名古屋校

名古屋校学生ブログ

  • ◆卒業後~MBAを終えて~

【卒業後~MBAを終えて~】「志」の実現に向けた「ワイルドな道」の選択 中小企業支援へのキャリアチェンジ

2011期杉山正和さん_160×160.jpg

【名前】  杉山 正和

【勤務先】 関市ビジネスサポートセンター Seki-Biz

【入学年】 2011年

【自己紹介】
1971 年生まれ。愛知県犬山市出身。食品卸売業大手の国分株式会社(現 国分グループ本社株式会社)入社。21 年間一貫して営業職として勤務し、食料品および酒類の販売に従事。主に全国展開するスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの大手組織小売業を担当し、PB 商品開発、販路開拓、商品育成、商品提案、棚割提案など売場活性化の提案活動に加え、物流改善活動などにも数多く携わる。

2016年4月より、関市ビジネスサポートセンターセンター長に就任。2014年グロービス経営大学院経営学研究科 経営学専攻修了(MBA)、中小企業診断士(2016 年4 月登録)。

■「社内で突き抜けた人材になってやろう」~グロービスとの出会い~

私は大手食品専門商社に入社後すぐに「会社組織でやりたいことをやるためには役職を上げてゆくしかない」と感じ、徹底的に仕事に打ち込みました。しかし、大企業では単に仕事ができるからといって昇格できるものではありません。
私は順調に昇格していたものの、40歳を前にして「もっと早い出世を望むなら、会社内で誰とも比較されない絶対的な存在、突き抜けた人材になってやろう」思い始めました。


とはいえ、ありきたりの自己啓発ではそんな人材にはなれないと悩んでいた時にグロービスの広告を発見。「これだ!」と思い、学長の堀さんのセミナーとクリティカル・シンキングの体験セミナーに参加しました。どちらも内容が刺激的でワクワクしたことを今でもはっきりと覚えています。

クリティカル・シンキングの体験セミナーでは、新しい知識を得てゆく喜びと自己成長の可能性を感じました。また、多種多様な仲間との出会いは、自社の業界内に閉じていた自分の世界がパッと未来に向かって開いたように感じ、「ここに来れば絶対大きく成長できる!」と確信しました。

私は単科生としての受講経験はありませんでしたが、すぐに願書を提出。「受からなかったらどうしよう」という不安はありましたが、学長の堀さんがセミナーで言った言葉「とにかく受けてみればいい。もしだめでも自分に何が足りないのかを知ることで成長できる」という言葉を信じて臨みました。

結果、2010年の5月に面接と筆記試験を受けて合格し、単科生として7月期から学び始め、2011年4月に入学しました。

■MBA生活のスタート早々、「出世したい」という入学動機を方向転換することに

グロービス最初の講義は「組織行動とリーダーシップ」でした。大半の人が初受講で受講するクリティカル・シンキングすら受けていない中、いきなり本科生が大半のクラスに飛び込んだのですから、初回クラスでは周りの受講生の言っていることが全く理解できませんでした。
しかし、今まで体験したことのない知的好奇心がくすぐられる感覚にワクワクしました。

そして、何より驚いたのは講師の芹沢さんの「リーダーシップとは何か?」という問いに対する答えでした。
私は「リーダーとはポジションであるから、リーダーシップとはポジションの高さで決まるものだ」と答えたところ、芹沢さんから「杉山君、リーダーシップとは生き様だよ」と言われたのです。まさかMBAで生き様が問われるとは!

ビジネスリーダーになるためには出世しなければいけないと考えている自分、出世のために仕事を頑張っている自分っていったい何なのだろう、という疑問が心の中に湧いてきました。また、大きな使命に向かって志を立て、挑戦し続けている多くの仲間の存在を知るたびに、出世したいなんて小さな話だな、と思うようになりました。

こうして「グロービスで学び出世レースに勝とう」という私の動機はあっさりと方向転換することになったのです。

■「何がやりたいか」 ~志を問われ続け、問い続けた4年間~

入学当時、営業部署のプレイングマネージャーだった私の仕事の質は、「人事組織」「マーケティング・戦略」「会計・財務」の3つの領域を体系的に学ぶことで明らかに向上しました。

例えば、新しい人事制度が発表されると、「この制度の真の目的は何か」「その制度が始まったらどこにどんな影響が出るのか」「デメリットがあるとしたら、どんな打ち手を準備するか」を考えてチームの運営ができるようになりました。

