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コミュニケーションの基本は「ドM」と「ドS」!ピンチをチャンスに変える「心の強さ」を鍛えよう〜伊藤羊一×紺野俊介×島田久仁彦×田中愼一×木暮太一

2020年02月14日

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伊藤 羊一 ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト/Yahoo!アカデミア学長/株式会社ウェイウェイ 代表取締役/グロービス経営大学院 教員
紺野 俊介 楽天株式会社 執行役員
島田 久仁彦 株式会社KS International Strategies 代表取締役社長
田中 愼一 フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社 代表取締役社長/グロービス経営大学院 教員
木暮 太一 一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事/作家

本記事は、あすか会議2019「志を培うコミュニケーションの本質」の内容を書き起こしたものです(後編)

木暮太一氏(以下、敬称略):ここまで皆さんにお話しいただいたことは、自分がリーダー的な存在の時のコミュニケーションなのかなと思います。逆のケースはどうでしょうか。自分の上にいるリーダーを動かしたいときですね。なかなか動かない人っているじゃないですか。そういう人たちとどのようにコミュニケーションして、どのように動かせばいいとお考えですか?

ピンチをチャンスに変える「心の強さ」が重要になる

田中愼一氏(以下、敬称略)::僕も今までいろいろな上司を迎えましたが、直属の上司とうまくいったことは1度もありません(会場笑)。でも、それはありがたいことだと思っています。木暮さんがおっしゃったことについて言えば、自分がリーダーという状況でも、自分の上にリーダーがいる状況でも原理原則はすべて同じだと考えています。要はどういう風に相手を理解するか。たとえば上司に怒られたとします。そこで、「これは嫌がらせだ」と思うのか、それとも「この人は俺のために言っている。これはすごいチャンスなんだ」と受け取るかどうか。それによって人生が変わってきます。


僕は悪い上司に出会えば出会うほど、そうした受け入れ方を培ってきました。悪い上司にばかりあたっていたから。その意味では、「悪い上司に当たってこそ自分は伸びる」ぐらいに考えた方がいい。それが事実かどうかはどうだっていいんですよ。自分で思い込むことが大事なんです。「大丈夫、大丈夫」というお話と同じですね。その上司がなんであれ、自分が自分のためになると思えば相手に対する感謝が芽生えてきます。だから、どれほど嫌なやつでも「実は俺のためになっている」と思えば上司とのコミュニケーションは嫌でもうまくいくんですよ。悪い上司に「恵まれた」という言い方もおかしいけど、そんな風にピンチをチャンスだと考える心の強さがこれからはすごく大事になる。これからはチャンスなんてないんです。ピンチしかない時代に皆さんは向かうわけで、そこではチャンスをチャンスにするなんて当たり前。ピンチをチャンスに変える心の強さが重要になります。

「上司も悩んでいる」という前提を持つことが大事

伊藤羊一氏(以下、敬称略):前提として、僕は「上司と部下」という言葉が嫌なんですよね。上と下とになっちゃっている感じがして。でも、それが「マネージャーとメンバー」という言葉になると、何が違うかと言えば単に機能の違いだけという話になる。機能としてマネジメントがあるだけだから、まずはそういう認識をマネージャーの人たちに持って欲しいと思っています。まあ、下のほうはそういう風に思ってくれないのが玉にキズだけど、上司が完璧なわけでもないし、上司の言うことが絶対というわけでもない。それで上司も悩んでいるという前提を下のほうで持つことも大事だと考えています。そうすると、「この人がやりたいことを実現するにはどうしたらいいだろう」なんて考えるようになるわけですね。


そんな風にして、「言うこと聞かなきゃ」といった考え方が、「この人も困っているんだな。この人も完璧じゃないんだな」という考え方に変われば、部下に対するのと同様、上司にも寄り添うようになる。そうして、「あなたの考えていることはこういうことですか?」と聞いたうえで、それに応えるようになります。上司と部下は敵対する関係でなく、相互に依存し合って助け合う関係なんだという認識を、皆さん側が持つことはすごく大事だと思いますね。実際には、それがなかなかうまくいかず、上の人が分かってくれないと「こっちはちゃんと言っているのに」みたいな感じになっちゃうこともあります。とはいえ、下のほうからそんな風にコミュニケーションをとれば、「いやあ、よく聞いてくれた。俺の悩みなんだけどさ」みたいな感じになって両者が近づくという関係を、必ず構築できると思うんですよね。


木暮:そのあたり、上場企業のトップでいらした紺野さんはどうお考えですか?

