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投稿日:2026年02月19日 更新日:2026年02月19日
投稿日:2026年02月19日
更新日:2026年02月19日
【ITエンジニアキャリア座談会】#4 AI時代におけるIT人材のキャリア戦略とは?
- 瀬藤 亮太
- 日系SIer勤務 10年間、営業・マーケティング・コンサルティング業に従事(東京校 2022年卒業)
- 神里 周平
- 外資系ITベンダー勤務 ITコンサル業に従事(東京校 2021年卒業)
- 渡邊 聖人
- 決裁事業会社勤務 プロジェクトマネージャーに従事(東京校 2021年卒業)
- 丸山 由佳
- 日系SIer勤務 事業戦略担当に従事(東京校 2022年卒業)
- 横井 羽衣子
- 外資系IT企業勤務 プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)に従事(東京校 2020年卒業)
第3部までを通して、業界の構造変化や、MBAで変化した方々の具体例も見えてきました。では、AI時代において自分は何を担っていけばよいのか——。生成AIにより一定水準のアウトプットを指示ひとつで形にできるようになった今、この問いを抱える方も多いのではないでしょうか。
第4部では、AI時代にIT人材が発揮すべき価値について語られます。情報を「知恵」に変える力、構造化する力、意思決定する力——さらに、技術とビジネスの両面を理解することが、どのような可能性を開くのか。最終部となる本記事で、その輪郭がより明確になっていきます。
AI時代におけるIT人材のキャリア戦略
AIで「それらしく見える」アウトプットを簡単に出せる時代——差別化のカギは「考え続けること」
瀬藤:ここからは「未来」に目を向けて意見交換していきましょう。特にIT人材として避けて通れないのが、生成AIとの向き合い方です。ぜひ皆さんの感じていることを教えてください。
横井:まさに重要な問いだと思います。最近は生成AIを使えば、求めるアウトプットの輪郭が曖昧な状態でも、それなりの課題設定や回答を瞬時に得ることができますよね。もちろん目的や前提条件、制約、判断基準を揃えて依頼すれば、さらに質の高い回答が得られると思いますが、初期出力に安住して思考を止めてしまうのは危険だと私は思います。初期案で止まったままでも「それらしく見える」分、その危険に気づけない人が増えるかもしれません。そうならないためには「考え続けること」を諦めない覚悟を持てるかどうかが重要だと思います。
神里:誰もが生成AIを手にする状況で、どのように「AI任せ」の人たちと差別化していくのか、ということですよね。
横井:結局は「在り方」の問題だと思います。本質を理解して生成AIを使いこなす人もいれば、何も考えずに丸投げする人もいると思います。表面的なアウトプットの見た目が同じだったとしても、その先に進む力には決定的な差が出ます。生成AIの活用度や思考プロセスにばらつきがあるメンバーと協働し、その中でチームを前に進めていかなければならない場面において、これまで泥臭く考え抜いてきた経験が必ず活きるはずです。
情報を「知恵」に変え、自分の意思で人を動かす側に立つ
渡邊:今の話には非常に共感します。現代は情報が溢れるスピードが加速していますが、単なる「情報」で終わる人と、それを「知恵」に変えられる人では、決定的な差が生まれると感じています。
単に情報を受け取るのではなく、明確な意思を持って情報を使えるか。意思があれば、生成AIにはコントロールできない感情や人間関係をどう築き、人をどう動かすべきかという思考に繋がります。今後は、生成AIを活用して事業や人を動かしていく人と、逆に生成AIに使われてしまう人に分かれていくでしょう。だからこそ、情報を知恵に変える力を養い、「自分はどうしたいのか」「どのような未来を作りたいのか」という強い意思を持って働いていきたいと考えています。
瀬藤:生成AIは過去の膨大な情報を学習してアウトプットしているに過ぎません。提示された情報から何を示唆として得て、未来に向けてどのような「意思決定」を下すのか。その最後のプロセスこそが、人間に委ねられた役割だということですね。
AIエージェントに仕事を任せるには「構造化する力」が必要
横井:また、現在は自律的に思考して動く「AIエージェント」が登場しています。彼らとの向き合い方においても、一つポイントがあると考えています。AIエージェントは例えるなら、非常に頭は良いけれど、業務知識や常識を持たない「新人」のような存在です。彼らに的確に仕事を任せるためには、ビジネスプロセスをいかに構造化できるかにかかっていると思います。
しかし、物事を構造化して捉えることは、多くの人が苦手とする領域でもあります。だからこそ、「クリティカル・シンキング」のような学びを通じて思考力を鍛えていなければ、AIエージェントを使いこなすことは難しいのではないかという仮説を持っています。
瀬藤:新人に仕事を教えるときと同様に、構造化する力や「なぜその意思決定に至るのか」という背景を理解する力が求められますね。ビジネスの構造や考え方の軸をしっかり持っていなければ、いくら優秀な新人であっても正しく導くことはできません。そういった力こそが、これからの時代における決定的な差別化ポイントになっていくということですね。
