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  • ◆MBAを学びはじめるまで

【MBAを学びはじめるまで】 Life is about creating yourself. - なりたい自分になるためのMBA



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【名前】 木村 晋也

【勤務先】 輸送機器メーカー

【入学年】 2015年



【自己紹介】
2004年、新卒で現在の会社に入社。中西部アフリカの市場開拓に5年間従事。アフリカには出張ベースで年2~3回渡航し、現地ディーラーと共に様々な顧客(国連やNGOといった組織から、地元の零細漁民まで)を直接訪問して自社製品を使用する顧客の生活や事業活動の改善につながるソリューションの企画・提案活動を実施。2009年8月より、官民人事交流で外務省に出向し、3年間在リトアニア日本国大使館にて政治・経済担当の書記官として勤務。2012年8月より現在に至るまで、グローバル人材開発部にて自社の将来の経営幹部となる人材(日本人・外国人)の育成に携わる。これまでに訪問した国数は49カ国+2地域(グリーンランド、ヨルダン川西岸地区)。


■実務経験だけでは不足していた知識を補足

私はかなり特異なキャリアを歩んでいると思います。コンゴ民主共和国のような国の、更に地方の漁村や鉱山地帯を渡り歩いてユーザーの声を聞く仕事をし、外交官として旧ソ連構成国であるリトアニア(現在はEU加盟国)に駐在し、帰任後はこれまた畑違いの人事の仕事に従事するという、一見すると何の脈絡もない漂流記のようなキャリアを歩んできました。これまでに経験した仕事は全て楽しんできましたし、様々な経験を積ませてもらったことで、自分自身の振り幅というか、あらゆる環境に適応できる柔軟性や異文化対応力を養うことはできたと思います。



一方で、社会人としての多くの時間をアフリカ市場開拓と外交官といったやや特殊な職務に費やしてきた分、ビジネスパーソンが習得すべきより一般的な知識(例えばアカウンティングやファイナンスに関する知識)は十分ではありませんでした。

私は自分のありたい姿として、たとえ自分の専門外のことであっても、自分の頭で考えて、自分の言葉で意見を言える人間でありたいと思っていました。ビジネスパーソンとして過ごす時間が大体40年くらいあるとして、10年経過した時点で身に付いていない知識を修得するには、業務外の時間を使って自らそれを獲得しに行かなければ難しいだろう、と考えたのがMBAを取得しようと思った一つの理由です。

■「ありたい姿」に近付くためのMBA

MBAを取得しようと思ったもう一つの理由は、私の外交官時代の友人からの影響です。
私は外交官時代に、リトアニアに駐在する各国外交団の非公式懇親会(飲み会)の幹事委員長を務めていた時期があり、各国の外交官達ととても親しく付き合っていました。外交官仲間達とは、仕事上の情報交換以外にも日常的に食事に出掛けたり、週末に地方へドライブ旅行をしたりと仲良くしていたのですが、ある時、仲間のうちの何人かがオンラインでMBAコースを受講していることを知り大きな衝撃を受けました。

国家公務員である外交官が忙しい日々の空き時間を使ってビジネスを学んでいるのに、本来ビジネス側の人間である自分がそれをしないわけにはいかない。というか、「こいつらに負けるわけにはいかん!」というのがMBA取得を決めた決定的な理由です(笑)。

これはある面では感情的な話なのですが、私自身が大切にしているのは「自分のありたい姿をイメージするためのベンチマークを持つ」ということです。

今でも私は友人の外交官達が今後10年・20年とキャリアを積み上げて、将来的にどこかの国の大使になっていくだろうという未来を想定しています。そして、その時には彼らの駐在国に遊びに行って大使公邸に泊まらせてもらおうと勝手に考えています(笑)。大使の客人として堂々と遊びに行く以上、こちらもそれなりの世界観を持ったビジネスリーダーでありたいと思っていますし、そうしたありたい将来像に向けて自らを鍛え続けなければと思っています。つまり、私は海外の友人達の現在の姿ではなく、彼らの将来像をベンチマークにしているのです。

■クラスでの学びだけでなく、刺激的な仲間との出会いを重視

本格的にMBAを比較検討し始めたのは、今から3年前。出向期間を終え、日本に帰国して状況が落ち着いた頃でした。検討の際には、オンラインも含め、国内・海外MBAをいくつか検討しましたが、最終的には、グロービス経営大学院のMBAを選択しました。

比較を進める中で、「同じことを学ぶのであれば、日本語でインプットしたほうが、知識の吸収の効率がいい」「浜松から通うとしても学び続けられるか」といった点から絞り込みをしていきましたが、意思決定の決め手は、「刺激的な出会い」がありそうかどうか、という点でした。

