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投稿日:2022年11月07日
投稿日:2022年11月07日
リユニオン2022~卒業生が集い、最新の経営知を学び互いの成長や志を確かめ合う~
11月6日(日)にグロービス経営大学院・東京校にて「リユニオン2022」が開催されました。東京・大阪・名古屋・仙台・福岡をはじめ、日本各地・海外からリアルまたはオンライン参加も含めて400名以上の卒業生が参加。グロービスの最新の研究テーマやカリキュラムについて、教員からセッション形式で学びながら、卒業生同士で議論を交わし、互いの成長や志を確かめ合いました。
【リユニオン2022概要】
リユニオンは、グロービスの3つの教育理念である「能力開発」「志」「人的ネットワークの構築」に沿って、入学同期の仲間が5年に一度キャンパスに集い交流し、お互いの成長を確認するとともに、在学時と同様にともに学ぶ場です。リユニオンでは、以下4つの場を提供しています。
- 卒業後のグロービスの姿とテクノベート時代の世界No.1に向けた方向性について知る場
- グロービスの最新の研究テーマやカリキュラムを教員からセッション形式で学ぶ場
- ビジネスの第一線で活躍する卒業生同士が興味のあるテーマで議論をする場
- お互いの旧交を温め、成長を確かめ合える交流の場
スピーカー:堀 義人 グロービス経営大学院 学長
「おかえりなさい!」という一言から始まった学長の堀の挨拶。リユニオンに参加する意義について、「思いきり楽しみながら新たな知見をアップデートしてほしい。そして能力開発・人的ネットワークの構築・自身の『志』について再確認してほしい」と卒業生に語りかけました。
スピーカー:田久保 善彦 グロービス経営大学院 研究科長
グロービス経営大学院の前身である、グロービス・オリジナルMBAプログラムGDBA(Graduate Diploma in Business Administration)を開講した2003年の入学者は23名でした。
その後、2006年にグロービス経営大学院を開学し日本語MBAプログラムを、2009年には英語MBAプログラムを開講。東京、大阪、名古屋、仙台、福岡とキャンパスを拡大し、2015年にはオンラインMBAプログラムを開講。加えて、2017年4月に水戸、同年10月には横浜に特設キャンパスを開設し、2019年8月にはシンガポールにも拠点を構えました。2020年10月には横浜・特設キャンパスを移転し、常設化しました。
また、時代の変化に合わせて「テクノベート(テクノロジー×イノベーション)」領域を設け、順次科目を追加し、カリキュラムの改編を続けています。さらに卒業後も学び続けられる特別講座「アルムナイ・スクール」をスタートさせるなど、人生100年時代に卒業生の皆さんが成長し、互いに高め合い、つながり続けられるよう、常に学びの場を進化させ続けています。
2022年には1,158名の入学者を迎え、卒業生の総数は6,800名を超えました(日本語MBAプログラム)。学生のネットワークも、急速に拡大しており、アルムナイ・アワードの5人の受賞者をはじめとして、多くの卒業生が各界で活躍の場を広げています。今後は、オンラインクラスと通学クラスが融合した「ハイブリッド型MBA」として、より多くの人にグロービスの学びを提供できるよう努力を続けます。
研究科長の田久保は、「今後も素晴らしい卒業生の皆さんとつながり続けられるよう、卒業生の皆さんへのサポート拡充も進めていきます。卒業後もアルムナイ・スクールやクラブ活動、あすか会議、互縁ネットなどの機会をさらに活用していってほしい」と語りました。
これからもグロービス経営大学院は、ビジネス環境の目まぐるしい変化に対応した「新時代のMBA」を常に模索し、卒業生が誇れる学校であり続けるべく進化を続けていきます。
スピーカー:湯浅 エムレ 秀和氏 グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー
モデレーター:堀 義人 グロービス経営大学院 学長
テクノロジーや社会や経済、コロナの影響などさまざまな面で非連続な変化が起き続ける時代。そのような時代において、国として、企業として、個人として、どのように変化を捉えるべきでしょうか?どのような資質を持つリーダーが求められるでしょうか?