紺野俊介氏(以下、敬称略)伊藤さんがおっしゃった通りで、自分の評価は上司またはマネジメントの評価とニアイコールなんですよね。結局、マネジメントの上にもまたマネジメントがいるわけです。僕は上場企業の社長をしていましたが、会社は博報堂DYグループの子会社だったので、僕の上にも上場企業の社長がいました。で、びっくりしたことがあるんですが、その社長と僕と2人で話していたとき、僕の話に対して、その社長が「確認するね」と言ったことがあるんです。「あれ?2人で話が完結しないんだ」って。さらにまた上にも社長がいるということですね。だから、皆さんの上司も(さらに上がいるという意味では)同じ立場であって、仲間であって、一緒に働いているメンバーですから、その点を理解する必要があると思っています。


伊藤:そこはメンバーもマネージャーも考え方を変えなきゃいけないと思っています。メンバーのほうは、上が言うことには「はい、わかりました」なんて言いつつも、マネージャーが何かミスをしたら「あいつ、マネージャーのくせにミスしやがった」なんて、鬼の首を取ったような感じになっちゃうことってあるじゃないですか。僕も昔はそういうところがありました。でも、そうではなくて、「この人も完璧じゃないし、自分も完璧じゃない。それなら互いの強みを活かし合うチームになりましょう」みたいなコミュニケーションができたらって思います。


紺野:どのタイミングでそういう風に変わったんですか?


伊藤:自分が上の立場になって、「あ、結構大変じゃん」と思ったというのはあります。そういう意味では、ここ10年ぐらいですかね。

上司の指示に対しては「意図」をとことん確認する

島田久仁彦氏(以下、敬称略):上からの指示について、どういった意図による指示なのかをとことん確かめるというのは、究極の確認作業なんだと思います。そこでは「Yes, sir.」もなければ「No」もないんですよ。指示は1度すべて受け入れたうえで、「これはどういう意図なんですか?何に使われるんですか?」と、相手を怒らせない範囲で確認する。「あなたが何を求めているのか、もっと理解したいんです」と。


以前、こういうことがありました。僕自身は今、ラテンアメリカやアジアの企業で、経営層の相談を受けるような立場の仕事もしています。ただ、そういうところで受ける指示というのは結構めちゃくちゃなんですね。上の立場になって職責が大きくなればなるほど忙しくなって、ものを考える時間が少なくなる一方、皆には持ちあげられてしまう状況で、正確な指示を出せないことってあります。それで下の人が困るんですね。「お前に頼んだのはこんなことじゃないだろ」みたいに突き返されたりして。だから、そうなる前に確認するんです。よくいるのが‘Mr. Weekend Killer’と言われる人。金曜夕方の「帰ろうかな」という頃に、すさまじくどうでもいいアサインメントを投げて帰っていく人ですね(会場笑)。だから、そのときは、どういう意図で頼んでいるのかとか、本当に必要なのかといったことを確認するんです。たとえば、「クライアントのためにこのコピーを取っておいて」って言っても、クライアントはそんな指示をしてないというケースがあるわけですね。だから、そこでどういう意図なのかを相手に思い起こさせる。すると、結局は「ハードコピーがないと嫌なんだ。なんか不安で仕方ないんだ」ということだったりする、と。


木暮:そのとき、たとえば「おっしゃっていることの意味が分からないです」とは言えないじゃないですか。そこで、どういう風な言葉を使うと情報を引き出せるんですか?


