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投稿日:2024年06月18日
投稿日:2024年06月18日
ストーリーで頭の中にビビッドなイメージを喚起せよ
- 嶋田 毅
- グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長
今年5月発売の『MBA 言語化トレーニング」の「Part1 Lesson5 ストーリーで伝える」の一部を紹介します。
人に説明したり説得を行ったりする場合、その一部にストーリーを用いることが非常に効果的となるシーンは多いものです。それによって聴衆を引き付けたり、抽象度の高い概念をより身近に感じてもらったりすることが可能となるからです。その他にも、ストーリーのメリットは挙げ出したらきりがないほどです。
ただ、聴衆を引き付けるストーリーを作ることは容易ではありません。退屈だったり分かりにくかったりするストーリーではかえって逆効果です。いくつかの気をつけるべきポイントを踏まえた上で、聞き手の情動に働きかけるストーリーを作りたいものです。
(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、PHP研究所のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)
相手に伝わる「4つのプロセス」
多くの方は子どもの頃、ストーリー(物語)を読んでもらったり自分で読んだりしながら国語力を身につけ、情操を高められたと思います。
ストーリーはビジネスの場でも威力を発揮します。その応用範囲も、ビジネスプランの構想を説明することから、経営戦略やマーケティング施策の解説、リーダーシップの発揮、プレゼンテーションなど、さまざまな領域に及びます。
ストーリーで伝えるメリットはいくつもあります。
第一に、読み手・聞き手が具体的なイメージを喚起できます。
第二に、因果関係がわかりやすくなります。
第三に、これらの結果、記憶にも留めやすく、それを聞いた人が他人にも説明しやすくなります。
そして第四に、ワクワク感や、逆に危機感を醸成することもできます。相手の情動を揺さぶりつつ、インパクトを与えることができるのです。
ビジネスにおけるストーリー作成の基本的なプロセスは図に示したようになります。
まずは目的や伝えたいメッセージを意識し、感情移入できる設定をつくります。そのうえで、ワクワクできるストーリーとするのか、それともホラーストーリーにするのかを考えます。そして因果関係を意識しつつ、「ほら、こうなるよね」という必然的流れを構成します。
状況によっては意外な展開を盛り込むことで、より相手の記憶に留めやすくする工夫も考えてみるといいでしょう。ただ、推理小説などではないので、あまり複雑にし過ぎないよう意識しましょう。
そのうえで、上流のプロセスで検討したことを意識して言葉を選び、肉付けしていきます。肉付けにあたっては、ビビッドな表現やリズムを意識すると、読み手/聞き手にとって親切です。
(演習問題と回答例をごらんになりたい方は本書をご覧ください)
著:グロービス 執筆:嶋田 毅 発行日:2024/5/22 価格:1,870円 発行元:PHP研究所
嶋田 毅
グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長