

GLOBIS Articles
投稿日:2025年07月15日
投稿日:2025年07月15日
テクノベートとは?AI時代に勝ち抜くための思考法とグロービスの学び
監修者
- 岡重文
- グロービス経営大学院 教員
- 本橋敦子
- グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
この記事でわかること
- 「テクノベート(Technovate)」の意味と背景
- AI・デジタル時代にテクノベートが注目される理由
- テクノベートを実践的に学べる「テクノベートMBA」とは?
- グロービス経営大学院で得られる力と、通うメリット
「テクノベート」の定義と背景
テクノベートとは?テクノロジー×イノベーションの新しい概念
テクノベート(Technovate)とは、「テクノロジー(Technology)」と「イノベーション(Innovation)」を組み合わせた造語で、グロービス経営大学院が提唱した新しいビジネス概念です。
この言葉は、「テクノロジーの進化が社会やビジネスの構造を根本から変えつつある」ことを踏まえ、技術を使いこなすだけでなく、自ら変革を起こす力の重要性を示しています。
「テクノベートとは、新しいテクノロジーが社会にどのようなインパクトを与えるかを想像し、常識を疑い、新しい価値を創り、未来を変革することです」
― 八尾麻理氏(グロービスAI経営教育研究所)
出典:GLOBIS Articles「テクノベートとは?」(2023年8月18日)
テクノベートは単なる流行語ではなく、AI・データ時代を生き抜くための本質的な思考法なのです。
なぜ今「テクノベート」が必要なのか?AI時代に問われる「人間ならではの力」
デジタル技術の進化は、私たちの生活や仕事のあり方を大きく変えました。今や以下のような業務は、AIによって代替され始めています。
- レポートや資料作成(生成AI)
- 顧客対応(チャットボット)
- 商品のおすすめ(レコメンドエンジン)
- 動的価格設定(ダイナミックプライシング)
こうした時代において、重要なのは「AIにはできない領域」で価値を発揮することです。
テクノベートが今注目されるのは、AIの浸透とともに加速する、以下のようなビジネス環境の劇的な変化に対応し、リードしていくために不可欠な考え方だからです。
AI時代に変わるビジネスの常識
テクノベート時代に加速する4つのビジネス変化
- 「モノ」から「体験」へ。顧客価値の変化
従来:製品の品質が重視されていた
現代:顧客体験(UX)の最適化が重視される - 「有形資産」から「無形資産」へ。経営資源の変化
従来:工場・資本などの有形資産が中心
現代:データ・知識・多様な人材など無形資産が価値の源泉 - 「計画」から「仮説検証」へ。ビジネスプロセスの変化
従来:計画を重視し、段階的に実行するスタイル
現代:仮説を立てて素早く検証し、柔軟に改善するリーン型が主流 - 「単発」から「継続」へ。利益構造の変化
従来:売り切り型の単発取引が基本
現代:サブスクリプションや継続課金などのリカーリングモデルが拡大
変わるのは“手段”であり、変わらないのは“本質”です。
この変化に適応しながら、普遍的なビジネス原理を理解することが、今後のビジネスパーソンに求められます。
グロービスでテクノベートを学ぶメリット
グロービス経営大学院では、この「テクノベート」を軸に据えた実践的なMBAプログラムを提供しています。テクノベートMBAでは以下のような力を体系的に学べます。
実践知を養う「テクノベートMBA」プログラム
- AIを活用した課題解決力(テクノベート・シンキング)
- 顧客視点で考えるデザイン思考(デザイン思考と体験価値)
- AI×経営の融合(AI&データサイエンス、テクノベート・ストラテジー)
- 社会課題をビジネスで解決する、テクノロジー活用(テクノロジーとSDGs)
- ブランドを築く、共感を呼ぶコミュニケーション戦略(ソーシャルメディア・コミュニケーション)
加えて、志・創造性・実践知能を鍛える「人間力」の育成にも力を入れています。
「何のために?」を問い続ける、テクノベート基礎講座
主要科目である「テクノベート基礎」では、単に最新の技術を学ぶのではなく、「何のために使うのか」「どう価値を生み出すのか」といった思考の起点づくりに重きを置いています。
授業は、以下のような流れで進行します。
- 問いを立てる:「身の回りの違和感」からビジネス課題を抽出
- 技術を知る:生成AIやセンサー、ノーコードなどを活用するための基礎を学ぶ
- 仮説を立てて試す:プロトタイピングのフレームで仮説検証を実施
- 価値を構想する:自分の仕事や事業にどう組み込むかを探る
このプロセスを通じて、「自分にもできる」「一歩踏み出せるかもしれない」という自信と視座の変化が生まれます。
受講者が語る、学びがもたらす「仕事と自分」の変化
実際に受講した社会人学生たちは、テクノベートの学びを通じて次のような変化を実感しています。
※以下はすべて、グロービス経営大学院公式サイト「【教員×学生 鼎談】テクノロジーを使いこなす人は、何が違う?」(GLOBIS Articles|2025年5月20日)より引用。
- 松本恵典氏(大手飲料メーカー勤務)
授業を受けて「人だからこそ強い部分とは何か」を、自分の言葉でメンバーに伝えられるようになった。- 太田岳志氏(経営企画部門勤務)
「ビジネス側こそ、もっとテクノロジーの世界に歩み寄らなければいけない」という考え方が印象的だった。- 木野宏美氏(航空会社勤務)
デジタルを活用する上での“正しい構え方”や“前さばき”の思考、どう向き合えばいいのか、という最初の部分をしっかり学ぶことができた。- 橋本多佳志氏(食品メーカー勤務)
授業を通じてデータの見方が変わった。現場データをもとに生産性をどう高められるか、自分なりに考えるようになった。
まとめ:AI時代をリードする、主体的な学びの選択肢
AIやテクノロジーの進化によって、私たちの働き方や生き方はますます変化していきます。
そんな時代においてこそ、「人間ならではの力」を育むことが重要です。
グロービス経営大学院のテクノベートMBAは、こうした変化の時代を前向きに生き抜くための力を育ててくれます。
- AIと協働するスキルと姿勢
- 志を軸にした人生観
- 現実世界で成果を出す実践知
- 多様な仲間と築くネットワーク
「変化に巻き込まれるのか、それとも巻き起こすのか」。
その問いに、行動で答えたい方にとって、グロービスでの学びは大きな一歩となるでしょう。
監修者
岡重文
グロービス経営大学院 教員
担当科目は「テクノベート基礎」「テクノベート・シンキング」「ファシリテーション&ネゴシエーション」、「クリティカル・シンキング」、「ビジネス・アナリティクス」など。京都大学工学部応用システム科学専攻 修士課程卒業。NTTデータに入社し、SEとして複数のシステム開発に従事した後、ネットワーク機器の製品開発に携わる。その後、プライスウォーターハウスクーパースに入社。プロジェクトマネジャーとして複数のプロジェクトを担当。 2000年、グロービスに入社。企業研修担当、eLearning事業の立ち上げに関与したのち、グロービス・グループの情報システム部門を統括。2007年より経営管理本部にて人事・総務を兼務。2013年よりファカルティ部門。
本橋敦子
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
大学卒業後、全国紙の記者として10年勤務。仙台支局で事件・事故、裁判、行政、スポーツ、東日本大震災の被災地を取材したほか、異動後の東京経済部では流通・小売り、通信、フェムテックなどをテーマに執筆した。現在はグロービスにて、オウンドメディアの編集等を担当。