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投稿日:2026年03月25日
投稿日:2026年03月25日
【卒業生インタビュー】アクセンチュア・千代崎 透我さん「すべての人が能力を発揮し、活躍できる社会へ」
- 千代崎 透我
- アクセンチュア株式会社 人事本部 マネジャー
グロービス経営大学院 2017年卒業 - 野田浩平
- グロービス経営大学院 教員
- 竹内秀太郎
- グロービス経営大学院 教員
MBAの真価は取得した学位ではなく、「社会の創造と変革」を目指した現場での活躍にある――。グロービス経営大学院では、年に1回、卒業生の努力・功績を顕彰するために「グロービス アルムナイ・アワード」を授与している(受賞者の一覧はこちら)。
今回は2025年「ソーシャル部門」の受賞者、アクセンチュア株式会社 人事本部 マネジャーの千代崎 透我氏にインタビュー。日本の障害者雇用において、かつてない規模と質を両立させ、国内外から関心を集めているのが同社の「ニューロインクルーシブ※な職場づくり」だ。同社は精神・発達障害に根深い社会課題があると捉え、より持続的な取り組みとしていくためにサテライトを立ち上げた。そして、わずか数年で全国9拠点・数百名(※2026年2月時点)の精神・発達障害のある社員が活躍する組織へと成長した。「障害は個人ではなく環境にある」と語る彼は、グロービスでの学びをいかに「武器」に変え、社会課題という巨大な壁を突き崩していったのか。その挑戦の背景と現在地を聞いた(インタビュアー:竹内秀太郎、野田浩平)。
※ニューロインクルーシブ:脳や認知特性の多様性を前提に、一人ひとりが力を発揮できるよう環境を整える考え方。
※記事の内容や肩書はインタビュー当時(2025年12月時点)のものです
社会課題への挑戦を、卒業後も見守ってくれた存在
――改めて、アルムナイ・アワードの受賞、おめでとうございます。まずは今の率直な心境をお聞かせください。
千代崎:ありがとうございます。受賞の知らせをいただいたとき、最初に湧いてきたのは感謝の気持ちでした。そして同時に、改めてこの挑戦に向き合う決意を固めました。
「グロービスの誰かがいつも見守ってくれている」と気付いたとき、身に余る光栄と深い感謝を覚えました。コロナ禍以降は、社内で取り組みに没頭していたこともあり、グロービスとの接点が少なくなっていました。その知らせをきっかけに、グロービスでお世話になった方々やともに学んだ仲間たちの顔が一気に浮かびました。
精神・発達障害のある社員の雇用・活躍やニューロダイバーシティの領域は、日本でも世界でもまだ緒に就いたばかりで、社会的意義が十分に認知されているとはいえません。だからこそ、私が感じている以上にこの取り組みの社会的価値を受け止め、応援してくださる方々の存在は大きな励みになりました。
また、今日の成果にたどり着くことができたのは、決して私ひとりの力ではありません。アクセンチュアのリーダー陣をはじめ、社内外の多くのサテライト関係者の支えがあってこそです。とりわけ、サテライトで働く精神・発達障害のある社員(以下、メンバー)一人ひとりが、日々の現場で活躍を積み重ねてくれました。その努力と挑戦に深く感謝しています。
ニューロダイバーシティの取り組みはまだ始まったばかりですが、多くの方に意義を感じていただける稀有な挑戦であると感じています。ただ、社会課題の根本的な解決はまだこれからです。感謝すれど満足せず、今後も賛同の輪を広げながら、多くの方々とともに取り組んでいきたいです。
第21回「グロービス アルムナイ・アワード」授賞式スピーチの様子
能力を発揮できないのは個人ではなく環境に原因がある
――現在、千代崎さんが統括されているサテライトオフィスの取り組みについて、改めて詳しくお聞かせください。
千代崎:現在、私はアクセンチュアの人事本部で、サテライトにおける障害者雇用全体を統括しています。サテライトは全国9拠点で数百名の精神・発達障害のあるメンバーが活躍しています。私はそこで、「ニューロインクルーシブ」な職場づくりを、構想から実装・運営まで一貫して推進しています。
具体的には、構想・方針策定から、採用・人材育成・業務設計・制度整備・組織カルチャーの醸成までを、組織のOS(Operating System)ともいえる運営基盤として一体で組み上げています。そのうえで、一人ひとりが能力を発揮し、成長と貢献を実感できる職場体験の実現を目指しています。
