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【卒業後~MBAを終えて~】20代のうちに多くの経営疑似体験を積むことで、得られた成長

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【名前】秋山 直紀

【勤務先】L I N E株式会社

【入学年】2012年

<自己紹介>

L I N E株式会社 マーケティングソリューションカンパニー BBビジネスポリシー室 室長。2006年に新卒で株式会社リクルート H Rマーケティング東海(現リクルートジョブズ)に入社し、営業・代理店渉外・審査を担当。2016年にL I N E株式会社に中途入社し、広告審査・考査に従事し、2019年より現職。グロービス経営大学院2012年入学、2015年修了。

■より成長できる環境を求めて、受講をスタート

新卒入社時、私が企業に求めていたことは、自分が大きく成長できる環境があることでした。しかし、今考えると、当時の自分は「成長」という言葉が何を指しているのかさえ、よく分かっていなかったと思います。ただ漠然と、リクルートグループに入社すれば、どこでも生きていける力が身に付くだろうと考えていました。

そんな私が初めてグロービスを知ったのは、入社6年が過ぎた頃、自分より2つ下の後輩と話をした時でした。単科生として受講していた彼は、当時福岡から大阪校まで通学しており(当時はまだ福岡校の設立前であったため)、非常に意識高く頑張っていました。彼の話を聞いた私は、「自分は何も努力していない。新卒入社の際に大きく成長できる環境を選んだはずが、仕事に慣れ、こなすだけになっている」と気づきました。リクルートという世界、求人広告という世界でしか世の中を知らないことに焦りを感じた私は、2011年にグロービスの門戸を叩き、単科生として受講を開始しました。


そして、学びを進めるにつれて、仕事上、経営者の方と相対することが多いにも関わらず、経営のことを全く理解せずにこれまで仕事をしてきたことに気づきました。体系的に経営を学ぶことで、相対する経営者の方とも同じ土俵に立って話ができるようになり、その結果、自分自身の「成長」にもつながっていくことを確信した私は、大学院の入学を決めました。

■一社しか知らない自分へのもどかしさを感じ、新しいキャリアに挑戦

前述の通り、新卒での就職活動では漠然と「成長できる環境」を求めて、リクルートを選択しました。そのリクルートに在籍中にさらなる成長を求めてグロービスで学び始め、卒業後もリクルートで仕事を続けていました。しかし、徐々にもどかしい気持ちが募っていました。そのもどかしい気持ちは、「新卒で入社した業界や企業のことしか知らないこと」や「自分の市場価値にもっと自信を持ちたいという気持ち」から来るものでした。

成長をキーワードにリクルートを選び、さらなる成長を求めてグロービスで学びました。リクルートでも本当に様々なことを経験し、たくさん成長させてもらいました。しかし、「自分は本当に成長しているのか?このままでいいのか?自分を試したい」という気持ちが、日を増すごとに強くなりました。「『リクルートでの学び」と『グロービスでの学び」があれば、どんな状況になってもやっていける」「一度、自分の市場価値を客観的に確認したい」「挑戦しなかったという後悔だけはしたくない」このような思いから、新しいフィールドに一歩踏み出すことを決めました。結果として、ベンチャーからメガベンチャーに進化し始めていたLINE(広告事業としては、運用型広告の参入タイミング)にご縁があり、キャリアチェンジすることとなりました。

■「情」と「理」の両面で徹底的に思考を巡らす

グロービスを卒業して数年が経ちましたが、学びを実践していく中で、自身の「思考の巡らせ方」が変わったと強く感じています。

私は昔から、感覚で物事を判断することが多い人間でした。そのため、自身の感覚や価値観と近い人と仕事をする場合は、スピード感を持って仕事を進められたのですが、そうではない場合は、うまく進められないこともありました。当時を振り返ると、「相手が何を求めているのか」「どのような状況にあるのか」といった点を全く気に留めず、ただ自分の考えを主張していただけのように思います。

