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投稿日:2025年07月08日
投稿日:2025年07月08日
志のMBA?グロービス経営大学院が「志」を重視する本当の理由|MBAで人生を変える方法
監修者
- 竹内 秀太郎
- グロービス経営大学院ファカルティ本部主席研究員
- 本橋敦子
- グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
この記事でわかること
- 志とは何か?ビジネスと人生における意味を定義
- MBA教育においてなぜ「志」が重要視されるのか
- グロービス経営大学院での志の育て方と仕組み
- 卒業生の実例から見る「志がキャリアを変える」証拠
- 志のある人生がもたらす持続的な成長と充実感
MBAで「志」が求められる時代──なぜ、私たちは生き方を問われるのか?
「志」という言葉は、古くから日本人の価値観の中核にありましたが、現代のビジネスやキャリアの文脈では「抽象的」と捉えられることもあります。
グロービス経営大学院では、志を次のように定義しています。
「一定の期間、人生をかけてコミットできる目標」
出典:グロービス経営大学院 特任副学長・田久保善彦氏 講義(※1)
つまり、志とは「やってみたい」「成し遂げたい」と心から思える対象に、自分の時間・意志・エネルギーを投じることです。数ヶ月〜数年の本気の取り組みであれば、それは立派な「小さな志(小志)」です。
この「小志」の積み重ねこそが、やがて人生を導く「大志」へと育っていきます
スキル偏重の時代は終わった?リーダーシップの新たな土台としての「志」
一般的にMBAは、「経営スキルを体系的に学ぶ場」として認識されています。
しかし、グロービス経営大学院では「志の育成」をカリキュラムの柱のひとつとしています。
なぜなら、これからのリーダーには以下の力が求められているからです。
- チームや社会に貢献する「社会性」
- 不確実な時代を自らの意志で切り拓く「自律性」
- 単なる目標達成ではなく、「意味ある挑戦」を続ける内発的動機(=志)
つまり、グロービス経営大学院のMBA教育における「志」は、単なるスローガンではなくリーダーシップと自己変革の土台として位置づけられています。
グロービス「志の羅針盤」が人生を導く──独自の科目と対話の仕組み
グロービス経営大学院では、「志」を育てるための科目と仕掛けが体系化されています。
志系科目の体系的設計
- 偉大な先人から「志」の原型を学ぶ「企業家リーダーシップ」:
国内外の著名な起業家や変革者のケーススタディを通じて、彼らがなぜその道を歩んだのか、その内なる動機や哲学を深く掘り下げます。単なる成功事例の分析に留まらず、自分の人生をかけて成し遂げたい使命を言語化するプロセスです。 - 自身の価値観を「客観視」する「リーダーシップ開発と倫理・価値観」:
「志」をより確固たるものにするため、360度調査を通じて部下や同僚、上司からのフィードバックを受け、自分自身がどう見えているかを知る機会を得ます。 - 自分自身と徹底的に向き合う「経営道場」:
読書×対話を通じて、互いに気づきを得ることを目的とします。フレームワークや論理思考だけでは到達できない、人間的な魅力や勇気といった、リーダーに不可欠な資質を育む人間力と志を鍛えます。
志を磨く対話の場
- 入学オリエンテーション・振り返りセッション:自分の価値観を仲間と共有し、フィードバックを得ます。
- あすか会議:学生主体で運営。各界のトップリーダーと語り合い、志を刺激される合宿型カンファレンスです(※2)。
- クラブ活動:社会課題や事業創造を通じて、志の「実践の場」となります。
志の可視化と自己効力感の強化
最初は「志」を口にすることを躊躇していた学生たちも、授業や仲間との対話を経て「何のために学ぶのか」「誰のために働くのか」といった問いに対して、自分の言葉で語れるようになります。
これが行動のモチベーションとなり、「やり抜く力(grit)」につながっていきます。
志がキャリアを変える──卒業生の声と実例
志の明確化が、キャリアや人生にどう影響を与えるのか。卒業生の体験談に、その答えが表れています。
「未経験の領域でも『なんとかできる』という感覚で一歩踏み出せたのは、グロービスで得た『自己効力感』の賜物だと考えています」
― 宮崎 洋一氏(フォレストデジタル株式会社 取締役COO)
「『何のために働いているのか』を自問自答し続け、自身の志が明確になるにつれて、仕事へのモチベーションも自ずとあがっていきました」
― 吉田メグ氏(株式会社フォトクリエイト・代表取締役)
出典:グロービス経営大学院 卒業生インタビュー(※3)
(吉田氏のご所属やお肩書はインタビュー当時のもの)
こうした実例からも、「志を言語化すること=人生の意思決定の軸を持つこと」であるとわかります。
まとめ|志のあるMBAが人生を導く
「志とは何か?」と改めて問われたとき、それに答えられることは、自分の人生を自分で選び取る第一歩です。
MBAで経営知識を学ぶことは重要ですが、同時に「なぜそれを学ぶのか」を自分で定義できるかどうかが、将来のキャリアの質を左右します。
グロービス経営大学院では、志の意味を学び、育て、実践する仕組みが整っており、単なる知識獲得を超えた「人生とキャリアの再設計」が可能です。
志を持つこと、それが真に自律したビジネスリーダーへの第一歩なのです。
参考・出典
- グロービス経営大学院 自分らしく生きるための「志」
- ※1:田久保善彦「志を育てる」講義/グロービス経営大学院公式YouTube
https://globis.jp/courses/4c487a02/ - ※2:あすか会議 特設ページ
https://aska.globis.ac.jp/ - ※3:卒業生インタビュー(宮崎氏・吉田氏)
https://mba.globis.ac.jp/feature/kokorozashi/
監修者
竹内 秀太郎
グロービス経営大学院ファカルティ本部主席研究員
一橋大学社会学部卒業。London Business School ADP修了。外資系石油会社にて、人事部、財務部、経営企画部等で、経営管理業務を幅広く経験。社団法人日本経済研究センターにて、アジアの成長展望にフォーカスした世界経済長期予測プロジェクトに参画。グロービスでは、法人向け人材開発・組織変革プログラムの企画、コーディネーション、部門経営管理全般および対外発信業務に従事した後、現在グロービス経営大学院ファカルティ本部主席研究員。リーダーシップ領域の講師として、Globis Executive Schoolおよび企業研修を中心に年間約1,000名のビジネスリーダーとのセッションに関与している。Center for Creative Leadership認定360 Feedback Facilitator。共著書に『MBA人材マネジメント』(ダイヤモンド社)がある。
本橋敦子
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
大学卒業後、全国紙の記者として10年勤務。仙台支局で事件・事故、裁判、行政、スポーツ、東日本大震災の被災地を取材したほか、異動後の東京経済部では流通・小売り、通信、フェムテックなどをテーマに執筆した。現在はグロービスにて、オウンドメディア「GLOBIS学び放題×知見録」 の編集を担当。