戦略はAIと作り、実行は人間が担う——AI時代の「泥臭い仕事」の価値
丸山:私は事業戦略を担当して3年になりますが、実務において戦略立案が占める割合は1割程度で、残りの9割は「実行」にあります。実行段階に膨大なエネルギーを要するからこそ、戦略段階で生成AIと協働していかに質の高い仮説を立てられるかが重要です。その上で、泥臭い「実行」を人間が完遂する。そうした役割分担が明確になってきていると感じます。
瀬藤:なるほど。戦略という「型」は生成AIと共に作り、汗をかく「実行」で人間が価値を出す、ということですね。グロービス経営大学院(以下、グロービス)のMBAで学ぶ戦略は上流の思考ですが、それを成果に結びつけるには、人とのコミュニケーションや人を動かす力といった実行能力が不可欠です。ここはAIには代替できない、人間ならではの領域ですね
神里:エンジニアの視点から見ても、今はAIを活用して開発を行うのが当たり前の時代です。もはや「開発スキル」単体では生き残ることが難しく、淘汰されかねないという危機感があります。だからこそ、ビジネスへの深い理解や周囲を巻き込む力で差別化を図る必要があります。技術者がよりビジネスサイドへ歩み寄ることが、今後のキャリアにおいて決定的な差になると考えています。
技術にビジネスを掛け合わせる——IT人材としてのキャリアを広げるために
瀬藤:話は尽きませんが、本日は皆さんが当初抱えていたモヤモヤとした葛藤から、実際の学び、そしてそこから生まれた変化について詳しくお話を伺うことができました。改めて振り返ってみて、皆さんいかがでしたか。
神里:今後の潮流としてAIがさらに浸透していくのは、どの領域においても間違いありません。そうした時代において、IT人材には技術以外の差別化要素が不可欠になります。ビジネスの視点を持ち、その上でAIを使いこなす。グロービスは、まさにそうした力を養える場所だと考えています。
私自身、グロービスのMBAで学んだことで、実際に自分の市場価値が上がったという手応えを得ています。IT人材にとって、どのようにキャリアを描いていくかは皆さんが考えるテーマだと思いますので、今日のお話が一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。
渡邊:事業会社やSIerなど多様な立場の方のお話をお聞きして刺激をもらいました。改めて確信したのは、立場に関わらず「基礎的な思考力」と「人的ネットワークから得られる情報の強さ」は普遍的な価値だということです。
思考のスキルはいくらでも磨けますし、ネットワークも意志一つでどこまでも広げていくことができると思います。私自身、今後もこの探求を続けていきたいと考えています。そして、多様な人材が集まるコミュニティでの活動を活かして、自らの知恵を育てていく。そうやって、皆さんと切磋琢磨することで、成長を続けていきたいです。
丸山:ITは利用すること自体が目的ではなく、それを活用して組織や仕組みをいかに変革していくかが重要だと考えています。変革は決して容易ではありませんが、その難しさの中にやりがいを感じています。
このように前向きに挑戦し続けられているのは、グロービスでの学びと卒業後も続く仲間とのネットワークがあるからこそです。ぜひ皆さんにも、この切磋琢磨し合える仲間に加わっていただきたいと思います。
横井:生成AIやエージェントといった「デジタル労働力」が注目される昨今ですが、それらを活用する手前には、ビジネスプロセスの構造化やイシューの特定が不可欠です。そして、その領域を噛み砕いて整理できるのは、やはりITとビジネスの双方を理解している人材だと思います。今日のお話を通じて、まずはその領域へ至るための一歩を踏み出したいと思っていただける一助になれば幸いです。本日はありがとうございました。
瀬藤:皆さんの熱いお話を伺い、私自身も改めてこのような有意義な座談会の場が作れたことを嬉しく思います。本日はありがとうございました。
まとめ
AIがアウトプットを出せる時代に、人間はどこで価値を発揮するのか——。
今回の座談会では、さまざまな立場から、IT人材のスキルやキャリアについて、活発な意見交換が行われました。全4部を通じて浮かび上がったのは、「技術の専門性とビジネスの視点を掛け合わせること」で開ける大きな可能性です。
グロービスには、業種も年代も異なる多様な人材が集まり、実践的な知を培う環境があります。専門知識に閉じずに多様性のある環境で体系的なビジネススキルを学ぶことは、キャリアの可能性を大きく広げるきっかけになります。
記事について
この記事は、グロービス公認クラブ「ENJIN」のメンバーが集まり、自身のキャリアについてそれぞれの視点から語る座談会を記事化したものです。
「ENJIN」とは
IT人材が日本の成長エンジンとなる為に、グロービスで得た縁・人を繋げ、会社や立場を超えて円陣を組みながら、学び合う有志コミュニティ。グロービス経営大学院公認クラブとして、約450名の学生、卒業生が参加。
クラブ活動とは
社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。
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