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投稿日:2026年07月22日  更新日:2026年07月22日

投稿日:2026年07月22日
更新日:2026年07月22日

AIに「どこまで任せるか」を実践で判断できる力を。一人一人が手を動かして学ぶ、グロービスの「テクノベート」領域

許勢仁美
グロービス経営大学院教員
本橋敦子
編集者

AIを「知っている」ことと、実際に「使えるようになる」ことの間には、大きな隔たりがある。ツールは触ってみたものの、成果につなげられない。その差は、どこで埋まるのか。
グロービス経営大学院のテクノベート領域は、テクノロジーがビジネスに与える影響を、AIツールを実際に手で動かしながら学ぶ科目群だ。「テクノベート・シンキング」「AI&データサイエンス」など複数の科目がこの領域に含まれ、いずれも目指すのは、知識として知ることではなく、自分で使えるようになること。
AIを使いながら学ぶことで、ビジネスパーソンには何が見えてくるのか。テクノベート領域を担当する許勢仁美教員にその学びの中身を聞いた。

テクノロジーがビジネスを進化させる。定義と、学生の気づき

──テクノベート領域を学ぶことは、今のビジネスパーソンにとってどんな意味を持つのでしょうか。

テクノベートは、テクノロジーとイノベーションからなる造語です。
最新のテクノロジーがビジネスにどのような影響を与えるかを、具体的なケースを通じて考えていきます。これによってビジネスをどう進化させることができるか、イノベーションの力を育むことができると考えています。
人工知能、特に生成AIの急速な進化に代表されるように、最新テクノロジーによって実現可能な世界が広がっています。何ができるようになったのか、それが自分たちのビジネスにどう跳ね返ってくるのかという、テクノロジーのビジネスへの影響を押さえておくことは、これからのビジネスパーソンにとって不可欠な知識だと思います。

テクノベートとは?AI時代に勝ち抜くための思考法とグロービスの学び

──具体的にはどんな場面で、学生は気づきを得ているのでしょうか。

代表的には2つあります。1つは、新しい製品やサービスについて、ビジネスモデルの変化として捉えられるようになること です。「モノからコトへ」「所有から共有・シェアへ」といった消費者の価値観の変化は、テクノロジーによって加速してきました。AmazonやSpotifyといった身近なプラットフォームビジネスのケースを議論することで、理解が深まっていきますね。
もう1つは、頭の中のイメージを自分の手で形にできるという実感です。 「デザイン思考と体験価値」という科目では、プロトタイプとして動画の作成を行っています。この2〜3年ほどで、生成AIを活用した動画作成は大きな進化を遂げました。イメージをデジタルで可視化することが容易になり、アイデアを言葉でなく、イメージで伝えることのパワーを、多くの学生が実感しています。

使うことで、評価し判断する力も強化される

──なぜ「知識として知る」のではなく「使いながら学ぶ」ことが大切なのですか。

グロービスでは実践性を重視していますので、知識として知るにとどまらず、使えるようになることを目指しています。使えるようになるためには、使えるかどうか試してみる、使ってみるという経験が必要です。
更に、自分で実際に使う必要がない場面においても役に立つということです。誰かのアウトプットを前にしたとき、それが良いのか悪いのか、どこを直すべきかを見極めることができるようになります。評価する力や判断する力にもつながっていくと考えています。

──AIツールを実際に手で動かすことで、学生の学びはどう変わりますか。

多くの学生は、AIツールでできること、できないことだけでなく、どこまでできるか、どれくらい早くできるかといった、実際に手を動かさなければ感知できない領域まで体得していきます。

そのプロセスにおいて、自分がアウトプットしたいものを言語化する力の必要性を再認識される方が多いですね。曖昧なイメージのままでは、AIにも的確な指示は出せない。何を出したいのかを自分の言葉にできて初めてツールを使いこなせるようになるのだと手を動かすなかで気づいていかれます。 

AIに「何を、どこまで任せるか」

──領域全体を通じて、学生にはAIとどう向き合えるようになってほしいと考えていますか。

AIコンパニオンからAIエージェントへと、AIの役割が拡張しています。その中で、AIに何を、どこまで任せるか、その判断ができる力を身につけてほしいと考えています。
任せきりにするのでも、遠ざけるのでもなく、 自分が適切な指示を出し、アウトプットに責任を持つ。その自覚を持つことが重要だと考えています。

──その判断力は、授業のどんな場面で鍛えられるのでしょうか。

先ほど触れたプロトタイピングが一つの場です。複数のAIツールを比較したり、AIツールへの指示を工夫したりしながら、出てきたアウトプットを評価していく。この繰り返しのなかで、どのツールに何を任せると良いのか、どう指示すれば意図に近づくのかという判断力が磨かれていきます。

専門家と対話するのが、怖くなくなる

──テクノベート科目を学んだ学生に、どんな変化を感じますか。

多くの学生からは、専門家と言われる人たちと対話することが怖くなくなった、という話を聞いています。たとえば、エンジニアやデザイナーのようにリアルとデジタルが融合したビジネスの世界で、より良い体験価値をつくる協働パートナーとなる専門家がいます。そうした相手と、以前よりコミュニケーションがしやすくなったという手応えを得ている方が多くいます。

──最初はAIに苦手意識があった人はどう変わっていくのでしょうか。

苦手意識がある方は、そもそもAIを使うこと自体に躊躇している傾向があります。ですから、課題やクラスでの演習を通して使ってみることで、最初の一歩を踏み出し、「意外と簡単だ」「怖くない」といったハードルを下げる経験をしてもらっています。

