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投稿日:2025年10月30日

投稿日:2025年10月30日

Q. テクノベート科目とは何ですか?

監修

河田 一臣
グロービス経営大学院 事務局長/グロービス経営大学院 教員

執筆

吉峰史佳
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム

A. 「テクノベート」とは、テクノロジー(Technology)とイノベーション(Innovation)を統合した、グロービス独自の言葉です。テクノベート科目では経営にデジタル技術を活かせるリーダーを育成します。

単なる技術習得ではなく、技術を戦略的に活用して新しい価値や事業を生み出すことを目的としています。

テクノベート科目とは?MOTとの違い

テクノベート科目とは、デジタル技術の進化を前提に、それらが戦略立案やマネジメントなどの経営をどのように変えるのかを理解し、実践に活かす力を養うためのカリキュラムです。

技術の知識を学ぶのではなく、テクノロジーを戦略的に活用し、新たな価値を創造するリーダーを育成することを目的としています。

いわゆる「MOT(技術経営)」が技術開発や研究マネジメントなど、“技術を中心に据えた経営”を扱うのに対し、テクノベート科目は“経営者や事業リーダーがテクノロジーを理解し、戦略や事業変革に活かす”ことを目的としています。

つまり、テクノベート科目は、デジタル時代の変化を読み解き、テクノロジーを経営の力に変えるリーダーを育成する――グロービスMBAの独自の柱です。

なぜMBAでテクノベートを学ぶのか?

従来のMBAプログラムでは、マーケティングやファイナンスといった普遍的な経営の基礎知識を深く学びます。しかし、現代のビジネス環境はAIやIoTなど技術進化を受けて、根底から変化しています。

経営者や事業責任者が技術動向を理解し、それを戦略の核に据える力は、企業のデジタル変革(DX)や競争優位性を左右します。そのため、グロービスではこの分野の学習を重要視し、必修科目として組み込んでいます。

グロービス経営大学院のテクノベート科目とは

・科目の位置づけ…必修科目と選択科目、カリキュラムの柱の1つ

・学習のゴール…技術を活用し新たな事業やイノベーションを創造

・育成するリーダー像…経営に技術を活用し、未来を切り開くリーダー

テクノベート科目群の具体的な科目名と学習内容

テクノベート科目は「基本科目」「応用科目」「特別講座」で構成されています。

基本科目

最新のデジタル技術を「経営の道具」として理解し、ビジネスへのインパクトを正しく評価する力を養います。

  • テクノベート基礎(デジタル時代のビジネスリテラシー)
    • テクノベートがもたらすビジネスの可能性、AIの理解と問題解決アプローチ、デジタル時代に求められるリーダーシップやキャリアを学び、基礎的なビジネス・リテラシーを習得します。

  • テクノベート・シンキング
    • 大量データ・繰り返し処理をコンピュータが、論理設計を人間が行うという役割分担のもと、プログラミングなどの実践を通じてテクノベート時代の問題解決手法を習得し、自身のビジネス課題を解決することを目指します。

応用科目

知識を具体的な事業機会や変革戦略へと落とし込み、未来を設計する応用力を磨きます。

  • テクノベート・ストラテジー
    • ICTの進歩で生じた経済原理を解き明かし、「テクノベート」時代の産業構造、競争原理、経済性原則の本質を理解します。これにより、変化する環境に対応できる戦略思考の習得を目指します。

  • テクノベート・プロダクトマネジメント
    • 規模化しAI活用へ繋がるプロダクト開発のマネジメント全般を学習します。プロダクトマネージャーは、ユーザーニーズの発見から、関係者の力を結集したプロダクト構築により、指数関数的な事業成長を牽引する役割として位置づけます。

  • デザイン思考と体験価値
    • ケース議論を通じ、人間中心の発想からテクノロジーを活用し、顧客体験を一新するイノベーション事例を深く理解します。3ヶ月間の継続的なプロジェクトワークでデザイン思考の手法とそのビジネスへの活用方法を実践的に学びます。

  • AI&データサイエンス
    • AI(機械学習含む)を理解し、体感値をもってビジネス展開したい方を対象とします。また、生成AIも探究し、コンピュータとの新しい関わり方を活用したビジネスアイデア創出に関心がある方に適しています。データサイエンスやAIの事前知識は不要です。

特別講座

外部機関との連携や、特定の経営課題に特化したテーマを通じて、実践的なスキルの習得と最新トレンドへの対応力を高めます。

  • テクノロジー・リーンスタートアップ
    • このプログラムは、グロービス経営大学院が大阪大学・北海道大学と共同で開講するワークショップ型です。「リーンスタートアップ」の手法に基づいたチームプロジェクトを実施し、新規事業開発のための実践的なスキル習得を目指します。講師は新規事業開発の知見を持つグロービス教員が務めます。

  • ビジネス・サイバーセキュリティ
    • テクノベート時代において、サイバーセキュリティを経営全体の重要テーマと捉えます。本クラスでは、リスクと機会を経営の観点から理解し、基盤技術、組織マネジメント、危機対応の考え方など、ビジネスリーダーに必要なリテラシー向上を目指します。

このほか、デジタル・プロトタイピング、テクノベート・ビジネスモデル論といった技術と社会・ビジネスの接点を深掘りする多様な科目が開講されています。

学びの目的と成果

テクノベート科目の学びはプログラミングや単なる技術習得が目的ではありません。
目的は、技術を戦略的に活用して新たな価値や事業を生み出す力を養うことです。

これにより、学生は変化の激しい時代に柔軟かつ戦略的に対応できる、創造と変革のリーダーとして成長します。

監修

河田 一臣

グロービス経営大学院 事務局長/グロービス経営大学院 教員

一橋大学大学院 商学研究科経営学修士(MBA)コース修了
学位:修士(経営学)

組み込み系エンジニア、上場持株会社の経営企画を経て、グロービスに入社。グロービスでは経営管理本部にて経理・財務を統括し、株式会社・学校法人・海外法人などの設立から運営に携わる。現在、事務局長としてグロービス経営大学院の企画・運営に従事。講師としてアカウンティング領域を担当。

執筆

吉峰史佳

グロービス コンテンツオウンドメディアチーム

早稲田大学第一文学部、東京大学大学院情報学環教育部を修了。HR業界紙の編集者、AI開発スタートアップでの広報を経て、現職でグロービスのオウンドメディア編集に従事。自身もグロービス経営大学院 経営研究科 経営専攻を修了している。