GLOBIS Articles

  • 卒業生の活躍
  • イベント
  • 起業

投稿日:2022年01月31日

投稿日:2022年01月31日

最大1000万円出資「G-CHALLENGE 2021 ~失敗したっていいじゃないか。ガンガンに行こう!~」最終選考会を開催 大賞は3チームに

グロービス経営大学院は1月30日(日)、ビジネスプランコンテスト「G-CHALLENGE 2021 ~失敗したっていいじゃないか。ガンガンに行こう!~」の最終選考会をオンラインで開催しました。第1回から今年の第9回までに315チームがエントリーし、多くのグロービス生が新たな未来への一歩を踏みだしてきました。今回は33チームが応募。最終選考に進んだ8チームのプレゼンテーションを審査した結果、「DAC-NOTE」「株式会社メモシル」「Siremo」の3チームが大賞の栄誉に輝きました。大賞チームには、特典として最大1,000万円の出資を受けられる機会を提供します。

G-CHALLENGE 2021概要

G-CHALLENGE 2021(GLOBIS Venture Challenge*)は、起業を目指す多くの在校生・卒業生にビジネスプランを競う場を提供し、立ち上げ資金を支援することで、より多くの起業を促すものです。加えて、その企業が将来的にメガベンチャーへ成長する足掛かりをグロービス・コミュニティから得られることを目的としています。出資にあたっては、学校法人グロービス経営大学院と株式会社グロービスがファンドを組成。大賞受賞者は最大1,000万円の出資を受けられる機会を得ます。審査基準は、ビジネスプランの市場性、競争優位性、実現可能性、収益性が見込めることに加えて、社会性や経営メンバーの意志や志などグロービスの教育理念に即しているかを重視します。

*旧GVC。2019より通称が変わりました。


大賞受賞チームのプレゼン

DAC-NOTE

代表者:岡辺 スバル 雅之さん(東京校、2021年入学)
 概要:橋やトンネルなどのインフラメンテナンス業務のDXを推し進めることで、「インフラ事故で、不幸になる人をゼロにする」というビジョンを実現。

株式会社メモシル

代表者:西沢 隆さん(東京校、2018年卒業)
 概要:がんになった方に向けて、サスティナブルな支援の仕組みを創りだすITスタートアップ。

Siremo

代表者:金田 悠希さん(オンライン校、2021年入学)
 概要:難解な専門用語や知識が必要なNFT(非代替性トークン)でのデジタル作品の売り買い双方を、誰でも簡単にできる仕組みを創りだす。

最終選考8チームの飽くなき挑戦

今回、最終選考に進んだのは、「Beebee+Bongo」「Remake Tree」「DAC-NOTE」「TABICAST」「ユニバーサル」「感動ジャーニー」「株式会社メモシル」「Siremo」の8チームです。

「Beebee+Bongo」のMcKay Michealさんは、カンボジアの女性に公平でフレキシブルな労働環境を提供しながら、環境に優しい手作り玩具をプレゼンしました。「Remake Tree」の岸本 充哲さんは、世界2位の環境汚染産業となっているファッション業界の問題解決に向けて、既存の服をリメイクして大切にするサービスの実現について熱く語りました。「TABICAST」は「一人旅旅行者」と「旅コンサルタント」をビデオ通話でつなぐプラットフォーム事業を、「ユニバーサル」の三塚 道子さんは障害者への相談事業を窓口として、障害当事者同士・障害者と非当事者がつながる場を提供するサービスを、「感動ジャーニー」の中垣 保孝さんは「介護記録入力支援ソリューション」を用いた介護記録作成時間短縮により、介護士が入居者様と関わる時間の創出と介護負担の軽減を実現するとプレゼンしました。

日本全国・全世界から640名以上のグロービスの在校生・卒業生がオンラインで参加しました。プレゼンターの志や熱意あふれるプレゼン、綿密に練られたビジネスプランや成長戦略に、全ての参加者が真剣に耳を傾けていました。また、審査員でもあるグロービス経営大学院の教員は、常に真摯な姿勢でプレゼンに向き合い「重要なステークホルダーは誰か、またその人たちとどう関係構築し、どう満足させるのか」「事業者がサービスを導入してくれるようにどのような工夫、体制作りをするのか」「競合がなぜ参入できないのか、競争優位性は」といった実現可能性や事業の継続性について、鋭い質問などが飛び交いました。

8チームのプレゼンの後、グロービス経営大学院で「創造系」の科目を担当する教員・難波美帆がグロービスの『創造の生態系』について説明しました。

起業家を取り巻く「創造の生態系」とは

グロービス経営大学院には、起業家を育てる「創造の生態系」が存在しています。今回集まったグロービス生たちにとって、「G-CHALLENGE」は最初の一歩にすぎません。この後には、2019年4月に開始したシードステージの企業を対象とするアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」があります。将来的に日本を代表するベンチャー企業へ成長することが期待されるスタートアップを採択し、成功した起業家やベンチャー支援の専門家などによる講義を実施し、現役ベンチャー・キャピタリストによるメンターが伴走することでプロダクト開発・事業開発を支援しています。その次には「GLOBIS Alumni Growth Investment」(G-Growth)があります。累計1億円以上の調達実績を条件に、1社あたり最大1億円を出資するプログラムで、これまで8社への投資をすでに行っています。