島田:基本的には、相手の指示を、コピペじゃないですけれども1回そのまま言ってあげる。「3000ページの提案書を来週火曜日までに2部コピーを用意するんですね」って。そのうえで、「でも会議室や資料室は埋まっていますし。なぜUSBやCD-ROMじゃダメなんですか?」と。そういうところまで相手に喋らせるんです。「今のご指示はこういうことでいいんですね?」「そうだよ」「でも、それはこれじゃだめなんでしょうか」と、一応提案はしてみます。それで、主張している指示のベースに何があるのかを気づかせる。たとえば「自分はハードコピーしか信用しないからハードコピーが2つ欲しいんだ」ということを。


木暮:そこで漠然とした言い方で指示を投げてくる人がいますよね。「なんか、いい感じでやっておいて」って。

漠然とした指示は自分で「再定義」してしまう

田中:それはチャンスなんです。相手のリクエストを再定義しちゃえばいい。漠然としているほど、こちらの都合が良いように再定義できる。それで目の前で確認すればいいんです。


木暮:その場で確認するということですね。「いい感じでやっておいて」と言われたら、「こういうことですね」と。


田中:そう。それで“握る”ということをしない限り、動いちゃダメなんです。上司のリクエストは無茶ぶりが多いじゃないですか。それをこっちで再定義して「こうですよね?じゃあ、こういう風に進めます。これでいいですよね。はい、じゃあそうしましょう」という風に握っちゃう。だから、漠然とした指示を出してくる上司ほどありがたい上司はいないんです。コントロールできるわけで、そこはチャンスと見ないといけない。


伊藤:そうなんです。これはコンテンツの話になるんですが、「そうは言ってもコミュニケーションは難しい」って考える人はすごく多いと思うんですよね。だから、それにプラスアルファで壇上の方々がやっていることもあると思うんです。たとえば、返事の仕方1つ、あるいは頷きかた1つとっても、皆さん、めちゃくちゃ考えません?グロービスでクラスを持っていると、「どうしてこの人は頷きかたについてもっと考えないんだろう」って感じるような人が多いんですよ。


田中:まさに非言語が重要なんですよ。


伊藤:そう。そういうことを徹底的にやるんです。今日、皆さんは我々のうんちくを聞いて「偉そうだな」と思っているかもしれないけど、私たちは本気でそういう細かいレベルで考えまくっているんです。内容について相手の言うことを確認するのは当然だけど、その前に返事の仕方1つ、間合いの取りかた1つについて、すごく考えていく必要があるんだと思います。


木暮:楽天は統制が効いていて、「皆で自由にやろうぜ」というよりはいろいろなことをピシッと決めていく感じに見えます。だから結構シビアなコミュニケーションが飛んでくる気もしますが、そうした指示が上から降りてきた場合、紺野さんはどんな風に返していますか?


紺野:相手によってコミュニケーションの“間隔”って変わるじゃないですか。とりあえずYesと言っておいた方がいい人もいれば、Noと言っておいた方がいいタイプの人もいて。で、楽天はどうかというと、「まずはやってみる」ということを重要視している会社です。だから、そのときは「やります」と言います。ただ、どうやるかというHowについて改めて話をするのは、その3日後がいいケースもあれば、1週間後がいいケースもあれば、会社がすごく良い状況の時のほうがいいというケースもあると思うんですね。だから、表現に気をつけるだけじゃなく、周りの状況を読むことも結構重要だと思います。


しかも、自分は自分の状況しか見えないじゃないですか。僕も自分の状況はすべて見えているけれども、うちのグループには金融もあるし、今は通信系の事業もはじまったし、もちろんEコマースもあるので、そういうことまでちゃんと読んでおかないといけない。皆、普段は自分の状況でコミュニケーションをすると思いますが、上司や社長はさらに多くの視野で状況を見ているわけですね。だから、それとまったく同じ状況にはなれないにせよ、楽天は月に1回、役員以上が必ず全世界から集まって、そうした状況をシェアしているんですね。また、社員のほうも「朝会」と呼ばれているもので状況をシェアしています。だから、楽天に入ったときは「このレベルまで全社員で共有するのか」と思いました。そうしたコミュニケーションがなされているので、僕自身はそのなかで、役員なりに状況を読むということをしています。


