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投稿日:2019年01月09日

投稿日:2019年01月09日

起業家4名の「最大の失敗」から学ぶ――グロービス公認クラブ「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)」 イベントレポート②

クラブ活動
グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC) 活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。

前回に続き、先日行われたグロービスの学校公認クラブ活動「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)」が主催するイベント「GECサミット 2018」の内容をお届けします。

起業家4名によるパネルディスカッション

i-plug中野氏、ポラリス森氏、ネットオン木嶋氏、ドクエン上之薗氏が登壇

今回のGECサミット2018の目玉、パネルディスカッション。新卒採用求人サービス「Offer box」を運営するi-plug中野氏がモデレーターを務め、業界もフェーズも異なる3名の起業家に起業について語っていただくコンテンツだ。

(※肩書きはインタビュー当時のものです)

一人目のパネリストは、株式会社ポラリス代表の森剛士氏。

2000年に創業し、今や従業員600人を抱える起業家だ。従来の「お世話をする」介護ではなく、自立支援に特化したデイサービスの運営により、高齢者の心身機能改善と国庫による介護保険の負担削減を担っている。内閣官房と連携した自立支援型介護のアジア輸出、パナソニックとの業務提携によるAI活用など、社会的注目度も高い。

二人目は、株式会社ネットオン代表の木嶋諭氏。

クラウド型採用マーケティングツール「採用係長」、企業自身のHPで応募を集める仕組みをつくるサービスなどを提供する。社会人2年目で独立し会社を設立。HP制作やWebサービス開発などを10年ほど続けた末に今年6月には多額の資金調達に成功し、これからの成長が期待されている。

そして三人目は、ドクエン株式会社の上之薗(かみのその)拓也氏。

大手ゲームメーカーで12年にわたり製品開発・企画を経験後、2017年12月に2人で会社を設立したばかり。現在は、歌っている人以外は参加しにくい「カラオケ」に着目し、全員で楽しめるゲームカラオケを開発中。社名の由来でもある「独創的エンターテインメント」の創造に挑んでいる。

経営危機にまで及んだ、「最大の失敗」談

「せっかくだから生々しいエピソードを聞きたいですよね」と、参加者からトークテーマを募る中野氏。まずは、起業してから今までの「最大の失敗」について語ってもらうことに。

ポラリスの森氏は、10数年前に会社を乗っ取られそうになったという驚愕のエピソードを披露。当時のデイサービス幹部10数名に裏切られ、一斉に退職願を提出された挙句、幹部達が移った先の企業から会社売却を持ち掛けられた。「残ったメンバーと夜な夜な作戦会議をして、どうやって事業をまわすか必死に考えました。資金繰りがうまくいかず、『明日給料日だが、払えない』と妻や父親に頭を下げてお金を借りたことは何度かありましたが、このときほど焦ったことはなかった」

ネットオンの木嶋氏は、手がけていたあるサービスを某企業から1億円で買いたいと言われたが、ファイナンス関連の知識が乏しく断ってしまったことが最大の失敗だったと語った。

起業して半年のドクエン上之薗氏は、「半年で失敗していたら潰れるでしょう」と笑いながら、代わりに起業したきっかけを語った。「大企業を辞めてもったいないとよく言われますが、自分のつくりたいものが会社と違っただけ。前の会社はブランドが通っていて世界各地にチャネルもあるので、マスで売る商品が正解。でも僕はもっとローカルに遊びを提供したかったんです」。ただ、本音を一言でいえば「12年やって飽きた(笑)」のだとか。

すぐには信用されなくても、必ず誰かが応援してくれる

では反対に、起業して一番よかったこととは何か。森氏が語ったのは、失敗談に続く感動エピソード。

経営存続の危機に立たされ、残ったメンバーと手づくりのおにぎりを食べながら深夜に会議をしていると、みんな涙を流して「私はポラリスが大好きだから定年まで働かせてほしい」「できることは全部やる」と訴えてくれたのだという。「そのときに会社は『人』だと強く思いました。そのメンバーたちは今、会社の中心となって活躍してくれています」

「起業して常に感じているのは、いろんな経験をさせてもらっているということ」。そう話したのは木嶋氏。新しい会社と取引するとき、資金調達できたとき、フェーズごとにさまざまな人と出会い、刺激を受けてきたという。「自分の頑張りがそのまま跳ね返ってくるのが、起業の魅力だと思います」

上之薗氏は、創業期ならではのエピソードに触れた。「たった2人でやっている事業だし、『今さらカラオケ?』と信用されないことがほとんど。でもその中でも、僕たちを信じて一緒に頑張ってくれようとする人が現れたときは感動します。売上が立ってからしかシェアできない状況なのに、本当にありがたいと思う」

モデレーターの中野氏も、上之薗氏の発言を受けて自身の創業期を振り返った。

「大企業から独立起業してまず味わうのは、名刺交換のときに顔を見てくれないという孤独感(笑)。それでも、地道に続けていると必ず誰かが共感してくれて、応援者が出てくる。それが起業の楽しいところだと思います。僕の事業は新卒採用だからマッチングが出るまでに1年かかるんですが、最初の1人が決まったときは本当に感動しましたね」

どんな輝かしい実績を持つ起業家にも、創業期の苦労があり、消し去りたい失敗経験がある。だがそれ以上に、困難を乗り越えられるだけのやりがいがあり、応援してくれる大切な人たちがいる。「起業するときは不安だけど、それはみんな同じ。お互いに刺激し合い、無駄な不安を消して成長していける――GECサミットがそんな場になればと思っています」と中野氏は締めくくった。

グロービス・アントレプレナーズ・クラブ(GEC)とは

「日本を代表する起業家を輩出し、相互支援を果たす」ことを目的とした、在校生・卒業生約2,200名(2018年7月現在)が在籍するグロービス最大のクラブ活動です。起業に関する情報共有、人材のマッチング、起業家を招いた講演、新規ビジネスの相談の場として、知恵・経験・人脈の全国に及ぶ起業家支援のプラットフォームの役割を果たしています。これまで、この活動を通じて、80名を超える方々が起業し、うち数社が数十億円レベルのベンチャー企業へ成長しています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。

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