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【MBA生活】医師の私がグロービスMBAで学ぶ理由

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【名前】水野晶子

【勤務先】瑞穂ガーデンクリニック

【入学年】2016年

<自己紹介>

国立大学医学部卒業後、大学病院、日本赤十字病院、民間急性期病院に呼吸器内科医として勤務。外来、病棟、救急、当直業務を行い、多くの病気を治す一方で、多くの死と直面。30代後半で呼吸器内科部長となり若手医師の育成を行いながら病院経営に参加。同時に栄養サポートチームを組織して患者の栄養状態改善と治療効果向上に貢献。健診センター長を兼務して予防医学に取り組んだ経験も持つ。2017年1月、ともに輝く人生を送るため「瑞穂ガーデンクリニック」を開院。グロービス経営大学院2016年入学。在学中。

■医療現場で感じた、良いマネジメント・良い経営の必要性

大学を卒業して医師となり、基本的な医術を習得する10年が過ぎた頃、医師にも組織の中でリーダーの役割が回ってきます。若手医師の育成や、多職種のメンバーで結成されたプロジェクトの遂行、部門長として約20名の部下を持ち人事考課まで行うなど、今まで学んできた医学だけでは対処できない役割に戸惑いながら、独学でマネジメントを勉強していました。

そんな中、私が一時期所属していたある組織で、現場のスタッフは優秀で良い人達ばかりなのに、マネジメント層が悪いために現場の人が苦しみ、良い成果を上げることができないという環境を経験しました。

この時、疑問に思ったのが「良いマネジメントとは、良い経営とは何か?」ということです。この疑問を解決するため、以前から興味を持っていたMBAについて学べる場所を探しました。通学しやすい、学問だけでなく実践を重視している、という点でグロービスが気になり、実際に体験クラスを受けてみました。そこで出会った講師の教育スキルと人間性の素晴らしさに感動して、私はグロービスの単科生となることを即決しました。

■学びを進める中で、疑問に対する自分なりの答えが見つかった

グロービスでの学びは期待以上で新鮮でした。初めてのクラスは「マーケティング・経営戦略基礎」。未知の世界、経営学の入り口を覗き見て経営学を学ぶ魅力に取りつかれました。続いては「クリティカル・シンキング」。論理的思考力と問題解決力を磨く科目なのですが、今までの勉強は暗記ばかりに頼り、物事を深く考えてこなかったことに気づきました。そしてヒト系、カネ系科目と学びを広げ、もっともっと学び続けたいと思い、入試へ出願。2016年よりグロービス本科生になりました。

本科生となり、グロービスでの学びが進むと、1つ1つの科目で学んだことがつながり始め、経営全体が見えてくるようになりました。そして、当初、私が抱いていた「良いマネジメントとは、良い経営とは何か?」という疑問への答えが自分なりに見つかりました。私が考える良いマネジメント・経営とは、自分と関わる全ての人(私の場合は患者、スタッフ、取引業者、その家族、その友人までも)が、尊重され自己実現できる場を作ること。そのためには日々の生活の中で自分の人格・スキルを高めながら、良いネットワークを形成する努力を続ける必要があります。そして皆を方向づけ、巻き込み、ともに輝く人生を送れるように尽力することです。

■自分の人生でやるべきことに気付けた、志系科目

さらにもう1つ、思いがけず得たものがあります。それは、自分のやるべきことに気づけたことです。
グロービスには、志系科目という特徴的なカリキュラムがあります。偉人の人生を学んだり、周囲の人からのフィードバックを受けたりすることで、自分を見つめ直すクラスです。私も含め、がむしゃらに仕事をしていると、「自分が何者で、得意なことは何で、何をして生きていきたいか?」を考える時間を持たずに過ごしてしまいがちです。私はこの志系科目を通じて自分と向き合うことができ、それまで感じていた苦しみや迷いが軽くなり、折り返しの人生でやるべきことが見えました。そして自然に周囲の人への感謝の気持ちが強くなりました。

はじめは所属する組織の中で良いマネジメント、経営の一端を担い、皆が幸せになるといいなと思い学びはじめたグロービスMBAですが、学びを進め、人生をかけてやるべきことが見えてくる中で、自分のクリニックを開院したいという思いが日に日に高まっていき、気がつけば、開業を決意していました。気持ちが固まると不思議なもので、そこから色々な出会いがやってきて、結果的には、グロービスで学んだ知識を総動員し、半年でクリニックを開院することになりました。

一般的なクリニック開業には立地、建物、機器、診療内容、時間、スタッフ数、広告とお決まりのようなものがあるのですが、私は自分の思い描く医療を提案するために違うアプローチをしました。質の高い診断と治療の提供はもちろんですが、病気の人も病気を予防したい人も皆が気軽に集えるサロンのような場を提供したいと思い、ホテルのような空間作りをしました。また、保険が効かないプラスアルファの治療を希望される方のために自由診療も行っています。スタッフはホスピタリティを高めるために少数精鋭とし、常に情報を共有しています。スタッフが患者さんと多くのコミュニケーションをとれるように、私の補助的な仕事や医療機器に投資することで省ける仕事は行わないようにしています。

他にも細かい工夫やここには書けない戦略はたくさんありますが、今もスタッフとともに、より良い診療を行うため試行錯誤を繰り返しています。まだ開院して5ヶ月ですが、一度来院された方が家族や友人に勧めてくれたり、出入り業者が家族や他の医療機関スタッフに勧めてくれたり、以前勤務していた先の患者さんがネット検索して私を探し出して来院してくれたり、本当に嬉しく有難く思っています。もちろん、グロービスの仲間も受診してくれて、身近な人の健康に貢献できる幸せを感じています。

■最後に

私のような専門職であっても、グロービスMBAを学ぶ価値は大いにあると思います。私の場合は、視野が広がり、その広がった視野から再び自分の分野を見ることで、新たな発見へと繋がっています。経営を学んだから必ず成功する訳ではないですが、学ぶことで確実に失敗は減らせると思います。また、良いマネジメント、良い経営は、自分、周囲の人、社会を幸せにします。

そしてグロービスでは、自分を知り、自分の生き方を見つけるヒントが得られます。いくつになっても遅くないですし、一度立ち止まって自分を見つめることで、ずっと生きやすくなると思います。
人生でやり残していることはないですか?迷ったら勇気を持って、まず飛び込んでみて下さい。苦しいかもしれないけれど、きっと素敵な世界が広がると思います。


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