PROFILE
上智大学法学部卒業後、都内ホテルに勤務。出産後12年のブランクの後パートタイムで現ホテルへ。宿泊予約業務に携わり、2020年より社員として客室レベニューマネジメント業務に従事。現在はレベニューマネージャーとして、宿泊需要を予測しながら客室収益を最大化するために価格や在庫を調整し販売管理を担う。
※こちらの記事は、在学時のインタビューとなります
12年のブランクから、新しいキャリアへ。
学び始めようと考えたきっかけや動機は何でしょうか?
大学卒業後、東京で勤務していましたが、出産を機に退職し、約12年間は専業主婦として家事と育児に専念していました。子どもの成長とともに、再び働きたいという思いが強くなり、ホテル業界でパートタイムとして働き始めたのです。
転機となったのは、当時の外国人上司の評価でした。性別や雇用形態にとらわれず、純粋に能力を評価する方針を持っていたことが、私のキャリアに大きな影響を与えました。私の仕事ぶりが評価され、宿泊予約の業務から、より専門性の高いレベニューコントロール(収益管理)の仕事を任されるようになったのです。
この新しい仕事に取り組む中で、業務の面白さや奥深さに目覚めていきました。所属していたのがセールス&マーケティング部門だったので、とくにマーケティングという分野に強い興味を抱くようになりました。上司からマーケティングに関する話を聞く機会が増え、「マーケティングの知識をもっと深められれば、仕事の質が向上し、より効果的に働けるのではないか」と考えるようになったのです。
「独学だけでは限界がある」という言葉が後押しに。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
マーケティングの本を独学で読み始めたころ、夫から「独学だけでは限界があるよ。プロから直接学ぶのが一番効果的だ」とアドバイスをもらいました。このアドバイスがきっかけとなり、グロービス経営大学院で学ぶことを決めたのです。最初は「マーケティング・経営戦略基礎」という科目だけを受講して終えるつもりでした。しかし、実際に授業を受けてみると、想像以上に刺激的で、マーケティング以外も学んでみることにしました。
また、学んだことをすぐに実務に活かせる点も、グロービスで学び続けた理由のひとつです。偶然にも、コロナ禍で仕事の内容が大きく変わり、新たな発想や戦略が求められる時期と、グロービスでの学びの時期が重なったのです。授業で学んだフレームワークや考え方を、目の前の業務課題にすぐ役立てることができました。
振り返ってみると、もしグロービスに通っていなかったら、この急激な変化の中で何をすべきか、どう考えるべきかといった指針さえ見出せなかったかもしれません。グロービスでの学びを通じて、「何をしなければいけないか」「どう考えなければいけないか」といった思考を身に付けられました。
知識の習得以上に、人間としての成長につながる環境。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
グロービスの魅力は、何と言っても多様なバックグラウンドを持つ仲間たちとの出会いです。異なる業界や経験を持つ人々とのディスカッションを通じて、自分の視野が大きく広がり、新たな知識や視点を得ることができました。この経験は、単なる知識の習得以上に、人間としての成長につながると実感しています。
教員陣との距離の近さも、グロービスの大きな特徴です。授業後に一緒に食事をしたり、仕事の悩みを相談したりと、単なる教員と学生以上の関係性を築くことができました。49歳で入学した私にとって、年齢や経験の異なる方々との交流は、自分の可能性を広げる貴重な機会となりました。とくに印象的だったのは、教員の方の「学ぶことに年齢は関係ない」という言葉です。これが大きな励みとなり、年齢を理由に諦めることなく、学び続ける勇気をもらいました。
学びたいと思っているなら、今がそのチャンス。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
授業を受けていく中で、自分の知識や考え方にまだ足りない部分があると感じるようになりました。データから何を読み取り、どう比較して、どんな結論を導き出すのか。こういった過程を学ぶうちに、自分の理解がまだ浅いことに気付きました。同時に、物事の優先順位をつけたり、自分で納得できる解を考え抜いたりする力をもっと身に付けたいと思うようになりました。
ただ、「もっと勉強したい」というだけでMBAを目指していいのかという迷いがありました。周りには明確な目標を持って熱心に学んでいる人たちがたくさんいて、そんな人たちと同じ土俵に立てるのだろうかと不安になったのです。
決め手となったのは、事務局の方に相談したときのことです。「学びたいと思っているなら、今がそのチャンスだと思いますよ」とアドバイスをもらい、背中を押されたような気がしました。この言葉が、MBAへの挑戦を決意するきっかけになりました。
受験生の子どもと一緒に、勉強に励む日々。
出願するにあたっての懸念点はどのようなものでしたか?
