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投稿日:2019年01月09日

投稿日:2019年01月09日

起業家コミュニティで「志」とビジネススプランを磨く――グロービス公認クラブ「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)」 イベントレポート①

クラブ活動
グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC) 活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。

事業に必要な知識やノウハウを得られるだけでなく人脈・ネットワークも形成できるのが起業家コミュニティの魅力ですが、グロービスの学校公認クラブ活動「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)」もその一つ。「日本を代表する起業家を輩出し、相互支援を果たす」ことを目的とした、在校生・卒業生約2,200名(2018年7月現在)が在籍するグロービス最大のクラブ活動です。これまで80名を超える方々が起業し、うち数社が数十億円レベルのベンチャー企業へ成長しています。

起業家を生み続ける生態系はどのようにして作られているのか。年1回開催される一大イベント「GECサミット 2018」に潜入し、その魅力に迫りました。

互いのビジネスや志について語り成長する場「GECサミット 2018」

「この1年で起業した人は?」

オープニングでの問いかけに手を挙げたのは、会場にいた92名中10名。1割以上もの参加者が直近1年間で事業を立ち上げている計算だ。「GECは起業家の集まりですから盛り上がりが違いますね!」という、本日の登壇者の一人であり株式会社i-plug社長の中野智哉氏からの言葉どおり、会場はスタート前からすでに熱気にあふれていた。

GECサミットとは、グロービス経営大学院(MBA)の在校生・卒業生約2200名(2018年7月現在)が在籍するグロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)による一大イベント。あすか会議のアフターイベントとして年1回開催され、全国のGECメンバーが一堂に会する。

アルコールありのカジュアルな場だが、もちろん酒を片手に騒ぐことが目的ではない。互いのビジネスや志について語り合い、忌憚なく意見を交わしたり、ビジネスパートナーを見つけたりと、自身の成長に繋げるためのイベントだ。

スペシャルコンテンツも用意されており、今回は起業家4名によるパネルディスカッションと、GECサミット恒例のピッチ大会が実施された。パネルディスカッションでは起業時のリアルなエピソードが続出。1分間でビジネスプランなどを発表するピッチ大会では、事前に希望があった10名に加えて飛び入りで数名が参加。各々の情熱的なスピーチに大きな拍手が飛んだ。

「GECのおかげで起業できた」~参加者の生の声~

サミット開催中、参加者の方々にGECの価値について聞いてまわった。国立京都国際会館での「あすか会議」の直後であり、かつ全国各地から集まった同志たちの熱気も相まって、みなさんからのコメントはどれもエネルギッシュ。

「会社と違って上下関係や利害関係がない」と語ってくれたのは芝先 恵介さん。

「自分のビジネスでどうやって問題を解決するかざっくばらんに話せるし、アドバイスや協力もしてくれるので、とても貴重な場です。僕は2002年に起業して、経営に行き詰まったときにグロービスに入学。今は、訪日外国人向けに無料でSIMカードを配って観光案内アプリと連動させる地方創生ビジネスなど、スタートアップを2社抱えています」

GECに参加して今年で3年目という山本 龍太さんは、GECのメンバーからさまざまな刺激を受け、今年4月に起業したという。

「中小企業の働きがい改革として、組織改革、評価制度構築、研修などの事業を行っています。目標とする先輩はi-plugの中野さん。中野さんのように、世の中に影響を与える会社をつくりたいです」

岩崎 久剛さんは、起業を目指す会社員。

「GECサミットにはいつも参加しています。今は会社員ですが、近い将来に起業したいと考えています。GECは自分が何を大事にすべきか、どんな志を持って起業すべきかを改めて教えてくれる刺激的な機会だと思います」

「一人でも多くの起業家を輩出したい」~GEC幹事の想い~

GECサミットの企画運営は、GECの幹事メンバーにより行われている。幹事とはいえ、普段は起業家や企業の中核として第一線で活躍しているメンバーばかりだ。GECは2000名以上が在籍するグロービス経営大学院の公認クラブ活動の中で最大。運営にあたりどんな工夫がなされているのだろうか。

