりました。
これは、「企業家リーダーシップ」という科目の中で、キャリアをテーマに、多様な職種の同期と対話を重ねたことがきっかけになっています。このとき、自分の専門性を数ある強みのひとつと捉え直し、「視野・視座・視点」を柔軟に変えることの大切さを実感しました。
今では、「図解による説明が分かりやすい」といったフィードバックをいただく機会が増えたり、仕事の進め方においても、より相手目線を重視するようになったと感じています。
変化を受け入れ、変化に対応する力を養うことができた。
グロービスのMBAで得たものを一言で表現すると何になりますか?
「変化する力」だと思います。私たち研究員は、成果が結実するまでの10年スパンで考える時間感覚でものづくりに従事しています。そのため、外部環境の変化も緩やかであると認識している方が多いように思います。
私はグロービスで学ぶ中で、外部環境の変化のスピード感覚を養うことができましたし、その情報を取りに行く必要性、変化を受け入れる許容度の拡大など、環境や自分自身も含め、全てが変わる可能性があるというマインドセットを培いました。これは自分の大きな変化だと思います。
長期スパンで新しいものを創る研究員こそMBAを取得し、その過程で習得できる「変化する力」を新しい武器として、さらに活躍していくべきだと思っています。
仕事だけでは出会えない幅広いネットワークが広がり、日々の充実につながっている。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
グロービスの仲間とは、勉強会や懇親会などのセクション活動、またJBCCへの挑戦を通じ、強いつながりをつくれました。また、このネットワークをハブとして、JBCCでともに頑張った仲間が立ち上げた会社のイベントに参加するなど、新たなつながりも広がりつつあります。
社内でも、現役グロービス生や卒業生が集まる場があり、部門を超えて交流する機会が生まれました。普段関わることのないメンバーともつながりを持てることで、通常の仕事では関わることができない方々ともネットワークが広がっています。
このような幅広く豊かなネットワークによって、充実した日々が得られていると感じています。
製薬業界が今後直面する社会課題について、議論に費やした時間は何物にも代えがたい経験に。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「製薬企業の構造改革」です。製薬業界で働く立場として、入学前からこの科目を受講し卒業することを一つの目的としていました。
営業、臨床開発、製造、研究など、さまざまな立場のメンバーとグループワークを行い、製薬業界が今後直面する社会課題について議論できたことは、これまでにない貴重な学びとなりました。
また、医政局への提言を前提に資料を作成するため、多くの時間を議論に費やしましたが、この経験は何物にも代えがたい価値がありました。グロービスでは、多様なメンバーとのディスカッションの機会が豊富にありますが、業界に精通したメンバー同士で議論できる科目があることも、満足度が高まった大きな要因となりました。
出願前にしっかり準備を進めることで、より充実した学生生活を過ごせる。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
私が特に悩んだのは、2年間という学習期間でした。しかし、入学前にカリキュラムを徹底的に調べ、「イノベーションによる事業構造変革」と「製薬企業の構造改革」という科目を受講して、業務に活かすことを、MBA取得の目的のひとつと定めました。その結果、MBAでの学びのイメージが明確になり、2年間が短く感じるほど充実した時間となりました。
もうひとつ、具体的にどのようなスキルが身に付くかわからない不安もありました。これについては、「体験クラス&説明会」とグロービスの「MBAシリーズ」の本によって、学びの内容が明確になり、安心することができました。
出願前にしっかり準備を進めることで、学習の目的が具体化し、より良いスタートを切れるはずです。グロービスの学びのシステムは、研究計画を立てて実験実務を行う研究者に適していると感じます。
MBA取得を目指す皆さんを応援しています。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。