とくに大きかったのは、プライベートと仕事の両立についての不安です。
コロナ禍での一年間の仕事ぶりが認められ、正社員に昇進することになりました。うれしい反面、組織体制が変わり、もともと上司が担当していた仕事を任されるようになったのです。想像以上の責任が増えたタイミングで、グロービスでの学びも始まりました。
このような状況で、「仕事と家事、そしてグロービスでの学びをどう両立させるか」という悩みが大きくなりました。隙間時間を見つけては勉強し、週末を使って進めることが多かったです。また、夫も同じ時期にグロービスに通っていたので、お互いの状況や大変さを理解し合えました。
さらに、子どもも受験生だったので、家族みんながそれぞれの目標に向かって頑張る雰囲気ができました。一緒に勉強することで、励まし合いながら頑張れたのです。
強さと謙虚さを兼ね備えたリーダーシップを心掛けるように。
入学後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
これまでは目の前のタスクをこなすことに集中していましたが、グロービスでの学びを通じて、仕事に対する目的意識が強まりました。とくに、授業で学んだフレームワークや考え方を実務に応用することで、仕事の優先順位を明確にし、効果的に進めることができるように。さらに、問題解決のアプローチも変わりました。以前は問題が発生した際、いきなり解決策を探してしまうことが多かったのですが、今ではまず問題の本質を見極め、原因を分析した上で最適な解決策を見つけるようになりました。
また、リーダーシップについての理解も深まりました。私はもともとリーダーシップを取るのが得意ではありませんでしたが、グロービスでリーダーの在り方について多くのことを学びました。「チームがあって自分がある」という意識と「自分がなければチームがない」という意識を両立させることの重要性を知り、強さと謙虚さのバランスを保つことの大切さを実感したのです。
深いネットワークだからこそ、自分の可能性を広げられる。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
とくに印象に残っているのは、横浜での企業間のつながりです。コロナ禍で人の動きが制限された時期、「地元・横浜の企業の人たちとつながろう」という思いが芽生えました。
ホテル業界と電鉄業界など、異なる分野の企業が「横浜」という共通点でつながっていくのは、とてもワクワクするものでした。グロービスの事務局の方をはじめ、多くの方を巻き込みながら進める中で、人とのつながりを自分から作り上げていく楽しさに気付いたのです。以前は受け身だった私が、能動的に人を巻き込めるようになったのは、グロービスに多様な人がいるからこそ起きた自分の変化だと強く感じています。
単なる名刺交換会でも知り合いは増えますが、それだけでは深いつながりは生まれません。自分の可能性を広げられるような深い人的ネットワークこそが真に価値あるものだと思います。グロービスは、そのような深いネットワークを構築できる環境です。
自信と根拠を持って、数字を扱えるようになった。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「ビジネス・アナリティクス」です。授業を通して学んだのは、予測に必要な情報はどんなものかを考え、何と何を比較すべきか判断するのは人間の役割だということです。
正直なところ、私はもともと数字が得意な方ではありませんでした。しかし、今の仕事がレベニューコントロールという数字を扱う分野だったこともあり、この科目での学びは実務でとても役に立っています。現在の仕事では、過去のデータや競合のデータをもとに予測を立てています。AIや機械学習のおかげで、ある程度の予測は自動化されていますが、その予測を読み取り、解釈をするのは人間の仕事です。
また、未来の料金を考え、提示していく私の仕事では、数字の根拠が常に求められます。この科目のおかげで、どの要素と要素を掛け合わせてこの結果が出たのかを考える癖が付き、「なぜこの数字になったのか?」という問いに答えられるようになりました。数字を単なる結果としてではなく、ビジネスの中での意味や背景を理解しながら扱えるようになり、仕事の質が大きく向上したと実感しています。
リスキリングによって、パートタイムから管理職へ。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
振り返ってみると、私の経験は今話題のリスキリングそのものだったと気付きました。40代後半、50代の方でも、学び直しによってこれだけ活躍できる場があるのです。私は意図せずこの道を歩みましたが、それが今の自分につながっています。
私の場合、グロービスでの3年半の学びで、たくさんの「引き出し」ができました。入学前はパートタイムだった私が、正社員、管理職になり、今、その引き出しを開けて活用できる場に立っています。3年前の自分では想像もできなかった状況です。
「経営者になりたい」「起業したい」といった大きな目標がなくても、学びはスタートできます。自分のスキルを向上させたい、新しいことを学びたいという想いだけで十分です。そして、その学びが予想外の形で新たなチャンスを生み出すこともあります。子育てしながら仕事に悩んでいる方や、キャリアの転換を考えている方にとって、思わぬ成長や機会につながる可能性が、グロービスにはあると思います。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。