GLOBIS Articles
- 会計・財務
投稿日:2019年02月07日
投稿日:2019年02月07日
他勘定振替高の「他」って何?
- 溝口 聖規
- グロービス経営大学院 教員
他勘定振替高は、損益計算書(P/L)に登場する勘定科目です。頻繁に目にする会計用語ではありませんが、「何の『他』の勘定なのですか?」と質問されることもあります。今回は、他勘定振替高の意味と目的について説明します。
ちなみに、売上原価の計算方法には、設例のように「期首商品棚卸高+当期商品仕入高―期末商品棚卸高」と算定表示する方法(三分法)と、取引の都度商品管理を行い個別に売上原価を把握する方法(分記法)があります。日々繰り返し取引が行われる場合には事務処理の煩雑さを避けるため等の理由から、三分法を採用することが一般的です。
そこで、販売(PLでは売上原価となります)の「他」の理由による商品の減少分については、他勘定振替高という勘定科目を使って売上原価から控除します。なお、災害等の異常な要因により商品等が消失した場合にも同様に、他勘定振替高を使って売上原価から控除します。この場合は、特別損失(災害損失等)で処理することが考えられます。
溝口 聖規
グロービス経営大学院 教員
京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。
(資格)
公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)