木暮:上から直球が来たときも、一回は受け取ったうえで、返すタイミングを見計らう、と。


紺野:そうですね。もともと豪速球を投げてくる人は、それができる人だから。豪速球を投げられない人が、投げることができる人に「お前、球が速いよ」とは言わないので。


木暮:そうですね。ただ、それを受け取っちゃって、そのままどうしようもなくなって悩んでいるような人って結構いるように思います。


紺野:たぶん、投げるほうは受け取れない人には投げないと思います。逆に言えば「受け取れるな」と思われている人が役職の立場になるんだと思いますし、責任を伴うことになるので。

コミュニケーションの基本は「ドM」と「ドS」

田中:あと、受け取れない側には、剛速球の無茶ぶりを喜ぶ体質の人がいるというか。究極のドM体質で。コミュニケーションの基本はドMです。昨日、東大教授の各務茂夫さんに伺ったんですが、パッションの語源はキリスト教における「受難」なんだそうですね。で、その受難をどう乗り越えるかということでパッションという言葉になった、と。だから、無茶ぶりだろうがなんだろうが、とにかくそういうものがないとパッションは生まれない。だから、無茶ぶりされたら「わあ、嬉しいなぁ」と思えるような、危機的状況が来たら「これはチャンスだ」と思えるような、そんな感度を持つことが心を鍛えるということにもなる。心というのは状況によって弱くなるんです。だから、困難が来れば来るほど元気になるような心を絶えず培うということがすごく重要になると思っています。


島田:立場次第だと思います。自分が受ける側ならドMでいい。で、剛速球が来たら見送るのではなくて頑張って当てにいく。打ち返すというよりはバントぐらいですね。それで、「とりあえず受けましたよ」として、その後の解決策は相談しながら決めていく。一方で、自分が指示を与える側になってコミュニケーションを取るとしたら、僕はドSだと思うんです。これは交渉ごとでも同じですが、コミュニケーションの基本はYesを取ることじゃないんですね。スタートはすべてNoからはじめる。皆さんの答えはすべてNoなんです。ドSの場合はどうするか。「こんなこと、できないよね」と言うと、「いや、そんなことないですよ」というNoが返ってきます。逆に、「これは君できるか?」と言われると、受けはするけれどもやっぱりやりたくないわけです。だから、まずはNoで、それをやらなくてよいということにするか、あるいは負担を減らすようなコミュニケーションを取る。そのうえで、先ほど言った確認作業をするわけですね。「こういうことを狙っているんですよね?」という話を通して相手の頭の中が整理されるので、初めに突きつけたNoが、皆さんが抱える無駄な負担を小さくする結果になる。だから、ドMの部分もドSなアプローチもコミュニケーションには必要だと思います。


木暮:では、時間になりましたので会場から質問を受けたいと思います。

質問1):厳しいときも良い方向で解釈するというのは、頭では分かっていてもなかなか肚落ちさせるのが難しいと感じます。どうやって「解釈力」を高めていけばよいのか?

伊藤:具体的に方法があります。自分でケースの主人公になるんですよ。「あ、このケースの3ページ目で、今は苦難に突入している」とか。それで、「こういうとき、俺、どう答えるかな」と考え続けると深いメタ認知ができるようになる。朝令暮改についても同じです。「1日目に伊藤は“おお、なんかいい感じでできたな”と思った。しかし翌日、社長はぜんぜん違うことを言ってきた」みたいな。そんな風に、メタ的にケースの主人公になって考える。そうすると何が良いかというと、朝令暮改にしても必ず意味があるから。「まず伊藤は熟考した。“これ、どう考えてもおかしいだろ”。しかし、これには必ず意味があるに違いない。それで伊藤は社長に話をした」なんていう感じですね。