「年内の活動のマイルストーンをできるだけ明確にして、そのためのロードマップを敷くようにしています」とは、幹事の一人である宮地さんのコメント。

「たとえば、GECではGVC(GLOBIS Venture Challenge)というビジネスプランコンテストを目指して、各種プログラムを運営しています。まずはあすか会議のあとに早い段階でGVCについて告知し、参加者みなさんからGVC応募へのコミットメントを得る。次に、24時間でビジネスプランを考えるイグニッションプログラムや、起業家とのミートアップなどを行うGECカフェに参加していただく。そして最終的にGVCに応募していただく、という流れを意識しています」

本業で忙しい日々を送る幹事の方々が、GECの活動に情熱を注ぐ理由はどこにあるのか。菅井さんはこう熱く語ってくれた。

「GECの目的は、一人でも多くの起業家と、起業家を育成するメンバーを輩出すること。僕自身も起業家として社会にイノベーションを起こしていきたい。そう考えたときに、GECはすごくいいコミュニティ。それをサスティナブルに運営していくために、力になりたいと思っています」

「幹事をすることで私たち自身にもいろんな人との繋がりができますし、『今回のサミットよかったです!』と喜んでもらえるとやっぱり嬉しい。だから続けています」と柳沼さんは言う。

宮地さんも二人の話に頷きながら、「グロービスに関わるいろんな人に支えられて、今の自分があると思っています。その人たちに恩返しをする場を探していて、GECにたどり着きました。幹事は完全にボランティアなので、メンバーにはなるべく負荷をかけずに続けてほしいと思っていますが、私含めてみんな楽しく一生懸命やっています」と笑顔を見せた。

超ド級の起業家を生む生態系の、ど真ん中にあるのがGEC

GECサミットをはじめとするGECの活動には、グロービス経営大学院の教員も多数参加している。グロービスの教員であり、一般財団法人KIBOWで社会起業家への投資を行う山中礼二も、今回のサミットに足を運んでいた一人。参加者から次々に声をかけられていた山中だったが、その合間を縫って、GECの活動に参加する理由を聞いた。

「グロービスからは多くの素晴らしい起業家が生まれています。でも、もっと多くの、社会全体を変えるような超ド級の起業家が生まれるような生態系をつくりたい。そのど真ん中にあるのがGECだと思っているので、それを応援したいですし、そこにいる人と繋がりたいという思いで参加しています。」

山中はGECの魅力をこう語る。

「起業家にとっては、先輩起業家に気軽に相談できるのが魅力的。どんな些細な、恥ずかしいと思われるような質問でも遠慮なく聞くことができる。まだ起業すると決めていない人にとっても、GECの様々なイベントに参加することで、アイデアをブラッシュアップしたり、ビジネスパートナーに出会ったり、最終的にはビジネスプランという形に仕上げることができる。」

「また、ビジネスプランを創り上げていく過程を、GECに所属する起業家の実体験や起業にまつわる書籍からの知見を蓄積し、GECメソッドとして独自にまとめ、開発している。海外を含めた他のビジネススクールで、ここまで強い起業家支援プログラムが学生によって運営されている事例はほとんどなく、世界的にも稀な存在だと思う。」

山中は、世の中にイノベーションを起こすコミュニティには、①心理的安全性があること、②多様なバックグラウンドを持った人がいること、③参加者が上昇志向を持っていること、の3つが揃っていることが必要だと述べる。「GECにはその3つが備わっているが、さらに多様性に溢れたコミュニティになれば、もっと世の中にイノベーションを巻き起こすことができるのではないか。」

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グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)とは

「日本を代表する起業家を輩出し、相互支援を果たす」ことを目的とした、在校生・卒業生約2,200名(2018年7月現在)が在籍するグロービス最大のクラブ活動です。起業に関する情報共有、人材のマッチング、起業家を招いた講演、新規ビジネスの相談の場として、知恵・経験・人脈の全国に及ぶ起業家支援のプラットフォームの役割を果たしています。これまで、この活動を通じて、80名を超える方々が起業し、うち数社が数十億円レベルのベンチャー企業へ成長しています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。

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