極端に言えば、体系的な経営知識だけならば本からでもある程度は学び得ると思っています(自分の場合は、独学で継続できる自信がなかったために、自らを逃げられない状況に追い込む意味もあって大学院への進学を決めたわけですが・・・)。ただ、これまでの経験から、私自身は人との接点から常に多くの事を学び、人から刺激を受けながら成長してきたという意識を強く持っていました。

グロービスへの入学を決める前にはクリティカル・シンキングの体験講座も受講していたため、何となく同世代の受講生が多そうだとか、会社員だけでなくベンチャー企業の経営者や弁護士・会計士といった類の職業の方まで、グロービスには多様な受講生がいそうだという雰囲気は感じていました(実際に入ってみると。同期だけでも本当に色々な人がいますし、グロービスでの出会いから様々な業界の人とのつながりが自然とできていくように思います)。

人との出会いを通じた「クラス外で受けられる刺激」にも期待していた私としては、多様な経験を持ち、それぞれに目的意識も異なる仲間と直接会って多くの時間を共有できる環境にはこだわっていて、最終的にグロービス名古屋校への通学という形でのMBA取得を決心しました。

■グロービスでの学びを通じて得られたもの

実際にグロービスに通い始めて2年半が経過しましたが、自分の中で一番大きく変わってきたのは「自分自身の意識」ではないかと思っています。体系的な経営知識を学ぶことで、例えば自社の中期計画がどのような意図で書かれているか、経営者の言葉の裏にどういった課題認識がありそうか、といった事を想像できるようになるのですが、そこから更に自分が自社のパフォーマンスを向上させるために何をどうしていきたいか、といった所を考えるようになりました。自社をより良い状態に変えていく事に対するオーナーシップ(それを自分事と捉える意識)が凄く強くなったと思います。

また、自らが職場の同僚や後輩にとってのロールモデルとなる姿を見せていこうという意識も強くなりました。現在はグローバル人材育成の担当をしているのですが、例えば、人材育成を担当する人間が自らの自己開発のための努力を全くしていなかったとしたら、その人の言葉には何の説得力もないと思います。私は自社のグローバルリーダーの育成を担当する立場で、現在は世界各地での社内研修の講師も務めているので、自分自身の日頃の姿勢と自らが発する言葉がきちんと整合しているかどうかという点はとても意識するようになりました。

学びについては、もちろん2年半の間に多くの知識を獲得することができたのですが、同時にまだまだ更に多くのことを学んでいかなければならないと思い知ったというのが正直な感想です。これについては、南アフリカ共和国の大統領だったネルソン・マンデラ氏の有名な言葉にあるように、「大きな山に登ってみると、人はただ、更に登るべきたくさんの山があることを見出す」という心境です。

■学びという冒険の旅

私は、グロービスでの学びは冒険旅行に似ているなぁと思っています。これまでに約50カ国を訪れましたが、旅の本質は新しい景色に出会うことよりも、むしろ新しい視野、新しい目を獲得することだと感じています。

グロービスの学びもこれと同じで、もちろん各回のクラスからの学びはそれぞれにあるのですが、通学して半年、1年、2年と経ってくる中で、自分の中で景色の見え方が大きく変わってきたのを実感しています。ビジネスに対する見方、社会に対する見方、政治や国際関係に対する見方、そして職場の上司・同僚・後輩といった「ヒト」に対する見方も以前とは大きく変わってきましたし、こうした様々な事柄について深く考えることが多くなったと思います。

冒険には発見が付き物で、新しい視野の獲得に伴って自分自身の新しい思考を発見するような感じですね。私はわりとポジティブな性格なので、自分の将来についてもポジティブな予感を勝手に抱いているのですが(笑)、今後もこれまで以上に、自らの予想を遥かに超えた未来が訪れると良いなぁと思っています。人生とは未知の自分への挑戦であり、これからも引き続き、冒険と発見の旅路を楽しみたいと思っています。

■最後に

自分は常に「ありたい自分像」のイメージを持って、ありたい姿と現状のギャップを埋めるために自分が必要だと思うことをやってきたと思っています。逆に言うと、「どういう自分になりたいか」さえイメージできていれば、そこから先は意外と楽しみながらできてしまう気がします。

グロービスのMBAは、体系的な経営知識を得るだけでなく、「どういう自分になりたいか」を深く考える機会でもあり、また様々な刺激や影響を受ける仲間との出会いの場でもあります。かなりハードな冒険ではありますが(笑)、一歩踏み出せば新しい視野を獲得できる素晴らしい旅先だと思っています。