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  • ◆卒業後~MBAを終えて~

【卒業後~MBAを終えて~】変化に対応するため、環境を変え、自分を変える

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【名前】鵜飼 真也

【勤務先】株式会社愛知銀行

【入学年】2015年


<自己紹介>

2008年新卒で愛知銀行に入行。営業店を3拠店経験し、主に法人営業を担当。
2017年メガバンク本部に出向。
2018年愛知銀行の本部に帰任し、ソリューション営業を推進。主に事業承継やM&Aを担当。
グロービス経営大学院2015年入学、2018年修了。

■激変する業界に危機感を抱き、グロービスへ

地元企業の役に立つ仕事がしたいと、期待に胸を膨らませ銀行員になった頃、リーマンショックが発生。愛知県の経済にも大きな影響を及ぼしました。企業の設備投資は消極的になり、資金需要は低下しました。

以降、景気は回復しつつあるとはいえ、愛知県には元々金融機関が多く、貸出金利が名古屋金利と言われるほど低下するなど、金利競争に巻き込まれ、競争は激化。収益は逼迫しています。加えて、他業種から金融業に参入するなど更にプレイヤーが増え、テクノロジーが銀行員の業務を代替していくようになるなど、金融業界は再編の波にさらされ、大きな変革期を迎えていました。

そんな中、私の仕事は、気が付くと銀行同士で取引先の奪い合いをしているだけで、支店や自分の成績のためだけに仕事をしているような気がして、世の中に何の価値も生み出せていないのではないかと、自分の仕事に自信が持てなくなっていました。



「銀行の安定という、これまでの常識は続くのか?」「淡々と毎日の業務をこなしている自分は、それで充分か?」「企業の役に立ちたいと言いながら、そもそも自分の様な若造が、人生経験も豊富で百戦錬磨の企業の経営者と対峙するだけの能力なんて持ち合わせているのか?」「銀行員の私って何も出来ないじゃないか?」などと思考を巡らせる中で、自分の中に危機感が芽生え、何か自分を変えなければならない、他の銀行の担当者よりも選ばれる存在になりたい、そもそも自分の価値を高めなくては、と考えるようになりました。そんな時に電車の広告で知ったのがグロービスでした。

グロービスに初めて足を運んで、そこで見た光景は、沢山のビジネスパーソンが集い、ホワイトボードを囲んでグループで真剣にディスカッションしている光景です。私が毎日を平然と過ごしている間に、自分の価値を高めようと努力している人がこんなにも沢山いるのだと驚きました。そして、そこにいる人達の、前向きで意識が高くイキイキした表情を見ていると、私には彼らがとても輝かしく見えました。そんな雰囲気の虜になり、こんな場所に身を置き、刺激を受けることで、自分を変えられればという思いから、29歳の時グロービスに入学を決めました。

■経営者の視点を持ち、質の高いアウトプットを生み出す

グロービスでは、ケースメソッドを通して、定性面・定量面の両面から企業を分析し、その事業において優位となるポイントを見極め、戦略を立案・意思決定をする能力を身に付けることができました。

銀行員という職業柄、お客様である企業の経営者から、企業の経営戦略を踏まえた提案・アドバイスが求められますが、経営戦略を学んだことで、実際に企業のオーナーと目線を近づけて接すること、経営者の本当の悩みや企業の課題を聞き出すことができるようになりました。経営者が抱える課題を一緒になって解決していくお手伝いをすることで、経営者とリレーションが高まり、信頼して仕事を任せていただけるようになったと実感しています。

それ以外にも、学びを通じて組織を俯瞰して見られるようになり、自分自身の働き方も変わったと感じています。経営陣が何を考えているのか、今の自分が組織の中のどの部分にいて、どんな役割を担い、自分の仕事がどのように繋がっていくのか、どうすれば人が動いてくれるのかを考えられるようになりました。また、業務の意図を理解し、取捨選択ができるため、時間を有効的に使えるようになり、アウトプットの質は向上したと思います。1人の担当者であっても、そこを意識するかしないかでは、大きく働き方が変わると思います。

■人との違いが価値を生む

グロービスでは、どのクラスもディスカッション形式で進んでいくのですが、20代の方から管理職や経営者まで、業界も年齢も違う様々なバックグラウンドを持った受講生と、常に議論を繰り返していきます。そこは職場とは違い、利害関係がないフェアな立場で自分の意見をぶつけることができる場です。何百回ものディスカッションを通じて、相手を動かすために必要なロジックの組み立て方を身に付けることができました。

また、クラスでのやりとりを通じて、人との違いを純粋に楽しめるようになり、違いこそが価値であることに気が付きました。特に愛知県は製造業が盛んな地域ですが、製造部門の人、営業部門の人だけでも考え方は大きく違います。グロービスに入学当初は、自分と違った意見が出てくると、とてももどかしく感じ、自分が人と違う意見を出すことに勇気が持てず、その場の正解を求めがちだったように思います。しかし、違った視点で意見を出し合うことで、新たな気づきが生まれ、新たな発想が生まれます。自分だけの力では出しえなかったであろうアウトプットが生まれる、感動の瞬間を何度も体感しました。人と違う経験や考え方は、その人だけしか持ち得ない特別なもの。人と違うことは、間違っていることではなく、面白いことなのだ。グロービスのクラスだから訪れる、特別な展開を楽しむことができました。

■「地域に貢献したい」という想いの実現に向けて

グロービスではクラスが終わった後、講師とクラス仲間と懇親会に出掛けることが多いのですが、ある時、講師から私に「銀行の中で本部も経験するといいよ。」とアドバイスを頂いたことがありました。決して特別な一言ではないのですが、私は心を動かされました。MBAを経て経営の本質を掴むには、戦略の立案・意思決定ができる部署に行き、学んだことを実践で使うべきだということと捉え、その言葉を頂いてからは、本部でグロービスでの学びを実践してみたいと会社に働きかけました。現在は銀行の本部の営業を推進していく部署で、グロービスでの学びを総動員させ、良い企画を生み出せるよう奮闘しています。

今は銀行員として、お客様と同じ地域に生きる一人として、目の前のお客様をしっかり支援していく。その積み重ねが、さらにその先のお客様のためにもなり、地域経済を成長させていく。そのスパイラルの中に自分の身を置くことが、自分自身を次のステップに誘ってくれることと信じています。その為には、更に自分のスキルを高め、地域の為に出来ることを探し続けていく必要があると思っています。今後も多くを学び、価値ある人間に成長し、家族や仲間が暮らす地域の発展に寄与していきたいです。

■最後に

グロービスでの生活では、実務家の講師や意識の高いビジネスパーソンに沢山出会うことができます。それと同時に、新たな気づきや新たな発想、さらに自分を動かすキッカケとなる言葉とも出会える場所であると思います。

グロービスでの在学期間中は、仕事をしながら時間を捻出して学びに取り組まなければなりません。本当に大変で挫けそうになることもあります。でもやり切ったその先には、必ず成長した自分に出会えるでしょう。グロービスで様々な出会いを楽しんでいただきたいです。