本セッションでは、主に産業変革(Digital Transformation)に取り組むスタートアップに投資し、日本から世界に打って出る起業家とともに伴走してきたグロービス・キャピタル・パートナーズの湯浅氏を迎え、「テクノロジーや価値観が大きく変わる時代に求められるリーダー」について卒業生とともに考える時間となりました。
スタートアップエコシステムの好循環をはじめ、①巨大なDX機会②課題先進国の恩恵③政府の後押しなど、日本のスタートアップ業界が置かれている状況を3つのポイントとともに紐解きました。さらに、変化の激しい時代に求められるリーダーとして、さまざまなステークホルダーと連携が重要であると語りました。
セッションの後半では、プラットフォーム型リーダーシップの重要性や今後成長するスタートアップの見極め方など、さまざまなテーマについて考えていきました。セッションの最後には、湯浅氏から「リユニオンという場を活用して、新しい人とつながり、さまざまな知見を深めてほしい」と参加者へのエールが送られました。
担当教員:高原 康次
メルカリやマネーフォワードなど、2012年以降設立されたスタートアップは株式時価総額1,000億円を超えました。売上高成長率40~50%を超える急激な成長を続けるブリッツスケーリング事例を通じて、「情報化時代に急激に成長するビジネスの特徴」や「VUCAの中でも、生き残りながら急成長するための経営手法」を読み解きながら、日本企業が成長時に意識すべき現代やグローバル要素についてともに考えました。
高原は、日本のスタートアップが難所を乗り越えるためには、「巨大なテーマに向かうために、試行錯誤しながら積み上げていくことが大切。事業の継続拡大によって自社の強みを蓄積することで、経済性を実現させていく。さらにこれからは社会や業界と対話し、寄り添う姿勢が必要である」と語りました。最後に「ブリッツスケーリングを使って、日本をアップデートし、創造と変革の志士として熱くやっていきましょう」と激励の言葉でセッションを締めくくりました。
担当教員:鷲巣 大輔
SDGs/ESGが普遍的価値観として浸透した現代において、バリュエーションの在り方も変化を遂げています。現代ファイナンス理論ではFCFと割引率によって企業価値が算定されるとされてきましたが、ESG活動に代表される非財務戦略がバリュエーションにどのように影響を与えるのか、世界における最新研究や潮流を確認するとともに、日本での代表例(エーザイ・丸井・ナブテスコ)から、これからのバリュエーションの進化の方向性、更には我々ビジネスリーダーに対する示唆を考えました。
鷲巣は、事例を踏まえた上で「ESG時代においては、『ファイナンスの民主化』がとても大切だ」と述べました。最後に「卒業生の皆さんが、ファイナンスのリテラシーをもって、価値創造モデルとESGとの関係についてエヴァンジェリストとしてそれぞれの組織をリードしてほしい」とセッションを締めくくりました。
担当教員:難波 美帆
特別ゲスト:藤代 裕之氏
人々がソーシャルメディアで発信する「口コミ」は、ときにマスメディア以上に大きな力を持ち、消費行動や評判形成などの面でビジネスに影響を与えるようになりました。話題になれば市場や顧客の評価を得られる一方、超高速で情報拡散が起こりスピード炎上のリスクもあります。個人を起点に、匿名的な顧客の動きは、従来のマーケティング手法では捉えにくく、企業組織での対応が難しくなっています。本セッションでは、具体的な事例を紹介しながら、「ソーシャルメディアの利用の現状」「ソーシャルメディアのリスクと回避」「SNSデータから顧客インサイトを掴む手法」「ソーシャルメディアの有効活用」について紐解きました。
難波は「炎上には理由があるので、感度を高く持つこと。バズるためには、共感を引き出すことが大事」と語りました。「スマホだけで完結するUXはなく、リアルとオンラインは融合している」と藤代は付け加え、最後に「どんな経営判断があるのかなど投稿の背景を探りながら見ると、SNSの使い方や意義を理解する解像度がぐっと上がるので、皆さんにもやってほしい」と参加者にエールを送りました。
担当教員:河村 有希絵
世界人口の1/3を占めると言われるZ世代の社会進出が始まっており、消費や労働の中心になろうとしています。この世代の生き方・考え方・価値観は従前に評されてきた内容と一致するのか、それともCOVID-19などを経験する中で心理・行動に変化が起きているのか? この世代を顧客と捉えるマーケティングの視点を中心にZ世代との向き合い方について考察するとともに、彼らに続くα世代の特徴についても示唆を提示します。
Z世代をターゲットにしたマーケティング事例をもとに、「自分へのパーソナライズが当たり前、オンライン空間は仮想ではなく現実、飾らずありのままの姿を重視するなど、コロナやテクノロジーの影響で生活様式やそれに伴う価値観が形成されてきている」と語る河村。セッションの最後に「マーケティングの文脈で語られるZ世代と、そこには当てはまらない格差や分断といった課題を抱えるZ世代についてもあわせて考えてみてほしい」という言葉で締めくくりました。
