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投稿日:2019年03月12日

投稿日:2019年03月12日

リユニオン2018

リユニオン
リユニオン2018開催レポート

11月11日(日)にグロービス経営大学院・東京校にて「リユニオン2018」が開催されました。東京・大阪・名古屋をはじめ、日本各地・海外から約107名の卒業生が参加。グロービスの最新の研究テーマやカリキュラムについて、教員からセッション形式で学びながら、卒業生同士で議論を交わし、互いの成長を確かめ合いました。

リユニオン2018動画

【リユニオン2018 概要】

リユニオンは、グロービスの3つの教育理念のうち、「人的ネットワークの構築」と「能力開発」に沿って、入学同期の仲間が5年に一度キャンパスに集い交流し、お互いの「志」や成長を確認するとともに、在学時と同様にともに学ぶ場です。

リユニオンでは、以下4つの場を提供しています。

  • 卒業後のグロービスの姿とアジアNo.1に向けた方向性について知る場
  • グロービスの最新の研究テーマやカリキュラムを教員からセッション形式で学ぶ場
  • ビジネスの第一線で活躍する卒業生同士が興味のあるテーマで議論をする場
  • お互いの旧交を温め、成長を確かめあえる交流の場

開会式

オープニング・学長挨拶

スピーカー:堀 義人 グロービス経営大学院 学長

学長の堀は、開会の挨拶とともにリユニオンの目的について触れ、「環境変化が激しく、過去の常識が大きく変化している時代。リユニオンの場を通じて、そうしたビジネス環境の変化を感じ取ってもらいたい。そして、同じ釜の飯を食った仲間と語り合い、互いの成長と『志』の再確認の場としてほしい」と卒業生に語りかけました。

第1部 全体会「グロービスの現在と未来」

スピーカー:田久保 善彦 グロービス経営大学院 研究科長

グロービスの前身である、グロービス・オリジナルMBAプログラムGDBA(Graduate Diploma in Business Administration)が開学した2003年、入学者は23人でした。そして現在、2018年には921人の入学者を迎え、卒業生は約4,000人となりました。この間に、東京、大阪、名古屋、仙台、福岡とキャンパスを拡大。加えて、水戸と横浜に特設キャンパスを開設し、シンガポールにも展開。オンラインMBAも開講し、より多くの人にグロービスの学びの機会が提供できるよう挑戦を続けてきました。また、英語プログラム(パートタイム・フルタイム)を開講し、カリキュラムに「テクノベート(テクノロジー×イノベーション)」領域を設けるなど、時代の変化に合わせて改編を続けています。卒業生の方に向けて、「アルムナイ・スクール」をスタートさせるなど、次の時代を見据えたサービス拡充を常に進めてきています。

研究科長の田久保は、「卒業生の皆さんから、こんなに様々なチャレンジをしすぎて大丈夫か?と心配されるほどの進化を目指したいと思っています」と語りました。

グロービス経営大学院は、ビジネス環境の目まぐるしい変化に対応した新時代のMBAを提供し、これからも卒業生が誇れる学校であり続けるために、進化していきます。

第2部 全体会「テクノベート時代の人材要件:BTC 型人材を目指せ」

スピーカー:梅澤 高明氏 A.Tカーニー日本法人 会長
モデレーター:堀 義人 グロービス経営大学院 学長

少子高齢化と健康寿命の伸長を背景に、「職業人生60年」のキャリア構築が必要とされています。一方で、技術の飛躍的進化は事業・企業の盛衰を加速させ、仕事の代替(自動化・機械化)を促しています。また、「意味消費と共感の時代」と言われる現代。企業は独自の世界観・美意識を持つことも求められています。

これからの経営人材の姿として、「B(ビジネス) - T(テクノロジー) - C(クリエイティブ)型人材」を提案するA.Tカーニー日本法人会長の梅澤高明氏に、「これから私たちはどのような能力の開発を行っていくべきか」について語っていただきました。

梅澤氏は「今の仕事の半分は機械化されていくだろう。また、多くのビジネスパーソンのキャリアは、三毛作(多毛作)になっていくだろう」と述べ、BTC型人材が求められる時代を生きていくために、「現在、変化を創り出せる人材の重要性が高まっている。そのため、課題解決能力ではなく課題設定能力や、新しい社会のルールを構想・提案する力、BTC人材を動かすために各分野について最低限の知見を持っておくことなど、従来とは異なるスキルセットが求められている。ぜひ、挑戦し続けてほしい」と卒業生にエールを送りました。

