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競争優位を生み出すデザイン×クリエイティビティ

2018年11月19日

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  • あすか会議
  • テクノベート
  • 創造
  • 変革
  • 最先端

モデレーター

小笠原 治氏 株式会社ABBALab 代表取締役、京都造形芸術大学 教授

パネリスト

田川 欣哉氏 Takram 代表、グロービス経営大学院教員
遠山 正道氏 株式会社スマイルズ 代表取締役社長
水野 学氏 クリエイティブディレクター、good design company 代表取締役

※あすか会議とは


経営者、政治家、学者、メディアなどのトップリーダーと、グロービスのMBAプログラムの学生(在校生・卒業生)および教員が一堂に集い開催する合宿型のカンファレンスです。第1回あすか会議は2005年、奈良県飛鳥荘にて80人の参加者を迎えて開催。第14回目となる2018年のあすか会議には、東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン、英語MBAの学生1,400名が京都に集い開催しました。

商いの手法は、不特定多数から特定少数へのアプローチに

「デザイン」や「クリエイティビティ」はもはや、特定の業界のみに必要な概念ではない。ビジネスのあり方が絶えず変化するテクノベート時代に競争優位性を確保するため、すべての経営者が念頭に置くべき経営手段だ。


『くまモン』のデザインで著名なトップクリエイティブディレクターの水野学氏は、現代を「江戸時代」と表現。商いの手法が、広告をはじめとして、不特定多数へのアプローチから特定少数へのアプローチに変わってきていると語った。

「江戸時代は、経営者自らが門構えや暖簾などのデザイン領域まで考え、店や商品の見え方をコントロールしていた。それを僕はブランドと言っている。ここ数年で企業も個人もブランドに興味を示し始めており、特定少数へ確実にアプローチするために経営者自らがブランドについて考える時代が来ている」


 特定少数へ向けたビジネスは、『Soup Stock Tokyo』を運営するスマイルズ社長の遠山正道氏が得意とする分野。1冊の本を売る『森岡書店』や、1日1組限定で宿泊もできる香川県豊島の体験型アート作品『檸檬ホテル』など、斬新なプロジェクトを手がける。「ブランドは小さいほどおもしろい」と語る遠山氏のデザイン×クリエイティビティ論とはどのようなものか。

「アートはビジネスではないが、ビジネスはアートに似ている。アートにはコンテクスト、つまりコンセプトのようなものがあり、『どうしてそうするのか』『どうしてやりたいのか』が重要になってくる。それはあくまで自分発信のものであって、外の理由にはよらない。私たちのブランドも同じで、だからこそ広告にもマーケティングにも頼っていない。会社やブランドとはすなわち自分自身だと思っている」

「デザイン思考」から「デザイン経営」へ

ハードウェア・ソフトウェア・インタラクティブアートなど領域を超えて活躍するデザインエンジニアの田川欣哉氏は、経済産業省『産業競争力とデザインを考える研究会』の委員として「デザイン経営宣言」を発表したエピソードに触れた。

デザイン経営とは、デザインを企業価値向上のための経営資源として活用する経営のこと。現場でのハウツーに近い従来の「デザイン思考」から、デザインへの投資によりブランド力向上やイノベーション創出を実現する「デザイン経営」へのシフトが求められると語った。

「デザイン、アートと言いながら、大学ではオペレーションばかり教えているケースが多い」。そう語ったのは、ハードウェアスタートアップへの投資育成を行うABBALab 代表、そして京都造形芸術大学教授も務めるモデレーターの小笠原治氏。数字や定量的なものに頼りすぎてオペレーションしかできなくなっている人に、自分で考えてアクションを起こす方法をどう教えるかに悩まされているという。


デザイン経営を強化するにあたり、経営者に求められる思考とはどのようなものか。

美大でも一般大でも教えたことがあるという水野氏は、「会社とは、自分がこうしたいと思うことを考えに考えた末にできる結晶であり、作品でもある。その意識が低い経営者や従業員が多い」と発言。また、「デザインには『装飾的』なものと『機能的』なものの2種類があり、両方を理解していなければユーザーに届くものはできない」と、クリエイターのみならず経営者が知っておくべきデザインの本質についても言及した。

従来のやり方では、顧客にとって唯一無二の存在になることは難しい。経営者自らがブランドについて考え、デザインに投資し、存在価値を高めていくことが必要不可欠な時代に突入している。

編集後記

登壇者による講演またはパネルティスカッション形式でのセッションが終了後、夕食会で参加者同士での交流を楽しんだ後、「ナイトセッション」が開催されました。

ナイトセッションとは、各界のリーダーや著名人、講師たちとインフォーマルな雰囲気の中、少人数でテーブルを囲み、議論し語り合える時間です。普段の講演会やクラス等では知ることができない、登壇者の今の関心や熱い想い、これから成し遂げようとしている事など、この場でしか聞くことができない話をしていただきました。

当日の様子を写真で紹介いたしますので、ぜひご覧ください!

「あすか会議」は、グロービス経営大学院の教育理念である、能力開発、ネットワーク、志を培う場を、在校生・卒業生に継続的に提供することを目的として、各界で活躍する経営者や政治家、学者および教員などを招待して開催するビジネスカンファレンスです。

モデレーター

小笠原 治氏株式会社ABBALab 代表取締役、京都造形芸術大学 教授

パネリスト

田川 欣哉氏Takram 代表、グロービス経営大学院教員

遠山 正道氏株式会社スマイルズ 代表取締役社長

水野 学氏クリエイティブディレクター、good design company 代表取締役

(※肩書は登壇時のものになります。)

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