PROFILE
2001年に東京工業大学大学院を修了後、米アクセンチュアに入社し、製造業顧客の業務変革プロジェクトに多数参画。2009年にローム株式会社に転職し、人事制度改革、海外出向、マーケティング、経営企画、新規事業の立ち上げなど、多様な部署で経験を積む。2023年に中小企業診断士として副業で開業。2024年には新潟県燕三条地域で、地域創生スタートアップ企業の株式会社KRaftを共同創業。2025年4月より独立し、地方企業を対象に経営戦略策定、DX/IT改革、新規事業創出を軸とした伴走支援を実施中。
※記事の内容はインタビュー当時のものです
中小企業診断士で得た知見にとどまらず、経営の当事者として意思決定できる学びを求めて。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
ローム株式会社勤務時代に、経営企画部門に異動したことがきっかけです。中小企業診断士の資格は取得していたものの、学習した時期から少し時間が経っていたため、経営知識を改めて学び直す必要があると考えました。また、中小企業診断士が企業を外部から客観的に診断・助言する「経営コンサルティング」としての国家資格である一方、MBAでは自分自身が経営者や事業責任者という「経営主体」、つまり当事者として意思決定を下す視点で学びます。この視点の違いが、物事をより多面的・立体的に捉える力につながると感じたことも、MBA取得を考えた大きな一因です。
決め手は、社会人でも学び続けられる制度と全国に広がる人的ネットワーク。
グロービスで出会った仲間たちの存在が、コンサルティングの支えになっている。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
何よりも魅力に感じたのは、毎回の授業で知的好奇心が強く刺激されることです。ビジネスの最前線で活躍されている教員によるファシリテーションのもと、単に知識を受け取るのではなく、学生同士での活発なディスカッションを通じて思考を深めていくスタイルが徹底されています。この双方向の学びのプロセスによって、自分の視野が広がる実感があり、3時間の授業がまるで短時間に感じられるほど、濃密で充実した時間になっていました。普段の会社生活ではなかなか出会えない、異業種・異なるバックグラウンドを持つ仲間たちと出会えることも、大きな魅力の一つです。自分とは異なる視点や考え方に触れることで、視野が広がるだけでなく、互いに刺激を与え合いながら深いつながりを築くことができます。私は2020年に入学したのですが、ちょうどコロナ禍の真っただ中。授業は、主にオンラインでの開催でしたが、だからこそ全国各地の仲間とつながることができました。現在、中小企業診断士として活動する中で、専門外の業種や土地勘のない地域のコンサルティングに携わる場面もありますが、全国にいる多様な仲間たちに気軽に相談し、的確なアドバイスをもらえる環境は、非常に心強く、グロービスで得たネットワークの大きな価値を日々実感しています。
グロービスで学ぶ中で芽生えた想いが、独立と地方起業へとつながった。
卒業後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
グロービスのさまざまな科目での学びを通じて、自身の「志」と真正面から向き合い続けたことで、入学前は漠然としていた「いつか独立して事業を興したい」という想いが、明確な目標へと変わりました。卒業後も、その志と目標を軸に行動を積み重ねる中で、ひとつの組織の論理や人間関係、評価に縛られることなく、自ら越境し、新たな価値を生み出す「パラレルキャリア」という生き方を見出すことができました。その結果、独立という大きな決断に踏み切ることができただけでなく、「地方で起業する」という新たなチャレンジにも自然と道が開けました。自分が本当に歩みたかった人生に、今まさに確実に近づいている。そんな実感を日々抱いています。
40代の挑戦が生んだ「縁」が、人生を豊かにするかけがえのない財産に。
グロービスのMBAで得たものを一言で表現すると何になりますか?
一言で表すなら、それは「縁(えん)」です。私は40代でグロービスの門を叩きました。一般的にこの年代になると、20代・30代の頃に比べて新たな人脈が広がる機会は少なくなりがちです。しかし、グロービスでの学びを通じて、想像以上に多様で刺激的なつながりが生まれました。グロービスの仲間たちとのつながりは、単なる交友関係ではありません。互いの挑戦を本気で応援し合い、ときには相談に乗り、ときには行動でサポートしてくれる。そんな信頼できる仲間たちが全国各地にできたことは、これからの人生を豊かに彩ってくれる、かけがえのない財産だと確信しています。
グロービスで得た出会いが、地方創生と起業の原動力に。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
2年次に受講した「研究・起業プロジェクト」という科目で、新潟県燕三条のものづくり産業をテーマに研究したことがきっかけで、同地域とのご縁が生まれました。その後、地方創生スタートアップのプロジェクトに参加し、2024年には自身の起業(株式会社KRaft)に至りました。この事業を通じて、地方でツーリズム事業を展開しているグロービスの卒業生との協業も実現し、人的ネットワークの広がりと懐の深さを今まさに実感しています。さらに卒業後には、「製造業から日本を盛り上げる会」というクラブ活動にて、グロービスの在校生や卒業生とともにチームを組み、地方製造企業の行動指針を策定するプロジェクトに副業として参画しました。この活動では、同社のカルチャーを言語化するだけでなく、経営層と次世代リーダー層との意思疎通を促進し、組織の一体感醸成にも貢献することができました。この企業とのご縁は、中小企業診断士・経営コンサルタントとして独立した現在も続いており、グロービスで築いた人的ネットワークが、今の自分のキャリアを力強く支えてくれています。
仲間と乗り越えた壁、恩師と築いた信頼。その全てが起業の原点になった。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
特に印象に残っている科目は二つあります。1つ目は「経営戦略」です。単科生として学び始めた私にとって、この科目を受講したのはちょうど学びの折り返し地点にあたる時期であり、自分にとっての大きな転換点となりました。毎回の課題やレポートは容易ではなく、負荷の大きさに圧倒されることもありましたが、それでも一つひとつに真剣に取り組む中で、「戦略眼」や「経営視点」の解像度が飛躍的に高まっていく実感がありました。単なる知識の習得ではなく、思考のフレームそのものが鍛えられた、大きな学びの礎となった科目です。2つ目は先程も触れた「研究・起業プロジェクト」です。チームリーダーとしてゼロからメンバーを募り、応募準備の段階を含めると約9ヶ月間にわたり取り組みました。活動の途中でメンバーが一人離脱するという最大の危機にも直面し、精神的に苦しい時期もありましたが、残ってくれた3人のメンバーと力を合わせて最後までやり抜き、納得のいくアウトプットを形にすることができました。この過程で得た経験は、単なる学びを超えて、起業の出発点にもなりました。そして何より、この苦楽をともにした3人との絆は、私にとって一生の財産です。これら2科目の教員の方とは、今もなお折に触れて相談させていただいており、私にとっては恩師として深く尊敬する存在です。
勇気ある一歩の先に、まだ見ぬ「新しい景色」が待っている。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
決して大げさではなく、グロービスでの学びは私にとって「人生を変える」大きな転機となりました。仕事や家庭との両立の中でMBAに挑戦するのは、簡単な決断ではないかもしれません。ですが、勇気をもって一歩を踏み出し、本気で学びに向き合った先には、これまでとはまったく異なる「新しい景色」が広がっています。グロービスには、そうした変化を生み出す確かな環境と仲間がいます。一度きりの大切な人生。ご自身の可能性を信じて、ぜひ悔いのない決断をされることを心から願っています。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。