VC事業で培った知見を活かした「起業」に直結する科目

「創造」系の科目では、起業や新規事業立ち上げを志す学生が、現場で直面する課題を具体的にイメージできるように、グロービスが有するベンチャーキャピタル部門(グロービス・キャピタル・パートナーズ)の投資先のベンチャー企業の経営経験をもとに作成したケースも織り交ぜながら議論していきます。グロービス・キャピタル・パートナーズは、1000億円規模のファンドを運営し、170社超の企業に投資している国内最大規模の独立系ベンチャーキャピタル。ケースには、豊富な投資成功事例から得た知見を色濃く反映させています。実際にこれらの科目を通じて作成したビジネスプランをもとに多くの起業家が誕生しています。


<「創造」系科目>
ベンチャー・マネジメント
ベンチャー・キャピタル&ファイナンス
ベンチャー戦略プランニング

グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)

グロービスには、起業家・起業をこれから目指す方を支援し、それぞれを結びつける組織として、グロービス経営大学院公認の「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)」というクラブ活動が存在します。「日本を代表する起業家を輩出し、相互支援を果たす」ことを目的とした、在校生・卒業生3,527名(2022年1月28日現在)が在籍するグロービス最大のクラブ活動です。起業に関する情報共有、人材のマッチング、起業家を招いた講演、新規ビジネスの相談の場として、知恵・経験・人脈の全国におよぶ起業家支援のプラットフォームの役割を果たしています。これまで、この活動を通じて、80名を超える方々が起業し、うち数社が数十億円レベルのベンチャー企業へ成長しています。

グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)活動レポートはこちら
起業家にグロービスが選ばれる理由はこちら
卒業生・在校生の起業サポートはこちら

審査発表

審査員

廣瀬聡 
グロービス経営大学院 研究科長(英語プログラム)・事務局長

井上陽介
グロービス経営大学院 教員 グロービス創造ファカルティ・グループ リーダー

小川智子
グロービス経営大学院 教員(「テクノベート・ストラテジー」等担当)

高原康次
グロービス経営大学院 教員(「ベンチャー戦略プランニング」等担当)

野呂浩良
株式会社DIVE INTO CODE 代表取締役 CEO(特別審査員)

その後、審査員の議論を経て、審査員長のグロービス経営大学院 研究科長(英語プログラム)・事務局長 廣瀬聡が大賞チームを発表、プレゼンターにエールを送りました。

今回のビジネスプランはさまざまなテーマがあり、どれも時代を反映しているように感じました。しっかりと顧客リサーチをしながらビジネスプランを提案し、実際のアプリケーションを用いてプレゼンを行うなど、質が明らかに上がってきていると思います。

 その上で勝ち残るために皆さんにお伝えしたいのは、もう一歩深く踏み込んで考えるということです。「マーケティングや顧客サポートはどうするのか」「戦略に沿った営業体制をどのように作るのか」「資金調達をどうやって進めていくのか」など、グロービスでの学びを使ってブラッシュアップしていってください。教員としても、そういったビジネスの要諦を皆さんにしっかりとお伝えしていこうと改めて思う、とても素晴らしい大会でした。

大賞を獲得した3チームのみなさんに受賞後に心境を伺いました。

DAC-NOTE 岡辺 スバル 雅之さん 

「本日に向けてビジネスプランを練ってきました。それは私ひとりで行ってきたわけではなく、チームメンバーの岸と池田とともに作り上げてきました。また、私はほとんどのクラスの懇親会でピッチを行い、おそらく300人くらいの方からフィードバックをいただきました。本当にグロービスの皆さんのおかげで大賞を受賞できました。スタートアップの旅は始まったばかりだと思います。ありがとうございました」 

審査員からの講評: 着眼点が非常によかった。課題や顧客ターゲット、ニーズが明確で、それに対するプロダクトの整合が取れていた。実際にプロダクトが使用される現場の解像度も高く、ビジネスの知見もあり、技術的にもプロダクトを提供できる体制がある。これらが全て揃っていることが、まさに競合優位性になるのではないかと高く評価をしている。

Siremo 金田 悠希さん 

「本日はありがとうございました。グロービスの友人や先輩にたくさんプレゼンを見ていただき、ブラッシュアップしてきました。サポートしてくださった皆さんに、本当に感謝しています。ここからがスタートだと思います。全速力で駆け抜けて、よい結果が出せるように頑張ります」

審査員からの講評: 「NFTという新しいテクノロジーを使いながら、アートの世界を盛り上げていく」という問題意識とテクノロジーの組み合わせが絶妙であり、強力なコンテンツホルダーを有していくという意図が表れていたプレゼンだった。今後は、マーケットそのものの盛り上がりがどうなっていくのかということがポイントになっていくだろう。きっと彼ら、彼女らであれば成し遂げてくれると信じている。

株式会社メモシル 西沢 隆さん 

「このたびは栄えある賞をいただき、ありがとうございました。ここからがスタート地点と考えており、引き続きチャレンジしていきます」

  • 最終選考チーム「DAC-NOTE」

    最終選考チーム「DAC-NOTE」

  • 最終選考チーム「siremo」

    最終選考チーム「siremo」

  • 最終選考チーム「株式会社メモシル」

    最終選考チーム「株式会社メモシル」

  • 最終選考審査風景

    最終選考審査風景

  • 最終選考会場風景

    最終選考会場風景