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  • ◆卒業後~MBAを終えて~

【卒業後~MBAを終えて~】自分自身を見つめ直すことでビジネス、人生がより楽しいものに

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【名前】  杉原 千鶴

【勤務先】 電力会社

【入学年】 2013年




〈自己紹介〉
電力会社の販売部門で新サービスの企画・運営を担当。ポイントサービスの新設や家庭ごとの電気の使用状況や省エネのポイントがわかるエネルギーコンサルサービスの企画に携わる。今年8月より、家庭向けサービス担当から、法人向けサービス企画担当に部内異動。グロービス経営大学院2013年入学、2016年修了


■将来安泰だと思っていた中、感じた危機感

私が電力会社に入社したのは、インフラ系の企業であれば、一生安泰に給料を得られるのではないか、また福利厚生がしっかりしているので、出産・育児と仕事を両立しやすいのでは、といった、待遇面のメリットが主な理由でした。入社してからも、特別に何かしたいことがあるわけでもなく、日々目の前の業務を淡々とこなす毎日を送っていました。このような私がなぜ、「創造と変革の志士」といった熱い思いを持つ人々が集まるグロービスへ入学し、そして何を得たのかをお伝えしたいと思います。



きっかけは、入社後3年目の託送契約部門への異動でした。他社電力会社が彼らの需要者に電気を送る際に、当社の送配電門を利用して送り届けるための契約を実施する部署なのですが、直接競合他社である新電力の担当者との会話、そして彼らがごっそり当社からお客様を獲得していく風景を目の当たりにし、当社の将来に危機感を感じたのです。「日々、目の前の仕事を真面目にこなしていれば、将来安泰と思っていたけど、どうやらそうではないようだ。」「じゃあ、どうする?」と考えるようになりました。

また当時、当社から新電力への契約変更の理由は価格が全てでした。料金メニューを作っている部署に異動願を申請して、新しい料金メニューを作るというのもあったかもしれませんが、私は価格だけで勝負するのは面白くないと直感的に思ったのです。
「電気を供給する以外に当社ができることはないのか?」「そもそもなぜお客さまは電気を買うのか?そこに何かヒントはないのか?」
そのような思いが湧き上がってきたとき、グロービスの地下鉄広告の「創造と変革」というフレーズを見て「今自分に必要なことを学べるのはここでは!」と思い、早速グロービスの説明会に参加。そして単科生での入学を決めました。

■新しいことを学ぶ刺激と自分の現状を知った「クリティカル・シンキング」

単科生として最初に受講したのは「クリティカル・シンキング」でした。同質な人が集まる組織の中でずっと業務をしてきた私は、職業も、職種も、役職もまったく異なる人たちとディスカッションできるのか不安でした。しかし、クラスが始まると不安よりも新しいことを学ぶ刺激による高揚感が勝り、一気にクラスに惹きこまれました。

「打ち手を考える前にイシュー(課題)を深く考える。」「ビジネスにおいては、相手に自分の想いを理解し、納得し、共感してもらいアクションを起こしてもらうことを目的に、物事を考え、伝えることが大切。」これらはとても当たり前のことに思われますが、当時の自分は、言われたことや手引きに書いてあることを深く考えずに実行しているだけだったので、衝撃的でした。「世間一般のビジネスパーソンが当たり前に考え実行していることが自分はまったくできていない!」と学ぶことが多くあることに気づき、単科生で1年間受講を続けた後、本科への進学を決意しました。

■学びを活用し、新サービスの企画に貢献。100万会員以上が利用するサービスへと成長

本科入学後は、ビジネスに必要なヒト、モノ、カネに関するクラスを全般的に学ぶことができましたが、私は販売系新サービスを企画していたため、マーケティングに関するクラスを多く受講しました。マーケティング系クラスの一番の学びは、「お客様のことをよりリアルに生々しく想像する。たとえばその人が身に着けている服装まで。」ということです。クラスのディスカッションではクラスメイトに何度か「それは会社目線ではないか。お客様はそれで嬉しいのか。」と指摘を受け、無意識に供給者目線になっている自分に気づくことができました。

グロービスで学んだお客様に対する向き合い方は、新サービスを企画する際にとても役立ちました。「当社のサイトを見ているお客様がどのようなシーンでどのような気持ちでいるのか」をプロジェクトメンバーと一緒に想像しながら、多面的な視点からサービス構想を練りました。結果、グロービス入学当初は会員数が数万人だったサイトが、今では100万会員以上の方にご利用していただけるサイトに成長しました。

仕事をしながらの受講は大変ではありましたが、学んだことを明日からでもすぐに仕事に生かせることは、学びを浸透させるには一番効率的だと思いました。

■自分を見つめ直すことで見つけた「仕事、社会に対して何をしたいか」

新しいサービスを企画、実現するためのビジネススキルを習得するために、グロービスを選んだわけですが、卒業した今振り返ってみると、一番印象に残っているのは、己の志を考える「企業家リーダーシップ」の学びです。

このクラスでは「自分が何に対してワクワクするのか、好きなこと嫌いなことは何か?」をまず問いかけられました。これは、これまで一度も考えたことがなく、はじめは、なぜビジネススクールでこのようなことを考えるのか違和感を感じました。しかし、クラスを<通じて自分の価値観を見つめるうちに、仕事でこれをやってみたいという気持ちが段々と湧いてきました。

幸いなことに、グロービス在学中にこの思いを実際に企画し、実現する機会を得ました。 今までの事業とは異なる内容であり、実現にあたっては多くの障壁があったのですが、このクラスで得た気持ちはその後も継続し、いずれの課題に対しても前向きな気持ちで乗り越えることができました。

何か今までと違うことを実施しようとすると、その実現プロセスは大変な苦労があります。志はその苦労を乗り越え、目的を実現する原動力になるのだと思いました。
電力をはじめとしたインフラ業界においては、私もそうでしたが、目の前の仕事を次々にこなすことに達成感を覚え、それで終わってしまうことがあると思います。しかしながら、自分で課題を見つけ、困難を乗り越えながらも達成する、これこそ一番の楽しみではないかと思いました。自分がいることで昨日よりも今日がよい世界になっている、これは本当に幸せなことだと思います。

■最後に

グロービスはまさに毎日の仕事を自分の人生にとって楽しい、意味のあるものにするヒントを得られる場所だと思いました。
「自分は特に不満もなく毎日を送っているが10年後もこれで大丈夫か?」と一度でも不安に思った方は、一度グロービスに来ていただいて刺激を得てもらうことをおすすめします。