PROFILE
大阪府立大学経済学部卒業後、大手電力会社に入社。家庭向け省エネルギーコンサルティング業務を経験後、企業向け電気・ガスの営業を行い、その後は法人営業の計画業務などに従事。現在は、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社(以下、デロイト トーマツ)にて、主に企業のガバナンス強化や組織再編などに関するコンサルティング業務を行っている。
※記事の内容はインタビュー当時のものです
ビジネス戦闘力を高め、組織に貢献できるようになりたい。
MBA取得を考え始めたきっかけや動機は何でしょうか?
電力会社で働いていたときに、ビジネススキルが不足していると強く感じたためです。
私は企業向け電気・ガスの営業を経験した後、法人営業の計画チームに異動となり、販売計画やKPIの策定などの業務に携わるようになりました。その際、思うように仕事が進まず、チームに貢献できていない状況にふがいなさを感じ、自分自身の能力不足を痛感しました。その後、子会社へ出向した際に「本社に戻るまでに、実務の成果につながるビジネス戦闘力を高めて、組織に貢献できるようになろう」と決意したのです。そして学位そのものではなく、その修得過程における“ビジネス戦闘力の獲得”を目的に、MBAを目指すことにしました。
MBAへの進学について妻に相談したところ、「いつまでも学び続ける姿勢が重要。やるなら即行動、結果を出しなさい」と快諾いただき、背中を押してもらえたことに今でも感謝しています。
何でも相談できる学友の存在が、人生の豊かさにつながる。
なぜグロービスのMBAを選択されたのでしょうか?
グロービス経営大学院を選んだ理由は、2点あります。
1点目は、平日夜間や土日に授業があり、働きながら通えるという利便性の高さです。限られた時間の中でビジネススキルを効率よく向上させるためには、学業だけに専念するのではなく、学んだことを実務でアウトプットするという一連の流れを繰り返すことが重要だと考えました。
2点目は、業種や世代、役職など多様な属性の仲間とのネットワーク作りに学校として力を入れている点です。これまで接したことのない方との触れ合いを通して、自身の価値観や考え方がアップデートされていく環境に魅力を感じました。加えて、利害関係がなく何でも相談し合える友人の存在は、今後の人生の豊かさにつながると考えました。
卒業した今、「あのときグロービスを選んで正解だった」と強く実感しています。
「自分で問いを立てる力」を鍛える絶好の環境がある。
グロービスで学ぶ魅力は何でしょうか?
「自ら問いを立てる力」を徹底的に学べる点です。思考の出発点は「問い」であり、いかに良質な「問い」を自ら立てられるかが、アウトプットの精度を高める上で重要だと考えています。
グロービスには、この自ら問いを立てる力を養う環境が整っています。これは、第一線で活躍する教員のファシリテーションのもと、心理的安全性が保たれた中で多様な学生とディスカッション中心で学び合う授業設計になっていることが大きく関係しています。
授業では、予習で考えてきたことや自分なりに出した結論に対して、教員やクラスメートから答えに窮する鋭い「問い」が投げ掛けられます。その場で瞬時に思考して、的確に言語化し、主張と根拠を分かりやすく伝えるという訓練を、3時間の授業で毎回徹底して行います。当然、自分もクラスメートのアウトプットに対して、「問い」を投げ掛けることもあります。この「問いを立てる」「問いに答える」という、当たり前のように思えるけれど、意識しないとトレーニングしにくい思考のプロセスが全てのクラスに組み込まれているのです。
チームとしての最適解・納得解を目指すようになった。
卒業後、仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
グロービスで学ぶ中で「ビジネスに唯一無二の答えはない」という考え方に変わりました。
入学前は、「仕事はロジックが全て。突き詰めて考えれば答えにたどり着くはずだ」という前提で仕事を進めていました。振り返ってみると、答えが見つからないと自分にイライラし、ときには私が正解だと考える内容と異なる意見を持つ他者に対して厳しく接していたこともありました。今ではとても反省しています。
そんな考えを転換できたのは、グロービスのほぼ全ての授業が「ビジネスに正解も不正解もない」という前提で、多様な意見をディスカッションし合う形式だったからです。教員やクラスメートとの忌憚のないディスカッションの積み重ねによって、考え方をアップデートできました。
正解がないからこそ、仲間とともに価値を共創していく仕事の進め方やコミュニケーションの取り方が重要であると気付き、チームとしての最適解かつ納得解を目指すようになりました。その結果、業務で関わる人たちとの関係性が良好になり、仕事の質と効率が向上したと実感しています。
大きな成長につながる「学びの習慣」。
グロービスのMBAで得たものを一言で表現すると何になりますか?
