教育訓練給付制度とは？〜働きながら学ぶための、国の支援制度について〜

「教育訓練給付制度」は、働きながら学ぶビジネスパーソンの学費を国が支援する制度です。一定の条件を満たした社会人が厚生労働大臣が指定した講座を修了したときに、支払った学費の一部を給付金として受け取れる仕組みになっており、通学制から通信制、夜間講座まで、さまざまな学び方が選べます。本記事では「教育訓練給付制度」について、対象となるのはどんな方か、給付金の種類や申請方法について詳しく解説します。

※本記事は「政府広報オンライン」、厚生労働省およびハローワークのWebサイトやリーフレットを参考に制作していますが、最新情報は必ず各種Webサイトや窓口でお確かめください。

なお、グロービス経営大学院大学の「経営研究科経営専攻」（＝MBAプログラム）は、厚生労働大臣より、教育訓練給付金の専門実践教育訓練講座として指定を受けています。受給資格のある方で合格された方は、下記のステップに沿って専門実践教育訓練給付金を申請することができます。専門実践教育訓練給付金を例に、具体的な受給資格、申請方法等について見ていきましょう。

まず、専門実践教育訓練給付金を利用できる方は、以下の条件を満たしている必要があります。

⚫︎受講開始日の時点で、雇用保険の一般被保険者である期間が通算で2年以上ある方
⚫︎受講開始日の時点で、一般被保険者でない場合でも、一般被保険者であった日から1年以内かつ、一般被保険者の期間が通算で2年以上ある方

※妊娠・出産・育児・疾病・負傷等の理由があった場合、ハローワークで所定の手続きを行えば、最大20年の延長が可能です。

⚫︎受講開始日の時点で、雇用保険の一般被保険者である期間が前回制度を利用した際の受講開始日から、通算で3年以上ある方

連続して同じ会社に3年以上勤めている必要はなく、転職していても途中の空白期間が1年以内で、かつ加入期間が合計3年以上であれば制度を利用することが可能です。また、離職中でも雇用保険への加入期間が通算3年以上あり、かつ離職日の翌日から1年以内であれば、制度を利用できます。
また、派遣社員や契約社員などの非正規雇用であっても、雇用保険の加入期間が条件を満たしていれば在職・離職に関わらず受給対象となります。

※平成26年10月1日以前に教育訓練給付金を受給した場合は、この期間は必要ありません。
※妊娠・出産・育児・疾病・負傷等の理由があった場合、ハローワークで所定の手続きを行えば、最大20年の延長が可能です。

教育訓練給付金制度を活用するメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

教育訓練給付金制度は、働いている方や求職中の方全員が対象ではないという点に注意が必要です。以下、支給対象とならない方の例を見ていきましょう。

まずは、最寄りのハローワークで「専門実践教育訓練給付金」の受給資格を満たしているかを確認します。対象であれば、キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを予約することができます。キャリアコンサルティングの開始までには「ジョブカード」を用意しておく必要があります。これまでの経歴や受講目的、職業能力の開発・向上に関する事項を記載し、ご自身の中で「なぜ給付金を受給しながら学び続けたいのか」を明確にしておきましょう。

キャリアコンサルティングでは、訓練対応キャリアコンサルタントと一緒に、ご自身が現在どのような状態にあるのか、今回の受講でどのような能力が開発され、将来どのようにキャリアが拓けそうかといったことまでを明確にしていきます。無事に終了し、将来に向かってキャリアの展望を思い描ける状態になれば、STEP1で用意した「ジョブカード」にキャリアコンサルタントからの署名やコメントが入ります。申請時まで大切に保管しておきましょう。

指定講座を受講するための合格通知を受け取ったら、STEP2までに完成した「ジョブカード」も含めた必要書類を揃えて、受講開始日の1か月前までに最寄りのハローワークへ「専門実践教育訓練給付金」申請書を提出します。この意思表示が、給付金受給の第一歩となります。繰り返しになりますが、手続きのためには「ジョブカード」の他にも受給資格確認表や住居書確認書類（マイナンバーカード、運転免許証など）が必要になりますので、余裕をもって準備を進めましょう。

受講開始後も、半年ごとにご本人がハローワークへ給付金の支給申請を行うことが必要です。このときも受給資格証や教育訓練給付金支給申請書、受講証明書、支払った学費の領収書などが必要になります。手続き期限に間に合わなかったということがないよう、必要書類や期限を忘れずに確認しましょう。

ここで、専門実践教育訓練給付金を利用してグロービス経営大学院を卒業された方のインタビューを一部抜粋・再編集してお届けします。
※お肩書きや内容は、インタビュー当時のものです。

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