このサテライトは、単なる雇用の場の提供にとどまりません。私たちが共有する目指す姿は、「一人ひとりの活躍を通じて、世界中の障害のある人々を勇気づけ、Inclusion & Diversityの可能性を信じている人々をインスパイアする存在になる」ことです。メンバーが自身の領域のロールモデルを目指す過程で、これまでの挫折を乗り越えてきた経験やそこから生まれた使命感を引き出し、涵養することを意図しています。そして、自身の活躍を通じて、世界中で十分に能力を発揮できずにいる人々を勇気づけていくことが、これからの私たちの挑戦です。
――「精神・発達障害」の領域は、雇用管理が非常に難しいと言われています。どのようなアプローチを取られているのでしょうか。
千代崎:ニューロインクルーシブな職場づくりのアプローチとして、4つのポイントを大切にしてきました。
1つ目は体制づくりです。経営戦略の一環として位置づけ、経営トップから現場社員までが一体となってコミットし、連携できる体制を整えてきました。2つ目は文化創造です。企業の都合ではなく働く社員の目線から、一人ひとりが「成長」と「貢献」を実感できる職場体験を育んできました。
3つ目は環境整備です。環境を整備することで、能力発揮の可能性が大きく広がるという社会モデルを前提とし、環境側の工夫で活躍の条件を整えてきました。4つ目は組織としての受容力の向上です。社外からのサポート・アドバイスを受けながらも、最終的には自社で担えるよう運営ノウハウや経験を蓄積してきました。
この領域の最大の難所は、一人ひとりにおいて、能力を発揮するための課題や解決策が異なる点にあると考えています。例えば、ASD(自閉スペクトラム症)のある方の中には、感覚の過敏さや鈍麻さが就労上の困難につながる方もいます。ただし、その現れ方は人によってさまざまで、聴覚に強く出る方もいれば視覚に出る方もいます。つまり、同じ診断名であっても、能力発揮の課題の所在や原因が異なります。そのため、一律の対応策では通用しません。
この難所に対して、特に重要になるのが3つ目の環境整備のアプローチです。私たちが職場づくりのベースにしているのが「社会モデル」という考え方です。能力発揮を阻む原因を個人起因ではなく環境起因として捉えて、環境側の工夫と整備によって、活躍を阻む障壁を取り除いていきます。つまり、一人ひとりが能力を発揮しやすい職場を、環境側から実現していくということです。最近では、AIを活用して能力発揮を支援する環境整備も進めています。
また、ソフト面で重視しているのが、一人ひとりが職場をどう体験しているのかという視点です。Compassion(思いやり)とBelonging(帰属意識)のある組織風土を育むことで、制度やルールを超えて、互いを支え合う関係性を築いていきます。チームメンバー全員が仲間の配慮の必要性を理解し、尊重し、お互いに手を差し伸べることは、アクセンチュアのコアバリューである「Respect for the Individual(個人の尊重)」につながります。そうした日々の関わりの積み重ねを通じて、「自分は仲間に受け入れられている」と実感できる環境を育んでいます。
一方で、障害者雇用には、雇用だけにアプローチしても本質的な解決に届かないという構造的な難しさがあります。当時、推進していた「社会貢献活動(コーポレート・シチズンシップ)」プロジェクトでは、雇用だけではなく、その前段階にある教育へのアプローチも必要だという結論に至りました。そこで、2021年に、以前から私たちの活動に助言をいただいていた奥田健次先生(学校法人西軽井沢学園 理事長)の小学校設立プロジェクトを立ち上げました。私は立ち上げ期に関わり、同プロジェクトを引き継ぎました。そして、その後もアクセンチュアとして支援を続け、2024年4月にはデジタルテクノロジーと行動分析学を掛け合わせた先進的な教育を実践する「さやか星小学校」が開校しました。
20年後の約束と、社会課題への使命感
――もともとはコンサルタントとして活躍されていた千代崎さんが、なぜこの領域に足を踏み入れたのでしょうか。
千代崎:きっかけは、2019年に社内公募で流れてきた「社会貢献活動(コーポレート・シチズンシップ)」の障害者雇用促進プロジェクトでした。偶然の出会いから参画し、そこでの3つの出来事が大きな転機となりました。
1つ目は、日本の障害者雇用の現状を調査する中で、大きな社会課題があることを知ったことです。調査を進めると「雇用する側の都合」が優先され、「働き手のやりがい」が見落とされている実態が浮き彫りになりました。さらに厚生労働省の統計を確認すると、精神・発達障害の領域に根深い社会課題があることも見えてきました。例えば、身体障害と比べて就労人口の数や割合、平均賃金を大きく下回ること。精神障害のある方の就労1年目の定着率が50%にとどまっていたことなどです。これは、日本企業において精神・発達障害のある社員の雇用のノウハウや組織ケイパビリティがまだ確立されていないことを示唆しています。だからこそ、こうした社会課題は自分たちの手で解決していくのだと決意しました。