「昨日の自分を少しだけ超える学びの習慣」です。漫然と過ごすのではなく、昨日知らなかったことを知る、昨日できなかったことを少しずつできるようにする。1日1日の成長は小さいかもしれませんが、その地道な継続が大きな成長につながると思います。
学びの習慣を継続するための工夫は「やらざるを得ない状況を作ること」です。具体的には2点あります。1点目は「勉強会の主催」です。仕事のピークと重なりできなかった時期もありますが、可能な限りクラスの予習会や復習会を主催しました。参加者にとっての学びの最大化を目指し、勉強会の事前準備、当日のファシリテーションをひたすら訓練したことで、私自身を成長させる最も有益な機会になりました。
2点目は「目標の公言」です。私は元来飽き性な性格なので、強制力がないと何事も長続きしませんでした。こういった自分の弱みを知っているからこそ、SNSなどを通じ目標を多くの仲間に発信することで、「やらなければ仲間からの信用を失う状況」を作り上げ、自分を奮い立たせました。
なお、継続にはそれなりの時間が必要です。グロービス在学中は、人生で最も努力を積み重ねた日々だと自負していますが、妻の支えがなければきっとできなかったと思います。さまざまな工夫と妻の支えで学びを継続することができ、未熟ながらも成績優秀修了者※に選ばれたことで、仕事における自信にもつながりました。
※成績優秀修了者…卒業時の成績評価(GPA)上位5%の学生を指す。
よいアウトプットを生みだすための「土台」がアップデートされた。
グロービスの人的ネットワークを通じて得たものは何ですか?
「価値観や考え方のアップデート」です。グロービスには、多様なバックグラウンドを持つ学生、実務の現場で活躍する教員、学びやネットワークの構築を積極的にサポートしてくれる事務局スタッフ、在校生を励まし応援してくれる卒業生が大勢います。クラス、クラブ活動、あすか会議、学生主催のイベントといったさまざまな機会の中で、そうした周りの方の多種多様な視点や意見に触れることができます。自分にはない視点を取り入れることで、自身の価値観や考え方をポジティブに変化させることができました。
価値観や考え方は、アウトプットを生みだす土台です。いくら優れたスキルを持っていたとしても、土台が不安定であれば、そのアウトプットの質も上がりません。グロービスでの多様な人との交流を通して、この土台のアップデートができたことは、仕事だけでなく人生の豊かさにも直結していると実感しています。
私に関わってくださった、そして今でも関わってくださる全ての方に感謝してもしきれません。
コンサルティング業務に直結する、実践的な学びを得た。
受講した科目の中で特に印象に残っている科目は何ですか?
「ストラテジック・リオーガニゼーション」です。この科目では、短期的または中長期的に収益性が危ぶまれる企業の再生戦略・組織変革を学びます。基本・応用科目の集大成であり、戦略立案から実行までを扱う「総合格闘技」のような科目です。難易度は高いですが、そこで得られる学びは格別です。
ちょうどこの科目を受講していた時期にデロイト トーマツに転職し、コンサルティング業務に従事することになりました。コンサルティング業務は、企業の抱えるさまざまな問題に対し、問題の適切な実態把握、解決策の立案、実行までを支援範囲としています。
この科目では、企業の置かれている外部環境の変化、戦略や組織などの内部環境の変化を幅広く分析し、問題を具体的に特定していくプロセスや、解決策を短期・中長期の時間軸を意識して立案していくプロセスを幅広く学べます。まさに、コンサルティング業務に携わる者として実務に直結する学びを得ることができ、強く印象に残っています。再生戦略・組織変革を学びたい方におすすめです。
グロービスへの入学が、自分を変えるきっかけになる。
グロービスへの出願を考えている皆さんにメッセージをお願いします。
私の好きな言葉を2つ紹介します。「変えられるのは、自分の行動と環境しかない」と「時間とお金の使い方で人生が変わる」です。自分の行動と環境を変えるには、やはりそれ相応の時間とお金が必要です。
グロービスへの出願を検討されている皆さんは、現状で何か不安や悩みを抱えているのではないでしょうか。その問題を解消するための選択肢は、グロービスだけではないかもしれません。しかし私の実体験を通じて言えるのは、「グロービスに通えば何かが変わり始める」ということです。何を変えるのか、どれほど変えられるのかは自分次第です。どのような選択にせよ、皆さんの挑戦を心から応援しています。
体験クラス&説明会日程
受講をご検討中の方は「体験クラス&説明会」にお気軽にご参加ください。グロービスの授業内容や雰囲気を体感したことがきっかけで、一歩踏みだした在校生や卒業生がたくさんいます。実際に参加された方からは「グロービスの学びを疑似体験したことで、実務に活かせるイメージを掴めた」「授業の熱量や実践的な学びに刺激を受けた」といったコメントをいただいています。
また「体験クラス&説明会」では、忙しい社会人の皆さんが学び続けられる仕組み(各種制度や具体的なスケジュール)もご案内しています。各キャンパスでは、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)をお手元でご覧いただくことも可能です。パンフレットやWebサイトでは伝えきれないグロービスの魅力をご紹介します。