そういった思考を持っていた私が、グロービスでの学びを経て、今仕事をする上で大切にしていることがあります。それは、「ビジネスは『ヒトとヒト』が創り出すということを忘れない」ということです。もちろん、MBAで学んだ経営的な分析は絶対に必要です。ただ、仕事を進めるのは「ヒト」であり、「ヒト」である以上、「感情」が伴います。そのため、論破するのではなく、相手の今ある立場や状況を理解し、相手が納得できるような「根拠」をしっかりと準備すること、そしてできる限りお互いに気持ちよく仕事を進められるようにすることを大切にしています。

グロービス在学中は、毎週ケースを読み込み、経営の擬似体験・意思決定を繰り返します。クラス中、自分の考えと対立する意見が出ることも日常茶飯事でした。しかし今思い返すと、最善解を導き出すために仲間と議論をしたことは、「ビジネスは『ヒトとヒト』が創り出す」ということの実践に他ならなかったように思います。意見が対立する時であっても、「根拠がある」と自信を持って言えるようになるために、思考の訓練を繰り返しました。そして、議論中に自分と異なる考えがあっても、それに耳を傾け、相手の文脈に合わせて議論を方向付けていくことを意識しました。この経験が、相手の立場で考えることを大切にする現在の自身の心構えに繋がったと思います。

現在の私の業務は、世の中の動向や法律などを鑑みながら、ビジネスポリシーを決めて運用することです。つまり、事業における「守る側」の役割であり、ポリシーに反する場合は、売上・利益の拡大に繋がる活動であってもそれを止める意思決定が必要になります。そのため、「攻める側」の役割であるSales組織と対立することもあります。そのような状況であっても、企業として本当に大切にすべきことをロジカルに考えつつ、相反する立場の人たちであっても納得できる解を、丁寧に議論しながら考えていきます。そこまで考え抜いた結論は、最終的に役員の承認を得る際にも揉めることは少なく、大きな修正なく進むことが多いです。グロービスで「情」と「理」の両面で思考を巡らす鍛錬を重ねたことが、現在の業務の成果に活きていると感じています。

■「仲間」という人生の大きな財産

また、グロービスでの生活を振り返ると、同期の存在は非常に大きかったです。同期とは少なくとも2年間、同じ時間を過ごします。グロービスの仲間は、単に共に学んだ同窓生というだけに留まりません。クラスの課題に苦しみ、ファミレスで深夜まで議論することもありました。そして、お互いの「志」を恥ずかしがらずにとことん語り合うこともありました。そういった同じ釜の飯を食う経験を通じて、卒業後も繋がり続けたいと思える仲間になりました。年齢も仕事も全く異なるからこそ、何か困った時や悩んだ時に利害関係なく相談できる大切な仲間。この存在こそが、自分の人生において大きな財産となっています。

■最後に

グロービスでの学びは、ただ漠然と「成長したい」と思っていた20代の若造だった私の背中を押してくれました。背中を押された結果、本当のビジネスマンとしてのスタートラインに立つことができたと思います。学んだ知識・能力が投資に見合うのか。それは自分自身の行動が決めることであり、行動しないと宝の持ち腐れになります。経営に携わる方はもちろんのこと、そうでない方であっても、MBAの学びを愚直に実践していけば、どのような部署・職務になっても結果を残し、大きく成長し続けられると思います。

また、本ブログを執筆する機会を通じて、卒業後の自身を振り返り、充実した日々を送れていることを再認識できました。一方で、卒業時に決めた『地方創生』という志の実現には、まだまだ道半ばということにも気づけました。本当の意味で学びの実践とは、自身の「志」を実現することだと思います。そのためにも、今後も学びを止めず、成長し続け、行動に移していきたいと思います。

最後になりますが、グロービスにチャレンジすることを迷われている方にとって、このブログが少しでも参考になりましたら幸いです。