スピーカー:梅澤 高明氏 A.Tカーニー日本法人 会長

東京大学法学部卒、MIT経営学修士。日米で20年にわたり、戦略・イノベーション・マーケティング関連のテーマで企業を支援。クールジャパン、デザイン、スタートアップ、インバウンド観光・ナイトタイムエコノミー、税制などのテーマで政府委員会の委員を務める。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーター。著書に『最強のシナリオプランニング』(編著、東洋経済新報社)、『グローバルエリートの仕事作法』(プレジデント社)、『税と社会保障でニッポンをどう再生するか』(共著、日本実業出版社)など。建築、デザイン、アート、スポーツ、サービスなど各分野のイノベーターチーム「NEXTOKYO Project」を主宰。東京の将来ビジョン・特区構想を産業界・政府に提言し、様々な街づくりプロジェクトを支援。

第3部 分科会

教員セッション-A 「テクノベートシンキングは日本を救うか」

担当教員:鈴木 健一

コンピュータの急激な進化により、想像を超える大量データや地理的制約を受けない複雑なネットワークが実現する時代。「人間が理解可能なデータ量を人間自身が手を動かして解決する」という従来の問題解決プロセスが適用できなくなっています。特に大きな変化の一つが「テクノロジーにより課題解決を個別化する」というものです。表現を変えるとAIをはじめとするテクノロジーは個別化のためのツール、と言ってもいいのかもしれません。商品やサービスのレコメンデーションに代表されるように、ネット上で先行したこのような新しい形の問題解決は、今やZOZOSUITでの身体データ測定とそのデータに基づく服のカスタム製作に代表されるように、リアルな世界にも及んでいます。

このような時代においては、「技術的なことはわからないので、エンジニアに全て任せる」のではなく、進化するテクノロジーに関する知見を自ら持ちながら、ビジネスを構想実行していくビジネスリーダーが業種業界問わず求められています。

このセッションでは、大量データ・繰返し処理はコンピュータが、論理設計は人間が行うという、役割分担によるテクノベート時代の問題解決プロセスの一端を、実際にScratch(MITメディアラボが開発したプログラミング言語)を活用したプログラミング体験を通じて深めていきました。

教員セッション-B 「ブランド戦略とブランディング」

担当教員:武井 涼子

最初に「ブランドとは何か」を紐といた後、ブランド戦略構築のワークを行い、ブランド構築の方法論の実践方法を一部体験してもらいました。

担当した教員の武井は、ブランドの定義を明確化した上で、「ブランド戦略がなければ、ブランドマネジメントはできない」と断言。続けて、「ブランドマネジメントの判断の際には、常に繊細さが要求される。繊細さを鍛える方法の一つとして、誰もが知るブランドを使ってトレーニングをすることが重要。このトレーニングを繰り返すことで、ブランドを表現するスキルの精度向上、ブランド価値を向上させる能力などを養える。」と語りました。その後、某企業の事例を課題として与え、ディスカッション。最後は、「現状ではブランド・エクイティに関する一貫した測定方法がなく、そこが課題として残されている。しかし、ブランドは漢方薬のようなもので、じわじわと効いて来るものであることも間違いない。日本企業にとってブランドは重要な経営テーマの1つであり、ぜひ向き合っていってほしい」と言及しセッションを締めくくりました。

【リユニオン委員会企画】ワークショップランチ

  • 各セッション参加者ごとに分かれてディスカッションを開始

    各セッション参加者ごとに分かれてディスカッションを開始

  • 各セッション参加者ごとに分かれてディスカッションを開始

    各セッション参加者ごとに分かれてディスカッションを開始

  • 振り返りや意見交換の様子

    振り返りや意見交換の様子

  • セッションの振り返り

    セッションの振り返り

  • 振り返りや意見交換の様子

    振り返りや意見交換の様子

昼食時は、午前のプログラムの各セッションの参加者ごとに分かれてのランチ・セッション。テーマは以下の通りでした。

「テクノベート時代の人材要件:BTC 型人材を目指せ」
「テクノベートシンキングは日本を救うか」
「ブランド戦略とブランディング」

各部屋では、約6名ずつに分かれて着席し、自己紹介を皮切りに、午前中のセッションについての振り返りや意見交換を実施しました。

第4部 分科会

教員セッション-A 「多様性と分断:企業経営へのインパクト」

担当教員:田岡 恵

近年、急速に高まっている多様性への不寛容と人々の分断。特に欧米では、その影響がビジネスの世界でも表面化し始めています。その多くは、おそらく経営者や労働者の心の奥底に秘められた無意識による意思決定、行動に突き動かされているものです。こうした現象はアンコンシャス・バイアス(unconscious bias)と言われ、私たちが無自覚に常識だと思い込み行動していることが、社会や組織において、自分とは異なる考えや背景をもつ人々を、知らず知らずのうちに否定したり排除してしまう原因として知られていました。今日の日本の経営の現場においても、多様性(Diversity)、内包(Inclusion)に続く経営課題として、徐々に認識され始めています。

