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営業力をさらに伸ばしたい時に読む3冊

「当初は全く買う気がなかったにもかかわらず、営業担当者の説明を聞くうちに買ってしまった・・・」

そのような経験をお持ちの方、結構いらっしゃいますよね?

そういう時、「あの人は営業力がある」というような表現をよく使いますが、ひとくちで「営業力」といっても奥が相当深いはず。
単なる口八丁手八丁のような「トークが上手」というだけではありませんし、「交渉上手」というだけでもないでしょう。
では、この「営業力」の正体は一体何なのでしょうか?

今回は、その奥深い「営業力」の本質を考えるための書籍を3冊ほどご紹介したいと思います。

1)なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

ハーバードビジネススクールを卒業した著者が、世界中の営業力の優れた人に関して取材した内容をまとめた書籍です。41Yr9B7QYsL-210x300.jpg

では、この著者の調査の結果として判明した「優秀なセールスマンの資質」はどのようものかを見てみましょう。

それは、

「共感力」「自我」を兼ね備えている

ということ。

つまり、顧客に耳を傾けてその頭の中を理解する、という力と、何度断られてでも成約にこぎつけるという自我の強さが重要だということです。
この2つは、どちらかだけを持っていてもダメです。
共感が強すぎれば、単なる良い人で終わってしまう。
自我が強すぎれば、強烈な押しの強さはあるが、嫌われる。
したがって、バランスが何よりも大事なのです。

では、その「バランス」というのはどの辺が落とし所なのでしょうか?
どうやったらバランスを取ることができるようになるのでしょうか?

いろいろな疑問は湧いてきますが、この本には以下のような身も蓋もないコメントも引用されています。

「営業は教えてできるものじゃないんです。だって、自分がいつも考えていることや、生きざまそのものが問われる仕事ですから。」

確かに、「共感と自我のバランスをとれ」だとか、それこそ「営業は断られてからが勝負だ!」ということを「教える」ことはできます。
しかし、その教えを実践できるかどうかは、究極的にはその人の「生きざま」次第。
そこには理屈だけでは片づけられない領域が存在します。

「なぜハーバードビジネススクールでは営業を教えないのか?」という表題に対する答えは、この辺にあるのかもしれません。

ちなみに、原題(米国版)は「Life's a pitch」(=人生は売り込みだ!)。
理屈を超えた「営業人生論」を感じたかったら、おススメの一冊です。

2)人を動かす、新たな3原則

こちらは、「ハイ・コンセプト」や「モチベーション3.0」などで有名な、ダニエル・ピンクの書籍です。

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ちなみに本書の原題は、「To sell is Human」訳せば、「セールスは人なり」
自己啓発的な印象を持つ邦題とは全く異なる深いタイトルです。

この本においてダニエル・ピンクは、セールスに必要な特性として、以下3つを定義しています。

同調(Attunement) 浮揚力(Buoyancy) 明確性(Clarity)

英語で見れば「ABC」という韻を踏んでいますが、日本語だと語呂もよくないですし、そもそもよく意味がわかりませんね(笑)

ここでいう「同調」とは、先ほどの「なぜハーバードは~」にある「共感力」、そして「浮揚力」とは、同じく「自我」に近いものです。
やはり、他者を理解する力と、ポジティブさや挫けない心の強さは、営業において何よりも大事なこと。
この辺りは前書との共通点です。

他方で、この書籍は最後に「明確性」というものが加わっています。
明確性とは、「相手が見えていなかった状況を明らかにして、置かれた状況を理解できるようにする能力」のこと。
「問題発見力」、「問題提示力」と言えるかもしれません。

人の心を動かすために重要なのは、他人の問題を「解決」する能力よりも、問題を「発見」する能力なのである。 かつて、優秀なセールスパーソンは疑問に「答える」ことに長けていた。現在、優秀なセールスパーソンは、「訊ねる」ことが得意でなくてはならない。可能性を明らかにし、隠れた論点をあぶりだし、思いもよらない問題を見つけ出すということだ。

といった言葉は、この「明確性」をわかりやすく説明していると思います。
つまり、単に相手に同調・共感するだけではなく、相手が見えない課題を提示してあげられるかどうか。
確かにこの力は大事ですね。

3)営業力

そして、最後は、田坂広志先生の書籍。41GRCSAD8NL._SX322_BO1204203200_-205x300.jpg
タイトルは、そのままずばり、「営業力」です。

これ以上ストレートなタイトルはないでしょう。
この本では、営業に関する行為の一つひとつの意味合いが、田坂先生独特の世界観の中で語られます。

この本では、冒頭に、田坂先生が「営業力」という問いに対して答えてくれています。

もし私が、「営業力とは何か」と問われれば、答えは、一言です。 人間と組織を売り込む力。 それが「営業力」です。

すべての企業や会社も、最初は実績も商品も何もないところから、始まるわけです。
最初にあるのは「人」だけ。その人が語る夢に共感してくれる顧客がいて、初めてビジネスがスタートする。
したがって、営業の原点には、商品やサービスの前に、「自分自信を売り込む」ということがあるわけです。

振り返ってみれば、オンラインMBAのサービスも同じでした。
オンラインを通じて「ライブでMBAを学ぶ」というコンセプトは、実績もなければ目に見えるモノもない。ゼロからのスタートです。
今でこそ受講経験者がいろんなところで語っていただいてますが、当時は「自分たちのコトバを信じてもらうしかない」という状況だったわけです。
だからこそ、サービス開始当初に受講を決めていただいたお客様のことは忘れませんし、「人間と組織を売り込んだ」という経験は大切な経験になっています。

さらに、田坂先生は、この「営業力」という本の中において、

もし我々がプロフェッショナルの「営業力」を身につけたいと思うならば、やはり「商談」において、この「技術」と「心得」の両方を身につけなければなりません。

と語ります。

3冊を通して語られていること

我々は「技術」は学べるかもしれませんが、ここでいう「心得」というものは、経験を通じて磨き上げていくしかないのかもしれません。

そして、結局のところ、3冊を通して語られてきた

「営業とは生きざまそのものが問われる仕事」 「セールスは人なり」 「営業とは人間と組織を売り込む力」

という言葉は、表現こそ違えど、「営業は小手先のテクニックではない。全人格の勝負なのだ」、ということに気づかせてくれます。
この人間味あふれる勝負の奥深さを理解している人こそ、真のセールスパーソンと言えるのかもしれません。

もし営業において壁にぶつかったら、これらの本を手にとってみて、営業の「心得」に思いを馳せてみてはどうでしょうか?
そして、「理屈」の部分を深めたかったら、「クリティカル・シンキング」や「マーケティング・経営戦略基礎」あたりがおススメです!

グロービス経営大学院 教員/荒木博行

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