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投稿日:2026年02月16日  更新日:2026年02月16日

投稿日:2026年02月16日
更新日:2026年02月16日

【ITエンジニアキャリア座談会】#2 業界構造の変化とIT人材に求められるスキル

瀬藤 亮太
日系SIer勤務 10年間、営業・マーケティング・コンサルティング業に従事(東京校 2022年卒業)

神里 周平
外資系ITベンダー勤務 ITコンサル業に従事(東京校 2021年卒業)

渡邊 聖人
決裁事業会社勤務 プロジェクトマネージャーに従事(東京校 2021年卒業)

丸山 由佳
日系SIer勤務 事業戦略担当に従事(東京校 2022年卒業)

横井 羽衣子
外資系IT企業勤務 プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)に従事(東京校 2020年卒業)

期待に応えきれない感覚、成長の手応えが得られない焦り——第1部では、立場の異なるIT人材がそれぞれの現場で抱えた課題感と、グロービス経営大学院(以下、グロービス)に至った経緯が語られました。では、その課題感はどこから来ているのでしょうか。
本記事では、IT業界で今まさに起きている変化と、その中でIT人材に求められる役割がどのように変わっているか、それぞれの視点から深掘りしていきます。

IT業界の構造変化で問われる、プレイヤーの役割

渡邊:例えば、SaaS(Software as a Service)で考えると、サービスには一定の「型」がある一方で、利用する側の実務とは必ずしもマッチしない場面もあるはずです。そういった、提供されるサービスと利用する現場の業務の間にある「壁」について、皆さんはどのように考えていますか?

「作り込みすぎない」が新しいセオリーになりつつある

横井:私はSaaSの会社に身を置いておりますが、担当しているのはPaaS(Platform as a Service)です。まさに、先ほどお話にあった「サービスの型と実務のギャップ」を埋める部分ですね。
最近はローコードやノーコードが注目されていますが、今のセオリーは「作り込みすぎない」ことへと変わりつつあると思います。システムを過度に作り込みすぎてしまうと、結局は業務の変化に対応できず、組織の硬直化を招いてしまいます。
そのため、ある程度の枠組みの中で、顧客自身がビジネスロジックを保持しながら、データクラウドやCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)、エージェントのような仕組みを使いながら、全体像を構築していく、そういった考え方に変わっていっていますよね。

価値創出の伴走者」へ―顧客との関係性が変わっている

横井:そういった変化に伴い、顧客との関係性も変わってきていると思います。単に与えられた仕事を受けるのではなく、伴走しながら取り組む。そうした体制が浸透し始めていることを、実務を通じて強く実感しています。
実際に、比較的簡単な対応であれば、顧客自身で完結できてしまうケースも少なくありません。だからこそ今、「IT企業の立場として、顧客に提供する真の価値はどこにあるのか」を改めて問い直す必要があるのだと思います。顧客のビジネスのDXに、自らのプロダクトの提供価値をどう当てはめていくのか、各社が手探りで試行錯誤を続けている、まさに今が過渡期なのではと感じています。

我々IT人材はこれから顧客にどのように貢献するのか?

瀬藤:まさに、SI※の役割が変わっていると思います。これまでのSIは、多様なテクノロジーを顧客の要件に合わせて「すり合わせる」こと自体が価値の源泉でした。しかし、現在はPaaSやSaaS、IaaSといった「すでに最適化されたサービス」が世の中に広く浸透しています。こうした環境において、どのように顧客へ貢献していくべきなのでしょうか。IT人材の提供価値といった点について、皆さんはどうお考えでしょうか

※SI:システムインテグレーション(System Integration)の略称。システムの導入から運用までを一括で行うサービスのこと。

「言われたものを作る」から「課題を読み解く」へ——変化するSIerの役割

神里:かつてのSIerは、いわば「言われたものを作る」立ち位置でしたが、今はそうではない形へと変化しています。言われたものを作るだけでは、もう生き残ることは難しいと思います。これから重要になるのは、顧客の視点に立ち、相手が何を求めているのか、何に課題を感じているのかを読み解く力です。
エンジニアの方々の中には、そこにモチベーションを感じにくい方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今後のキャリアを考えると、そこまで踏み込んだ理解を持って開発に携わることが、求められる人材要件になると私は考えています。