2つ目は、社内プロジェクトとして高い目標を掲げ、前向きな好奇心を持って愚直に挑み続けようと決めました。アクセンチュアは外部調査機関からDEIやDisability Inclusionの領域で高い評価をいただいています。だからこそ、その評価にふさわしいニューロダイバーシティという新たな挑戦に踏み出し、好奇心を原動力にしながら、真摯に取り組みたいと考えました。
そして3つ目は、私自身の「志」と合致したからです。私は社会人2年目のとき、「働くすべての人々が能力を存分に発揮し、活き活きと働く組織・会社・社会の実現」という志を立てました。当初、障害者雇用に携わることは想定していませんでした。しかし、サテライトでの実践を通じて、環境を整備すれば、メンバーが本来の能力を発揮し、活躍できるという可能性を目の当たりにしました。その経験から「私の志を具現化するのは、この道だ」と確信しました。そして、私たちの実践を、自組織に閉じず社会課題の解決に資する力へと変えていくことが、自分の使命だと受け止めました。
――その決断のきっかけになった個人的な出来事もあったとお聞きしました。
千代崎:はい。グロービスに入学して一緒にセクションリーダーを務めた仲間が、闘病生活の末、32歳の若さでこの世を旅立ったことです。当時まだ幼い子どもが2人いる父親でもありました。旅立つ数日前のやり取りで、「20年後、子どもたちが社会に出るときに、それまでのキャリアや、未来の働き方・生き方について話して、叱咤激励してほしい」という約束を残していきました。その後、私は「あの約束は自分に何を問いかけているのか?」を考えるようになりました。その問いはやがて、「次の世代にどんな社会を託したいのか?」という問いへと深まり、自分の選択の軸になっていきました。
今、私にも4歳の子どもがいて、仕事の話をしたり、職場のイベントに連れて行ったりしています。あるとき子どもが、「お父さんの仕事は、仕事場の恥ずかしがり屋のお友だちを大切にすることだね」と言っていました。その子どもなりの表現から、大切にしてきた思いがきちんと伝わっているのだと実感しました。私はこれからも志を追求し続けるとともに、子どもたちに胸を張れる選択を重ねていくことを、自分の矜持として大切にしていきます。
困難に向き合うための「問い続け、やり切る覚悟」
――プロジェクトをゼロから数百名規模へと拡大させる過程では、多くの困難があったのではないでしょうか。
千代崎:数百名の組織にまで成長する過程で、一般的に言われる人数の節目に応じた「規模の壁」に直面しました。少人数であれば個人の力技でも動かせますが、組織が大きくなるにつれて、それまでの運営の前提が全く通用しなくなります。組織のOS(Operating System)そのものを抜本的に変えなければ、立ち行かなくなる局面が何度もありました。こうした各局面を乗り越える上で支えになったのが、これまでの人事・人材マネジメントの経験と、グロービスで培った「本来の目的を見据え、前提を疑い、問い続けながらやり切る覚悟」です。
私は、人事・人材マネジメントの領域を中心にキャリアを歩んできました。採用から配置・育成・評価・報酬制度の設計、労務、人事システム、人材開発・コーチング、組織設計・組織開発、組織風土変革まで、ハードとソフトの両面にまたがる、いわば点在した経験を重ねてきました。
グロービスでの学びは、その「点」を結び直すための軸となりました。私はまず、経営・事業戦略に合わせて、サテライト運営全体の構造を捉え直しました。その上で、人事・人材マネジメントの各要素が連動して機能するよう、全体像を再設計しました。さらに、運営基盤を高度化すると同時に、中長期を見据えたリーダー育成を並行して進めました。こうして整えた仕組みを、仮説・検証を重ねながら実装したことで、各サテライトに横展開できる再現可能な型へと高めていきました。
――そうした組織の転換点を乗り越える上で、グロービスでの学びはどのように活きたのでしょうか。
千代崎:グロービスでの学びは、現場でのリーダーシップの発揮を支える確かな拠り所になりました。特に影響を受けたのは3つの科目です。
1つ目は「クリティカル・シンキング」です。日々直面する膨大な課題の中で、「イシューと論点を見極めて、問いを磨き続ける力」と「自分の頭でロジカルに考え、仮説・検証する力」は、さまざまな意思決定の土台となりました。
