グロービス経営大学院

お知らせ

2018年10月29日

2018年10月29日

「第6回 GLOBIS Venture Challenge~失敗したっていいじゃないか。ガンガンに行こう!~」受賞2チームが決定!

グロービス経営大学院は10月28日(日)、ビジネスプランコンテスト「第6回 GLOBIS Venture Challenge (GVC) 失敗したっていいじゃないか。ガンガンに行こう!」の最終選考会をグロービス経営大学院東京校にて開催しました。今回は39チームが応募。最終選考に進んだ7チームのプレゼンテーションを審査した結果、「株式会社OsidOri」「No Ski,No Life.」の2チームが大賞の栄誉に輝きました。大賞チームには、特典として最大1,000万円の出資を受けられる権利を授与します。

【第6回 GLOBIS Venture Challenge 概要】

GVCは、起業を目指す多くの在校生・卒業生にビジネスプランを競う場を提供し、立ち上げ資金を支援することで、より多くの起業を促すものです。加えて、その企業が将来的にメガベンチャーへ成長する足掛かりをグロービス・コミュニティから得られることを目的としています。出資にあたっては、学校法人グロービス経営大学院と株式会社グロービスがファンドを組成。受賞者は大賞1,000万円の出資を受ける権利を得ます。審査基準は、ビジネスプランの市場性、競争優位性、実現可能性、収益性が見込めることに加えて、社会性や経営メンバーの意志や志などグロービスの教育理念に即しているかを重視します。

大賞受賞チーム

◆株式会社OsidOri

代表者:宮本 敬史(グロービス経営大学院2015期生、東京校)
概要:(事業概要)共働き夫婦の家計をスマートに管理し、二人の資産を形成するFinTechアプリ「OsidOri」の提供

夫婦の姿は、1990年過ぎを境に共働き夫婦世帯の数が専業主婦世帯の数を超え、現在は約2/3が共働き夫婦となっています。夫婦間の収入格差は減少し、夫婦のお金はもちろん、個人のお金も大切にするという考え方が広がっています。ここで顕在化しているのが、「お金の管理」という課題です。 共働き夫婦は現在夫婦と個人の財布を使い分けており、そのため夫婦間の立替えや精算のような作業に大きな手間が発生しています。そこで今回私たちは、共働き夫婦のための家計管理アプリ「OsidOri」を開発しました。 「OsidOri」は、夫婦のお金と自分のお金の両立を簡単に叶えられ、面倒な月次決算をアプリがサポートし、また、貯金の開始・進捗管理もできるため、将来の資産形成にも役立てられます。私たちは「OsidOri」を通じ、これまで夫婦間で行っていたアナログ決算などの大きな手間を省き、将来のお金に対する不安を解消し、将来的には「誰もがお金に困らず、生きたい人生を歩める」社会を作っていきます。

◆No Ski,No Life.

代表者:太野垣 達也(グロービス経営大学院2016期生、東京校)
概要:(事業概要)世界最大のスキー&スノーボードコミュニティアプリを通して、滑ることの体験価値を最大化させる

私はプロスキーヤーとして活動していますが、同時に15年間、スキー雑誌の編集者をしてきました。 その中で、世界中のスキーヤーとお会いする機会が多く、彼らは皆、スキー場に対して常に「どんなコースなのか」また「そのコースではどのように滑れることが最適か」といった課題を抱えていることが分かりました。 そこで、今、世界最大のスキーコミュニティを通して、滑ることの体験価値を最大化させるアプリ「SKIDAY」を開発しています。「SKIDAY」は、スキーヤーにとって自分に最適なスキー場やコースを探索する負担を最小化し、マッチングの精度を向上させることでスキーの体験価値を最大化させるアプリです。 また、プロによるハイレベルなプレーを動画で無料配信していくことで、世界中のスキーファンたちにスキーに対してより強い憧れを持ってほしいという願いを込めています。 私たちは、映像を通して世界1億3000万人のスキーヤーに、さらにワクワクするスキー体験を提供したいと思っています。

