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【MBAを学びはじめるまで】弁護士の私がグロービスで学ぶ理由

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【名前】西村 俊一

【勤務先】冨島・小川法律事務所

【入学年】2014年

<自己紹介>
2004年10月、弁護士登録(愛知県弁護士会)。GMBA2014期生。
商取引や労使間紛争、株主・債権者への対応、クレーム対応など企業活動全般に関する
フォローを行う。中でも、交通事故、PL事故、労災事故など、あらゆる事故後の損害賠償に
関する交渉・訴訟の取扱いが多い。個人、企業・団体の困りごとを解決し、安心して暮らせる
社会づくりのため、一翼を担いたいと考えている。


なぜ、弁護士の私がグロービスで学ぶのか?
それは、弁護士にとって核となる『専門性』を高めるためには、法律の専門知識を習得する
だけではなく、幅広い知見を身につける必要があると感じ、その差を埋める手段が
グロービスのMBAだったからです。

また、弁護士の私がグロービスMBAから何を得たのか?
それは、相談案件をまずビジネスの観点から深く考え、法的に検討するという視点です。

上記の考えに至った経緯と、実際に学びとして得たものを詳しくご紹介したいと思います。

◇グロービスを知ったきっかけ
最初にグロービスを知ったきっかけは、私が弁護士に成り立ての2005年ころ、当時知り合った公認会計士の友人が、既にグロービスでの学びを始めていたことでした。今にして思うと、弁護士と同じく専門性の高い仕事(公認会計士)をしているこの友人から、
「弁護士もグロービスに来たら面白いのに」
と言われたことが、心のどこかにひっかかっていたのでした。

実際にグロービスへの入学を検討し始めたのは、弁護士登録9年目のこと。
当時、弁護士として損害賠償に関する分野に注力し続け、徐々に大型事件を任されるようにもなり、仕事に対しての不満はありませんでした。
しかし、どこか満たされないと感じることがあり、「このまま行くと、弁護士としての『専門性を高め続ける』ことに支障が生じるのではないか」という漠然とした危機感を抱くように。
いつしか、日々の仕事にあまり関係しない(と思っていた)ビジネス書を読む機会が増えていました。

こうしたなか、2013年3月、あるファンドマネージャーによる無料セミナーが名古屋で開催されることを偶然知り、参加。そのセミナーでは、企業を取り巻く外部環境の変化や投資先企業の戦略などが語られており、自分が全く知らない世界ばかりでした。約1時間のお話の広さと深さに圧倒され、
「このままではいけない」、「現状を変えるためには、自分から動かなければいけない」
と思いました。

このような経緯から、セミナー終了後その足で、かねてから気になっていたグロービス名古屋校を訪問。パンフレットを受け取り内容を検討したところ、「確かに、面白そうだ」と思い、なんと一か月後には、単科生としてグロービスでの受講を開始していました。
何か新しいことを始めるときには、勢いこそが大事なんだろうと思います。

◇弁護士の「クリティカル・シンキング」からの学び
初めて受講したクリティカル・シンキングのクラスでは、メーカー、商社、金融・サービス、病院など様々な業種の第一線で奮闘中の方々に恵まれました。活発に飛び交う発言のなかには、自分が考えもつかなかったような意見もあり、まさに総合格闘技の様相を呈しており、
自分自身がいかに井の中の蛙であったかと心底思い知らされたものです。

私たち弁護士の仕事においても、主張の正当性と説得性を担保するべく、ファクトとロジックを重視しているため、日々クリティカル・シンキングを行っているようなものなのですが、
グロービスのクラスを通じて、法律の世界とビジネスの世界の違いや、実務に直結する学びを得ることができました。

法律の世界では、ロジックを組み立て、法的な「効果」を生じさせるために、
①法律の条文を解釈し、「法律要件」を検討する
②法律要件を充たすファクトがあるのかどうか、ファクトを裏づける証拠があるのかどうかを
  更に細かく検討する
というプロセスを行います。クリティカル・シンキングでの学びに置き換えていうと、
「法的な効果=イシュー」、「要件=枠組み」といえますが、目指すゴールが明確に決まった上で考える形となります。

一方、ビジネスの世界では、そもそもイシューが定まっておらず、枠組みについても、フレームワークを活用するなどして自分自身で設定しなければなりません。この点で、思考の柔軟さが強く求められると実感しました。

また、ファクトの分析方法に関し、ファクトを分解する、時系列・他者と比較する、全体のなかの空白部分を意識する、プロセスを意識する等の学びは、実務でそのまま使える内容です。ファクトを分析する際の緻密さ、鋭敏さが向上したように思います。

◇弁護士として、MBA進学を決意した理由
その後、単科生から本科生への出願を決めた理由は、MBAで学べることが世の中のあらゆることをカバーしているからです。政治、経済、社会そして技術を対象とする一方、人間心理の本質をも探究します。グロービスMBAのカリキュラムに沿って学んでいけば、確実に視野が拡がるはずだと感じました。
視野を拡げ、その後、もう一度、自らの仕事を振り返る。こうすることにより、自分自身のなかで幹の太い専門性を育てていくことができるのではないかと考えました。

また、純粋に面白いと思ったこともあります。学び始めた当初、ディスカッション重視の授業スタイルに慣れるのには時間がかかりましたが、このスタイルから学んだのは、
「自分自身の学びも大事だが、クラスの学びに貢献することも大事」ということ。
自分自身が気づきを得ただけでは足りず、他の受講生とともに皆で気づきを与え合い、学びの効果を相乗させる。学ぶに適した場を、皆で築き上げる。これこそがグロービスの真骨頂であり、グロービスだからこその自由な学びだと思っています。この点に面白さを強く感じました。

◇弁護士×MBAの相乗効果
まだ学びの途中ではあるものの、実際に相談を受ける際には、法律的な枠組みはさておき、
ビジネス上の問題として、フレームワークという規範をもとに、どのファクトが規範から逸脱しているのか、その逸脱がトラブルの発生にどのように影響しているのかを考えたうえで、法的に検討するようになりました。

例えば、人事上のトラブルであれば、その原因が、マネジメントの仕組みにあるのか、あるいは、マネージャーの具体的な接し方にあるのかなどを検討し、商取引上のトラブルであれば、クライアントの付加価値連鎖のどの部分に原因があるのか、そのトラブルが他の連鎖に対してどのような影響を与えるのか等を検討し、全体のなかでの相談事項の位置や重みを踏まえ、回答するようにしています。

グロービスで得られた知識がなければ、できなかったことですし、このように対応することにより、クライアントの納得感、安心感が高まるのではないかと期待しています。

◇最後に一言
私もそうでしたが、特に士業の方は転勤などがなく、自ら動くことを意識しなければ、
特定の分野に集中し過ぎてしまうのではないでしょうか。
視野狭窄に陥らないためにも、一歩踏み出し、多くの仲間との学びに触れてみてください。
私もまだまだ道の途中ではありますが、視界に飛び込んでくる新しい世界を日々実感しています。


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