ITの話もビジネスの話もできる「真ん中」の人材が求められている

渡邊:外資系企業にて実務を担っている横井さんに、お伺いしたいことがあります。例えばアメリカのように、労働力不足をAIで補完する動きなど、日本に先行してIT化が進む国々では、IT人材に関してどのような考え方が主流になっているのでしょうか。
横井:今は生成AIやAIエージェントといった新しい技術が次々と登場し、正直に言えば、誰もが変化のスピードについていけない状態なのではないかと思います。アメリカでは今、AIに任せる領域と人間が担う領域を明確に切り分けようとする動きがありますが、その切り分けを的確に判断できる人材がいないのは、日本もアメリカも共通の課題です。
ビジネスにおいて、どこまでをITで解決し、どこを人間が担うべきか——。その境界線を整理できる人材は圧倒的に不足しています。ITコンサルタントはITの話に終始しがちですし、ビジネスコンサルタントはITへの知見が十分ではない場合が多いのが現状です。その「真ん中の人材」が不在なのですよね。特に日本において、そういった人材の欠如はより深刻ではないかと感じています。

技術と事業、両方の視点を持つとコミュニケーションが変わる

渡邊:システム開発に限らず、事業を推進する立場になると、経営的な視点は不可欠です。プロダクトを作るにしても「ヒト・モノ・カネ」をどう動かすかという視点が必要になります。これらを理解していれば、会話できる相手が増え、プロジェクトの進め方も変わります。自分自身の仕事のしやすさを高めるという意味でも、プロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーの方々にとって、MBAで得られるようなノウハウは非常に有用だと感じています。
実際に、営業の現場において、技術と事業の両者が分断していると感じられたことはありますか。

瀬藤:実際に感じたことはありました。営業が技術を深く理解していないと、その技術が顧客にどのような価値をもたらすのかをうまく言語化できません。一方で、技術だけの理解でも不十分です。私自身の経験ですが、顧客であるCIOが投資や経営の意思決定を行う際に設定していた「イシュー(問い)」が、自分が思っていたよりもずっと広く、深いものでした。それを理解せずには本当の意味での提案や営業はできない、と痛感したことがあります。
その経験が自分自身の大きな転換点になりました。ビジネスとITの両方を学び、それらが自分の中で統合されてくると、営業トークの内容が顧客目線に変わります。「顧客の課題はここにあり、それを分解するとこういう構造になっている。だからこそ、私たちのソリューションが有効なのです」と、本質的なコミュニケーションができるようになったと感じています。

まとめ

IT業界のビジネス環境の変化に伴い、人材に求められるスキルもこれまでとは大きく変化してきています。次の記事では、こういった求められる変化に対して、それぞれがどのような方法で自分自身をアップデートしてきたのか、MBAの学びを通じて何を得て、仕事への向き合い方がどのように変化したのかお聞きしていきます。

(第3部「【【ITエンジニアキャリア座談会】#3 グロービスでの学びを通じて得られたもの」(近日公開予定)に続く)


記事について
この記事は、グロービス公認クラブ「ENJIN」のメンバーが集まり、自身のキャリアについてそれぞれの視点から語る座談会を記事化したものです。

「ENJIN」とは

IT人材が日本の成長エンジンとなる為に、グロービスで得た縁・人を繋げ、会社や立場を超えて円陣を組みながら、学び合う有志コミュニティ。グロービス経営大学院公認クラブとして、約450名の学生、卒業生が参加。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。

グロービスのクラブ活動一覧はこちら

体験クラス&説明会日程

体験クラスでは、グロービスの授業内容や雰囲気をご確認いただけます。また、同時開催の説明会では、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)や忙しい社会人でも学び続けられる各種制度、活躍する卒業生のご紹介など、パンフレットやWEBサイトでは伝えきれないグロービスの特徴をご紹介します。

「体験クラス&説明会」にぜひお気軽にご参加ください。

STEP.1参加方法をお選びください

ご希望の受講形式と同じ形式での参加をおすすめしています。

STEP.2参加を希望されるキャンパスをお選びください

STEP.3日程をお選びください

絞り込み条件:

  • 2/28(土) 10:00~12:00

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催)
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

  • 3/3(火) 19:30~21:30

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催)
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

  • 3/14(土) 10:00~12:15

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催) ※卒業生スピーチあり
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

該当する体験クラス&説明会はありませんでした。

※参加費は無料。

※日程の合わない方、過去に「体験クラス&説明会」に参加済みの方、グロービスでの受講経験をお持ちの方は、個別相談をご利用ください。

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