「夢をプランで終わらせない」7チームの熱い挑戦

今回、最終選考に進んだのは、「株式会社Connpayto」「株式会社トラベルテックラボ」「ゼロプラス株式会社」「先生お願い!教えてください。」「株式会社OsidOri」「No Ski,No Life.」「HI KENKO」の7チームです。

「株式会社Connpayto」の窪田仁さんは、保険証券から加入内容の全体像を簡単にビジュアル化する専門のサービスpayee(ペイイー)を、「株式会社トラベルテックラボ」の芝先恵介さんは、見知らぬ外国人同士が日本の名産・物産の“お使い”を依頼できるサービス「Travel Buyer」を、「ゼロプラス株式会社」の川尻大介さんは、相手が感じる不快(見た目、臭い、騒音)を解決するソリューションを提供しコミュニケーションをスムーズにする事業を発表しました。 

続けて、福田憲弘さんは、ライブ配信と投げ銭の技術を応用し、主に女子高生の学習へのモチベーションを上げる「場」を提供するアプリ「先生お願い!教えてください。」について、CHAI YIHN CHANさんは、オンライン栄養管理サービス「HI KENKO」について、プレゼンテーションを行いました。 

この日、会場には250名以上のグロービスの在校生・卒業生が来場しました。プレゼンターの説明に真剣な表情で耳を傾けつつも、時折訪れるプレゼンターのユーモアに誘われ、笑い声が上がる場面もあった一方で、審査員でもあるグロービスの教員は、成功するビジネスモデルに磨き上げて欲しいという思いから、常に真摯な姿勢でプレゼンに向き合っていました。また、審査員からは「ターゲットは本当にそのサービスを利用するのか?」「競合の追従に対して、どのような戦略を取るのか?」「オペレーションをどのように組み、競争優位性はどう維持するのか?」「自らの志とリンクしたビジネスなのか?」といったビジネスの実現可能性や継続性について、鋭い質問などが飛び交いました。 


<会場に集まった在校生・卒業生の皆さんの感想>

 「起業したいという思いがより強くなりました。グロービスで経営者目線から『定量』と『定性』の大事さについて学んでいましたが、誰をターゲットにして、どれくらいの数字をいつまでに達成するかを明確にすることが大事だということを改めて学びました」 (男性・製薬会社勤務)

 「GVCにすでに2〜3回も参加している方がいたのですが、そのくらい粘り強くないといけないなと熱量に感化されました。特に、No Ski,No Life.の『スキーが好き』という感情がとても伝わってきました」(女性・デザイナー) 

「大賞をとったOsidOriのサービスはすぐ使いたいと思いました。具体的な収支計画がまとまっていて、資金調達についても具体性がありました」(男性・IT企業勤務)

 「今回の7チームのプレゼンを聞いて、プランで終わらせるのではなく、実践して、形にしないとダメだなと思いました」(男性・大手通信企業勤務)

 「OsidOriは昨年も参加していましたが、昨年に比べ格段に楽しそうな印象を受けました。志を持ち覚悟を決め起業したことで、うまくいっているんだと感じました」(男性・通訳)

 「もっとシビアな雰囲気をイメージしていましたが、登壇者の皆さんがそれぞれ強い想いを持ち、楽しそうにプレゼンをしていたのが印象的でした。ビジネスのアウトラインから細かいところまで、気の配り方について学べました」(男性・知的財産系企業勤務)

7チームのプレゼンの後、グロービス経営大学院で「創造系」の科目を担当する教員・山中礼二がグロービスの『創造と生態系』について説明しました。 

「グロービス経営大学院には、起業家を取り巻く生態系が存在しています。まず、カリキュラムには創造領域の科目が並んでいます。例えば、「ベンチャー戦略プランニング」「ベンチャー・キャピタル&ファイナンス」などのベンチャー企業の経営や新規事業に詳しい実務家が教える科目がある。それから、在校生・卒業生約2,000名が所属する大学院公認のクラブ活動であるGEC(グロービス・アントレプレナーズ・クラブ)。このクラブでは、起業や新規事業開発のために必要な人脈紹介やサポート、事業プランを24時間で創り上げるイベントなどを学生が中心となって行っています。そして、GVCの後に位置付けられる仕組みとして、今年「GLOBIS Alumni Growth Investment」(G-Growth)という仕組みがスタートしました。これは卒業生が起業した企業に、グロービス経営大学院が1000万円〜1億円を投資する仕組みです。