担当教員:岡 重文
新型コロナウィルスにより、Zoomをはじめとしたオンラインツールが普及し、ビジネスの環境を大きく変えました。決まった時間に集まり、対面コミュニケーションによってクローズドに意思決定されていた環境や、時間的・空間的な制約から解放されました。この変化は、ビジネスの主体的なツールが電話からメールへ進化した際のインパクトを凌駕する可能性があるのではないでしょうか。こうした新たな環境が私たちの思考にどのような影響を与えるのでしょうか。画面越しというフォーマットはコミュニケーションにどのような影響を与えるのか、扱うテーマによって最適なコミュニケーションフォーマットが存在するのか、コミュニティの親密度はどう変わるのか、円滑なコミュニケーションを取るにはどうしたらいいのか…など、コミュニケーションや意思決定に関する近年のリサーチ事例を紹介するとともに、今後のビジネスシーンへの示唆を明らかにします。
岡は、オンラインとリアルでのコミュニケーションの違いについて「視線の共有が行われないこと、共感につながりにくいことが最大の違い。オンラインは感情の共有ができない前提で、言語情報という武器を磨く必要がある」と言及しました。さらに、「リアルとオンラインを融合したハイブリッド形式でのコミュニケーションは、さらに難しい。時間共有の価値、双方向のコミュニケーション、関係性のコントロールといったことを意識して、事前の準備を行うことも大切」と語りました。
担当教員:若杉 忠弘
今、ウェルビーイングが注目を集めています。幸せな社員は、生産性が1.3倍、創造性が3倍と言われ、ウェルビーイングは社員と組織の双方にメリットをもたらすからです。では、どのようにしたら組織のウェルビーイングが高まるのでしょうか?その方向性は3つあります。①仕事のリソースを提供することで環境を変え、②社員の心の資本(サイコロジカルキャピタル)を鍛えることで人を変え、そして③社員の世界を見るレンズを変えることで、意味を見出すことが重要です。本セッションでは、実際の企業事例や、ポジティブ心理学などの最近の学術研究を通じて、組織のウェルビーイングを高めるフレームワークを参加者の皆さんと実践しました。
若杉は、「無理な共感や自己批判をしすぎず、セルフコンパッションを高め、心を豊かにすること。仕事は、捉え方を見直すことでポジティブに向き合えるようになる」と語りました。最後に「本日得た理論を使いながら、日々の活動の中にウェルビーイング的要素を入れていってほしい」とセッションを締めくくりました。
担当教員:田久保 善彦
人生100年時代、VUCAの時代、個の時代、コロナ禍、SDGsなど、現代を象徴するキーワードは多数ありますが、それらを下支えする要因として今ほど「人的ネットワーク」そして「コミュニティ」が重要になっている時代はありません。本セッションでは、2020年度、2021年度の研究プロジェクトで検討したネットワークやコミュニティの持つ多様な意味、広げ深めていくための方法論、オンラインを中心としたネットワーキングツールの具体的な活用方法などを、簡単なワークショップなども絡めながら考えました。
田久保は「ネットワーク作りの方法論は当たり前で地道なことばかり。そしてどれも大きなエネルギーを必要とする。だからこそ、継続的に取り組んだ人と、そうでない人の間には大きな差が出る。今の時代、さまざまな面で最もレバレッジが効くのはネットワークだ。どんな人と出会い、どのような関係を築くかで、その後の人生は大きく変わる」と言及しました。また「今日得られた学びは、ぜひ今日から実践してほしい。まずはやってみることが大事」と激励の言葉でセッションを締めくくりました。
スピーカー:堀 義人 グロービス経営大学院 学長
卒業生モデレーター:橋本 俊作さん(大阪校・2009年卒業)、森田 さやかさん(東京校・2013年卒業)
最後の全体会は、卒業生モデレーターの橋本 俊作さん(大阪校・2009年卒業)と森田 さやかさん(東京校・2013年卒業)が、ライブアンケートで集めた質問を学長の堀に投げかける「学長セッション」です。学長の堀と卒業生は、実行力をテーマに、志・知・ネットワークに関するさまざまな意見交換を行いました。
未知のフィールドへ飛び込むマインドやチャレンジをためらわないコツ、多くの人を巻き込む方法などについて多くの質問が寄せられ、学長の堀はそれらにひとつずつ経営者としての意見を述べていきました。
「仲間を巻き込み続けるために気をつけていることは?」という質問に対して、「不満を抱える人をつくらないことが重要。徹底的に仲間の満足度を高めるために、その人の期待を超える努力を行う。さらにそのコミュニティに対して、共感を生むメッセージを発信し続ける」と語った。
