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投稿日:2026年10月13日  更新日:2026年10月13日

投稿日:2026年10月13日
更新日:2026年10月13日

【教員インタビュー】「よき変化の触媒でありたい」上山聡子教員が、受講生から教わったこと

上山 聡子
グロービス経営大学院 教員

グロービス経営大学院の教員は、どんな人なのか。どんな経験を経て教室に立ち、授業で何を大事にし、学生とどう向き合っているのか。教員本人に聞くシリーズ、今回はクリティカル・シンキングとオペレーション戦略を担当する上山聡子さん。

上山さんに、授業で印象に残っている場面を尋ねた。返ってきた2つの答えは、どちらも学生の話だった。長年トヨタ式を現場で実践してきた学生に教わったこと。授業での学びを使って、2年越しの提案を取締役会まで持ち込んだ学生のこと。

日銀、マッキンゼー、デリカテッセン創業、支援先企業の取締役。経営の現場を渡り歩いてきた上山さんは、教室では教える側に立ちながら、学生から学び続けている。学生の成長を後押ししながら、自分も共に成長し続ける。そんな教室のつくり方を聞いた。

日銀、マッキンゼー、デリカテッセン創業。「ポジティブな変化を生み出す仕事をしたい」

──まず、これまでのキャリアを教えてください。

日銀で経済調査などに従事したのち、より直接的に事業や経営に携わりたいと考え、マッキンゼーでコンサルタントとしてクライアント企業の課題解決を支援しました。その後、シェフと共同でデリカテッセンの会社を創業し、5年ほど経営に携わりました。現在はフロンティア・マネジメントに在籍しており、支援先企業で取締役CCOを務めた経験もあります。グロービスではクリティカル・シンキングとオペレーション戦略を担当しています。

──経営者として、一番難しかった判断は何でしたか。

ひとつに絞るのは難しいのですが、一見相反する複数の目的を、どうバランスを取りながら達成していくか。それがさまざまな場面での経営の難しさであり、面白さでもあると感じています。

デリカテッセンの経営でいえば、新店舗や催事の出店で売上を伸ばしたい、一方で調理スタッフに過度な負荷はかけたくないが、どうバランスを取るか、両立させるために何を工夫するか。

経営は仮説検証の連続ですから、後戻りできない決断でなければ、早く決めて、必要に応じてクイックに修正する。それが大事だと考えるようになりました。特にデリカテッセン経営時は、毎日の店舗運営の中で試行錯誤がしやすい業態ということもあり、新しいトライのたびに、想定通りの結果になるか楽しみでもありました。

──仕事や経営に対して、大切にしている考え方はありますか。

基本的なことではありますが、それぞれの場でどのような付加価値を自分が加えられるのか意識するようにしています。コンサルタントとして仲間同士でも「バリューが出ている」「出ていない」という会話が常にあるなど、付加価値を強く意識する環境・カルチャーを経験した影響が大きかったと思います。

また、経営者として事業に携わったり、マネジメントの立場でプロジェクトにかかわったりする経験を経て、チーム、組織としての付加価値を高めるための視点や動き方もより意識するようになりました。まだまだ試行錯誤中ですが、自分の価値観に照らしてポジティブな変化を生み出す仕事をしたい。そのために力を磨きたいと思いますし、この過程で得た知見や経験はぜひ、グロービスの授業にも還元していきたいと思っています。

学ぶことの楽しさを心から感じられたり、成長が加速したりする「場」をつくりたい

──グロービスの教員になろうと思ったきっかけを教えてください。

教員をされている方から「向いているのではないか、やってみないか」と声をかけていただいたのがきっかけです。

もともと「人の成長」というテーマや、それを可能にする「場」の設計にも強い関心があったため、是非やってみたいと思いました。

原体験のひとつは、中高時代に通った塾での経験です。予習をしてくること、何が分かっていて何が分かっていないかを明確にしてくることが約束事で、それをしてこないとその場にいる権利はない、というピリッとした厳しさがありました。一方で、分からないことを分からないと言うのは全く恥ずかしいことではない、という共通認識が全員にありました。皆が集中しているので、誰かが話す声以外は静かで、蛍光灯の光る音が聞こえそうでした(笑)。その中で、何かが新しく分かったときの楽しさが、静かに場に満ちていくような感覚が印象的でした。

当時の教室とグロービスでは、学ぶ対象も目的も、従って最適なスタイルも当然異なりますが、学ぶことの楽しさを心から感じられたり、そこに来ることで成長が加速したりするような「場」を私自身も作りたい、と思っています。

5WHYの最終到達点は、必ず自責でなければならない

──授業で印象に残っている場面はありますか。

オペレーション戦略ではトヨタ自動車のケースを扱っているのですが、同じ手法を実際に長年現場で実践してきた学生の方が、確かクラス後に数名で話しているときに教えてくださったことがあります。