営業活動については「ターゲットは誰か」「最適な流通チャネルはどこか」「競合はどんな販売戦略に出るか」などのマーケティング要素を考えることで、競合よりも質の高い提案ができるようになりました。また、取引先の財務状況について経理財務の担当者に的確な意見が言えるようになり、のちには経理財務の担当から相談を受けるようにまでなりました。

こうした成果を上げてゆくうちに、役員クラスからも様々な場面で意見を求められるようになり、長期経営計画策定メンバーに選抜されました。
そこでの私の意見や提案がメンバーに大きな影響を与えていること、確実に経営計画の質を高めることに自分が貢献できていることを実感した私は、グロービスの学びを活かすことに高い社会的価値を感じ始めました。そして経営者の視座と視点で経営計画を打ち立ててゆく作業を通じて、この先は「経営に関わる仕事」を自分の活動領域に置きたいと思いました。

また、本科進学後は企業家リーダーシップ経営道場などのクラスで、自分と向き合うことになります。また、学長セッションあすか会議など、本当に自分がやりたいことは何かを考えるチャンスがあります。私は在籍していた4年間、こうした機会を得る中で、自分の「生き様」をどうするか、自分の「志」は何なのかを考え続けました。

そしてある時、ふと気づいたことがありました。それは1兆6,000億円を超える売上高を上げる大企業に勤めながらも、中小のメーカー、小売業を支援することに喜びを感じていた自分の姿です。私が本当にやりたいことは、小さなチャレンジャーを応援することであり、多くの中小企業を元気にすることである、と気づいたのです。

こうして4年かけてたどりついた私の「志」は中小企業支援でした。

① グロービスで学んだことを実践し、社会に価値をもたらすこと
② 企業経営という領域を中心に活動すること
③ 日本企業の99.7%を占める中小企業支援を通じて日本経済の発展に貢献し、子どもたちに経済的に豊かな日本を引き継がせること

この3つの実現に向けて生きることが私の「生き様」であり、「志」です。そして、
この志実現に向けて、自分のキャリアチェンジについても考えるようにもなりました。

■「悩んだらワイルドな方を選べ!」 ~21年間働いた会社を飛び出す~

志の実現に向け、卒業後、中小企業診断士も取得しましたが、中小企業支援を行うチャンスはすぐには見つかりませんでした。志を定めたものの、行き先が分からず困っていた時に、岐阜県関市に中小企業支援を行う機関が立ち上がることを知り応募。幸い150名近い応募者の中からセンター長に選ばれました。

志の実現にむけてようやく走り出せる嬉しさと同時に、不安もいっぱいでした。厳しい業績評価が問われる1年契約のコンサルタントへの転身です。諸手当も退職金もない年俸制の雇用契約です。21年間大企業の中で生活してきた私がこの世界でやってゆけるのだろうか、家族を養ってゆけるのだろうか。不安はたくさんありましたが、自分がグロービスで学び得たもの、そしてお世話になった講師の伊藤羊一さんの言葉「悩んだらワイルドな方を選べ!」という言葉を信じて進もうと決意し、21年間勤めた大企業を辞めて現職に飛び込みました。

■仲間たちに支えられる喜び

グロービスにはたくさんの仲間がいます。心が熱くてエネルギッシュで、ポジティブで優秀な仲間たちです。互いに刺激し合い、切磋琢磨できる仲間にどれだけ助けられ、勇気づけられ、前向きな気持ちにしてもらえたか数えきれないくらいです。

私は社会に出てから利害関係なく本音で付き合える仲間をたくさん得られたことで、人生がとても豊かになったと感じています。そして、成長し続けている自分を見せられるように頑張ろうと思う気持ちが、自分を支えているように思います。グロービスで出会った仲間たちは、私の一生の財産です。

■最後に

私のチャレンジはまだ始まったばかりです。想像していた以上に難しい中小企業支援の世界でどこまで走ってゆけるのか、どこにたどり着けるのか。まだ自分でも分かりません。しかし、チャンスをいただきチャレンジできる環境にいること、それを応援してくれる家族や仲間がいることに感謝し、志の実現にむけて挑戦し続けます。

グロービスに入学しなければ、私の今の人生はありませんでした。学長の堀さんはじめ講師、スタッフの皆さんに感謝します。いつか私がグロービスに恩返しできる人材となれるようにチャレンジし続けます。

そしてグロービスで学ぶことを検討されている皆さん、ぜひ迷わずに飛び込んでください。一歩先へ踏み出す勇気さえあれば、素晴らしい仲間との出会いと、思いもよらない人生が待っていますよ。あなたも明日の社会を変える「創造と変革の志士」になりませんか?