このセッションでは、アメリカの大手企業に降りかかった事件を題材に、私たち自身のアンコンシャス・バイアス、その意思決定への影響、そして経営者としてこのようなイシューにどう向き合うべきなのかについて、参加者とオープンに議論を交わしました。

教員セッション-B 「AIベンチャーのIPOを成し遂げて: 志士たちへのメッセージ」

担当教員:浅原 大輔

このセッションの担当教員である浅原が、最高財務責任者として4月に東証マザーズに上場した人工知能(AI)開発のHEROZ(ヒーローズ)のIPOを支えた経験を踏まえ、テクノベート企業の経営と資本市場への向き合い方について話しました。また、近年増えている「外資系→スタートアップ転職」についても、自身の経験を踏まえて言及しました。

ゴールドマン・サックス証券でメガバンクの1兆円増資などを担当した後に、何が転機となってテクノベート関連スタートアップ企業に加わり、何を学び、何を得たのか。そして、IPOを経て、テクノロジーを駆使した企業の経営者として、今後何を目指すのか。テクノベート企業の経営や資本市場への向き合い方、キャリア形成など、多岐にわたる議論が繰り広げられました。

浅原は、「ベンチャー経営において大事なことは忍耐であり、良いときも悪いときも前に進むことが大切」と先人の言葉を引用しながら、「グロービスのコミュニティがきっと皆さんを助けてくれる」と強調し、セッションを締めくくりました。

第5部 分科会

教員セッション-A 「テクノベートが可能とする「出現する未来」の掴み方」

担当教員:中村 知哉

MITのSociety of Organizatoin Learning(ピーター・センゲ氏、ジョセフ・ジャウォスキー氏)の流れを汲むPresencing Institute代表のC・オットー・シャーマー氏の「U理論」についてのセッション。U理論の特徴は、頭を用いた論理的な分析に留まらず、相手側(顧客、対象者)へ心を開いた共感を行い、そして最終的には、自らの源(ソース)を探す過程で、出現したがっている集合的な意思と自身の魂の共振を感じ取ること。そういう意味では、U理論において自らの源を探す過程は、東洋哲学でいう所の「空」や「無」を感じ取ることと近い概念です。

セッションでは、グループワークに加え、例えば、4人1組になって踊ったり、与えられたテーマに沿って表現方法を考えたりといった参加型のプログラムがいくつも用意されていました。時折冗談を交えながら、ユニークなかたちで「U理論」について解説し、笑いが絶えないセッションとなりました。セッションの最後には、MBAを取得しているグローバルリーダーへのインタビューから見えてきた「志の4つのAwareness」が紹介されました。

教員セッション-B 「テクノベート型スタートアップの組織運営」

担当教員:鳥潟 幸志

近年注目を集める「テクノベート型スタートアップ企業」。その組織運営のポイントはどこにあるのか、大企業型の組織運営との違いはどこにあるのか、圧倒的なスピードと柔軟性が求められる「テクノベート型スタートアップ企業」における組織運営のポイントを事例および理論的な背景から学ぶセッションです。

具体的にはティール型組織、OKR (Objective and Key Result) による目標管理、自由をベースにした組織運営、その根底にある性善説による経営哲学などを、具体的な成長ベンチャーの組織運営を軸に紐解きながら、メルカリ、ユーザベース等の成長企業の事例を参考に深堀しました。また、テクノベート型スタートアップ企業」の組織運営を構築・浸透させる際の難所や、そのジレンマの乗り越え方についても考察するセッションとなりました。

このセッションの担当教員である鳥潟が、「従来型の企業とテクノベート型スタートアップ企業の組織運営にはどのような違いがあるか?」と問いかけると、待っていたとばかりに卒業生から次々と意見が出ました。また、Slackを用いた「衆議独裁」の方式や現代型ワーキングスタイル、オンデマンド型の人材雇用術といった組織運営術を自身の実戦経験に基づくテストケースを例に挙げながら、マネジメントの新潮流を紐解いていきました。

