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【MBA生活】事業承継者の私がグロービスで感じた、志の大切さ

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【名 前】 長尾 泰幸

【勤務先】 新星電機株式会社

【入学年】 2014年



2014期生の長尾泰幸と申します。
5年前に父が創業した電気設備メーカーの会社に入社し、2014年2月に事業承継をしました。
元々、「家業なんて継ぐものか!」と決め込んで、音楽業界で働いていた私が、
なぜ事業を継ぐことになったのか。またなぜグロービスで学ぼうと思ったのかについて、
語りたいと思います。

●家業で抱いた危機感からグロービスへ

前職では音楽業界にいたのですが、私のライフサイクルの変化と会社の人材不足のタイミングがちょうど合ったこともあり、急遽実父が創業した電気設備メーカーに入社しました。

30代半ばになってから、全くの異業種へ飛び込んだため、ベースとなる電気の基礎知識は、
学生時代の記憶がかすかにある程度。もちろん事業の専門知識は全く持っていません。
加えて、入社後はこれまたほとんど知識を持ち合わせていない労務管理や経理など管理業務を担当することになり、業務に追われる毎日が続きました。

入社して2年。ようやく日々の業務に余裕が生まれた頃、ふと社内を見渡したときに、
自分の立場に不安を覚えました。
管理部門で責任者になったものの、コスト管理や財務会計の正確さだけを求められ、
管理会計のような攻めの経営への参画は求められていないし、その知識もない。
かといって今から専門技術や営業を学び始めたとしても、業界30年以上のベテラン社員と
同じ土俵で戦い圧倒的な価値を生むことができるまでに、何年かかるのか。
冷静になって、自分の立ち位置を見たときに、強烈な危機感を覚えたのです。

何かアクションを起こさないといけない!と思い始めたときに、
偶然拾い読みした経営書からかいつまんだ意味不明な経営用語が頭をよぎりました。

「経営のプロになればいいんだ!社内で差別化戦略だ!この会社に経営を
理論的に考えられる人間はいない!しかも経営企画部も経営管理部もないから
自分で作ってしまえ!これブルーオーシャンじゃん!」
(※今では、使い方が激しく間違っているのがわかります。。。
これもまた、グロービスでの学びによる成長を実感します。)

こうして具体的な情報を探すうちに、無料体験クラスの情報を得て、グロービスを体験。
経営のプロとして必要な能力が得られると感じ、受講を決意したのです。

最初は講師や共に学ぶ学生のレベルが高く、クラスについていくのに必死でした。しかし、
クリティカル・シンキング」で論理的思考を徹底的に叩き込んだ後、
マーケティング・経営戦略基礎」「組織行動とリーダーシップ」や「人材マネジメント」と
順を追いながら学びを広げていくことで、大きな満足感を得ると共に、確かな能力成長と
自信という変化を感じられるようになりました。

これまでは悩み続けるだけで、答えへの道筋が得られず堂々巡りしていたことも、
体系的に整理することを学び、考え前進させられるようになりました。また、志を同じくして
学ぶ社会人学生の仲間との実践的な議論を通じて、自分一人では考え付かなかった発想で、
具体的な行動を起こせるようになりました。
そして、行動を起こす際には、クリティカル・シンキングの講師が何度も伝えていた
「論理的思考を身につければとても強い武器になるが、それをむやみに振り回せば周りの人を
傷つけるから武器の使い方を間違えないように」という言葉を心がけ、物事を進めていきました。

それから1年後。経営管理部・企画部も作るのではなく、なんと、私が事業承継をすることになりました。他に有能な社員もいる中でなぜ私に承継を決めたのかは、父に詳しく聞いていませんが、能力を高めつつも驕らず、グロービスで得た学びを社内に自然に浸透できたことが
評価されたのではないかと考えています。

●グロービスで磨かれた"志"

事業を承継してからちょうど1年が経ちました。立場・役割が大きく変わったこともあり、
雲をつかむようにもがいた1年間でした。
社内の誰にも相談できない突発的な問題をどうやって解決するか。
「社長業は孤独である」とよく言われますが、それを痛感した時期でした。

そんなときに支えになったのが、グロービスで得た「学び」と「志」です。
この問題の重要な論点はどこなのか。そもそも自分は何を実現したいのか。

グロービスで得た学びと志があったからこそ、突発的な課題にどう向き合うかを判断し、
即座に物事を前に進められたのではないかと思っています。
グロービスからは数多くのことを得られました。

「クラスから得た、マーケティングや組織、会計・ファイナンスなどの経営能力」
「様々な学生との交流から得た、頼れる強固なつながりと多様性を受け入れる力」
「志科目や学事行事から得た、経営者としての志」

なかでも特に大きなものは「志」の学びです。

経営者となり分かったことは、社員一人ひとりの思いは、びっくりするくらい様々だということ。TOPはそれらの思いを1つにまとめていく必要がありますが、まとめ上げるには、飾り物ではない、自分の確固たる軸(真ん中)となるものが必要だと感じました。
そんな、自分の真ん中と向き合う機会が、グロービスの志科目でした。

-自分の真ん中は健全か。
-世間体を気にし自分に無理や乖離はないか。
-長期的に見て、その自分と付き合っていけるか。
-社員の様々な思いを受け入れつつブレずにいられるか。
-自分の志を受け入れてもらうにはどうすればいいか。

経営者が抱える課題に正解はありません。自分なりの答えを導くために、もがくことも多々ありました。そんなときにグロービスで得た志が、自分なりの答えを導くヒントとなり、実行を後押しし、自信に繋がり始めています。

また経営者として社内を一つの方向性を導くことができるようになってきたと感じます。
事業承継の悩みのひとつに、先代である父親と自分との個性の違いによる経営方針の違いが
ありました。そして弊社は規模が小さいこともあり、先代の個性が会社の個性になっていました。

この先代の個性が浸透した会社=社員に、事業承継者である自分の個性と経営方針をどう浸透させていくのか。そして、そもそもその経営方針は正しいのか。

この悩みを解決するために、グロービスを通じて得たものをフル活用しました。
「現状をどう捉え、何を残し何を捨てるのか」を判断するために、自分自身の個性・志を大切にしながらも、冷静に経営的な切り口から考えることができました。
そして自分だけで抱えきれない悩みは、「事業承継者」という同じ立場であるグロービスの仲間に話をすることで、解決の糸口をつかんできました。

この悩みとは、恐らく今後も向き合い続けていくのだと思います。しかし、いざ困ったときにどう向き合えばいいのかという解決策のパターンを、自分の中に作ることができたのは、これからの経営者人生に不可欠な大きな収穫だと感じています。

経営知識だけに留まらず、人間と経営の関わりにも深い学びが得られるグロービスで学んだからこそ、経営者としての自信が得られたものと確信しています。

●事業承継者の皆さんへ

MBAと聞くと、「欧米っぽい」「大企業向けでは」「理論や知識を振りかざす」といった先入観から、歴史ある日本的な会社には使えないと思っている人もいるかもしれません。
しかしグロービスは、規模を問わず実務に使える経営知識の学びはもちろん、自分と
とことん向き合い、経営者としての器を大きくする機会があり、事業承継者の方にとって、
最高の選択肢だと思います。

ここには表現しきれない私のリアルな体験を皆さんにお伝えしたいし、皆さんの体験もぜひ聞いてみたいと思っています。グロービスで一緒に学ぶことで、体験を共有し、更なる発展に向けて学びを一緒に昇華させましょう!

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