グロービス・ライブラリー

  • 組織行動
  • 思考
  • イノベーション
  • リーダーシップ
  • クラブ活動
  • イベント

2019年01月15日

2019年01月15日

リアルケースから考える「変革」を成功させるポイント――グロービス公認クラブ「変革クラブ」 イベントレポート③

クラブ活動
グロービス変革クラブ 活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。


前回に続き、先日行われたグロービスの学校公認クラブ活動「変革クラブ」が主催するイベント「第2回 グロービス・変革・チャレンジ」の内容をお届けします。(※肩書きはインタビュー当時のものです)

事例発表 ~変革マスター部門~

表面化しにくい上下水道事業の課題解決を目指して(2010期 高山智之さん)

上下水道のインフラは老朽化している。水道事業体の収益は水道料金でまかなわれており、インフラ更新費はそこから捻出されるが、日本の人口減少は著しい。将来的に8割減少する市区町村もあり、残りの2割で水道事業を支えるのは現実的ではない。業界内ではすでに問題になっているものの、上下水道の老朽化は目につきにくく、世間の問題意識がなかなか高まらないというのが現状だ。


高山さんは2010年からこの問題に取り組み、2011年に水道事業体の経営コンサルティングを行うアクシオンを設立。情報整理、課題の見える化、解決策提供の各サービスを通じて、上下水道事業の強化を目指している。


一人で起業し、株主のオフィスを間借りして、1日中働いては漫画喫茶やカラオケで眠る生活をしていたという高山さん。水道事業体の課題を探るため、連日深夜バスで移動しながら全国を歩いたこともあるそう。3年後にようやく自分のオフィスを構え、現在は新しいオフィスに移転し社員も増加。20〜80代の社員や支援者に支えられ生きている今、「最初は辛かったがチャレンジしてよかった。一切後悔はない」と言い切る。


8年経ってもなお「志」高く水道事業と向き合っている高山さん。「チャレンジすること自体は簡単。あとは自分の気持ちをどこまで持続できるか」と、変革を成功させるポイントについて言及した。

高山さんの発表に対して、濱氏は「タクシーは公共交通機関でもあるので、安全で当たり前と思われており、ありがとうと言われる機会は少ない。公共サービスの水道も同じなのではと思うと、高山さんの苦労がうかがえる。」とコメント。


また、後藤氏は、「変革は難しいと捉えられがちだが、「チャレンジするのは簡単」「心が折れるという概念がない」という高山さんのマインドに興味を持った。事前に拝見した資料にも「変革とは恐れ多い。少しでも現状を変えるお手伝いができれば」と書いてあった。素晴らしい変革を成し遂げた人に話を聞くと、たいてい「変革とは思っていない」「やるべきことをやっただけ」と返ってくる。高山さんもそういう一人なのでは。」とコメントした。

事業戦略変更に基づいた、Value Firstな人事制度改革(2015期 三小田実さん)

三小田さんは元リクルートの事業企画マネージャー。事業の継続・撤退・売却を検討するポジションにいたが、法人向けIT製品選定サービス事業をアイティメディアに売却したことを機に同社へ転籍。全社組織改革を目指し、現在は人事部長として人事制度改革を手がけている。


M&Aによりリードジェネレーション分野でのシェアを大きく伸ばした同社。既存シェア獲得というこれまでの戦略から、提供価値を高めてパイを拡大していく戦略にシフトする必要が生じ、それに応じた7S変革(ハードS:戦略・組織・制度、ソフトS:組織文化・人材・スキル・共通価値観)が求められた。その中でも人事制度に必要とされたのは、「能力・年功型」から「役割・成果型」への改革。


三小田さんが掲げた改革コンセプトは、「Value First 〜価値にとことんこだわり抜く〜」。事業と個人が相互に成長し合える循環をつくること、挑戦・対話・研修の3つの機会で成長を促すことをベースに、人材配置、評価、報酬、育成のあり方を抜本的に改革した。


進め方のコツとしては、上層部からコンセンサスを取り、キーマンを巻き込み、PDCAを高速でまわすこと。管理職には理解を深めるワークショップを実施し、職人性の高い編集職には地道に歩み寄るなど、立場ごとに丁寧なコミュニケーションを心がけた。


変革を実践するにあたり大事なことは2つあると、三小田さんは言う。ひとつは、自ら機会を創ること。想いを発信し合い、自らインフルエンサーになることで、仲間の輪が広がっていく。そしてもうひとつは、先人をリスペクトしてバトンを繋ぐこと。制度がうまく機能していなくてもその人が悪いわけではない。ヒトとコトを切り分けて課題を伝えることが大切だと語った。

三小田さんの発表に対し、田久保さんは、「「先人をリスペクトする」というキーワードに共感する。ファミリービジネスの研究をしているが、事業継承が成功する最大の条件は先代に深いリスペクトがあること。三小田さんの事例も、改革の現場が三小田さんからのリスペクトを受け取ったからこそ、改革が進んだのではないか。」とコメント。


また、後藤氏からは、「私は元人事だが、人事制度説明会は人事からの一方的な説明になりがちなところを、きちんと対話を入れていて素晴らしいと感じた。社員にとっていかに自分ごとにするかが重要。」とコメントがあった。

イベントレポートの続きはこちら

グロービス変革クラブとは

組織や企業、業界、社会の「変革」を成し遂げる人材の輩出を目指すクラブ。在校生・卒業生約1,400名が在籍し、変革コミットメントシートの作成やワークショップ、分科会などの活動を通して「一人ひとりが変革に強いコミットメントを持ち、自身の変革プランを磨き上げる」場を提供しています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。


グロービスのクラブ活動一覧はこちら

クラブ活動

グロービス変革クラブ 活動レポート