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投稿日:2019年01月15日

投稿日:2019年01月15日

一歩踏み出す勇気と志を受け継いでいく――グロービス公認クラブ「変革クラブ」 イベントレポート④

クラブ活動
グロービス変革クラブ 活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。

 前回に続き、先日行われたグロービスの学校公認クラブ活動「変革クラブ」が主催するイベント「第2回 グロービス・変革・チャレンジ」の内容をお届けします。(※肩書きはインタビュー当時のものです)

事例発表 ~変革スターター部門~

大手からスタートアップに転職し、セキュリティ意識の変革へ(2017期 高橋美喜さん)

今年6月に日立グループからスタートアップ企業に転職した高橋さん。転職先は、メルカリグループの金融企業であるメルペイ。新たな決済手段の提供にとどまらず、あらゆる金融サービスを繋げるような社会金融インフラを目指す企業だ。

高橋さんはコーポレートデザインチームでオンボーディングを担当。メルペイは、文字通り金融業。これまでと異なる高いセキュリティレベルが求められるため、さらに向上させたいと考えている。

一般的な金融企業では性悪説に基づいてセキュリティルールが規定されているが、同社では性善説や自己判断を大切にするカルチャーが根づいている。そのため、単にルールを設けるのではなく、同社ならではのカルチャーを残しつつ、社員の意識そのものを変えてセキュリティの高い組織をつくることが高橋さんの目標。今後は、eラーニング導入、セキュリティ講座開設、コミュニケーション促進などに取り組んでいきたいという。

髙橋さんの発表に対して、後藤氏からは、「情報漏洩は経営危機に陥りかねないので、ぜひ頑張ってほしい。人間は、自分が大切にしてきたことを否定されると心理的なブロックになる。三小田さんの発表にもあった通り、対話を大事に進めてみては。」とコメントがあった。

大企業で社内起業家を増やすための組織変革(2017期 今井紘さん)

オムロンのイノベーション推進本部に所属する今井さんは、社員の誰もが社内起業家を続けられるようなポジティブな風土と仕組みをつくりたいという。

一般的な大企業は、カネ・モノ・ヒトいずれも潤沢で、「失敗しても問題ない」という風潮が強い。一方で、経営基盤が安定しているからこそ起業家精神が養われにくいという側面もある。

今井さんはイノベーション推進本部で、10以上のプロジェクトに失敗してきた。だが、そこから多くの学びを得て、成功して会社に貢献できた事業からは、新規事業を立ち上げることの楽しさも学んだ。今後は社内起業家を増やすための取り組みとして、自らがロールモデルとなれるように新規事業へのチャレンジを続けるほか、事業のアイデアは積極的に「楽しそうに」発信していきたいと語った。

今井さんに対して、田久保さんは、「起業家精神を持つ人が「かっこいいよね」と言われる組織になるように、ソフトとハード両面から改革していってほしい。」とエールを送った。

また、濱氏は、「新規事業は、まず「質より量」。新しいことをどんどんやっていくのがアリな空気をつくって、最初から収益は求めない。次に「選択と集中」で、芽が出たものに集中していく。このステップが大事だと思う。」とコメント。

さらに後藤氏からは「仲間は自分の部署以外にもいたほうがいい。役員、管理職、若手など、いろんな階層の人がいるとベスト。」とコメントがあった。

ゲストコメンテーター3名による総評

登壇者からの発表が終わった後、各コメンテーターから総評コメントが贈られた。

田久保さんからは、「3連休の最終日に、こんなに熱い議論を交わしている人がたくさんいることを嬉しく思う。通常なら、変革したいと思っても「面倒」「言うとやらされるから言わないでおこう」と二の足を踏むケースが多いが、そうではなく積極的にチャレンジしようとするマインドセットの人が集まっていることが素晴らしい。8名の発表者からはそれぞれ重要なことを学ばせていただいた。」とコメント。

また、濱氏からは「皆さんのプレゼンはどれも熱がこもっていた。既存のやり方で進めても組織の発展は少ないという課題意識を持った熱い人たちが、この場に立っているのだろうと思う。私は2017年にアルムナイアワード変革部門を受賞させていただいたが、「タクシー業界の問題をこう変えていきたい」という大義は、やがて自分の使命感に変わっていった。シャープの一社員だった私が変革を遂げることができたのは、15年の社会人経験と、グロービスでの学び、グロービスで培ったネットワークと「志」のおかげ。知恵と仲間と「志」があればパワーは上がる」

後藤氏からは、「私は、「変革を実践する人をもっと生み出そう」という思いのもと、変革クラブを創業したメンバーの一人。皆さんにお願いしたいことは「とにかくやろう」ということ。クリティカル・シンキングで身につける「イシュー」と「枠組み」、他のクラスやグロービスの人脈から得た学びをとにかく使ってみてほしい。食品メーカーの方が製造トラブル時に使い、3ヶ月で成果を出したという報告もある。小さな変革でもいい。とにかく大切なことはやるかやらないか。来年の変チャレは、もっと多くの方からのエントリーを期待している。」とコメントがあった。

8名の変革事例プレゼンとコメンテーターからのフィードバックという、学びの詰まった3時間が終了した。参加者はコミットメントシートの「④今日の学び・気づき」と「⑤変革のアクションプラン」を記入。それぞれの変革のための、新しい一歩を踏み出した。

  • 今日の学びをどのように実務で活かすのか。コミットメントを書き込みます。

    今日の学びをどのように実務で活かすのか。コミットメントを書き込みます。

  • 最後に登壇者で集合写真をパチリ。

    最後に登壇者で集合写真をパチリ。

グロービス変革クラブとは

組織や企業、業界、社会の「変革」を成し遂げる人材の輩出を目指すクラブ。在校生・卒業生約1,400名(2019年1月時点)が在籍し、変革コミットメントシートの作成やワークショップ、分科会などの活動を通して「一人ひとりが変革に強いコミットメントを持ち、自身の変革プランを磨き上げる」場を提供しています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。

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