PROFILE
大学卒業後、新卒でIT企業に入社。情報システム部門にて、エンジニアを支えるバックオフィス業務に長らく従事。育休取得後は、自社のDX推進担当として、基幹システムの導入プロジェクトや運用管理を通じた業務効率化に取り組んでいる。現在は、子育てとキャリアの両立を目指し、子育てに関わる全ての人を支援する課外活動にも力を入れている。
育休復帰で感じた働き方の壁。自分が成長するしかないと思った。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
育休から復職した直後、最初に感じたのは「働き方の壁」でした。
子育てはどうしても時間的な制約がありながらも、仕事ではこれまでと同じ成果が求められます。その状況で効率と質をどう高めるかを考えたとき、「もう自分が成長するしかない」と強く思ったことが、学びへの第一歩でした。
当時は、社内の基幹システム導入プロジェクトに携わっており、経営方針や投資判断など、これまで関わることのなかった上位の意思決定に触れる機会がありました。その中で、自分には“経営の視点”が足りないことを痛感。補うなら、断片的な知識ではなく、体系的にビジネスを学ぶ必要があると感じました。
さらに復職後のマネジメント業務では、限られたリソースの中で思うようにリーダーシップを発揮できず、苦しい日々が続きました。育児で自由に使える時間が限られる中、「自分が頑張れば何とかなる」という以前の感覚は通用せず、もどかしさを感じることも多くありました。その経験から、他者を頼る、巻き込むといった新しいマネジメントのスタイルを身に付ける必要性を強く意識するようになったのです。
多様なリーダーたちとともに学びながら、自分なりのリーダーシップの軸を見つけたい──。その想いが、MBAへの挑戦を決意させました。
できない理由より、「どう実現するか」を考える自分に変わった。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
「ここなら、学び続けられる」と強く感じたことが、グロービスを選んだ最大の理由です。
単科生として学び始めた頃、子どもはまだ乳幼児でした。学び続けたい気持ちはあっても、仕事と家庭、そして学びを両立できる自信はありませんでした。そんな中、オンラインクラスでは、画面越しに赤ちゃんを抱きながら参加する学生も多く、お互いに自然と声を掛け合い、「どうやって学びの時間を作っているの?」と工夫を共有し合うようになりました。
さらに、事務局の方の紹介で、子育てと両立しながら卒業した先輩とオンラインで話す機会をいただき、リアルな経験談や具体的なアドバイスを直接聞くことができました。そのやり取りを通じて、「できない理由」を数えるのではなく、「どうやればできるか」を考えるマインドに変わっていったのです。
グロービスには、1科目から学び始めることができる単科生制度やオンラインと対面授業を組み合わせたハイブリッド受講など、忙しい社会人にとって柔軟な学びの仕組みがあります。ただ、私にとって何より魅力的だったのは、グロービスでともに学ぶ仲間たちや事務局との温かいつながりでした。グロービスには、さまざまな困難があっても支え合い、背中を押してくれる人たちがいる。そんな安心感のおかげで、本科生として学び続けることができると確信するようになったのです。
グロービスだからこそ、在学中も卒業後もつながりが広がり続ける。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
グロービスの一番の魅力は、自然に人的ネットワークが広がる環境があることです。
日本最大のビジネススクールであるグロービスには、授業のほかにセクション活動、あすか会議、クラブ活動、学事イベントなど、学生同士が交流できる場が豊富に用意されています。また、JBCC(日本ビジネススクール・ケース・コンペティション)※などの活動を通じて、グロービスの枠を超えた挑戦をともにし、深い関係性を築くこともできます。こうした学生同士が交流できる仕組みが用意されている点が、グロービスの最大の魅力だと感じています。
私自身もグロービス公認のクラブ活動である「グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブ」に幹事として参加し、子育てをしながら仕事やキャリアに前向きに取り組む約1,600人もの方々と出会うことができました。イベントや交流会では、日常の悩みからキャリアの方向性まで率直に語り合え、そこで得られる知恵や励ましは日々の仕事や生活に直結する力となっています。
そして何より、グロービスには単科生・在校生・卒業生を問わず、お互いを支え合う文化があります。学びの期間が終わってもネットワークは途切れることなく、むしろ広がり続けています。ここで築いたつながりが、卒業後のキャリアや人生を豊かにしてくれる。それが、私が実感しているグロービスの魅力です。
※日本ビジネススクール・ケース・コンペティション(JBCC)…日本企業が抱える問題をテーマに、全国のビジネススクールの学生が、課題解決に向けた戦略立案の内容を競い合う国内最大級の大会のこと。
理論と実践を通じて、理解してもらうことの意義に気付いた。
卒業後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
最も大きな変化は、「自分が何を伝えたいか」よりも「相手が何を知りたいか」を優先して考えるようになったことです。一言で言うとシンプルですが、その裏には多くの理論を学び実践を経て得た、深い洞察があってこそできる点だと今は思っています。
例えば、業務で頻繁に発生する新規システムの説明では、ユーザーに伝えたい重要なポイントが多くあり、それを最初に伝えなければという使命感を感じます。ですが、「正しい内容を伝える」ことに一生懸命になるよりも、「正しく理解してもらう」ことに注力するほうが重要だと考えるようになりました。
具体的には、相手が何を知っているか・知らないか、何を重視しているか、どんな感情を持っているか、賛成か反対かといった前提を事前に考慮し、合理性と情理の両輪を回すことを意識しながらストーリーを組み立てています。こうした視点を持つことで、以前よりスムーズにプレゼンが通るようになりました。
思い込みの天井を壊し、自分の可能性を信じられるようになった。
グロービスのMBAで得たものを一言で表現すると何になりますか?