使うことを特別視するのではなく、使ったアウトプットを評価し合う。そうすることによって、自分の業務へのインパクト、ビジネスへのインパクトを考えられるように変わっていく方が多くいらっしゃいます。

──「評価し合う」とのことですが、クラスでは具体的に何を見せ合い、どんな観点で評価するのですか。

たとえば「デジタル・プロトタイピング」の科目では、あるケースに対してUI/UXを設計したプロトタイプを評価します。「デザイン思考と体験価値」では、グループごとに設定した問題に対して、解決策の体験価値を動画で可視化し、その動画を評価し合います。

自分の作ったものを人の目に晒し、他者のものを評価する。この往復が、判断の基準を自分のなかに育てていくのだと思います。

「デジタル・プロトタイピング」はデザインカンパニーの株式会社グッドパッチと共同開発した

AIを使えること自体は、一時的な優位でしかない

──テクノベート領域で身につけた力は、実際の事業づくりや仕事のどんな場面で活きますか。

まず、新しい技術やテクノロジーへの興味関心と前向きな姿勢を持つことで、イノベーションのヒントを得やすくなります。次に、スピード感を持ってプロトタイプを作り、フィードバックを得ることでより良いものへと磨いていく姿勢が身に付きます。人間とAIが協働するという考え方が、これからの事業づくりや業務推進につながっていくと考えています。

──AIを使いこなせることは、これからのキャリアにどうつながると考えますか。

AIを使いこなせること自体がキャリア上の競争優位になるかというと、それは非常に一時的なものだと考えています。誰もが使えるようになっていくからです。

ただ、AIを使いこなせるということは、継続的に学習し、変化に適応できる柔軟性を備えているということの表れでもあります。その資質こそ、不確実な社会のなかで自分らしいキャリアを築いていくうえで、非常に重要だと考えています。

──ご自身は、AIとどのように協働されていますか。

授業準備で新しい演習を作るときには、AIに受講生役になってもらい、ロールプレイをして、学びの目的に沿った内容になっているかをチェックすることがあります。また、業務でユーザーインタビューをする際には、設計したインタビュー項目が有効かどうかを、事前にAIで試してみることもあります。私自身も、AIを「相手役」として使いながら仕事を進めています。

気になったときが学びのタイミング

──どんな人にテクノベート領域を学んでほしいですか。

全ての人が対象ですが、特にという観点では、まずはテクノロジーの進化にワクワクしている人。具体的にどんなことができるのか、イノベーションにつなげていきたいと考えている方ですね。
もう1つは、テクノロジーの進化は自分にあまり関係がないと思っている人。私たちの仕事や生活がテクノロジーに支えられている、そしてそれを活用することでより良い社会をつくっていくことができるというイメージを膨らませてほしいなと思っています。
「今からでは遅いかな」というご相談をいただくこともありますが、気になった時が学びのタイミングです。ぜひ、ヒト・モノ・カネといった経営資源をテクノロジーでパワーアップさせるチャンスを見つけていきましょう。

体験クラス&説明会日程

体験クラスでは、グロービスの授業内容や雰囲気をご確認いただけます。また、同時開催の説明会では、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)や忙しい社会人でも学び続けられる各種制度、活躍する卒業生のご紹介など、パンフレットやWEBサイトでは伝えきれないグロービスの特徴をご紹介します。

「体験クラス&説明会」にぜひお気軽にご参加ください。

STEP.1参加方法をお選びください

ご希望の受講形式と同じ形式での参加をおすすめしています。

STEP.2参加を希望されるキャンパスをお選びください

STEP.3日程をお選びください

絞り込み条件:

  • 8/6(木) 19:30~21:30

    オープンキャンパス

    開催:オンライン(Zoom開催) ※体験クラスはありません。
    グロービスMBAプログラムへの進学(出願)を検討している方向け

  • 8/15(土) 10:00~12:00

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催)
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

  • 8/18(火) 19:30~21:30

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催)
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

該当する体験クラス&説明会はありませんでした。

※参加費は無料。

※日程の合わない方、過去に「体験クラス&説明会」に参加済みの方、グロービスでの受講経験をお持ちの方は、個別相談をご利用ください。

※会社派遣での受講を検討されている方の参加はご遠慮いただいております。貴社派遣担当者の方にお問い合わせください。

※社員の派遣・研修などを検討されている方の参加もご遠慮いただいております。こちらのサイトよりお問い合わせください。

許勢仁美

グロービス経営大学院教員

東京大学教育学部卒業
京都芸術大学大学院芸術研究科学際デザイン領域 修了
学位:芸術修士(MFA)
その他プログラム:INSEAD AIEP(Asian International Executive Program)修了。

アクセンチュア株式会社にて、一部上場企業、官公庁および学校法人向けの業務改革・人事組織変革支援に従事。その後、国際協力機構(JICA-JOCV)にて、ベトナム北部農村開発プロジェクトに参画。株式会社グロービス入社後は、法人向け人材育成・組織開発部門を経て、現在はファカルティ本部にて研究開発活動とファカルティ・ディベロップメント活動を統括。グロービス経営大学院及び企業研修において思考・リーダーシップ開発系科目の教鞭を執る。
株式会社ガクシー社外取締役。経済同友会幹事。

本橋敦子

編集者

大学卒業後、全国紙の記者として10年勤務。仙台支局で事件・事故、裁判、行政、スポーツ、東日本大震災の被災地を取材したほか、異動後の東京経済部では流通・小売り、通信、フェムテックなどをテーマに執筆した。現在はグロービスにて、オウンドメディア「GLOBIS学び放題×知見録」の編集等を担当。