第6部 全体会「学長セッション」

「これからの時代で、志を大切にした生き方とは何か。 また、その生き方を楽しむための方法とは。」

スピーカー:堀 義人 グロービス経営大学院 学長
卒業生モデレーター:梅村 征敏さん、木邨 麻記さん

テクノベート時代の現在、ビジネス環境は目まぐるしく変化しています。こうした時代を生きるビジネスリーダーは、常に進化を続ける必要がある一方で、自分らしい生き方を見失わないように「志」を明確に持っておく必要があります。卒業時に自身に誓った「志」は今も高く保たれているか、その実現に近づけているか。学長の堀と卒業生モデレーターの二人との意見交換が繰り広げられました。

閉会式

クロージング挨拶

午前10時から始まったリユニオンもいよいよ閉会。最初にリユニオンの実行委員長の森脇章太さんから挨拶があり、「リユニオンは同窓という意味ですが、個人的には『行動する』や『動く』という意味も含めたいと思っています。自身の『志』の実現に向けて、今日という1日が新たな行動を起こすきっかけになればよいと思っています」と話しました。

続けて、グロービス経営大学院 事務局長の廣瀬が「グロービス経営大学院は、日本全体を元気にするパワーを持ったコミュニティだと思っています。在学中だけでなく卒業後もラーニング・コミュニティとして機能し、ここに戻ってくれば新たな一歩を踏み出すための知見やパワーを得られる、そう感じてもらえる場所にしていきたいと思っています」と卒業生たちに語りかけました。

5年後の再会に向けた更なる挑戦を誓い合う

最新の学びと仲間のエネルギーに触れ、さらなる「創造と変革」 の挑戦へとつながる場

  • 再会を喜ぶ学生たち

    再会を喜ぶ学生たち

  • ディスカッションの様子

    ディスカッションの様子

  • 幹事の皆様の挨拶

    幹事の皆様の挨拶

  • フェアウェル・パーティーの様子

    フェアウェル・パーティーの様子

  • フェアウェル・パーティーの様子

    フェアウェル・パーティーの様子

  • フェアウェル・パーティーの様子

    フェアウェル・パーティーの様子

  • フェアウェル・パーティーの様子

    フェアウェル・パーティーの様子

  • 集合写真

    集合写真

5年振りに集まった卒業生たちは、久々に顔を合わせた仲間たちと近況を伝え合い、経営の最新知を得て、互いの「志」を確かめ合いました。リユニオンをきっかけに、卒業生たちは5年後の再会に向けて今日からまた新たな「創造と変革の道」へと進んでいきます。

グロービス卒業後も続く交流と学びの仕組み

互援コミュニティ(オンライン・ネットワーク・サービス)

在学時期や居住地を越えて、全卒業生・在校生がオンライン上でつながる機会を提供するビジネス・プラットフォーム「互援コミュニティ」。互いのビジネスプロフィールの検索や目的・テーマ別グループへの参加を通じた情報交換・ネットワーク交流が可能です。また、ビジネスパートナー探し、事業創造のメンタリング、キャリアの相談、活動の告知・PRなど、オンラインでの情報交換や相互アドバイスの交流なども可能です。更には、国内外で活動する在校生・卒業生を繋げる地域別のグループを用意。多様なグロービスコミュニティの形成とビジネス機会の創出を支援しています。

グロービス経営大学院では、「互援コミュニティ」を「人生100年時代のインフラ」として位置づけ、5,000名を超えるビジネスネットワークの交流を促進することで、起業や新規事業の立ち上げ、既存組織の改革など、在校生や卒業生による社会の創造と変革への挑戦を後押ししています。

卒業生向け特別講座(アルムナイ・スクール)

グロービス経営大学院では、卒業生の方々に対象を限定した特別講座(アルムナイ・スクール)を開講しています。先行き不透明な変化の時代を先導するリーダーには、一生涯、学び続けることが求められます。卒業生に限られた質の高い学習環境で、同窓と真剣な議論を交わしながら、経営知に留まらない幅広い能力や人間力を磨きます。そして、卒業後も、ビジネスリーダーとしての能力・ネットワーク・志を磨く機会を提供することで、卒業生による社会の創造と変革への挑戦を後押ししています。

講座例:
『歴史から学ぶリーダーシップ』ライフネット生命保険創業者/グロービス経営大学院特任教授 出口治明
『AIビジネスリテラシー』野呂浩良氏(株式会社DIVE INTO CODE 代表取締役)

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