「自分の可能性を信じられる経験」です。
グロービスで学び始める前の私は、年齢や性別、置かれた環境を理由に、自分の成長に“限界”を設定していました。しかしグロービスには、年齢も職業も背景も異なる、多様で熱意あふれる仲間たちが集います。それぞれが真剣にキャリアと向き合い、互いに切磋琢磨している姿に刺激を受け、授業での議論やフィードバックを重ねる中で、自分では見えていなかった“可能性の芽”を発見できました。
大学院(本科)の学びは、想像以上にハードです。けれど、それはみな同じ。多忙な日々の中でも、授業にも課外活動にも全力で取り組む仲間たちの存在が、私の限界を押し広げてくれました。に「子育て中だから仕方ない」と諦めかけていた気持ちは、仲間とともに挑戦を重ねる中で、少しずつ「やってみよう」という前向きなエネルギーへと変わっていきました。
次々と新しい挑戦ができたのは、仲間とともに自分を高め合える環境があったからこそ。今は心からそう思います。
想像以上のつながりが、可能性と未知の挑戦を広げてくれる。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
1つ目は、「研究・起業プロジェクト(リサーチプラン)」という科目で得た経験と仲間です。研究テーマに沿って、問いを立て、仮説を構築し、検証を進める中で、約50人のビジネスパーソンにインタビューを行うなど密度の濃い活動でした。活動は大変な面もありましたが、限られた期間でプロジェクトを推進する力が身に付くとともに、仲間と何度も議論を重ね、役割を分担し、互いを支え合う中で強固なチームワーク築く経験を得ることができました。活動をともにした仲間は、まさに生涯の同志です。研究の最後は、自分が情熱を持って取り組んだ成果を紀要という形にすることができ、大きな自信へとつながりました。
2つ目は、グロービス公認クラブ「ワーキング・ペアレンツ・クラブ」の幹事としての活動です。入学前に先輩から「子育て・仕事・勉強の両立」について聞き、安心できた経験を今度は自分が何かの方法で還元したいと考えていました。現在クラブでは、子育て世代がいきいき働ける社会をつくるため、ノウハウ共有や家族のキャリアを考えるきっかけづくりを行っています。毎月のイベントでは対象者設定から企画立案、集客など一連を担い、私にとっては、普段の業務では得られないマーケティング経験をMBAの学びと結びつける実践の場にもなっています。
また、プロボノ※としてNPO団体の課題解決に伴走する活動にも参加しました。これは、グロービスで学んだ志と直結する貴重な経験であり、ソーシャルビジネスの現場を間近に感じながら、「何のために、どう生きたいか」という自分の志を再確認する機会となりました。
グロービスの人的ネットワークは、入学前には想像もしていなかったほど、自分の可能性と視野を広げ、さまざまな挑戦へと背中を押してくれています。
※プロボノ…社会的な目的に向け、ビジネス上のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動のこと。
志を共有し、夢を応援し合える仲間と出会った時間
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「ソーシャル・ベンチャー・マネジメント」です。この科目を受講したことで、ソーシャルビジネスに関わっていきたいという志が明確になりました。実際にソーシャル領域の第一線で活躍されている教員のもと、同じ分野に情熱を持つ仲間とともに議論し学び合えたことは、人生の財産です。
とくに印象的だったのは、事業の社会的インパクトを定量・定性の両面から評価し、それを持続可能なビジネスモデルへと落とし込むプロセスを学んだことです。この経験は、私が思い描く将来像をより鮮明にしてくれました。
最終回の授業では、クラスメート全員が、自らの目指す未来をプレゼンテーションしました。仲間たちの真摯な想いと挑戦に触れ、胸が熱くなる瞬間の連続でした。そして、お互いの夢を心から応援し合える関係が築けたことに、深い感謝の気持ちを抱いています。
不安こそ、挑戦の第一歩にしてほしい
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
もし今、不安を抱えているなら—、それは挑戦のサインかもしれません。まずは単科生として一歩を踏み出してみませんか。
「仕事や子育て、介護で時間が取れない」「授業についていけるか心配」「仕事との両立が不安」。そんな思いを抱えている方は少なくありません。ですが、グロービスには同じような思いを抱きながら、学び始めた仲間がたくさんいます。
学びを少しずつ積み重ねるうちに、やり切る自信が芽生えます。そして仲間と知見を共有しながら、困難もともに乗り越えていける環境がグロービスにはあります。
ぜひ多くの仲間とつながって、私たちの経験や知恵を存分に活用してください。困ったときは、一緒に解決策を見つけていきましょう。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。