2つ目は「組織行動とリーダーシップ」で学んだコンティンジェンシー理論(条件適合理論)です。チームを取り巻く外部環境や組織の規模・フェーズに応じて、組織の可能性を最大化するために必要なリーダーシップスタイルを選びました。経営層、所属組織、現場、社内外の組織など、全方位的なステークホルダーとの関係構築において、自分が得意とするスタイルだけではなく、あくまで外部環境に応じたスタイルを取ることの重要性を学びました。特にチームメンバーの統率については、組織変革の節目ごとに何度も立ち返る指針になりました。
そして3つ目が「企業家リーダーシップ」でのアーネスト・シャクルトン※の教えです。シャクルトンは南極横断という壮大な構想を掲げて挑戦に臨み、極限状態の中で本来果たすべき責務を見失わず、全員を無事に帰還させたリーダーです。私は、数百名までの組織成長プロセスを一気通貫で担う経験をしてきました。その中で、「ハンズオンのリーダーとして自分はどうあるべきか?」を問い続け、シャクルトンから多くを学びました。具体的には不可能と思われる挑戦に向き合う強い意思と行動力、実現に向けてステークホルダーを巻き込む力、そして状況が激変する中でも先見性・俊敏性・適応力を持ってチームを統率し、意識を変えていく姿勢です。
シャクルトンの教えが示したのは、本来の目的を見据え、その実現に向けて道を問い続けながら責務を果たすという覚悟でした。壁に直面するたびに、目的に立ち返って航路を引き直し、仮説・検証を高速に回しながらやり切ってきました。そして、その積み重ねが現場での確かな手応えへと結実していきました。
※アーネスト・シャクルトン:極地探検家。南極横断を目指した探検において、自らスポンサーを募り、仲間を選び、極限状況下でも全員を生還させたリーダーシップで知られる人物。
現場の「今が一番充実している」という声が確かな手応え
――これまで取り組んできた中で、特に手応えを感じた瞬間はいつでしょうか。
千代崎:この取り組みの手応えは、成果指標の向上、社内外からの反響、サテライトの職場体験から寄せられる声など、複数の形で表れてきました。
まず、生産性やエンゲージメントなどの主要指標が上向いたことが、その1つでした。初期には生産性向上を目的に業務改善(BPR)を進めましたが、ほとんど効果が出ませんでした。今、振り返ると、一般的なBPRの発想に基づいており、ニューロダイバーシティ特有の論点を捉え切れていませんでした。打ち手が尽きたところで専門家の助言を得て、仮説・検証を短いスプリントで回す方法に切り替えました。諦めずに試行錯誤を重ね、ついにあるPoC(概念実証)の中で、初めて成果の兆しを捉えました。同時に、メンバーの主体的な行動も見られるようになり、まさに「ブレイクスルー」と呼べる瞬間を経験しました。
もう1つの手応えは、社内外から寄せられた大きな反響です。2024年には、アクセンチュア社内で国内・グローバルの両方のアワードを受賞しました。その際、世界各国から多くの反響をいただき、この規模で精神・発達障害のある社員が活躍している例は、世界的に見ても希少だと実感しました。そして2025年以降は、社外からの登壇・取材のご依頼が増え、企業や官公庁・大学などからのお問い合わせも相次いでいます。こうした反響の広がりに、取り組みの意義が着実に届き始めている手応えを感じています。
ただ、私にとって最も大きな手応えは、数字や評価で完結するものではありません。現場で働くスーパーバイザー(SV)やメンバーがこの職場をどう体験しているかに触れるたび、確かな手応えを実感します。サテライトには、精神・発達障害のあるメンバーに加え、メンバーの業務を支えるSV体制も整えています。そのSVの多くは豊富なキャリアを重ねてこられた方で、人生の先輩として深く尊敬している存在です。そのSVが「これまでの職業人生の中で、今が一番充実している」と語ってくれたとき、この組織をつくって本当に良かったと思いました。また、メンバーからも日々多くのメッセージが寄せられています。特に、メンバー同士やSVへの感謝が飛び交う光景からは、サテライト内で「個人の尊重」と、一人ひとりの可能性を引き出す文化が着実に育まれていることを感じます。そこにこそ、この取り組みの最も大きな手応えがあります。
実践知を社会に還元し、誰もが能力を発揮できる未来へ
――アルムナイ・アワード受賞を経て、さらにその先に見据えているものは何でしょうか。
千代崎:2022年に経済産業省がニューロダイバーシティ推進に取り組み始めて以降、日本でも認知は着実に高まっています。ただ、まだ始まりに過ぎず、社会課題の解決には至っていません。まずは目の前の取り組みを深めて、アクセンチュア内での実践を深化・拡大します。そして、私たちが培ってきた実践知を広く社会に還元することで、日本の障害者雇用の発展に貢献していきたいと考えています。