それは、トヨタ自動車の手法のひとつである5WHY、つまり「なぜ」を複数回繰り返して真因を突き詰める方法の要点でした。5WHYの最後の到達点は、必ず自責の理由、自分たちがアクションを取れる内容でなければならない。過程で外部要因が出てきたとしても、そこで終わらせず、「その外部要因について、なぜ自分たちはまだ原因究明と然るべき対応をできていないのか」と、自責の方向に問いを進めるのだそうです。

ちょっとしたことのようですが、5WHYが課題解決に向けて機能するために極めて重要なポイントとして、とても腹落ちしました。同時に、ツールや手法を実際に役立つ形で活用しきれるかどうかは、このような細部も含めた活用の知恵と実践が人と組織に落とし込まれているかどうかに依存することも、改めて強く実感しました。

2年間通らなかった提案が、取締役会へ

──ほかに印象に残っていることはありますか。

最近とても嬉しかったのは、授業後の懇親会で伺ったお話です。学生の方が、授業で学んだことを活かして上長であるCxOの方にとある提案をしたところ、2年間ずっと聞き入れてもらえなかった提案の趣旨を理解してもらうことができ、近く取締役会に正式に提案することになったそうです。クラスの学びが実務で物事を前に進めるうえで役立っていると伺うのは、本当に嬉しいことです。

大事なのは、回答例とどれだけ近かったかではない

──授業を行ううえで、特に優先していることはありますか。

毎回の授業は常に制約の中でインパーフェクトなものでありつつも、その中でも何は譲れない優先事項なのかを明確にして、それを大事にしたいと考えています。

たとえば、クリティカル・シンキングのレポート回では、ともすると学生の方が、自分の答えは合っていた、合っていなかった、と一喜一憂されがちです。でも、実務で活かせるクリティカル・シンキングの力をつけていただくために大事なのは、回答例とご自分の答えがどの程度近かったかではありません。課題解決に必要な要素のうち、これまでに何を身につけることができていて、何は今後身につけていく余地があるのか、そのために今後自分は何をするのか。それを持ち帰っていただくことです。お伝えしたいことがたくさんある中でも、これらの問いに対するご自身の認識や思考を言語化していただく時間を授業の最後に取ることを、直近の授業では譲れないポイントとして優先しました。

──最後に、グロービスでどんな存在でありたいか教えてください。

学生のみなさんにとって、よき変化の触媒でありたいと思っています。同時に、私自身もみなさんと共に学び、成長し続ける存在でありたい。仕事で得た知見や経験を授業に還元しながら、学ぶことや成長することの楽しさを一緒に感じられる場をつくっていきたいです。

体験クラス&説明会日程

体験クラスでは、グロービスの授業内容や雰囲気をご確認いただけます。また、同時開催の説明会では、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)や忙しい社会人でも学び続けられる各種制度、活躍する卒業生のご紹介など、パンフレットやWEBサイトでは伝えきれないグロービスの特徴をご紹介します。

「体験クラス&説明会」にぜひお気軽にご参加ください。

STEP.1参加方法をお選びください

ご希望の受講形式と同じ形式での参加をおすすめしています。

STEP.2参加を希望されるキャンパスをお選びください

STEP.3日程をお選びください

絞り込み条件:

  • 10/31(土) 14:00~16:15

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催) ※卒業生スピーチあり
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

  • 11/4(水) 19:30~21:30

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催)
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

  • 11/10(火) 19:30~21:30

    体験クラス&説明会

    開催:オンライン(Zoom開催)
    本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

該当する体験クラス&説明会はありませんでした。

※参加費は無料。

※日程の合わない方、過去に「体験クラス&説明会」に参加済みの方、グロービスでの受講経験をお持ちの方は、個別相談をご利用ください。

※会社派遣での受講を検討されている方の参加はご遠慮いただいております。貴社派遣担当者の方にお問い合わせください。

※社員の派遣・研修などを検討されている方の参加もご遠慮いただいております。こちらのサイトよりお問い合わせください。

上山 聡子

グロービス経営大学院 教員

東京大学経済学部卒業、Oxford大学Said Business School修了(MBA)。日本銀行にて企業調査や経済調査のほか、G20やIMF関連の国際会議対応を担当。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、小売、消費財、医療機器、素材、金融等さまざまな業種のクライアント企業における営業組織改革、CRM、購買、PMMなどのプロジェクトに従事。デリカテッセン新ブランドの共同創業・経営を経て、現在、フロンティア・マネジメント執行役員。2022年秋よりアーバネット・コーポレーション社外監査役。