田中:「ピンチをチャンスに」というのは、たしかに頭で考えてもダメなんですよ。実際、クライシスのとき、あまりにもボロボロになる社長が多過ぎる。頭では考えるんだけど心と体がついていかないんですね。では、どうすべきなのか。基本的に、優れたリーダーというのは皆、自分のストーリーを持っているのです。今のケースのお話と同じ。自分のストーリーで、今の自分がどういう役を演じているかというのを思い込む力を持っている。リーダーはそれが命なんです。ストーリーというのは3つの要素から成っています。まず自分が未来に対してどういう思いを持つか。当然、これはすごく重要です。どういう思いを持つかによって今の自分が元気づけられるわけです。だから、目の前にある危機についても、「俺はこういう未来を見ているんだから、これはもしかしたらチャンスかもしれない」という風に、いろいろなステージでストーリーをつくるわけですね。


2つ目に重要なのは自分の過去です。過去の事実を変えることはできないけれど、その意味付けは自由自在にできます。そこで自分の過去をどう意味づけるかが今の元気につながる。未来を見据えて、さらに自分の過去をしっかりと意味づけて、そのうえで今を生きるというのは一連のストーリーなんです。今まさにその役を演じているわけですね。だから、「自分は今、そのストーリーの主役を演じているんだ」と。「状況が変わってピンチがやって来た。これは1つのシーンだ」と。じゃあ、それをどんな風に乗り越えて自分のストーリーを完成させるか。ストーリーをつくれば、そういう発想を持つことができます。


しかし、ただストーリーをつくるだけじゃ意味がない。ストーリーは人に語るものではなく、自分に毎日言い聞かせて自分を元気にするものです。だから、僕はそうしたストーリーを毎日自分に言い聞かせています。僕の名前は田中愼一。「慎み深いナンバー1」という名前なんですよ。だから毎日慎み深く振る舞う。それは自分をゼロにするということです。自分自身のネガティブな思い込みや偏見の呪縛をすべて切り離して、自分のストーリーを自分に言い聞かせながら元気を保つ。そのうえで、いろいろな事象や出会いのなかで自分のストーリーを絶えず進化させ、トランスフォーメーションさせていく。これが、今、元気になるための僕の処方箋です。あと、自分が変わらないかぎり相手は変わりません。相手に変わることを期待しちゃダメ。まず自分が変わると、不思議なもので相手も変わっていくんですよ。上司との関係も、部下との関係も、その意味ではすべて同じです。

質問2)上司のざっくりとした指示を1つずつ確認したら、上司にめちゃくちゃ嫌がられました。その時の対処法を教えてください。

島田:そういうときはご自分の意見を言わない方がいいです。まず相手の言うことをすべて聞いて、内容をまとめてあげてください。「今のお話はこういうことですよね?」と、納得して腑に落ちるまで、絶対に自分の意見を言っちゃダメだし、答えちゃダメです。そのうえで、「自分はこうなりたい」というものを持ちながらも「でも今はこれがきっと必要なんだ」と、まったく違うタイムラインで考える。たとえば今日と明日で指示が違えば、私の場合は過去のものをすべて上書きします。ただ、現在の指示について「結局はどういうことなんですかね?」という確認はしていかないとダメなので、自分が納得して腑に落ちるまでは絶対に答えを与えないこと。それがYesでもNoでも、言ってしまった時点でコミットメントが生じますから。だから納得するまではうまく相手の話をまとめながら、相手の混乱している脳をまとめてあげてください。


田中:島田さんの答えに加えると、右脳でも少し考えてください。もし指示が変わったとき、「変えやがって」と、心のなかで思いながら相手の要請を再定義していると、それが絶対に非言語で相手に伝わるんですよ。だから、先ほど言った「まず自分を変える」というのは、自分の心のなかも、“この人は自分にチャンスを与えてくれているんだ”という気持ちで確認するということです。


木暮:では、時間になりました。登壇者の皆さまに大きな拍手をお願い致します。ありがとうございました(会場拍手)。


<前編はこちら>

伊藤 羊一ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト/Yahoo!アカデミア学長/株式会社ウェイウェイ 代表取締役/グロービス経営大学院 教員