また、日本で培ったニューロダイバーシティの実践知を、再現可能な「型」として世界にも共有したいと考えています。日本では福祉・障害者雇用の枠組みの中で独自に発展してきたからこそ、他国にも応用できる知見が蓄積されていると捉えています。私たちのチームには平均解に収まらない洞察をもって、見落とされがちな課題に光を当てるメンバーがいます。そうした現場の知見とノウハウをAIで形式知化・言語化することで、国境や言語を越える価値へつなげます。ひいては、「一人ひとりの違い」に宿る可能性を励起し、世界に新たな常識をつくる力へと変えていきたいと考えています。
さらにその先に見据えるのは、ニューロダイバーシティの学びを、障害者手帳の有無にかかわらず、すべての人の活躍の土台にしていくことです。私が得た確信は「人はそれぞれ異なる感じ方で世界を体験しているが、違いを理解し合い、手を差し伸べ、協業できる」ということです。多様な人材を活かすことはもはや自明の経営アジェンダですが、同じ空間に異なる属性の人々が存在するだけでは十分ではありません。違いがあるからこそ生まれる摩擦やすれ違いに向き合い、対話を通じて互いを理解し、それを協業へとつなげていく。そうした営みにこそ、意味があると考えています。
複雑な社会課題に向き合うには、組織や社会自体も多様で複雑である必要があります。だからこそ、私の好奇心と実践は、すべての人の違いを活かし、相互理解と協業の可能性を引き出す未来の組織・社会の創造へと向かっています。
誇りある生き方を、次の世代へつなぐ
――最後に、グロービスで学ぶ仲間たちへメッセージをお願いします。
千代崎:グロービスで学ぶ皆さんに「より良い社会に向けた創造と変革の志士であれ」というメッセージをお伝えしたいです。背景として、今、トップダウンで社会を切り拓くような変革だけではなく、社会の深淵にある課題を見出し、それを漸進的に解決していくリーダーが、あらゆる領域で求められています。だからこそ、グロービスで学ぶ私たちには、個人や組織の枠を超えて社会課題に向き合う責務があり、そうした姿勢を1つの「グロービス・オブリージュ」だと考えています。
私がそう考えるのは、体験に根ざした実感があるからです。もしグロービスに出会わなければ「良い社会とは何か?」という問いを持てなかったでしょう。行き詰まりや困難のときには、仲間や恩師が声をかけ、手を差し伸べてくれました。利他的なロールモデルに囲まれて、私は「感謝」と「恩返し」の思いを胸に、「次の世代により良い社会をつなぐ」という思いを育むことができました。
では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。社会課題に向き合うことは、必ずしも肩書や立場から始まるものではありません。自分の持ち場にある違和感に心を動かされ、小さくても一隅を照らすような一歩を踏み出すことが、その始まりになります。
その旅路の第一歩は、思考の解像度を上げることです。表面的な問題ではなく、本質的な問題を見抜く力を磨くのです。まず、志や内なる良心が指し示す方向と、厳しい現実がぶつかる交点を見つけてください。次に、その重なりの中で、あなたが立ち向かうべき社会課題の在りかを特定してください。そして、社会の深淵に横たわる、甘受されてきた現実の中から、いま何を問うべきかというイシューを冷徹に見極めるのです。その上で、好奇心を原動力に小さな実践を積み重ね、決意と矜持を持って向き合ってください。
そして、独りで勇敢に立ち向かうのではなく、仲間へ広く発信して共感と賛同を集めてください。同志は身近な人だけではなく、遠くのまだ見知らぬ人からも現れます。また、異なる意見とは積極的に対話し、違いを理解し、尊重することも大切です。必要なら「なぜそう考えるのだろう?」と問いを立ててみることです。そうした姿勢が、意思決定の質を高め、周囲からの信頼を深めます。
最後に、私からの願いをお伝えします。私が目指したい未来は、今を生きる人たちが、自らの良心や利他の精神を呼び覚まし、自分の生き方に誇りを持てる社会です。そうした大人たちの姿が若い世代のロールモデルとなり、より良い社会を次の世代へとつないでいく。そんな未来を、皆さんとともに築いていきたい。そして、グロービスで学ぶ全員が創造と変革の担い手として、お互いを尊重し合える豊かな人間関係の中で、誇りある人生を歩んでいくことを心から願っています。
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千代崎 透我
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竹内秀太郎
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