「過去の成功体験や偏見など、考えが凝り固まった人とのコミュニケーションで重要なことは?」という質問に対して、「誰かに批判されたときに重要なのは、不貞腐れたり、その人を攻撃したりしないこと。鈍感力を発揮して、批判にとらわれすぎないようにすることも大切」と伝えた。
「失敗を恐れずに起業するためには?」という質問に対して、「G-CHALLENGEやG-STARTUPなどを活用してみてほしい。真面目な姿勢や感謝の気持ちを持っていれば、挑戦した人に対して社会は優しい」と語った。
「人を巻き込むときに使う魔法の言葉はありますか?」という質問に対して、「毎回違う言葉を使う。魔法の言葉が何かを考えるのではなく、自分の想いやパッションで人を動かすしかない。自分の想いが凝縮された言葉を伝え続けることが大切」と語った。
最後に堀は、「挑戦することで、自分に足りない能力が分かるようになる。試練がなければ成長はない。学んできた知識と培ったネットワークを最大限に活かして、楽しみながら挑戦して『創造と変革の志士』としてより高みを目指してほしい」とエールを送りました。
午前10時から始まったリユニオンもいよいよ閉会。閉会式の始めの挨拶では、リユニオンの実行委員長の三嶋 春菜さん(東京校・2017年卒業) が、今回イベントを支えてくれたリユニオン委員のメンバー全員とともに登壇。
「グロービスに帰ってきて、気持ちが新たになった方も多いのではないでしょうか。自分自身、最近停滞感を抱いていたので、改めて創造と変革の志士としての覚悟を決めることができました。5年後に再び、皆さんとお会いできることを楽しみにしています」
続けて、グロービス経営大学院 副研究科長の君島が「卒業生の皆さんから多くのことを学びながら、グロービスという場をつくってきました。皆さんにとって、グロービスは『能力開発』『志』『人的ネットワーク』を得るだけでなく、お互いにバトンを渡してエネルギーをもらう場だと思っています。これからも皆さんとともにバトンをつないでいけるよう、私たちも進化していきます。皆さんもまわりの方の背中をぜひ押してあげてください」と締めくくりました。
5年後の再会に向けた更なる挑戦を誓い合う
最新の学びと仲間のエネルギーに触れ、さらなる「創造と変革」 の挑戦へとつながる場
5年ぶりに集まった卒業生たちは、久々に顔を合わせた仲間たちと近況を伝え合い、経営の最新知を得て、互いの「志」を確かめ合いました。リユニオンをきっかけに、卒業生たちは5年後の再会に向けて今日からまた新たな「創造と変革の道」へと進んでいきます。
グロービス卒業後も続く交流と学びの仕組み
グロービスSNS(オンラインコミュニティ)
在学時期や居住地を超えて、全在校生・卒業生がオンライン上でつながる機会を提供するビジネス・プラットフォーム「互援コミュニティ」。気軽に情報交換や質問・相談ができるこのオンラインコミュニティは、 日本国内だけでなく海外にも広がっています。卒業後も互いのビジネスやキャリアをサポートする仕組みが用意されています。
投稿・活用例
機能紹介
コミュニティ機能
クラブ活動、出身毎などのコミュニティ。在校生・卒業生は、クラス以外にも、個人の関心に合わせて、多数のコミュニティに所属。ゆるめの募集や依頼、携わった新製品や新サービスのリリース案内など、グロービスの仲間への呼びかけに利用されたり、日々日々の気づきの共有など、オンラインでも活発な交流が生まれています。
学生検索
9,300名を超える在校生・卒業生を検索しコンタクトを取ることが可能です。起業の相談や事業開発のためのインタビューなどで活用されています。実際に、学生検索を通じて知り合った仲間と新しいビジネスを創出されたり、グロービスの人的ネットワークによって新たな人生を切り拓いた方も多くいらっしゃいます。
卒業生向け特別講座(アルムナイ・スクール)
卒業生に対象を限定した特別講座(アルムナイ・スクール)を開講しています。先行き不透明な変化の時代を先導するリーダーには、一生涯、学び続けることが求められます。卒業生に限られた質の高い学習環境で、同窓と真剣な議論を交わしながら、経営知に留まらない幅広い能力や人間力を磨き続けます。
講座例:「AIビジネスリテラシー」
野呂浩良氏(株式会社DIVE INTO CODE 代表取締役)
講座例:「中国古典に学ぶリーダー哲学」
守屋淳氏(作家)
講座例:「経営層のための税務戦略」
谷保廣氏 (公認会計士、税理士、証券アナリスト)
講座例:「リーダーのためのデザインリテラシー」
稲葉裕美氏 (株式会社OFFICE HALO代表取締役)
講座例:「リーダーのための実践的会社法」
藤本欣伸氏(西村あさひ法律事務所シニアパートナー)
講座例:「DX時代の新経営戦略」
吉田素文氏(グロービス経営大学院教員)
講座例:「ビジネスの未来を考える」
山口周氏(独立研究者、著作家、株式会社ライプニッツ代表)