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投稿日:2025年04月10日 更新日:2025年05月28日
投稿日:2025年04月10日
更新日:2025年05月28日
アカウンティングとは何か?ファイナンスとの違いとビジネスでの活用視点を動画から紹介【基礎から理解】
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- 編集部
アカウンティングとは「ビジネスの共通言語」である
アカウンティング(会計)は、企業のあらゆる活動を「数字」で表現する手法です。
経営の実態を客観的に把握し、他者と共通認識を持つための“言語”として機能します。
企業活動は、商品開発・仕入・生産・販売・広告・雇用など多岐に渡りますが、それらすべてが財務三表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)に集約され、数値として表現されることがアカウンティングの核心です。
例えば、「売上が上がった」と言っても、その背後にある費用や資産の動きを見なければ、実態は見えてきません。数字で可視化することで、「何が起きたのか」を定量的に理解できるようになります。
ファイナンスとの違い:記録か、判断か
しばしば混同されがちな「ファイナンス」と「アカウンティング」ですが、その役割は明確に異なります。
- アカウンティングは、「過去の企業活動を記録し、それを整理・分析するもの」。
- ファイナンスは、「得られた会計情報をもとに、将来に向けて意思決定を行うための思考プロセス」。
つまりアカウンティングは、経営活動の“結果”を「見える化」する手段であり、ファイナンスはその結果をふまえて“今後どうするか”を考えるための手法です。
過去と未来、記録と判断という観点で両者は補完関係にあると言えるでしょう。
財務三表で何がわかるのか?
アカウンティングの実務的な基本は、財務三表を読み解くことにあります。財務三表の構成は次のとおりです。
- P/L(損益計算書):ある期間における「儲かったかどうか」を表します。売上と費用の差分で利益が算出されます。
- B/S(貸借対照表):企業が「どこから資金を集め」「何に使っているか」が分かります。資産、負債、純資産のバランスが重要です。
- キャッシュフロー計算書:実際に「現金がどう動いているか」を示すもの。P/LやB/Sだけでは見えない“資金繰りの健全性”が読み取れます。
これらを読み解くことで、企業の現状だけでなく、将来的なリスクや成長の可能性まで把握できるようになります。
数字に“意味”を与える力が求められる
数字を正しく読むには、単に値を見るだけでは不十分です。重要なのは、「なぜその数字になっているのか?」「その背景にある活動は何か?」を読み解く力です。
例えば、営業利益が増加していたとしても、それが広告費削減による一時的な効果なのか、売上の継続的な成長によるものなのかによって、今後の経営判断は大きく変わります。
また、「在庫が多い」「売掛金が回収できていない」などの兆候は、資金繰りの悪化を示唆している場合もあり、キャッシュフローを含めた総合的な理解が欠かせません。
おわりに:アカウンティングを学ぶメリット
アカウンティングは、経営層だけの知識ではありません。あらゆるビジネスパーソンにとって、「今、自社に何が起きているのか」を正しく理解し、行動に結びつけるための基礎スキルです。
- 部門の予算管理やKPIの分析
- 取引先の経営状況の把握
- 成長戦略やリスク判断の根拠作り
こうした日常業務の中で、アカウンティングの知識は必ず役立ちます。数字の裏にある「意味」を読み取り、次のアクションにつなげる力を、ぜひ身につけてください。
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