山中のプレゼンが終わると、別室での審査員の議論を経て、審査員長のグロービス経営大学院教員・中村知哉が大賞チームを発表しました。 

「今回のプレゼンはどのチームも皆、それぞれの志やプレゼンターのユニークさが、事業計画に現れていました。また、どのプレゼンもプレゼンターの情熱が随所に見られ、心が動かされるものばかりでした。今はグローバルな時代。グロービスを通じて仲間を広げ、世界に通用するビジネスを数多く生み出してほしい」と述べた上で、大賞を受賞した2チームには「今回のプランが、現実になるように頑張ってほしい」、惜しくも大賞を逃したチームには「来年も挑戦して大賞を目指してほしい」とエールを送りました。 

大賞を獲得したOsidOriの宮本さん、No Ski,No Life.の太野垣さんに受賞後に心境を伺いました。

OsidOriの宮本さんは「昨年も出場しましたが、審査員から『いつ起業するんだ』と聞かれ、『明日からやります』と心の底から言えなくて悔しかったです。それから起業を決心し、退職しました。グロービスの仲間にもたくさんの協力をいただき、ユーザーインサイトをきちんとプロダクトと事業計画に落とし込み、今回のGVCに臨みました。今回の受賞は本当にありがたいです」。

No Ski,No Life.の太野垣さんは「このアイディアはグロービスに入る前からずっとやりたかったもので、それを事業計画という具体的な形にし、評価をいただけたことがすごく嬉しいです。正直僕一人では、ここまでできませんでした。グロービスで、自分の夢を後押しし助けてくれる仲間が見つかりました。そして、今回のGVCで、やっとスタートラインに立つことができました」。

  • 出場チーム入場

    出場チーム入場

  • 審査員による質疑応答

    審査員による質疑応答

  • 出場チーム発表の様子

    出場チーム発表の様子

  • 出場チーム発表の様子

    出場チーム発表の様子

  • 大賞受賞チーム「株式会社OsidOri」

    大賞受賞チーム「株式会社OsidOri」

  • 大賞受賞チーム「No Ski,No Life.」

    大賞受賞チーム「No Ski,No Life.」

  • 集合写真

    集合写真

グロービスの起業家輩出の仕組み

ベンチャーキャピタル事業で培った知見を活かした「起業」に関する科目

「創造」系の科目では、起業や新規事業立ち上げを志す学生が、現場で直面する課題を具体的にイメージできるように、グロービスが有するベンチャーキャピタル部門(グロービス・キャピタル・パートナーズ)の投資先のベンチャー企業の経営経験をもとに作成したケースも織り交ぜながら議論していきます。グロービス・キャピタル・パートナーズは、約660億円の資金を130社超の企業に投資している国内最大規模の独立系ベンチャーキャピタル。ケースには、豊富な投資成功事例から得た知見を色濃く反映させています。実際にこれらの科目を通じて作成したビジネスプランをもとに多くの起業家が誕生しています。


<「創造」系科目>

ベンチャー・マネジメント

ベンチャー・キャピタル&ファイナンス

ベンチャー戦略プランニング

起業家ネットワーク(グロービス・アントレプレナーズ・クラブ)

グロービスには、起業家・起業をこれから目指す方を支援し、それぞれを結びつける組織として、学校公認の「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ」というクラブ活動が存在します。

◇グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)

「日本を代表する起業家を輩出し、相互支援を果たす」ことを目的とした、在校生・卒業生約1950名(2017年4月現在)が在籍するグロービスの最大のクラブ活動です。起業に関する情報共有、人材のマッチング、起業家を招いた講演、新規ビジネスの相談の場として、知恵・経験・人脈の全国に及ぶ起業家支援のプラットフォームの役割を果たしています。これまで、この活動を通じて、80名を超える方々が起業し、うち数社が数十億円レベルのベンチャー企業へ成長しています。