東京大学経済学部卒、1990年日本興業銀行入行、企業金融、債券流動化、企業再生支援などに従事。2003年プラス株式会社に転じ、ジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編・再生などを担当後、執行役員マーケティング本部長、ヴァイスプレジデントを歴任、経営と新規事業開発に携わる。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、Yahoo!アカデミア本部長として、次世代リーダー育成を行う。KDDI∞ Labo、IBM Blue Hub、学研アクセラレーター、青山スタートアップアクセラレーションセンター、Startup Weekendなど事業開発プログラムのメンター、コーチを務める。グロービスGDBA2011年修了。2012年グロービス・アルムナイアワード変革部門受賞。

紺野 俊介楽天株式会社 執行役員

1975年6月27日生まれ(満39歳)。横浜市立大学卒業。大学卒業後、EDS Japan(現:日本ヒューレット・パッカード)を経て、2003年株式会社アイレップに入社。黎明期よりSEMに従事し、リスティング広告運用の体系化などを通じてトップコンサルタントとして数多くの大手クライアント企業のデジタルマーケティング施策を成功に導く。2006年に博報堂DYメディアパートナーズグループとの資本業務提携、同11年には大阪証券取引所ヘラクレス(現: 東京証券取引所JASDAQ)への上場を牽引する等、アイレップを運用型広告でトップクラスの企業へと導く。2009年1月株式会社アイレップ代表取締役社長へ就任し、現在は、代表としてアイレップグループ全体のデジタルマーケティング事業を率いるとともに、書籍・コラム執筆や、セミナー講演を積極的に務めている。2012年12月アイレップが世界経済フォーラム(World Economic Forum)から世界成長企業(Global GrowthCompany)として選出され、2013年6月よりダボス会議に参加。2013年5月に公益社団法人ベトナム協会理事就任。

島田 久仁彦株式会社KS International Strategies 代表取締役社長

KS International Strategies 社のCEOを務める傍ら環境省参与およびSun Investment社のパートナーとしても活躍。気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務め、数々の議題の交渉の議長および委員会の議長なども歴任。2010年10月に名古屋で開催された生物多様性COP10では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。気候変動には、1997年から関わっており、国際交渉において知らない人がいないと言われるほど名が知られている。環境・エネルギー問題にも精通し、国際的なオピニオンリーダーとして認識されている。UN時代には紛争調停をはじめ多岐

にわたる分野において調停を行い、数々の国際的な賞を授与されている。現在、海外メディアで国際情勢全般のコメンテーターを務めている。活動は外交、エネルギー、環境問題にとどまらず多岐にわたり、国内外の政府への助言をはじめ、多くの多国籍企業のアドバイザーを務める傍ら、スピーチやディベート、交渉術などのアドバイスを行い、国内外の大学院で交渉のインストラクターも務めている。

田中 愼一フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社 代表取締役社長/グロービス経営大学院 教員

本田技研工業株式会社ワシントン事務所にて米国における政府議会・マスコミ対策を担当した後、1985年日米自動車貿易摩擦が大きな問題となる中、初代デトロイト事務所長として北米地域における同社の広報戦略立案・展開の責任者となる。1994年セガエンタープライゼス株式会社に転じ、海外オペレーション部長等を歴任する。1997年世界最大のコミュニケーション・コンサルティング・ファームであるフライシュマン・ヒラード(本社:米国セントルイス)に参画、日本法人を立上げ、代表取締役に就任、現在に至る。企業や組織の事業戦略実現を支える戦略コミュニケーションR分野の第一人者として、多様化するビジネス課題に直面する数多くの日系外資系企業/組織にコンサルティング・サービスを提供している。著書に、『オバマ現象のカラクリ―共感の戦略コミュニケーションR』、『破壊者の流儀―不確かな社会を生き抜く“したたかさ”を学ぶ』(アスキー新書)がある。

木暮 太一一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事/作家

慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学時代に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーになり、また国内外40の大学/専門学校で指定教科書に採用されている。相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・大学・団体向けに多くの講演活動を行っている。『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版)、『伝え方の教科書』(WAVE出版)など著書35冊、累計80万部。

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